ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

1720


Funebre/Karl Amdeus Hartmann(ECM New Series 1720) - Recorded July and September 1999. Munchener Kammerorchester, Christoph Poppen(Cond), Isabelle Faust(Vln), Paul Meyer(Cl), Petersen Qartett - 1-4. Concerto Funebre 5-7. 4. Sinfonie 8-15. Kammerkonzert


邦題「葬送」。1-4曲目がタイトル曲の「葬送協奏曲」ですが、沈んだ雰囲気はあってもあまりお葬式方面とは縁のなさそうなサウンド。現代音楽の複雑な旋律とサウンドカラーがやっぱり20世紀ドイツの作曲家、という感じです。ただし、メロディーが流れていく部分もあります。全体的にややダークな雰囲気ですが、中ほどの「交響曲第4番」はゆったりとした部分が印象的。後半の「室内協奏曲」はドラマ性があるようです。(00年11月22日発売)

1719


Trinity/Mat Mareni(Vln, Viola)(ECM 1719)(輸入盤) - Recorded July 1999. - 1. Pure Mode 2. Almost Pretty 3. Trinity 4. Sun Ship 5. Blue Deco 6. Veiled 7. Iron Man 8. Lattice 9. November 1st 10. Lady Day's Lament


(02/01/03)ヴァイオリンまたはヴィオラによるソロ・アルバム。 これだけでも、けっこう異色の録音だということが分かります。彼自身のオリジナルは半数の5曲で、ジョン・コルトレーンやエリック・ドルフィーの曲もあります。とは言うものの、かなり変わったアプローチなので、タイトルを見ながらでないと、ジャズメンオリジナルだということが分からないような気も。全般的に引っ掛かるようなメロディやフレーズが支配していて、あまり聴きやすいサウンドではありません。タイトル曲の3曲目は10分台の曲で、スペイシーで非旋律的なフレーズがゆっくりとですが延々続きます。爆発する事もなく、淡々と演奏が繰り広げられていきます。ジャズと言うよりはクラシックや現代音楽の感触に近い感じ。けっこう聴く人を選ぶアルバム。

1718


Astrakan Cafe/Anouar Brahem(Oud) Trio(ECM 1718)(輸入盤) - Recorded June 1999. Barbaros Erkose(Cl), Lassad Hoshi(Per) - 1. Aube Rouge A Grozny 2. Astrakan Cafe(1) 3. The Mozdok's Train 4. Blue Jewels 5. Nihawend Lunga 6. Ashkabad 7. Halfaouine 8. Perfum De Gitane 9. Khotan 10. Karakoum 11. Astara 12. Dar Es Salam 13. Hijaz Pechref 14. Astrakan Cafe(2)


(01/01/07)ウード、クラリネット、パーカッション(Bendir, Darbouka)というかなり変則的な組み合わせ。大半がオリジナルですが、アゼルバイジャン、トルキスタンなどの地名のついている曲も半分ぐらいあります。いわゆるジャズ度はなく、中近東風なワールド的色彩が強いアルバム。クラリネットは本来は西洋の楽器のはずなのに、すっかり中近東の音色であり、メロディを奏でています。とはいうものの伝統的というよりは現代的なのかも。色合いとしては深い青で、このあたりがこのサウンドの巧みさなのではないかと思います。 エコーの効いているサウンドとECM流のミキシングがエキゾチックさを増している気がします。哀愁の漂うメロディアスな曲が多い感じ。たまには地域的にトリップしてみるのも良いのかも。

1715


Schneewittchen/Heinz Holliger(ECM New Series 1715/16)(輸入盤) - Recorded January 1999. Juliane Banse(Soprano), Cornelia Kallisch(Alto), Steve Davislim(Tenor), Oliver Widmer(Bariton), Werner Groschel(Bass), Orchester De Oper Zurich - 1. Prolog 2. Szene 1 3. Zwischenspiel 1-2 (Invention) 4. Szene 2, 1.Teil 5. Fuguetta (In Nomine Fluminis) 6. Szene 2, 2.Teil 7. Zwischenspiel 2-3 8. Quasi Fuga 9. Szene 3 10. Zwischenspiel 3-4 11. Szene 4 12. Zwischenspiel 4-5 13. Szene 5 14. Epilog (Choral-Variationen)


(04/04/25)Robert Walserの詩(演劇)を基に20世紀スイスの現代音楽家Heinz Holligerがオペラを作曲。英題は「Snow White(邦題「白雪姫」)」。有名な物語のタイトルに反してやはり現代音楽家らしく、歌劇のメロディ、バックのオーケストラのサウンドなど、けっこう難解な雰囲気のまま進んでいきます。最初から最後まで約115分。登場人物は、白雪姫、王妃、王子、狩人、王の5人(声の高い順)。私には言語のハードルがあります。

1714


Verklarte Nacht/Thomas Zehetmair(Vln, Cond)/Camerata Bern(ECM New Series 1714) - Recorded May 1999. - Arnold Schonberg: 1. Transfigured Night, Op.4 (Version For String Orchestra) SandraVeress: Four Transylvanian Dances (For String Orchestra) 2. Lassu 3. Ugros 4. Lejtos Bela bartok: 5. Dobbantos Divertimento (For String Orchestra) 6. Allegllo Non Troppo 7. Molto Adagio 8. Allegro Assai


邦題「浄められた夜」。シェーンベルク、ヴェレシュ、バルトークといった、こちらも20世紀の作曲家の作品を取り上げています。いずれも現代的な香りのする複雑な色彩感覚の織り成す世界。ただ、ここでのシェーンベルクは比較的聴きやすい印象があり、ヴェレシュの「4つのトランシルヴァニアの踊り」も、やはりさまざまな踊りを意識させるサウンドです。そして、やはりバルトークはバルトークなんだなあ、という印象。(01年4月21日発売)

1713


High Lines/Michael Galasso(Vln)(ECM 1713)(輸入盤) - Recorded November 2002 and April 2004. Terje Rypdal(G), Marc Marder(B), Frank Colon(Per) - 1. Spheric 2. Caravansarai Day 3. Never More 4. The Other 5. Gothic Beach 6. Quarantine 7. Crossing Colors 8. Chaconne 9. Boreal 10. High Lines 11. Caravansarai Night 12. Swan Pond 13. Iranian Dream 14. Fog And After 15. Somnambulist 16. Gorge Green


(05/04/19)全曲Michael Galassoの作曲。50分のアルバムに16曲と、短めの演奏が多い。ミニマル的に音列を繰り返すヴァイオリンとリヴァーヴの強くかかったテリエ・リピダルのギターが、ゆったりとしたサウンドをバックに不思議な情緒空間にさまよいこんでみたり、民俗音楽的なパーカッションとヴァイオリンやギターの哀愁を感じさせることができたり、ヴァイオリンのソロの曲があったりと、様々なサウンドを聴かせてくれます。フレーズよりもサウンドカラーや流れで聴くような感じかも。4、14、16曲目はかなりハードな音色のギターが出てきますが、派手になりすぎず、全体のサウンドにマッチしている感じ。タイトル曲の10曲目はヴァイオリンの高音が続く静かで抽象的な小品。12曲目は軽い4ビートか。内側を向いている?

1712


Elogio Per Un'ombra/Michelle Makarski(Vln)(ECM New Series 1712)(輸入盤) - Recorded May 1999. Thomas Larcher(P) - Giuseppe Tartini: 1-4. Sonata No.7 In A Minor Luigi Dallapiccola: 5-6. Due Studi Goffredo Petrassi: 7. Elogio Per Un'ombra Luciano Berio: 8-9. Due Pezzi Giuseppe Tartini: 10-13. Sonata No.7 In A Minor Elliot Carter: 14. Riconosecnza Per Goffredo Petrassi Giuseppe Tartini: 15-16. Sonata No.7 In A Minor George Rochberg: 17-20. Caprice Variations Anonumous: 21. Lamento Di Tristano


(04/03/27)14世紀作者不詳の曲 が1曲、18世紀イタリアの作曲家でヴァイオリン奏者Giuseppe Tartiniの曲があり、その中に20世紀現代音楽家の作品があります。ほとんどの曲はヴァイオリンの独奏ですが、ピアノとのデュオは5-6、8-9曲目。昔の曲 とGeorge Rochbergの曲は哀愁が漂う聴きやすい曲で、切なさを誘います。他の20世紀の曲は、 現代的な感触のサウンド。タイトル曲の7曲目は難解ですが淡々としたドラマが。

1711


Bartok/Eotvos/Kurtag/Kim Kashkashian(Viola)(ECM New Series 1711) - Recorded January and July, 1999. Netherlands Radio Chamber Orchestra, Peter Eotvos(Cond) - 1-3. Concerto For Viola And Orchestra (Po. Post.)/Bela Baltok 4. Replica/Peter Eotvos 5. Movement For Viola And Orchestra/Gyorgy Kurtag


バルトーク、エトヴェシュ、クルタークという20世紀の作曲家の、ヴィオラとオーケストラの作品の現代音楽集。1-3曲目のバルトークの曲は彼の遺作で、未完のものを弟子のシェルイが完成させたとのこと。現代的なセンスを感じるサウンドですが、すでに20世紀半ばの作曲。エトヴェシュやクルタークの曲も現代的な複雑な響きを持っていますが、やや難解な印象が先に立ち、個性の見極めには、私はまだまだかも。(00年8月23日発売)

1706


Historie(s) Du Cinema/Jean-Luc Godard(ECM New Series 1706-10)(輸入盤) - Released 1999. - (Disc1) Toutes Les Histoires (Disc2) Une Histoire Seule (Disc3) Seul Le Cinema Fatale Beaute (Disc4) La Monnaie De L'absolu Une Vague Nouvelle (Disc5) Le Controle De L'univers Les Signes Parmi Nous


(03/09/27)ジャン・リュック・ゴダール作の、映画の歴史に関する映像作品のサウンドトラック。大きいBOXセットに入ったブックレット、そこにセリフやナレーションが書かれています。CDの内容はそのブックレットに沿ったセリフ、そしてその背景の音楽 (主にECM)、効果音など。通常の音楽CDではなく、ECMとしてはかなり異色なアルバム、しかもCD5枚組の大作。映像作品の方はかなりの話題作だそうで、音楽ファンよりは映画ファン向けか。

1705


L'affrontement Des Pretenndants/Louis Sclavis(Cl, Bcl, Ss) Quintet(ECM 1705) - Recorded September 1999. Jean-Luc Cappozzo(Tp), Vincent Courtois(Cello), Bruno Chevillon(B), Frincois Merville(Ds) - 1. L'affrontement Des Pretenndants 2. Distances 3. Contre Contre 4. Hors Les Murs 5. Possibles 6. Hommage A Lounes Matoub 7. Le Temps D'apres 8. Maputo Introduction 9. Maputo 10. La Memoire Des Mains


変わった編成でもあって、ジャズ的な要素からアウトした場面も出てきますが、ECMにしては元気なアルバム。1曲目のタイトル曲はこれでもかというソロの応酬で、ジャズ的なもの(冷めた感じですが)がヒシヒシと迫ってきます。スクラヴィスとチェロのデュオでのインプロヴィせーションの2曲目、ジャズ的ではあってもテーマの音階やソロが個性的な3曲目、テクニックのあるベースソロの4曲目、急速調のスリリングなソロが前半で飛びまわる5曲目、16分台もの曲でドラマチックに展開するエキゾチックな6曲目、ベースとのデュオの厳かだが情念もある7曲目、ソロの小品でけっこう鋭い8曲目、浮遊感のあるユニゾンのテーマの9曲目。10曲目はチェロとドラムスとのインプロヴィゼーション。不思議なジャズ。(01年4月28日発売)

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