ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

1693


Drawn Inward/Evan Parker(Ss, Ts, Khene) Electro-Acoustic Ensemble(ECM 1693)(輸入盤) - Recorded December 1998. Philipp Wachsmann(Vln, Viola, Live Electronics, Sound processing), Burry Guy(B), Paul Lytton(Per, Live Electronics), Lawrence Casserley(Live Electronics, Sound Processing), Walter Prati(Live Electronics, Sound Processing), Marco Vecchi(Live Electronics, Sound Processing) - 1. The Crooner (For Johnny Hartman) 2. Serpent In Sky 3. Travel In The Homeland 4. Spouting Bowl 5. Collect Calls 6. Ala Lotan 7. Reanascreena 8. At Home In The Universe (For Stuart Kauffman) 9. Writing On Ice 10. Phloy In The Frame 11. Drawn Inward


(03/09/02)メンバーのオリジナルか何人かでの共作。やや静かなエネルギーを持ったフリー・インプロヴィゼーションで、時折り盛り上がります。曲によって生音とエレクトロニクスがうまく合わさっていて不思議な雰囲気。旋律と非旋律がせめぎ合い、難解な感じはします。1曲目は(For Johnny Hartman) と書いてあるのですが先鋭的なサウンドとの関連性が不明。2曲目は弦楽器の上を激しく舞い飛ぶサックスの構図。3曲目などはエレクトロニクスが主体になっていて、やはり作曲者によってさまざまなサウンドになっています。5曲目は10分を超えますが、ここでもサックスのフレーズの舞い飛ぶゆったりとした展開の曲。Burry Guy作の7曲目は弦楽器が中心。11曲目のタイトル曲は2曲目と似ている構造の印象。

1692


Eternity And A Day/Eleni Karaindrou(P)(ECM New Series 1692) - Recorded March and April, 1998. Vangelis Christopoulos(Oboe), Nikos Guinos(Cl), Manthos Halkias(Cl), Spyros Kazianis(Bassoon), Vangelis Skouras(French Horn), Aris Dimitriadis(Mandolin), Iraklis Vavagatsikas(Accordion), La Camerata, Athens - String Orchestra, Loukas Karytinos(Director) - 1. Hearing The Time 2. By The Sea 3. Eternity Theme 4. Parting A 5. Depart And Eternity Theme 6. Borders 7. Wedding Dance 8. To A Dead Friend 9. Eternity Theme Variation 1 10. Depart And Eternity Theme Variation 1 12. Bus - Part 1 13. Depart And Eternity Theme Variation 2 14. Bus - Part 2 15. Trio And Eternity Theme 16. The Poet 17. Depart And Eternity Theme Variation 2 18. Depart


邦題「永遠と一日」(オリジナル・サウンドトラック)。7曲目のみギリシャのトラディショナルで、あとはオリジナル。哀愁の漂うテーマのメロディが、ソロピアノであったり合奏の形式であったりと、他の曲の間で何度か形を変えては目の前にあらわれてきます。そのメロディは印象的で心に残ります。また、1、6曲目のような持続音で聴かせるような曲も。色合いとしてはやはり濃い青の雰囲気。 渋い映画だろうと予想させるサウンド。(99年4月1日発売)

1691


A Long Time Ago/Kenny Wheeler(Flh)(ECM 1691) - Recorded September 1997 and January 1998. John Taylor(P), John Parricelli(G), Derek Watkins(Tp), John Barclay(Tp), Henry Lowther(Tp), Ian Hamer(Tp), Pete Beachill(Tb), Mark Nightingale(Tb), Sarah Williams(Btb)m Dave Stewart(Btb), Richard Edwards(Tb), Tony Faulkner(Cond) - 1. The Long Time Ago Suite 2. One Plus Three (Version 1) 3. Ballad For A Dead Child 4. Eight Plus Three/Alice My Dear 5. Going For Baroque 6. Gnu Suite 7. One Plus Three (Version 2)


ブラス・アンサンブルを交えた演奏。全曲ケニー・ホイーラー作曲。いわゆるジャズからはちょっと離れた位置にあるかもしれませんが、ブラス・アンサンブルの響きとアレンジが心地よく、なおかつ硬質なサウンド。1曲目は目玉で、何と31分台の大作でドラマチック。後半のピアノとギターがフィーチャーされる部分がけっこうジャジーで楽しい。同じ曲で小品ながらブラスの違った個性で聴かせる2、7曲目。美しいメロディの3曲目。4曲目は前半が淡々と進行し、後半がブラス・アンサンブルでメリハリが効いています。5曲目はその名の通りバロックと現在のブラスの中間か。もうひとつの目玉が6曲目の有名な「ヌー組曲」の再演。こちらの方がカッチリしている印象もありますが、美しいサウンド。(99年9月15日発売)

1690


Frifot/Per Gudmundson(Vln, Swedish Bagpipes, Vo)/Ale Moller(Mandola, Fl, Hammmered Dulcimer, Folk Harp, Shawn, Vo)/Lena Willemark(Vo, Vln, Fl)(ECM 1690)(輸入盤) - Recorded September 1998. - 1. Abba Fader 2. Stjarnan 3. Tjugmyren 4. Kolarpolskan 5. I Hela Naturen/Mjukfoten 6. Forgaves 7. Kare Sol/Sjungar Lars-polska 8. Hemvandaren 9. Fafanglighet 10. Silder/Bingsjo Stora Langdans 11. Dromsken 12. Skur Leja 13. Metaren 14. Roligs Per-latar 15. Om Stenen/Snygg Olle 16. Morgonlat


(00/03/17)ジャズの要素はなく、北欧のフォークソング(民族音楽)そのもの。 半分以上の曲がトラディショナルをアレンジしたものとなっています。エキゾチックで時々超人的な高音を発するヴォーカル。1曲目の3人でのコーラスも良いけれど、他にヴォーカルとフィドル(ヴァイオリン)やギター(Mandola)の絡み合うのが中心の曲が8曲あります。インストルメンタルもそれなりに味があります。たゆたうような、時に情熱的な北欧サウンドに身をゆだねている、と いった感じの曲が多いです。長調の曲もありますが、全体のイメージとしては北欧を思わせるような深い青から黒にかけての色を連想させます。どんよりしていて時々日がさす、といったところ。異国の地を空想でさまようには良いかもしれません。

1688


Surrogate Cities/Heiner Goebbels(ECM New Series 1688) - Recorded 1996. Jocelyn B. Smith(Vo), David Moss(Vo), Junge Deutsche Philharmonie, Peter Rundel(Cond), etc. - 1-10. Suite For Sampler Ond Orchestra 11-13. The Horatian - Three Songs 14. D & C (For Orchestra) 15. Surrogate 16. In The Country Of Last Things


出だしの10曲目までが「サンプラーとオーケストラのための組曲」。現代音楽らしい曲想の中で随所にサンプリングを使用。5、8曲目のサンプリングで大友良英のクレジットも。ジョスリン・B・スミスが11-13、16曲目にデヴィッド・モスが15-16曲目に参加していて、前衛的な現代音楽でありながら、そこからもはみ出して行こうとするエネルギーを感じることができます。11-13、15曲目はポップス・ロック系の雰囲気も。(00年9月23日発売)

1687


Litany To Thunder/Veljo Tormis(ECM New Series 1687) - Recorded August 1998. Tonu Kaljuste(Cond), Estonian Philharmonic Chamber Choir - 1. How Can I Recognize My Home 2. Singing Aboard Ship 2. Curse Upon Iron 4. The Singer's Childhood 5. Songs Of The Ancient Sea 6. The Bishop And The Pagan 7. Litany To Thunder 8. The Lost Geese


邦題「雷鳴への連祷」。エストニア・フィルハーモニック室内合唱団の合唱による、ヴェリヨ・トルミス作品集。エストニアの伝統民族音楽を取り入れたような、哀愁の漂うエキゾチックな作風です。ところにより強い部分も。民族風のサウンドも印象的ですが、ECMらしく異郷の地の青い雰囲気が染み込んできます。曲によって男声、女性、混声、小人数での合唱と、変化に富んでいます。7曲目のタイトル曲は、なるほど、雷鳴。(00年8月23日発売)

1685


Rites/Jan Garbarek(Ts, Ss, Synth, Samples, Per)(ECM 1685/86) - Recorded March 1998. Rainer Bruninghaus(P), Eberhard Weber(B), Marilyn Mazur(Ds, Per), Jansug Kakhidze(Singer), Bugge Wesseltoft(Accordion, Synth) - 1. Rites 2. Where The Rivers Meet 3. Vast Plain, Clouds 4. So Mild The Wind, So Meek The Water 5. Song, Tread Lightly 6. It's OK To Listen To The Gray Voice 7. Her Wild Ways 8. It's High Time 9. One Ying For Every Yang 10. Pan 11. We Are The Stars 12. The Moon Over Mtatsminda 13. Malinye 14. The White Clown 15. Evenly They Dances 16. Last Rite


邦題「聖なる儀式」。ほとんどの曲がヤン・ガルバレク作曲。歌入りの曲 (11-12曲目)もあり、いろいろなサウンドを取り込んでいて、サウンドカラーも曲によりさまざま。再演曲もあります。民族音楽のエッセンス も少々漂い、なおかつメロディアスで聴きやすいアルバムで、どこを切ってもガルバレク節。タイトル曲の1曲目を含め、8、15-16曲目でBugge Wesseltoftが参加している曲は、シンセサイザーや他のエレクトロニクスのエフェクツを使用していますが、でてくるサウンドは電気的ながら郷愁を誘うような 曲もあります。8、15曲目はややリズミカル。逆にオーソドックス?なワン・ホーン・クァルテットの編成の演奏は3-4、6、9、14曲目ですが、エキゾチックな 哀愁を漂わせた演奏も。7曲目はやや元気な曲調。

1684


Epigraphs/Ketil Bjornstad(P)/David Daring(Cello)(ECM 1684) - Recorded September 1998. - 1. Epigraph No.1 2. Upland 3. Wakening 4. Epigraph No.2 5. Pavane 6. Fantasia 7. Epigraph No.1, Var.2 8. The Guest 9. After Celan 10. Song For TKJD 11. Silent Dream 12. The Lake 13. Gothic 14. Epigraph No.1, Var.3 15. Le JOur S'endort 16. Factus Est Repente


比較的短い曲が全16曲。ピアノとチェロのデュオで、主にケティル・ビヨルンスタのオリジナルが中心。また、デヴィッド・ダーリングの曲が2曲と、15世紀から17世紀の作曲家の作品も4曲ありますが、クラシック(バロック?)作品との違和感がほとんどなく、うまく溶け込んでいます。オリジナル中心でなければECM New Seriesに入れても良いのではないかと思うクラシックっぽい内容のアルバム。相変わらず色彩感覚は寒色系のダークな色使いですけれど、演奏はナチュラルな感じなので、ピアノとチェロの静かな語りかけに身を沈めて聴くと心地良いかもしれません。ヴァージョンを変えて4回出てくるタイトル曲の「エピグラフ」が印象的ではあります。 ジャズではないけれど、最近のECMのサウンドのような気がします。(00年6月1日発売)

1683


Open Land/John Abercrombie(G)(ECM 1683) - Recorded September 1998. Dan Wall(Org), Adam Nussbaum(Ds), Mark Feldman(Vln), Kenny Wheeler(Tp, Flh), Joe Lovano(Ts) - 1. Just In Tune 2. Open Land 3. Spring Song 4. Gimme Five 5. Speak Easy 6. Little Booker 7. Free Piece Suit(e) 8. Remember When 9. That's For Sure


洗練された涼しいオルガン・トリオがあるとすれば、おそらくこのメンバーが唯一ではないかと思います。オルガン・トリオの4枚目で曲によりゲストが入れ替わります。相変わらず透明度の高いギター。全体的にメロディアスで案外聴きやすいアルバム。1曲目は哀愁を帯びたメロディとケニーのホーンが印象的。2曲目は密度の高いテーマと自由な アドリブ空間の対比が面白い。ふつふつと情念がよぎってギターとテナーが心に染みる3曲目、5拍子のマイナー調が心地よい4曲目、淡々としつつもメロディが印象に残る5曲目、テーマもソロもメロディアスな6曲目、ヴァイオリンが印象的なフリー・インプロヴィゼーションの7曲目、ホーンによるテーマとソロが哀愁を誘う8曲目。9曲目は肩の力が抜けた明るめの小品。(99年9月15日発売)

1682


Sonate B-Dur D960 Op. Posth/Franz Schubert(ECM New Series 1682)(輸入盤) - Recorded July 1985. Valery Afanassiev(P) - 1. Molto Moderato 2. Andante Sostenuto 3. Scherzo: Allegro Vivace 4. Con Delicatezza - Trio Allegro, Ma Non Troppo


(04/04/11)New Series 1328, Edition Lockenhaus Vol. 3を品番と装丁を変えての再発。シューベルトは19世紀オーストリアの作曲家。遺作となった3つのピアノソナタのうちのひとつだそうですが、死の影は全然感じられず、むしろ温かみのある明るい世界を見せてくれるようなサウンド。世間では評価が高い曲だけあって、聴きやすく、その音のドラマの中へ入りこんでいくような感じがします。ゆったりふんわりとした感じが心地良いです。

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