ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了し、’17年のところに番号順になるようにアップしています。

1308


The Epidemics/Shankar(Vo, Vln, Synth, Ds Machine), Caroline(Vo, Synth, Tamboura)(ECM 1308)(輸入盤) - Recorded February, 1985. Steve Vai(G), Gilbert Kaufman(Synth), Percy Jones(B) - 1. Never Take No For An Answer 2. What Would I Do Without You 3. Situations 4. You Don't Love Me Anymore 5. You Can Be Anything 6. No Cure 7. Don't I Know You 8. Give An Inch 9. Full Moon


(03/07/24)全曲シャンカールの、あるいはCarolineとの合作。象のジャケットからインド音楽を想像したのですが、ギターにSteve Vai、ペースにPercy Jonesのクレジット。あれれ?と思ったら、やっぱり全曲ヴォーカル入りのロック、ポップスのアルバムになっています。ポップス的なノリのものからロックとしてある程度ハードなサウンドのものまで、いろいろですが、けっこう売れセンねらいと思えるようなミーハーな曲調。シャンカールのインド色は全然なく、歌詞も全曲英語です。ドラムスはドラム・マシーンによる打ち込み。個人的にはギターとフレットレス・ベースも、そしてエレクトリック・ヴァイオリンも骨があって 、気楽に聴ける中にもけっこう聴きどころがあります。よくECMから出せたなあ、と思うポップなアルバム。

1307


Erendira/First House(ECM 1307)(輸入盤) - Recorded July 1985. Ken Stubbs(As, Ss), Django Bates(P), Mick Hutton(B), Martin France(Ds, Per) - 1. A Day Away 2. Innocent Erendira 3. The Journeyers To The East 4. Bracondale 5. Grammenos 6. Stranger Than Paradise 7. Bridge Call 8. Doubt/Further Away


(99/06/06)奇数曲目は乾いているいわゆるECM風ジャズという印象で、フリーインプロビゼーションよりは手前の演奏なので心地よいアルバム。静かにはじまってだんだん盛り上がっていく1曲目は、時々あるリズムのキメも含め心地よい。3曲目はいわゆる自由度が高いアップテンポなジャズながら、テーマは複雑。5曲目はけっこう緊張感が高く、ドラマチック。7曲目のゆったりとした盛り上がりもなかなか捨てがたい。美しいメロディの2曲目をはじめ偶数番目の曲は小品ながら 良い曲が多い。こちらはジャズというよりはインプロヴィゼーションに近い。ケン・スタッブスとジャンゴ・ベイツがほとんどの曲を書いています。特にジャンゴ・ベイツは当時からそのピアノのフレーズなどに才気を感じさせます。

1306


Slide Show/Ralph Towner(G)/Gary Burton(Vib, Marimba)(ECM 1306) - Recorded May 1985. - 1. Maelstrom 2. Vessel 3. Around The Band 4. Blue In Green 5. Beneath An Evening Sky 6. The Donkey Jamboree 7. Continental Breakfast 8. Charlotte's Tangle 9. Innocenti


約10年ぶりのデュオによるアルバム。といっても、ほぼ全曲ラルフ・タウナーの曲(4曲目以外)なので、実質彼の作品 かも。アコースティック・ギターとヴァイブラホンなので、渋く、しかもただ者ではない世界。まさに邦題タイトルの「大渦巻」のような、緩急自在で緊張感のある深い世界が広がっている1曲目、淡彩色のメロディだけれどもブルースヴィーリングもある2曲目、2人の急速なフレーズと曲の明るさが心地良い3曲目、唯一他人の作でしっとりとしたバラードの4曲目、夜の切ない叙情感を表わすような静かな5曲目、アメリカ的な明るいサウンドが心地良く響く6曲目、急速調でやや浮遊感を交えつつスリリングな7曲目、薄いベールに覆われた哀愁が顔をのぞかせる8曲目、マリンバでやはりこれも哀愁満点の雰囲気の9曲目。

1304


Edition Lockenhaus Vol.1 & 2/Gidon Kremer(ECM New Series 1304/05)(輸入盤) - Recorded 1981 - 1984. - (CD1) Vol.1 Caser Frank: Alexandre Rabinovitch(P), Lukas hagen(Vln), Krista Bennion(Vln), Tabea Zimmermann(Viola), Clemens Hagen(Cello) 1-3. Quintett Fur Piano Und Streichquartett F-moll Andre Caplet: Ursula Holliger(Harp), Michael Schnitzer(Vln), Daniel Phillips(Vln), Gerald Causse(Viola), Ko Iwasaki(Cello) 4. Conte Fantastique D'apres Une Des Histories Extraordinaires D'Edgar Allan Poe: "Le Masque De La Mort Rouge" Francis Poulenc: Christine Whittlesey(Soprano), Rovert Levin(P) 4-5. Zwei Lieder Aus Fiancailles Pour Rire (CD2) Vol.2 Leos Janacek: Hagen Quartett, Lukas hagen(Vlin), Annette Bik(Vln), Veronika Hagen(Viola), Clemens Hagen(Cello) 1-4. Streichquartett Nr.1 Igor Strawinsky: Gidon Kremer(Vln), Eduard Brunner(Cl), Aloys Kontarsky(P) 5. Tango-Valse-Ragtime And L'histoire Du Soldat Igor Stravinsky: Kammerochester Der Jungen Deutschen Phiharmonie, Heinz Holliger(Cond) 6. Concerto En Re Dimitri Schostakowitsch: Irega Grafenauer(Fl), Eduard Brunner(Cl), Oleg Maisenberg(P) 7-8. Zwei Walzer Fur Flote, Klarinette Und Klavier Dimitri Schostakowitsch: Lukas hagen(Vln), Thomas Zehemair(Vln), Annette Bik(Vln), Daniel Phillips(Vln), Veronika hagen(Viola), Hatto Beyerle(Viola), Clemens Hagen(Cello), Markus Stocker(Cello) 9-10. Zwei Stucke Fur Streichoktett Op.11


(03/10/26)’81年から’84年にかけてのオーストリアでのLockenhaus Festivalの録音で、19世紀から20世紀の作曲家の演奏を、全部で8種類の編成で録音されています。曲の方向性もさまざま。比較的小編成の演奏のみならず2枚目6曲目はオーケストラも入っているので、良い演奏を形にこだわらずまとめたのかもしれません。タイトルどおり、フェスティバルの実況録音の編集盤としての位置付けが高いのでは、と思わせます。

(’11年7月 ECM New Series 2190-94にてBOXものとして再発)

1303


Chaser/Terje Rypdal(G, Key)(ECM 1303)(輸入盤) - Recorded May 1985. Audun Kleive(Ds, Per), Bjorn Kjellemyr(B) - 1. Ambiguity 2. Once Upon A Time 3. Geysir 4. A Closer Lock 5. Ornen 6. Chaser 7. Transition 8. Imagi (Theme)


(03/07/12)3曲目がフリーインプロヴィゼーションの他はテリエ・リピダルのオリジナル。ギター・トリオのフォーマットではあるのだけれど、1曲目を聴いたら、をををっ、これはギンギンのロックですなあ。ギターもあわやメタル系かという音。発散します。2曲目ではベースがアコースティックになり、内省的なメロディを奏でます。3者が対峙してインプロヴィゼーションの音のせめぎ合いで丁々発止の勝負をかける3曲目、叙情的な哀愁を感じるスペイシーな4曲目、ゆったりとしたカントリー風味のような、それでいてギターも切れ込む5曲目、再びロック的なアプローチでせまってくるタイトル曲の6曲目、厳かな雰囲気の小品の7曲目、かなりスペーシーで、明確な旋律が目立たないフリー・インプロヴィゼーションのような8曲目。

1302


Spheres/Keith Jarrett(Org)(ECM 1302) - Recorded September 1976. - 1. Spheres(1st Movement) 2. Spheres(4th Movement) 3. Spheres(7th Movement) 4. Spheres(9th Movement)


邦題「賛歌」。ECM 1086/87の2枚組LPのセレクト。あらゆる事にチャレンジするキース・ジャレットが、オルガン(ハモンド・オルガンではなく、パイプ・オルガン)のアルバムを残しました。 ある修道院にある18世紀製作のバロック・オルガンを使用とのこと。ピアノのインプロヴィゼーションをオルガンに置き換えて、その響きをコントロールしているのは画期的かも。音の厚みが持続 していき、そこに非常にゆったりとしたドラマが生まれてきます。ジャンルとしてはクラシックや現代音楽に近いものを感じますが、それもフリー・インプロヴィゼーションで、進んでいく物語に荘厳な、あるいは神聖なものを感じます。4曲共に微妙にサウンドカラーが異なり、その音の流れに身を任せて聴いていくのもいいかも。できれば全曲収録を。

(注)’12年12月に、ECM 1086/87として完全版のCDが発売されました。

1299


Bass Desires/Marc Johnson(B)(ECM 1299) - Recorded May 2, 1985. Bill Frisell(G), John Scofield(G), Peter Erskine(Ds) - 1. Samurai Hee-Haw 2. Resolution 3. Black Is The Color Of My True Love's Hair 4. Bass Desires 5. A Wishing Doll 6. Mojo Highway 7. Thanks Again


今ならこんな大物4人が揃わないだろうなと思いつつ。個性派ギター2人がいるところがミソ。 ビル・フリゼールがストリングス的役割もするのでサウンドが厚めに。マーク・ジョンソン作の日本的旋律の1曲目でそのギターのやり取りを聴くことができます。ジョンコルトレーン作の「至上の愛」の一部を演奏していて(10分超)、この編成ならではでスゴい2曲目、トラディショナルを静かに美しく、そしてうら悲しく奏でていく3曲目、ピーター・アースキン作の思いっきり浮遊感のあるテーマと中間部や他のパートとの対比が面白いタイトル曲の4曲目、しっとり系のスタンダードのバラードの5曲目、ジョンソン作のファンク的な曲で静かな場面からドラマチックに展開していく6曲目、ジョン・スコフィールド作のスローなバラードの7曲目。

1298


Azimuth '85(ECM 1298)(輸入盤) - Recorded March 1985. John Taylor(P, Org), Norma Winstone(Vo), Kenny Wheeler(Tp, Flh) - 1. Adios Lony 2. Dream/Lost Song 3. Who Are You? 4. Breathtaking 5. Potion 1 6. February Daze 7. Til Bakeblikk 8. Potion 2


(03/05/29)3曲目のみケニー・ホイーラー作で、他はジョン・テイラー作曲、ノーマ・ウインストン作詞。変わった編成ですが、このメンバーならではの冷たさがあります。ゆったりとした複雑な色合いの厚みのあるサウンドからはじまり素早いパッセージが展開していく1曲目、しっとりと、そして切々と語りかけてくるような淡いサウンドの2曲目、ホーンとヴォーカルのさりげない絡みが印象的な3曲目、色彩感を徐々に変えながら浮遊感のあるメロディでせまってくる4曲目、叙情的な風景が目の前に広がる小品の5曲目、繊細な、それでいて鋭いフレーズがまさに冬の温度感を伝える6曲目、やはり寒色系ながらソロ・ピアノから徐々に3者で盛り上がっていく7曲目、ゆるやかなソロ・ピアノでエンディングを迎える8曲目。

1297


Septet-Music For String Quartet, Piano, Flute and French Horn/Chick Corea(P)(ECM 1297) - Recorded October 1984. Ida Kavafian(Vln), Theodore Arm(Vln), Steve Tenenborn(Viola), Fred Sherry(Cello), Steve Kujala(Fl), Pater Gordon(French Horn) - 1. 1st Movement 2. 2nd Movement 3. 3rd Movement 4. 4th Movement 5. 5th Movement 6. The Temple Of Isfahan


邦題は「七重奏曲」。全て書かれた譜面による曲らしい。弦楽四重奏団、ピアノ、フルート、フレンチホルンによる編成で、ジャズ色は全然な し。私はクラシックの素養はない ですが、それなりに面白いアルバムだったとは思います。とうとうこんなことまでやるようになったか。ただ、現代音楽っぽい感じはしていても、フレーズ的にはチック・コリアの繰り出すようなフレーズが随所にあって、心地良い緊張感と、哀愁の漂うようなフレーズ、時に無機的な感じもするメロディ、逆にメロディアスな部分もある、などが特徴です。1-5曲目までは一連の曲としてとらえられる統一感はあります。温度感はやはり低い。6曲目はアル・ディ・メオラのために作曲したものをアレンジし直したとのこと。こちらは哀愁、スパニッシュ色が強めの部分も。

1296


I Only Have Eyes For You/Lester Bowie's(Tp) Brass Fantasy(ECM 1296)(輸入盤) - Recorded February 1985. Stanton Davis(Tp, Flh), Malachi Thompson(Tp), Bruce Purse(Tp, Craig Harris(Tb), Steve Turre(Tb), Vincent Chancey(French Horn), Bob Stewart(Tuba), Phillip Wilson(Ds) - 1. I Only Have Eyes For You 2. Think 3. Lament 4. Coming Back, Jamaica 5. Nonet 6. When The Spirit Returns


レスター・ボウイ作が4、6曲目で、1曲目を除き、他の曲はメンバーの作曲。ブラスセクションとドラムというブラスバンドの編成で奏でる、まとまりがあってちょっとアヴァンギャルトなサウンド。1曲目はアート・ガーファンクルの歌でも有名なタイトル曲の「瞳は君ゆえに」。なかなか面白い10分間の世界ですが、ECMとしてはアレンジがおとなしいような気もしてちょっと異色かも。セレモニーのようなアンサンブルの小品の2曲目、やや混沌とした静かな状態からはじまり、ゆったりとやや妖しげに展開していく13分台の3曲目、ホーン・アンサンブルによる明るいレゲエ・サウンドの4曲目、作曲者のチューバが活躍する、タイトルのように「ノネット」でドラマチックに進んでいく14分台の5曲目、スローで明るい世界を演出している6曲目。

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