ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了。Wattレーベル、Works、:rarumシリーズは言及する予定なないです。

2494

Bells For The South Side/Roscoe Mitchell(Sopranino, Ss, As, Bass Sax, Fl, Piccolo, Bass Recorded, Per)(ECM 2494/95)(輸入盤) - Recorded September 2015. James Fei(Sopranino, As, Contra-alto Cl, Electronics), William Winant(Per, Tubular Bells, Glockenspiel, Vib, Marimba, Roto Toms, Cymbals, Bass Drum, Woodblocks, Timpani),   Hugh Ragin(Tp, Piccolo Tp), Tyshawn Sorey(Tb, P, Ds, Per),   Craig Taborn(P, Org, Electronics), Kikanju Baku(Ds, Per),   Jaribu Shahid(B, Bass Guitar, Per), Tani Tabbal(Ds, Per) - 1. Spatial Aspects Of The Sound 2. Panoply 3. Prelude To A Rose 4. Dancing In The Canyon 5. EP 7849   6. Bells For The South Side 7. Prelude To The Card Game, Cards For Drums, And The Final Hand 8. The Last Chord 9. Six Songs And Two Woodblocks 10. R509A Twenty B 11. Red Moon In The Sky/Odwalla

(17/07/04)全曲ロスコー・ミッチェルのオリジナルで、スティーヴ・レイクのプロデュース。ミュージシャンは上記の記載順に2人ずつ、4つのトリオでの演奏になっているのですが、クレジットにははっきりとは書いておらず、演奏楽器から推測するしかない、と思う部分も。構築されている部分もあるけれど、基本はシカゴ派のフリーなので、けっこうハードです。聴く人を選ぶけれど、フリー方面が好きだと、ドシャメシャなフリーの部分もあるけれど、静かな部分も味わいがあり、深いところをいっているし、物語性を感じる部分はあると思います。収録時間が長くなったのも、聴いているとけっこう意味のあることだと思います。レーベルの中でも聴く人を選ぶアルバムですが、この世界を少し垣間見てもいいかも。ラストは普通の曲です。

2490

As It Was/Peter Erskine(Ds) Trio(ECM 2490-93)(輸入盤) - John Taylor(P), Palle Danielsson(B) - You Never Know(ECM 1497) - Recorded July 1992. J - 1. New Old Age 2. Clapperclowe 3. On The Lake 4. Amber Waves 5. She Never Has A Window 6. Evans Above 7. Pure & Simple 8. Heart Game 9. Everything I Love - Time Being(ECM 1532) - Recorded November 1993. - 1. Terraces 2. For The Time Being 3. If Only I Had Known 4. Evansong 5. Page 172 6. Liten Visa Till Karin 7. Bulgaria 8. Ambleside 9. Phrase One 10. Palle's Headache 11. Pieds-en-L'air - As It Is(ECM 1594) - Recorded September 1995. - 1. Glebe Ascending 2. The Lady In The Lake 3. Episode 4. Woodcocks 5. Esperance 6. Touch Her Soft lips And Part 7. Au Contraire 8. For Ruth 9. Romeo & Juliet - Juni(ECM 1657) - Recorded July 1997. - 1. Prelude No.2   2. Windfall 3. For Jan 4. The Ant & The Elk 5. Siri 6. Fable 7. Twelve 8. Namasti

(16/0712)’16年に ECM 1497, 1532, 1594, 1657の4枚がECM 2490-93のBOXセットになりました。昔の記憶では、温度感が低くて静かな曲が多いと思っていましたが、今聴いてみると、温度感は低いながらもダイナミックなサウンドの曲もあるし、ごく一部ですが4ビートの曲もあります。それに、ドラムスのリーダー作だけあって、ECM的ながらドラム・ソロというか、ドラムが前面に出る場面もあります。意外にカラフルだったんだな、という感じがします。ただし、彼の他レーベルでの録音のサウンドとは、このメンバー固定で4枚連続のリリースなので、全然違うものになっていますが。ただ、彼のリーダー作の経歴では異色でもありますけど、この4枚は避けて通れないかな、という気もしています。ヨーロッパ的で豊饒なサウンド。

2489

Find The Way/Aaron Parks(P)/Ben Street(B)/Billy Hart(Ds)(ECM 2489)(輸入盤) - Recorded October 2015. - 1. Adrift 2. Song For Sashou 3. Unravel 4. Hold Music 5. The Storyteller 6. Alice 7. First Glance 8. Melquiades 9. Find The Way

(17/05/10)3人の名義にはなっているけど、タイトル曲がカヴァー作で、他の曲は全曲アーロン・パークスの作曲。パークスの前回のソロ作品よりは、トリオになったことで少々盛り上がりも出てきてはいますが、やはり幻想的なピアノであることには変わりはないです。相変わらず寒色系の色合いで、やや湿度も低く、非4ビート系のピアノ・トリオの世界を聴かせてくれます。こういう美しさの出るピアノは彼の個性の一面だと思いますが、それを思いっきり引き出してくれたのがECMだと思うし、今回のメンバー的にも興味深いです。2曲目はやや緩めのボッサというところか。4曲目はビートがボンボンと4つなんだけど、いわゆる4ビートではなく。トリオで自在に進んでいくような5-6曲目、穏やかな暖かめのバラードで終わる9曲目。

2488

In Movement/Jack DeJohnette(Ds, P, Electric Per)/Ravi Coltrane(Ts, Ss, Sopranino S)/Matthew Garrison(B, Electronics)(ECM 2488)(輸入盤) - Recorded October 2015. - 1. Alabama 2. In Movement 3. Two Jimmys 4. Blue In Green 5. Serpentine Fire 6. Lydia 7. Rashied 8. Soulful Ballad

(16/05/21)3人のインプロヴィゼーションが2-3曲目、ジャック・ディジョネット作が6、8曲目、ラヴィ・コルトレーンとの共作が7曲目、1、4-5曲目がジャズメン・オリジナルやスタンダード。ラヴィ・コルトレーンはジョン・コルトレーンの息子で、マシュー・ギャリソンはジミー・ギャリソンの息子(こちらはエレクトリック・ベース)。1曲目はけっこうスピリチュアルな演奏をしています。ドラムスの強力なプッシュはあるけれど、やはりECM的にやや抑制されています。ただスピリチュアルなだけではなく、2曲目は軽くてビート感もあり、少し今っぽい感じもする曲。荘厳ながらもファンク的な3曲目。エレクトロニクスの使い方も効果的。4-5、6、8曲目は割と淡々と進みます。7曲目はラシッド・アリに捧げた、サックスとのデュオの激しい曲。

2487

Andando El Tiempo/Carla Bley(P)/Andy Sheppard(Ts, Ss)/Steve Swallow(B)(ECM 2487)(輸入盤) - Recorded November 2015. - Andando El Tiempo: 1. Sin Fin 2. Potation De Guaya 3. Camino Al Volver   4. Saints Alive! 5. Naked Bridges/Diving Brides

(16/05/21)このメンバーではECM2枚目。メンバーの相性としてはなかなかいいです。全曲カーラ・ブレイの作曲で、最初の3曲が組曲。ジャケ写に長い譜面が写っているのは、記譜された部分が多いということだと思いますが、1曲目からけっこう緻密に考え抜かれたメロディやコード進行で、ドラマチックに、ちょっと哀愁をたたえて曲が進んでいきます。3曲目は少しミステリアスなラインがありますが、そこまではその沈んだ色調や、哀愁感が統一されたドラマのように仕立て上げられていて、なかなかいい感じ。4-5曲目も、彼女ならではのメロディラインと、ちょっと妖しげなサウンドが魅力的で、トリオという編成ながら、もっと大きい編成のサウンドを聴いているような錯覚にとらわれます。こういう考え抜かれたジャズもいい。

2486

A Cosmic Rhythm With Each Stroke/Vijay Iyer(P, Key, Electronics)/Wadada Leo Smith(Tp)(ECM 2486)(輸入盤) - Recorded October 2015. - 1. Passage   A Cosmic Rhythm With Each Stroke: 2. All Becomes Alive 3. The Empty Mind Receives 4. Labyrinths 5. A Divine Courage 6. Uncut Emeralds 7. A Cold Fire 8. Notes On Water   9. Marian Anderson

(16/03/24)1曲目がヴィジェイ・アイヤーの作曲、9曲目がワダダ・レオ・スミスの作曲、2-8曲目の組曲が2人のインプロヴィゼーション(共作)。1曲目は叙情感あふれるしっとりとしたバラードですが、2曲目以降はエレクトロニクスも使用したりして、トランペットもややフリー的な響きを持つようになります。ECM的に静けさの方には寄っていますけど、ある程度実験的なサウンドかも。やはり哀愁というか、ある種の情感を抱かせるような場面も多いですが。この組曲は「ナスリーン・モハメディに捧げる」とあり、インド人の女性アーティストだそうです。とは言うものの、インド的な要素はないです。4、6曲目はかなりフリーな展開。なかなか引きつけられる空間的なデュオ。落ち着いたやり取りが聴かれるも、ややフリー系の9曲目。

2485

Bruno Maderna/Luciano Berio/Now, And Then(ECM New Series 2485)(輸入盤) - Recorded August 2015. Orchestra Della Svizzera Italiana. Dennis Russell Davis(Cond), Pablo Marquez(G on 6) - 1-4. Bruno Maderna Transcriptions Girolamo Frescobaldi: The Pezzi 5. Giovanni Legrenzi: 5. La Basadonna 6. Luciano Berio: Chemins V 7. Bruno Maderna Transcriptions Girolamo Frescobaldi: Canzone A Tre Cori 8-12. Tommaso Lodovico Da Viadana: Le Sinfonie 13-15: Unico Wilhelm Van Wassenaer Fformerly Attributed to GIovanni Battista Pergolesi: "Palestrina-Konzert"

(17/11/07)Bruno Madernaは20世紀のイタリアの現代音楽家ですが、ここでは16-18世紀頃の音楽をトランスクリプションしています。6曲目のLuciano Berioの曲以外は全部そうです。Luciano Berioもイタリアの20-21世紀の現代音楽家で20分にわたる6曲目はいかにも現代音楽という感じの曲。他のBruno Maderna編曲作品はクラシックらしく割と聴きやすいのですが、作曲当時の音や背景などは気にしないで編曲しているとか。

2484

The Distance/Michael Formanek(B)/Ensemble Kolossus(ECM 2484)(輸入盤) - Recorded December 2014. Loren Stillman(As, Fl), Oscar Noriega(As, Cl, Bcl), Chris Speed(Ts, Cl), Brian Settles(Ts, Fl), Tim Berne(Bs), Dave Ballow(Tp), Ralph Alessi(Tp), Shane Endsley(Tp), Kirk Knuffke(Cor), Alan Ferber(Tb), Jacob Garchik(Tb), Ben Gerstein(Tb), Jeff Nelson(Btb, Contrabass Tb), Patricia Brennan(Marimba), Mary Halvorson(G), Kris Davis(P), Tomas Fujiwara(Ds), Mark Helias(Cond) - 1. The Distance 2. Exoskelton Prelude 3. Exoskelton: Part I - Impenetrable, Part II - Beneath The Shell, Part III - @heart, 4. Exoskelton: Part IV - Echoes, Part V - Without Regrets 5. Exoskelton: Part VI - Shucking While Jiving, Part VII - A Reptile Dysfunction 6. Exoskelton: Part VIII - Metamorphic

(16/03/21)全曲、マイケル・フォーマネクの作曲とアレンジ。フルバンドでのビッグ・バンドの演奏ですが、いわゆるビッグ・バンド・ジャズではなくて、割と現代的、ある程度ECM的な展開になってます。特に2曲目以降は組曲で、壮大な雰囲気や物語性も持っています。その中で、盛り上がるところもけっこう多めだしフリー的な展開もあったりして。ECMにしては騒々しいと思われる方か。藤井郷子のビッグ・バンドと似ている部分も何となく。やはり記譜されたところと自由なところの割合がいい感じ。メンバーもなかなかの顔ぶれで、譜面も強いし、ソリストとしても素晴らしい。3曲目ではベースが割とオーソドックスに4ビートを刻む場面がありますが、ホーンのサウンドは現代的。ただそのサウンドの特異性から、少々聴く人を選ぶかも。

2483

River Silver/Michel Benita(B) Ethics(ECM 2483)(輸入盤) - Recorded April 2015. Matthieu Michel(Flh), Mieko Miyazaki(Koto), Eivind Aaset(G, Electronics), Philippe Garcia(Ds) - 1. Back From The Moon 2. River Silver 3. I See Altitudes 4. Off The Coast 5. Yeavering 6. Toonari 7. Hacihi Gatsu 9. Lykken 9. Snowed In

(16/01/24)5、7-8曲目を除き、Michel Benitaの作曲。7曲目はメンバーのMieko Miyazaki作。箏が入っているけれども、他の編成は割とオーソドックスなジャズの編成です。ギターがちょっと変わったキャラクターですが。ビート感の薄い曲ですが、どの曲も割と聴きやすく、温度感は低いながらもメロディを感じられる演奏をしています。Matthieu Michelがテーマの主旋律を吹く曲が多いのも、それに影響しているかも。1-2曲目とも似たような雰囲気で、2曲目がタイトル曲にしてはちょっと地味かなという感じも。4曲目は、メロディ、キメ、盛り上がり度などがある、やや目立つ曲。ECMの中でも、何か以前に聴いたことのあるようなサウンドの雰囲気を持っています。ただメロディが強く、安心して聴けるのではないかと思います。

2482

Into The Silence/Avishai Cohen(Tp)(ECM 2482)(輸入盤) - Recorded July 2015. Bill McHenry(Ts), Yonathan Avishai(P), Eric Revis(B), Nasheet Waits(Ds) - 1. Life And Death 2. Dream Like A Child 3. Into The Silence 4. Quiescence 5. Behind The Broken Glass 6. Life And Death - Epilogue

(16/02/24)全曲アヴィシャイ・コーエンの作曲。時にワン・ホーンで、時にサックスも交え、ECMならではの情景的なサウンドでのアプローチ。トランペットが登場していない部分も、絵になっています。彼が今までやってきた中では一番静かなアルバムになったのではないかと思います。それでも2、3曲目の途中など、フリー的に盛り上がる演奏の部分も。彼はテクニックがウリだけど、こういう情感あふれる曲でも作曲面や演奏面で見事に表現しています。どの曲がどうと言うより、アルバムの最初から最後まで物語になっているような印象を受けました。マイルス・デイヴィスとの比較も言われていますが、あえてそこは考えなくても。静かなアプローチが多めなのはやはりプロデューサーのアイデアか。じっくりと聴きたいアルバム。

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