ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了し、’17年のところに番号順になるようにアップしています。

1420


Tribute/Keith Jarrett Trio(P)(ECM 1420/21) - Recorded October 15, 1989. Gary Peacock(B), Jack DeJohnette(Ds) - 1. Lover Man 2. I Hear A Phapsody 3. Little Girl Blue 4. Solar 5. Sun Prayer 6. Just In Time 7. Smoke Gets In Your Eyes 8. All Of You 9. Ballad Of The Sad Young Men 10. All The Things You Are 11. It's Easy To Remember 12. U Dance


邦題「オール・オブ・ユー」。いろいろなミュージシャンへのトリビュート・アルバム。リー・コニッツ、ジム・ホール、ナンシー・ ウィルソン、ビル・エヴァンス、チャーリー・パーカー、コールマン・ホーキンス、マイルス・デイヴィス、アニタ・オデイ、ソニー・ロリンズ、ジョン・コルトレーン、と名前が続きますが、ペースはいつものキース・ジャレット・トリオのスタンダードの演奏。いつもに増して、流麗なフレーズと美しいメロディ。1曲ずつの時間も比較的長めのものが多い。CD2枚組なのですが、一気に通して聴かせてくれます。6曲目、10曲目あたりはけっこうパワーがあって圧巻。5曲目(14分台)と12曲目のみオリジナル。これらはそれぞれ短調と長調ですが、 時おりはさみこまれるこういう路線もなかなか捨てがたいかも。(01年3月28日発売)

1419


I Took Up The Runes/Jan Garbarek(Ss, Ts)(ECM 1419) - Recorded August 1990. Rainer Bruninghaus(P), Ebarhard Weber(B), Nana Vasconcelos(Per), Manu Katche(Ds), Bugge Wesseltoft(Synth), Ingor Antte Ailu Gaup(Voice) - 1. Gula Gula Mole Canticle 2. Part 1 3. Part 2 4. Part 3 5. Part 4 6. Part 5 7. His Eyes Were Suns 8. I Took Up The Runes 9. Bueno Hora, Buenos Vientos 10. Rankki Sruvvis


邦題「黙示録」。トラディショナルや他の人の曲にアレンジをした曲もありますが、2-6、8-9曲目がヤン・ガルバレクの曲。北欧のミュージシャンに、ブラジル人のナナ・ヴァスコンセロス、パリ在住のアフリカ人マヌ・カッツェの組み合わせで、北欧とワールド色との融合。叙情的な曲もビートの効いた曲もありますが、日本人好みのメロディーかも。北欧の原初的なサウンドが見え隠れする懐かしい1曲目、素朴なメロディが強く印象に残る、カラフルである意味壮大な感じもする組曲仕立ての2-6曲目、トラディショナルのヴォーカルが印象的な7曲目、リズミカルな上に北欧的なサックスが響くタイトル曲の8曲目、渋めのメロディとリズム、物語的な展開の9曲目、やはりヴォーカル入りの懐かしい民族的な香りのしている10曲目

1418


Road To Saint Ives/John Surman(Bcl, Ss, Bs, Key, Per)(ECM 1418)(輸入盤) - Recorded April, 1990. - 1. Polperro 2. Tintagel 3. Trethevy Quoit 4. Rame Head 5. Mevagissey 6. Lostwithiel 7. Perranporth 8. Bodmin Moor 9. Kelly Bray 10. Piperspool 11. Marazion 12. Bedruthan Steps


(03/09/15)全曲ジョン・サーマンの作曲で、多重録音のソロによる彼独自の世界を展開。色々な楽器を駆使して、明るめのサウンド、暗めのサウンドと多彩ですが、短調の曲が多いです。どの曲も聴きやすいメロディで、彼ならではのノスタルジーを感じさせるような演奏になっています。短めの曲と5-12分ほどの曲がほぼ交互に配されていて、1、6、9、11曲目のように楽器もホーン1本だけだったり、重々しい多重録音だったりと、さまざま。いかにもイギリス人らしいノスタルジックな哀愁を感じさせる12分台の2曲目などは、やはり彼らしい魅力にあふれている大作。3曲目のようにアグレッシヴなものもあります。ただ、たいていの曲は切なげなメロディの哀愁路線。8、10曲目は不思議な浮遊感も漂います。

1417


The Widow In The Window/Kenny Wheeler Quintet(Tp, Flh)(ECM 1417) - Recorded February 1990. John Abercrombie(G), John Taylor(P), Dave Holland(B), Peter Erskine(Ds) - 1. Aspire 2. Ma Balle Helene 3. The Widow In The Window 4. Ana 5. Hotel Le Hot 6. Now, And Now Again


全曲ケニー・ホイーラーの作曲。なかなかスゴいメンバー。研ぎ澄まされたサウンドで、緊張感が漂います。また 、かなりECM的ながらもいわゆるジャズ的な演奏もあります。出だしは静かにはじまり、各メンバーがその冷たさを保ったまま盛り上がる場面もある12分台の1曲目、ボッサというか流れるようなベースラインの上を、これまたフレーズはある程度速いけれども涼風が吹いてくるようなサウンドの2曲目、影のあるしっとりとしたメロディでゆったりと漂っていくタイトル曲の3曲目、スローに入ってくる出だしにはじまって、6分頃に管によるはっきりしたメロディが出てくる、14分ものドラマを繰り広げる4曲目、冷えたラテン的兼4ビートなノリでややアップテンポで進む5曲目、しっとりとしつつゆっくりメロディを奏でていく6曲目。

1415


Music For Large & Small Ensembles/Kenny Wheeler(Flh, Tp)(ECM 1415/16) - Recorded January 1990. - John Abercrombie(G), John Taylor(P), Dave Holland(B), Peter Erskine(Ds), Norma Winstone(vo), Darek Watkins(Tp), Henry Lowther(Tp), Alan Downey(Tp), Ian Hamer(Tp), Dave Watkins(Tb), Chtis Pyne(Tb), Paul Rutherford(Tb), Hugh Fraser(Tb), Ray Warleigh(Sax), Duncan Lamont(Sax), Evan Parker(Sax), Julian Arguelles(Sax), Stan Sulzman(Ts, Fl) - The Sweet Time Suite: 1. Part 1 Opening 2. Part 2 For H., Part 3 For Jan 3. Part 4 For P.A. 4. Part 5 Know Where You Are 5. Part 6 Consolation 6. Part 7 Freddy C, Part 8 Closing 7. Sophie 8. Sea Lady 9. Gentle Piece 10. Trio 11. Duet 1 12. Duet 2 13. Duet 3 14. Trio 15. By Myself


CD2枚組。1枚目はビッグバンドによる組曲、2枚目の半分もビッグバンドで、2枚目の残り(10-15曲目)はトリオやデュオ、クインテットによるスモールコンボの演奏。なかなか聴けないECMのビッグバンドですが、やはりケニー・ホイーラーらしい冷めた感じがします。1枚目は全曲彼の作曲、2枚目は7-9曲目が彼の作曲で、これらもなかなかの演奏。最後にスタンダードがあって、あとは参加者のインプロヴィゼーション。1枚目は1曲目の牧歌的なテーマの提示がありますが、その後は盛り上がったり静かになったり、けっこうドラマチックな展開。1枚分でひとつの組曲になっているため、通して聴くべき音楽だと思います。ヴォーカルの部分や4ビートもあり。11-13曲目はジョン・テイラーとピーター・アースキンでのデュオ。

1413


Ode To The Death Of Jazz/Edward Vesala(Ds) Sound And Fury(ECM 1413)(輸入盤) - Recorded April and May, 1989. Matti Riikonen(Tp), Jorma Tapio(As, Bcl, Fl), Jouni Kannisto(Ts. Fl), Pepa Paivinen(Ss, Ts, Bs, Fl, Cl, Bcl), Tim Ferchen(Marimba, Tubular Bells), Taito Haarla(P, Harp, Key), Jimi Sumen(G), Uffe Krokfors(B) - 1. Sylvan Swizzle 2. Infinite Express 3. Time To Think 4. Winds Of Sahara 5. Watching For The Signal 6. A Glimmer Of Sepal 7. Mop Mop 8. What? Where? Hum Hum


(03/09/23)全曲Edward Vesalaのオリジナル。比較的大編成で、カラフルなサウンドを聴かせてくれます。「ジャズの死」がタイトルでのテーマです。綾織り模様の複雑精緻な現代音楽的なアプローチで、やや難解にせまってくる1曲目、リズミカルなドラムスの上をホーンアンサンプルやギターその他の楽器が切り込んでくる2曲目、ゆったりとしたバラードなのだけれども、妖しげなメロディやハーモニーには神経質さを感じる3曲目、アフリカンのビートの上をアンサンブルが盛り上がる4曲目、日本的情緒と間を感じながらゆっくりと進んでいく5曲目、タンゴの形式での曲になっている6曲目、一部アンサンブルを保ちつつも極めて自由に展開する7曲目。かなりクセがありつつもジャジーな8曲目で最後ですが、これが答えか。

1412


Viola/Walter Fahndrich(Viola)(ECM New Series 1412)(輸入盤) - Recorded November 1989. - 1. Viola 4 2. Viola 2 3. Viola 3 4. Viola 6 5. Viola 4


(03/09/20)タイトルから推測すると、ヴィオラのソロの即興演奏のように聴こえます。たぶん多重録音(?)。書き譜もあるのかもしれませんが、自然に流れていく感じ。はっきりとした旋律の流れよりも、サウンドの空間の漂いと言った方がすっきりくるような、浮遊感のあるサウンド。24分台の2曲目のように、曲によってはミニマルな旋律のようでいていろいろ変化しながら盛り上がりがあって、脳内に不思議な刺激を与えてくれます。

1411


Animato/John Abercrombie(G, G Synth)(ECM 1411) - Recorded October 1989. Jon Christensen(Ds, Per), Vince Mendoza(Comp, Synth) - 1. Right Now 2. Single Moon 3. Agitato 4. First Light 5. Last Light 6. For Hope Of Hope 7. Bright Reign 8. Ollie Mention


大半がヴィンス・メンドーサの曲(2-6、8曲目)で、彼はシンセサイザーで参加。ただし、ギターとドラムスがあって、背景にシンセサイザーの広がりがある雰囲気の曲が多いです。ジョン・アバークロンビーとヨン・クリステンセンの共作による(インプロヴィゼーション?)はハードにせまりつつも背景には静けさがある1曲目、映画音楽のようにゆったりした中をギターが舞う2曲目、やや温度感が低いながらも情熱があるフレーズの3曲目、しっとりとする小品の4曲目、バックにシーケンサーのようなフレーズが出だしにあるちょっと硬派な5曲目、ゆったりした広がりのバックに淡々と、時に速くギターを弾く6曲目、アバークロンビー作の大河を流れるようなギター・シンセサイザーでの7曲目、夢見心地のアレンジが印象深い8曲目。

1410


Extentions/Dave Holland Quartet(B)(ECM 1410) - Recorded on September 1989. Steve Coleman(As), Kevin Eubanks(G), Marvin "Smitty" Smith(Ds) - 1. Nemesis 2. Processional 3. Black Hole 4. The Oracle 5. 101゜ Fahrenheit (Slow Meltdown) 6. Color Of Mind


全6曲中4曲がデイヴ・ホランド作。変拍子で攻めてきますが、ECMとしてはけっこうジャズらしいと言えるアルバム。ホランドのバンドとしては珍しいパート、ギターのケヴィン・ユーバンクスも元はフュージョン系ですが、実は、というところを見せてくれます。ホーンライクなギターのバッキングとトンガッたソロが全体のサウンドに彩りを添えています。そのトンガッた彼の作曲で1曲目(8分の11拍子が基本)と6曲目(テーマ部は4分の4拍子と8分の9拍子の交互が基本)。スティーヴ・コールマン作の3曲目(8分の13拍子のファンクっぽい曲)、5曲目(メカニカルなマイナーのバラード)はやはり彼らしい曲で、デイヴ・ホランド作は2曲目(ちょっとゆったりした5拍子)、4曲目(3拍子の14分にも及ぶラテンナンバー)。

1409


Berlin Contemporary Jazz Orchestra(ECM 1409) - Recorded May 1989. Benny Bailey(Tp), Thomas Heberer(Tp), Henry Lowther(Tp), Kenny Wheeler(Tp, Flh), Paul Van Kemenade(As), Felix Wahnschaffe(As), Gerd Durek(Ss, Ts), Walter Gauchel(Ts), E. L. Petrowsky(Bs), Willem Brewker(Bs, Bcl), Henning Berg(Tb), Hermann Breuer(Tb), Hubert Katzenbeier(Tb), Aki Takase(P), Gunter Lenz(B), Ed Thigpen(Ds), Misha Mengelbelg(P), Alexander Von Schlippenbach(Cond) - 1. Ana 2. Saltz 3. Reef Und Kneebus


バンド名に「コンテンポラリー」の名がついたごとく、フリー色の強い部分といわゆる今までのビッグバンド的な部分とが混在しているサウンドです。こういう場面にはよく出てくる高瀬アキ(P)のクレジットも。シリアスなビッグバンド・サウンド。1曲目がケニー・ホイーラー作、2-3曲目がミシャ・メンゲルベルク作。哀愁たっぷりのゆったりしたテーマからソロイストによってドラマチックに緩急自在の展開をしていく、自由なソロと対照的に構築された部分も多いと思われる22分台の1曲目、4ビート進行でありながらソロはかなりフリー的なアプローチをしている7分台の2曲目、ユーモラスな感じもシリアスなフレーズもちりばめられている一種独特な雰囲気を持っていて、やはり物語的に波のある展開で退屈させない19分台の3曲目。

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