ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

1773


Diplipito/Giya Kancheli(ECM New Series 1773)(輸入盤) - Recorded January 2001. Thomas Demenga(Cello), Derek Lee Ragin(Countertenor), Dennis Russell Davis(P, Cond), Stuttgarter Kammerorchester - 1. Diplipito 2. Valse Boston


(04/08/08)Giya Kancheliは20世紀グルジアの作曲家。1曲目がチェロ、カウンターテナー、ピアノとオーケストラ、2曲目がピアノとオーケストラの作品。 やはりゆったりとした荘厳なイメージでせまってきて、静かな場面と大きいサウンドの場面の差が大きい感じ。どんなアプローチになっても濃い青色の雰囲気が、彼の曲にはあります。1曲目のカウンターテナーとチェロが幽玄な感じを醸し出しています。2曲目も冷たさと音の大小が印象的。

1772


Song Of Debussy And Mozart/Julianne Banse(Soprano)/Andres Schiff(P)(ECM New Series 1772) - Recorded January 2001. - Claude Debussy - 1. Beau Soir 2. Clair De Lune 3. Pierrot 4. Apparition 5. Pantmime Fetes Galantes 1er Livre 6. En sourdine 7. Fantoches 8. Clair De Lune Wolfgang Amadeus Mozart 9. Dans Un Bois Solitaire KV308 10. Oiseaux, Si Tous Les Ans KV307 11. Warnung KV433 12. Der Zauberer KV472 13. Das Veilchen KV476 Claude Debussy Ariettes Oubliees 14. C'est L'extase Langoureuse 15. Il Pleure Dans Mon Coeur 16. L'ombre des Arbres 17. Chevaux De Bois 18. Green 19. Spleen Wolfgang Amadeus Mozart 20. Sehnsucht Nach Dem Fruhlinge KV596 21. Als Luise Die Briefe Ihres Untreuen Liebhabers Verbrannte KV520 22. Abendempfindung KV523


邦題「ドビュッシー&モーツァルト歌曲集」。ソプラノ歌手とピアノでの演奏で、ドビュッシー(19-20世紀)、モーツァルト(18世紀)、ドビュッシー、モーツァルトの順番で、短めの曲を22曲も演奏しています。2人の作曲家の時代は違いますが、うまく同居しているようにも思えます。個人的には分かりやすい和声とメロディのモーツァルトの曲の方が好み。かと言ってドビュッシーの色彩感豊かな歌も捨てがたいかも。(03年5月21日発売)

1771


Der Bote - Elegies For Piano/Alexei Lubimov(P)(ECM New Series 1771) - Recorded December 2000. - 1. Fantasie Fur Klavier Fis-moll/Carl Philipp Emanuel Bach 2. In A Landscape/John Cage 3. Nostalgia/Tigran Mansurian 4. Abschied/Franz Liszt 5. Nocturne F-moll "La Separation"/Michael Glinka 6. Prelude Cis-moll Op.45/Frederic Chopin 7. Elegie/Valentin Silvestrov 8. Elegie/Claude Debussy 9. Vier Klagelieder Op.9a, Nr.1/Bela Bartok 10. Der Borte For Larysa Bondarenko/Valentin Silvestrov


「エレジー」というタイトルの曲が2曲あり、いろいろな作曲家の小品が全10曲、哀歌集とのこと。曲は18世紀から20世紀まで様々な年代のものがありますが、不思議にも、通して聴くと自然な感じ。クラシックのピアノ作品ですが、その曲の感触から静かな癒しの要素もあります。現代に求められているようなサウンドで、面と向かって聴かなくても良い雰囲気でもあります。でも真剣に聴くと、重い部分も少しあったりします。(02年9月25日発売)

1770


Cat 'n' Mouse/John Abercrombie(G)(ECM 1770) - Recorded December, 2000. Mark Feldman(Vln), Joey Baron(Ds), Marc Johnson(B) - 1. A Nice Idea 2. Convolution 3. String Thing 4. Soundtrack 5. Third Stream Samba 6. On The Loose 7. Stop And Go 8. Show Of Hands


スゴいメンバー。変則的なクァルテットですが、聴き手を選びながらもレベルの高い演奏です。5、8曲目は全員のフリー・インプロヴィゼーションで他はアバークロンビーのオリジナル。空間の中でそこはかとない哀愁が漂っていく1曲目、ヴァイオリンとギターのアグレッシヴなやり取りの後にギターが活躍して盛り上がる2曲目、しっとりとしたメロディに思わず聴き込んでしまう3曲目、ベースのボンボンという上をゆったりと動きまわるメロディがなるほど「サウンドトラック」らしい浮遊感のある4曲目、タイトルと違ってサンバのリズムはなく、事実上は統制のとれたフリーの5曲目、ECM流のタイトなサウンドの6曲目、ノリの良い4ビートの部分と、ソロでの表現の部分がある7曲目、丁丁発止のインプロヴィゼーションが鋭い8曲目。(02年3月21日発売)

1769


Night/Misha Alperin(P)(ECM 1769)(輸入盤) - Recorded April 4, 1998. Anja Lecher(Cello), Hans-Kristian Kjos Sorensen(Per, Marimba, Voice) - 1. Tuesday 2. Tango 3. Adagio 4. Second Game 5. Dark Drops 6. Night 7. Heavy Hour 8. Far, Far...


(02/08/10)ライヴ。全曲ミシャ・アルペリンの作曲。繊細な演奏のうえに、ベースでなくてチェロを起用している事もあって、独特な雰囲気のサウンドを聴くことができます。確かにインプロヴィゼーションだとは思いますが、静か。静けさの中からピアノとチェロの語りかけが浮かび上がってくるような1曲目、これまた繊細で音数が少ない内向的なタンゴの2曲目、哀愁の漂うしっとりしたメロディでゆったりと進んでいく3曲目、マリンバではじまり、徐々に変化していきドラマチックに展開する4曲目、淡々と研ぎ澄まされたフレーズが、ゆっくり発せられる5曲目、スペイシーなフレーズ自体が闇の深遠さを表わしているような6曲目、太鼓の音と静けさの対比が印象的な7曲目、静かにメロディが流れていくような8曲目。

1768


At Home/Misha Alperin(P)(ECM 1768)(輸入盤) - Recorded February 1998. - 1. At Home 2. Emptiness 3. Nostalgia 4. Seconds 5. Nightfall 6. Halling 7. Light 8. Game 9. Shadows 10. 10th Of February 11. The Wind 12. Njet


(02/01/04)ソロ・ピアノでのアルバムで、全曲ミシャ・アルペリンのオリジナル。アルバム全体を通しても40分弱で、その中に12曲が詰まっていて、比較的小品が多い。しかもそのピアノは、派手に舞うことなく、空間を生かして慈しむように奏でられています。哀愁をたたえる音、空間の中からひとつひとつ掴み取ってくる音など、その音の連なりがささやかなドラマを生み出すように発せられていきます。1、3曲目のような哀愁路線があるかと思えば、4曲目のようなソフトにアバンギャルドっぽくユーモアを交える曲もあります。5曲目もその何気ない空間から緊張感を感じます。テンポのつかめる部分は少ないですが、6、8曲目あたりはクラシック的なカッチリしたピアノの印象。ヒーリング系と考えればけっこう硬派か。

1767


Giya Kancheli/In I'istesso Tempo(ECM New Series 1767)(輸入盤) - Recorded June 1999, December 2000 and July 2003. Gidon Kremer(Vln), Oleg Maisenberg(P), Kremerata Baltica, The Bridge Ensemble: Mikhail Schmidt(Vln), Helen Callus(Vln), David Tonkonougui(Cello), Karen Sigers(P) - 1. Time... And Again 2. V & V 3. Piano Quartet In I'istesso Tempo


(03/03/15)Giya Kancheliは20世紀グルジアの作曲家。3曲ともに編成録音年月が違うのも珍しいかも。ちょっと重いかなという感じ。1曲目はピアノとヴァイオリンで、蒼い荘厳な世界をスペイシー(というよりも静寂の中に音が出てくる)にあらわしている25分間の演奏。ヴァイオリンとストリング・オーケストラの演奏でサウンドの雰囲気は1曲目と似た感じの2曲目、静寂の中に時々光を見るような、ピアノを含む弦楽クァルテットの3曲目。

1766


April/Susanne Abbuehl(Vo)(ECM 1766) - Recorded November 2000. Wolfert Brederode(P, Harmonium, Melodica), Christof May(Cl, Bcl), Samuel Rohrer(Ds, Per) - 1. Yes Is A Pleasant Country: 2. Ida Lupino 3. Closer 4. All I Need 5. A.I.R. (All India Radio) 6. Seven - Somewhere I Have Never Travelled, Gladly Beyond 7. Skies May Be Blue; Yes 8. 'Round Midnight 9. Maggie And Milly And Molly And May 10. Since Feeling Is First 11. Mane Na


スイスのヴォーカリスト。ECMにしては珍しいヴォーカルのアルバム。でもECMらしいサウンドなので、ジャズの、というとちょっとニュアンスが違う気も。オリジナルや、他者の曲を取り上げ、それに彼女自身が詞を書いたり、E.E.カミングス(詩人)の詞を組み合わせて歌ったりしています。6曲目は曲をバックに詞を朗読。8曲目の「ラウンド・ミッドナイト」はスペイシーな進行。また、カーラ・ブレイの曲が比較的多く(4曲)取り上げられていて、そのメロディが印象的。やや温度感は低いながらも、スペイシーな演奏にマッチした声で淡々と歌われていきます。7曲目はいかにもヨーロッパらしい民族的な雰囲気のオリジナル。さらにインド・アジア方面に飛んだような11曲目。やっぱりECMファン向けかも。(02年3月21日発売)

1765


Morimur/J.S. Bach(ECM New Series 1765) - Recorded September 2000. The Hilliard Ensemble(Vo), Christoph Poppen(Baroque Vln) - Partita D-moll BWV 1004 Fur Violine Solo, Chorale - 1. Auf Meinen Lieben Gott 2. Den Tod... 3. Alemanda 4. Christ Lag In Todesbanden 5. Corrente 6. Den Tod Niemand Zwingen Kunnt 7. Sarabanda 8. Wo Soll Ich Fliehen Hin 9. Giga 10. Den Tod... 11. Ciaccona 12. Christ Lag In Todesbanden 13. Dein Will Gescheh' 14. Befiehl De Deine Wege 15. Jesu Meine Freude 16. Auf Meinen Lieben Gott 17. Jesu Deine Passion 18. In Meines Herzens Grunde 19. Nun Lob', Mein Seel', Den Herren 20. Den Tod... 21. Ciaccona 22. Den Tod...


「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番BWV1004」を中心とした曲。新しい仮説に基づいた夢想的なアレンジによる新録音の曲もあるらしいのですが、私には 原曲を聴いていないため、よく分かりません。ヒリヤード・アンサンブルとクリストフ・ポッペンの共演が2曲(1、21曲目)で、あとはそれぞれの録音。いずれも荘厳な雰囲気と哀愁をたたえつつ、じっくりと聴かせてくれます。やはりバッハらしいサウンド。(01年11月21日発売)

1764


The Source And Different Cikadas/Trygve Seim(Ts, Ss, Cl), Oyvind Braekke(Tb), Per Oddvar Johansen(Ds)(ECM 1764)(輸入盤) - Recorded November 2000. Finn Guttormsen(B), Odd Hannisdal(Vln), Henrik Hannisdal(Vln), Marek Konstantynowicz(Viola), Morten Hannisdal(Cello), Frode Haltli(Accordion, Btb), Arve Henriksen(Tp), Christian Wallumrod(P) - 1. Organismus Vitalis 2. Mmball 3. Funebre 4. Deluxe 5. Bhavana 6. Saltpastill 7. Flipper 8. Plukk 9. Obecni Dum 10. Suppressions 11. Number Eleven 12. Fort-Jazz 13. Sen Kjellertango 14. Uten Forbindelse 15. Tutti Free


(02/08/10)大半の曲は3人からのオリジナル。曲によって編成は違いますが、管楽器に弦楽四重奏団が入ったり、ドラムス、アコーディオン、ピアノが加わったりという編成。前半は静寂の中からサウンドが入りこんできてメロディがブレンドされていくような曲が多く、そういう曲はクラシックや現代音楽に近いものを感じます。また別な面としてジャズ的なアプローチもあって、そういう曲は後半の曲に多く、自由度も高めです。4曲目はリズミックにジャズとしての語法で語っています。8、10-15曲目あたりもそういう意味ではかなりジャズ的。14曲目は特に躍動感あり。ただし、やはり彼ら流のやや独特な雰囲気のジャズですが。11、15曲目はクレジットからするとメンバーのフリー・インプロヴィゼーション。

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