ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。追いつくまでは基本、毎日更新します。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。9月よりストリーミング配信だけのものも加える作業(まだ途中ですが)をしていますが、’17年のところに番号順になるようにアップしています。(現在1120番のあたりまで完了)

1089


Dancia Das Cabecas/Egberto Gismonti(G, P, Wood Fl, Vo)(ECM 1089) - Recorded November 1976. Nana Vasconcelos(Per. Voice) - 1. Part 1 Qaurto Mundo 1, Danca Das Caberas, Aguas Luminosas, Calebracao De Nupcias, Porta Encantada, Quarto Mundo 2 2. Part 2 Tango, Bambuzal, Fe Cega Faca Amolada, Danca Solitaria


邦題は「輝く水」。パート1とパート2に分けられていて、組曲の構成。大部分はエグベルト・ジスモンチの作曲です。2人ともブラジルの出身で、その土着的な(?)サウンドが印象的。メロディで迫ってくるようなタイプではないので、ちょっと地味ですが、一気に演奏された曲は非常にドラマティックに感じられ、特にパーカッションがサウンドに生きています。インプロヴィゼーション度も高いです。鳥の鳴き声などやウッド・フルートでサウンドでブラジルの風景が描き出されたと思ったら、急速調のギターとパーカッションでスリリングな展開の部分も。特にギターでの、非西欧的な音の連なりが心の中に入りこんできます。また、ピアノの場面でも流れて行くようなフレーズの連なりで叙情性を感じることができます。

1088


Satu/Edward Vesala(Ds)(ECM 1088)(輸入盤) - Recorded October 1976. Tomasz Stanko(Tp), Palle Mikkelborg(Tp, Flh), Tomasz Szukalski(Ss, Ts), Juhani Aaltonen(Fl, Afl, Ts, Ss), Knut Riisnaes(Fl, Ts), Rolf Malm(Bcl), Torjorn Sunde(Tb), Terje Rypdal(G), Palle Danielsson(B), String Section - 1. Satu 2. Ballade For San 3. Star Flight 4. Komba 5. Together


(00/12/09)曲によって編成は変わりますが、当時のECMとしては比較的大編成による録音。1曲目は14分台の大曲で、まずメロディーがあってそこに様々な楽器が絡むように寄り添い、雅楽の擬似的雰囲気を持っているような曲。もちろんフリーのような要素もあるようです。2曲目は明るめなテーマと、緩やかにややフリーっぽく流れる部分とを合わせ持っています。日本的情緒(?)を感じさせるようなペンタトニック主体のテーマ部分とやや激しい中間部を持つ3曲目。哀愁の漂ってくるようなテーマを持つ4曲目も、テーマはメロディ主体でリズムや他楽器の方が寄り添っていくような感じです。そしてスリルある アドリブの部分。エキゾチックなフルートで、これもメロディ追従的にやや盛り上がりを見せる5曲目。

1086


Hymns/Spheres/Keith Jarrett(Org)(ECM 1086/87)(輸入盤) - Recorded September 1976. - 1. Hymn of Remembrance 2. Spheres (1st Movement) 3. Spheres (2nd Movement) 4. Spheres (3rd Movement) 5. Spheres (4th Movement) 6. Spheres (5th Movement) 7. Spheres (6th Movement) 8. Spheres (7th Movement) 9. Spheres (8th Movement) 10. Spheres (9th Movement) 11. Hymn of Release


(12/12/27)キース・ジャレットのパイプ・オルガン曲集で、CD2枚組。音の変化を聴くような流れるような曲もあるし、クラシック調の1曲目もあるし、と記譜されたものがあるのかどうかは不明。実はCDはECM 1302で上記のセレクションとして’85年に発売されたもののカットされた曲が多かったでした。ある修道院にある18世紀製作のバロック・オルガンを使用とのこと。ピアノのインプロヴィゼーションをオルガンに置き換えて、その響きをコントロールしているのは画期的かも。音の厚みが持続していき、そこに非常にゆったりとしたドラマが生まれてきます。ジャンルとしてはクラシックや現代音楽に近いものを感じますが、それもフリー・インプロヴィゼーションで、進んでいく物語に荘厳な、あるいは神聖なものを感じます。かなりゆったり。

(注)’85年に発売されたECM 1302の収録曲は以下の通り。Spheres/Keith Jarrett(Org)(ECM 1302) - Recorded September 1976. - 1. Spheres(1st Movement) 2. Spheres(4th Movement) 3. Spheres(7th Movement) 4. Spheres(9th Movement)

1085


The Survivor's Suite/Keith Jarrett(P, Ss, etc.)(ECM 1085) - Recorded April 1976. Dewey Redman(Ts, Per), Charlie Haden(B), Paul Motian(Ds, Per) - 1. The Survivor's Suite, Beginning 2. The Survivor's Suite, Conclusion


邦題「残氓」。インパルスに何枚も作品を残したアメリカン・クァルテットですが、なぜかECMにも作品を残しています。レーベルカラーを出しながらもこってりした雰囲気。曲は27分台の1曲目「発端」と21分台の「結末」の2曲のみ。キース・ジャレットの作曲。1曲目は、最初は笛やサックスの音が出てきて民族音楽色の強い静かな場面。キースのピアノが出てくるのは8分目あたりからで、こってりした中に土着性と哀愁の場面、あるいは逆に洗練されている場面が、盛り上がったり静かになったり、ドラマチックに展開していきます。2曲目はいきなり激しいフリーではじまり、5分目からサウンドがまとまって印象の強いメロディが浮かび上がります。15分から静かな場面になリ、やはりまた哀愁の世界へ。そしてラストで大団円。(02年9月19日発売)

1084


The Following Morning/Eberhard Weber(B)(ECM 1084)(輸入盤) - Recorded August 1976. Rainer Bruninghaus(P), Members of Philharmonic Orchestra, Oslo(Cello, French Horn and Oboe) - 1. T. On A White Horse 2. Moana 1 3. The Following Morning 4. Moana 2


(02/05/25)全曲エバーハルド・ウェーバーの作曲。ベースとピアノ、それにオーケストラの一部メンバーが参加していて、1曲目から、あの独特なエレクトリックを通したベース音が響いてきます。どの曲も10分前後。しっとり系のメロディで心の中に響いてくるような1曲目は、ピアノが、あるいはベースがメロディを奏でながら時おり見せるフレンチホルンやオーボエの表情が良い感じ。淡色系のイメージのサウンドで少しずつ表情を変えながら進行していく2曲目、重厚にたゆたう場面もあって哀愁度の高いメロディが時々刻み込まれていき、ゆったりと流れていく12分台のタイトル曲の3曲目。この曲と4曲目では普通のベース音も。4曲目では静かなサウンドをバックに、時にベースソロが漂い、ときに跳ねていく感じです。

1083


After The Rain/Terje Rypdal(G, P, Ss, Fl, etc)(ECM 1083) - Recorded August 1976. Inger Lise Rypdal(Vo) - 1. Autumn Breeze 2. Air 3. Now And Then 4. Wind 5. After The Rain 6. Kjare Maren 7. Little Bell 8. Vintage Year 9. Mutler 10. Like A Chile, Like A Song


彼の多重録音によるアルバム。曲によってインゲ・リセ・リピダル(Vo)も参加。全体的に静かな曲です。1曲目からその荘厳な雰囲気は伝わってきます。やはり厳かなキーボードをバックに繰り広げられる泣きのギターの2曲目、生ギターによるしっとりとしたメロディの3曲目、幽玄なフルート・ソロの小品の4曲目、薄いもやのかかった空間の中をギターによってその存在感を感じさせるような、タイトル曲の5曲目、ピアノとエレキギターとの語り合いの6曲目、エレキピアノとフルートの小品の7曲目、ピアノの上をエレキギターが空間を静かに刻んでいくような8曲目、ギターがとつとつと語りかけてくる9曲目。そしてノルウェー流というか、彼流の空間表現ともとれる10曲目。ヒーリングに近いものを感じます。(01年6月21日発売)

1082

Shimri/Arild Andersen(B)(ECM 1082)(この番号では未CD化、別番号でCDBOX発売) - Recorded October 1976. Juhani Aaltonen(Ts, Ss, Fl, Per), Lars Jansson(P), Pal Thowsen(Ds, Per) - 1. Shimri 2. No Tears 3. Ways Of Days 4. Wood Song 5. Vaggvisa For Hanna 6. Dedication

(19/09/24)5曲目がLars Jansson作曲で、4曲目が4人のインプロヴィゼーション、他の曲は全曲アリルド・アンデルセンの作曲。2人前作とはメンバーが替わっています。いかにも北欧ジャズらしい、美しいメロディと静けさが印象的でテンポがあまりないようなタイトル曲の1曲目、浮遊感のあるテーマのメロディやピアノのフレーズが乾いていて、スピリチュアルな感じもあるバラードから中盤8ビートでテンポが良くなるドラマチックな2曲目、少し陰影のあるフルートからはじまり、比較的静かにゆったりと進行する3曲目、空間を漂うような間が多い4曲目、自由に吹きまくるフルートとピアノのややメランコリックな対比がいい5曲目、スピリチュアルなサウンドの出だしから哀愁のあるバラードへ、中盤サックスが盛り上がる6曲目。

(注)Green In Blue/Arild Andersen(B) Early Quartets(ECM 2143-45)の3枚組BOXとして’10年に再発。初CD化

1081


Rubisa Patrol/Art Lande(P)(ECM 1081) - Recorded May 1976. Mark Isham(Tp, Flh, Ss), Bill Douglass(B, Fl, Bamboo Fl), Glenn Cronkhite(Ds, Per) - 1. Celestial Guests - Many Chinas 2. Jaimi's Birthday Song 3. Romany 4. Bulgarian Folk Tune 5. Corinthian Melodies 6. For Nancy 7. Kaimi's Birthday Song 8. A Monk In His Simple Room


2曲を除いてオリジナルで、全8曲中4曲がアート・ランディの曲。曲によってはいわゆる普通のクァルテット編成の曲もありますが、透明感の強いアルバムです。1曲目の中国民謡でビル・ダグラスはフルートも吹いて冒頭いきなり長いソロをとり、メドレーでマーク・アイシャムのゆったりとした硬質感のある曲に入っていきます。フルートとピアノのデュオで柔らかく聴かせる2曲目、硬く哀愁のあるメロディが聴くものの心にせまってくる3曲目、ブルガリア民謡のテンポが良い小品の4曲目、しっとりしたフレーズで語りかけてくるような5曲目、メロディアスでドラマチックに進んでいく6曲目、フルートとピアノでの淡々としつつインプロヴィゼーション色の強い7曲目、印象的なメロディで映画音楽的に包み込んでくる8曲目。

1080


Sargasso Sea/John Abercrombie(G)/Ralph Towner(G, P)(ECM 1080) - Recorded May 1976. - 1. Fable 2. Avenue 3. Sargasso Sea 4. Over And Gone 5. Elbow Room 6. Staircase 7. Romantic Descension 8. Parasol


渋いギタリスト2人の演奏で、全曲彼らのどちらか、あるいは2人でのオリジナル。やはり空間を大事にしたアルバムです。エレクトリック/フォークのジョン・アバークロンビーと、12弦/ガットのラルフ・タウナーのそれぞれの個性も注目です。渋くて深みのある演奏が繰り広げられていく1曲目、浮遊感覚があってややスリリングなやり取りが聴かれる2曲目、インプロヴィゼーションで作られたと思われる、空間的で緊張感のあるタイトル曲の3曲目、しっとりと静かに紡ぎ出されていく4曲目、過激なエコーの効いたエレキギターとの音のぶつかり合いが面白い5曲目、スピーディーながら冷めたところもあるスリリングな6曲目、語り合う感じで哀愁漂う7曲目、ピアノも交えてドラマチックにフレーズが綴られていく8曲目。

1079


Pictures/Jack DeJohnette(Ds, P, Org)(ECM 1079) - Recorded February 1976. John Abercrombie(G) - 1. Picture 1 2. Picture 2 3. Picture 3 4. Picture 4 5. Picture 5 6. Picture 6


構築されたものがもともとあったのか、フリー・インプロヴィゼーションなのかどうか判断はつきませんが、1枚のアルバムがトータルサウンド的な作りになっているようです。 多重録音の部分もあります。3曲目のみジョン・アバークロンビーとの共作で、それ以外はジャック・ディジョネットのオリジナル。ドラムスのビートの上にかぶさるオルガンサウンドの図式の1曲目、淡々としたテンポのあるドラムスのみで8分弱を勝負している2曲目、ギターとのノリの良い自由なやり取りの3曲目、波間を漂うような静かな掛け合いの4曲目、アコースティック・ギターが渋い味わいを持つ5曲目、しっとりしたピアノを中心に叙情的に、かつ淡々と進んでいく6曲目。ジョン・アバークロンビーは3-5曲目に参加 しています。

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