ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了。Wattレーベル、Works、:rarumシリーズは言及する予定なないです。

1394


...And She Answered:/AM4(ECM 1394) - Recorded April 1989. Wolfgang Puschnig(As, Afl, Hojak, Shakuhachi), Linda Sharrock(Vo), Uli Scherer(P, Prepared P, Key) - 1. Streets And Rivers 2. And She Answered: "When You Return To Me, I Will Open Quick The Cage Door, I Will Let The Red Bird Flee." 3. Lonely Woman 4. Mi-La 5. Bhagavad 6. Over The Rainbow 7. Far Horizon 8. The Sadness Of Yuki 9. Oh! 10. One T'une


邦題「ロンリー・ウーマン」。リンダ・シャーロックがヴォーカル(ヴォイス)で参加。個人的には、3曲目のヴォイス入りで不思議なフリー感覚に包まれるオーネット・コールマンの曲と 、6曲目の尺八も出てくる「虹の彼方に」が何だか変で好み。他の曲は参加者のインプロヴィゼーションらしいです。哀愁のあるキーボードとサックスのサウンドをバックに語りかけのある1曲目、スペイシーな中にホーンの自由な咆哮が聴こえる2曲目、3人の淡々とした語り合いが続く4曲目、自由な中にも抑制と統制の効いたメロディがある5曲目、ヴォイスとホーンが静かな中で歌いかける7曲目、尺八とピアノで東洋的に語られる8曲目、効果音をバックに囁き、後半にホーンが入る9曲目、(電子)ピアノのまるで水琴窟のような世界のある10曲目。

1393


Cantilena/First House(ECM 1393) - Recorded March 1989. - Ken Stubbs(As), Django Bates(P, Ts), Mick Hutton(B), Martin France(Ds) - 1. Cantilena 2. Underfelt 3. Dimple 4. Sweet Williams 5. Low-Down (Toytown) 6. Hollyhocks 7. Madeleine After Prayer 8. Shining Brightly 9. Jay-Tee 10. Pablo


全10曲中ジャンゴ・ベイツの作曲は5曲、Ken Stubbsは4曲。比較的美しいヨーロピアン・ジャズのような曲も、プログレッシヴ・ロックのような曲もあって、さまざま。美しいメロディのバラードで映画音楽のような、タイトル曲の1曲目、やはりゆっくりとしていて不思議なメロディが流れる2曲目、アップテンポの4ビートながらウェザー・リポート的なスリルのある3曲目、流れていくようなメロディが印象的な4曲目、プログレッシヴ・ロックの味付けのある変拍子ジャズの5曲目、やはりウェザー・リポート的な雰囲気のアップテンポの6曲目、これのみ他者作曲のしっとりしたバラードの7曲目、やはりバラードのワルツの8曲目、アップテンポの場面が多いドラマチックなジャズしている9曲目、幻想的なピアノとサックスのデュオの10曲目。

1392


Changeless/Keith Jarrett(P)(ECM 1392) - Recorded October 1987. Gary Peacock(B), Jack DeJohnette(Ds) - 1. Dancing 2. Endless 3. Lifeline 4. Ecstacy


スタンダーズ・トリオによる、オリジナル(というよりもインプロヴィゼーション集?)のライヴ盤。録音日と場所は曲によって違うので、スタンダードに混ざって演奏されたものでしょうか。必然的にコード一発の演奏が多いですが、聴き応えはあります。まさにジャケットのような「書」の世界。1曲目は一定のリズムとマイナーのワン・コードですが、単調にはならず哀愁と不思議なグルーヴ感を出しています。2曲目は15分代の大曲で、いくぶんしっとりとしていて、淡々と進行していく曲。なぜか雪の降る日本のモノクロの風景が浮かんでは消えました。3曲目はこれまた淡々としていますが、情念がかげろうのようにゆらめいています。4曲目は空間から発せられる比較的静かな音の列と、やはり水墨画のような風景。(01年3月28日発売)

1391


Johann Sebastian Bach/Elliott Carter/Thomas Demenga(Cello)(ECM New Series 1391)(輸入盤) - Recorded October 1988 and April 1989. Philippe Racine(Fl), Ernesto Molinari(Cl), Hansheinz Schneeberger(Vln), Paul Cleemann(P), Gerhard Huber(Per), Jurg Wyttenbach(Cond) - Johann Sebastian Bach/Suite Nr.3 In C-Dur Fur Violoncell Solo (BWV 1009) 1. Prelude 2. Allemande 3. Courante 4. Sarabande 5. Bourree 1 & 2 6. Gigue Ellioto Carter 7. Esprit Rude, Esprit Doux For Flute And Clarinet 8. Enchanted Preludes For Flute And Violoncello 9. Riconoscenza Per Goffredo Petrassi For Solo Violin 10. Triple Duo


(03/07/13)前半がThomas Demengaのチェロのソロでバッハの曲。やはりバッハだけあって、安心して聴ける雰囲気があります。後半はElliott Carterの曲で、こちらは20世紀現代音楽家。こちらは曲によって演奏するメンバーが違っていて、Thomas Demengaの参加は8、10曲目。いかにも現代音楽というメロディというよりは音の連なりに近い複雑精緻なサウンド。ECMではこういう異質な取り合わせで録音するのが得意なようです。

1390


John Abercrombie(G, G Synth), Marc Johnson(B), Peter Erskine(Ds)(ECM 1390) - Recorded April 1988. - 1. Furs On Ice 2. Stella By Starlight 3. Alice In Wonderland 4. Beautiful Love 5. Innerplay 6. Light Beam 7. Drum Solo 8. Four On One 9. Samurai Hee-Haw 10. Haunted Heart


邦題は「ライヴ・イン・ボストン」。4曲がスタンダードで、残りは各メンバーによる作曲。なぜか4ビートの曲が目立ちます。ギターもいつもの柔らかい音色からハードな感じまで幅広い。ギター・シンセサイザーでキーボードのような音のテーマでややハードに攻めて行くソロの1曲目、一転ソフトな感触のスタンダードになりつつ自由なフレーズが舞う2曲目、意外な選曲で優しく語りかける3曲目、哀愁漂うスタンダードの4曲目、スペイシーなフリー・インプロヴィゼーションの5曲目、フレーズはソフトではないが叙情性と静けさを感じる6曲目、文字通りドラムソロの7曲目、シャープに斬り込んでいくギターが印象的な8曲目、マーク・ジョンソン作の有名な曲を再演している9曲目、メロディアスで優しいスタンダードでラストを飾る10曲目。

1389


Undisonus Ineo/Terje Rypdal(ECM 1389)(輸入盤) - Recorded September 1986 and November 1987. Terje Tonnesen(Vln), Royal Philharmonic Orchestra, London, Christian Eggen(Cond), Glex Vocalis, The Rainbow Orchestra - 1. Undisonus Op.23 For Violin And orchestra 2. Ineo Op.29 For Choir And Chamber Orchestra


(03/12/24)テリエ・リピダルの本格的クラシック・オーケストラ作品。作曲者に徹しているようで、ギターの演奏はここでは出てきません。ジャケット写真に表されるように、ほの暗い北欧の雰囲気が漂いつつも、決してジャズ・ギタリストの余技ではない、素晴らしい作曲技術が出ていると思います。1曲目はヴァイオリンとオーケストラの曲。時おり地の底から湧いてくるようなサウンドと、やはり寒色系のオーケストラで、後半にやや盛り上がりをみせる部分があります。2曲目は合唱団が前面に出ています。こちらも地を這うようなサウンドから浮かび上がる合唱のほのかな光、という構図で、荘厳な教会音楽のように響いてくる部分もあります。ゆったりと、ゆったりと。ジャズ度はないので、聴く人を選ぶアルバムか。

1388


City Of Eyes/Ralph Towner(G, P, Synth)(ECM 1388) - Recorded November 1988. Markus Stockhousen(Tp, Piccolo Tp, Flh), Paul MacCandless(Oboe, English Horn), Gary Peacock(B), Jerry Granelli(Ds, Electric Ds) - 1. Jamaica Stopover 2. Cascades 3. Les Douzilles 4. City Of Eyes 5. Sipping The Past 6. Far Cry 7. Janet 8. Sustained Release 9. Tundra 10. Blue Gown


ソロ(4曲)、デュオ(1曲)、トリオ(2曲)、クインテット(3曲)と様々な編成の演奏。全曲ラルフ・タウナーの作曲。曲によって現代音楽的だったり、いつものようなソロギターだったり、様々な表情。ソロのスマートなレゲエ風の1曲目、異国風かつ今風のサウンドがたたみかけてくるような2曲目、ベースとのデュオで少し躍動感のある綾織系統の中間色サウンドの3曲目、自由かつスペイシーでサウンドの感触だけで勝負しているようなタイトル曲の4曲目、ソロで明るい感触のメロディの5曲目、ピアノがしっとりした色をもたらす6曲目、ソロで明るいクラシックのような7曲目、ちょっとマイナー系でエスニックな香りも出てくる8曲目、陰影のあるやや硬派なサウンドが取り巻いている9曲目、ギターの多重録音でメロディアスな10曲目。

1387


Danca Dos Escravos/Egberto Gismonti(G)(ECM 1387) - Recorded November 1988. - 1. 2 Violoes(Vermelho) 2. Lundu(Azul) 3. Trenzinho Do Caipira(Verde) 4. Alegrinho(Amarelo) 5. Danca Dos Escravos(Preto) 6. Salvador(Branco) 7. Memoria E Fado(Marrom)


全7曲中、6曲はエグベルト・ジスモンチの作曲。彼は全編ギターで通しています(多重録音もあり)。6弦だけでなく、10弦、12弦、14弦と、 多弦ギターも使用しているそう。曲ごとに色も表記。フレーズが速めの割には淡さ加減が多い気がする、アルペジオが続くフレーズに浮かび上がるメロディが印象的な1曲目(朱色)、速いアルペジオの積み上げでサウンドが組み立てられていく2曲目(青)、エイトル・ヴィラ=ロボス作だけれども彼の作品のような哀愁と浮遊感のある3曲目(緑)、躍動感のあるアルペジオ兼メロディが印象に残る4曲目(黄)、15分もの大作でドラマチックな進行を持つ、タイトル曲でもある5曲目(黒)、エネルギッシュなコードを多用される盛り上がる6曲目(白)、メロディとしっとりとした表情がいい7曲目(茶色)。

1386


Chartres/Paul Giger(Vln)(ECM New Series 1386)(輸入盤) - Recorded At Summer Solstice 1988. - 1. Crypt 1+2 2. Crypt 3 3. Labyrinth 4. Crossing 5. Holy Center


(03/11/19)ヴァイオリン・ソロでの録音。フランスの教会の地下室や大聖堂の高いところ(?)での録音で、音響を確かめるための実験音楽なのか、ジャズに例えればフリー・インプロヴィゼーションのようなものなのか不明です。一部にヴァイオリンの表面を叩く音のようなものや、フレーズに前衛的な表現の部分(5曲目は何と持続音のみ!)もありますが、しっとりとメロディを奏でていく場面、テクニックを駆使していく場面も多いです。

1385


Perotin/The Hilliard Ensemble(ECM New Series 1385)(輸入盤) - Recorded September 1988. David James(Countertenor), John Potter(Tenor), Rogers Covey-Crump(Tenor), Mark Padmore(Tenor), Charles Daniels(Tenor), Gordon Jones(Baritone), Paul Hillier(Baritone) - 1. Viderunt Omnes 2. Veni Creator Spiritus 3. Alleluia Posui Adiutorium 4. O Maria Virginei 5. Dum Sigillum 6. Isaias Cecinit 7. Alleluia Nativitas 8. Beata Viscera 9. Sederunt Principes


(03/11/19)Perotinは13世紀の作曲家で、ポリフォニー(多声音楽)の確立の時期にいた一人だとされています。エコーが深く効いていて教会音楽らしく荘厳な雰囲気があります。やや明るめな曲も神秘性を感じます。アルバムの9曲中3曲は作者不詳(2、4、6曲目)。曲によって2声から7声までさまざまな構成。曲によっては下の方の持続音の上を舞い飛ぶメロディが印象的。当時からサウンド的には豊穣だったことを実感します。

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