ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了し、’17年のところに番号順になるようにアップしています。

2017年01月

1014


Piano Improvisations Vol.1/Chick Corea(P)(ECM 1014) - Recorded April 21 and 22, 1971. - 1. Noon Song 2. Song For Sally 3. Ballad For Anna 4. Song Of The Wind 5. Sometime Ago, Where Are You Now? -A Suite Of Eight Pictures- 6. Picture 1 7. Picture 2 8. Picture 3 9. Pitcure 4 10. Picture 5 11. Picture 6 12. Picture 7 13. Picture 8


全曲彼のオリジナルですが、タイトルからすれば当然(?)。端正なピアノのフレーズはやっぱり美しく、彼の個性があったからこそ成立したピアノの世界。これがジャズかどうかは議論の分かれるところ。でも、メロディアスなフレーズの曲ばかりで、正面から向き合うというよりは、自然に耳に入ってくる聴き方の方が合う気もします。インプロヴィゼーションとはいえ、ここではゴリゴリのフレーズではなく、あたかも作曲されたものを演奏しているような雰囲気。本当に美しい1曲目、哀愁の漂うスパニッシュな2曲目、淡々と語りかけてくるような3曲目、ジャズのノリの片鱗をうかがわせる4曲目、8分台のドラマチックな展開の5曲目。そして7曲目からは「8枚の絵の組曲」で、小品を8曲組み合わせた、色彩感覚豊かな展覧会。

(注)Solo Piano/Improvisations/Children's Songs/Chick Corea(P)(ECM 2140-42)の3枚組BOXとして’10年に再発。

1013

Improvisations For Cello And Guitar/David Holland(Cello)/Derek Bailey(G)(ECM 1013)(ストリーミング配信) - Recorded January 1971. - 1. Improvised Piece III 2. Improvised Piece IV 3. Improvised Piece V

(19/09/22)全曲2人のフリー・インプロヴィゼーションのライヴ。チェロとギターによる演奏だけれども、完全な非イディオム系で、メロディが存在しません。鳥の声のような音、ミュートしたような弦の鳴り、時折聴こえる楽器本来の音が、交互にひたすら音のやり取りだけが続く、かなり聴く人を選ぶアルバム。そこにドラマがあるのかを見つけるよりは音自体として認識。そこを忍耐強く聴いていくと、新しい地平が開けるような感じ。デイヴ・ホランドの方が、デレク・ベイリーのいつもの演奏方法に合わせているのだけど、両者がうまく融合していて、果たしてどちらの音か、と考えながら聴くのも面白い(?)。静かなやり取りが続くので、これまたECMとしては方針が合っている。おそらくECMのジャズの中でもかなり難物だと思います。

1012


Underwear/Bobo Stenson(P)(ECM 1012) - Recorded May 1971. Arild Andersen(B), Jon Christensen(Ds) - 1. Underwear 2. Luberon 3. Test 4. Tant W. 5. Untitled 6. Rudolf


最近の彼の作品よりはけっこう元気な演奏の部分もありますが、やはり彼の特色か、温度感は低くてシャープな演奏。 個性は当時からありました。そのサウンドは録音していた’71年よりも新しい録音に聞こえます。1曲目は元気でシャープなものの代表ともいえる曲。この1曲だけでも買いかも しれないです。一転静かで叙情的な音世界が繰り広げられる美しい2曲目。3曲目はタイトル通り「テスト」で、楽器本来の音以外も使用したフリーな展開はメロディアスな部分もあります。哀愁が漂っているようでフレーズにシャープな部分もある4曲目、これぞ’70年代前半の元気なフリージャズというべき感じのオーネット・コールマン作の5曲目。6曲目は曲としてもまとまりが印象的な、美しめで耽美的サウンド。(00年10月12日発売)

1011


Music From Two Basses/David Holland(B, Cello)/Barre Phillips(B)(ECM 1011) - Recorded February 15, 1971. - 1. Improvised Piece 1 2. Improvised Piece 2 3. Beans 4. Raindrops 5. Maybe I Can Sing It For You 6. Just A Whisper 7. Song For Clare


邦題は「ベーシック・ダイアローグ」。 2人のベーシストのみによるインプロヴィゼーションなので、当時ではかなり珍しいアルバム。最初の2曲が2人によるインプロヴィゼーションで、3曲目以降がそれぞれの作曲。ただしフリー・インプロヴィゼーションとの境界はあまりないような気がします。1-2曲目は通常のメロディのほかアルコ、ひっかく音、叩く音などさまざまな音も出して実験色もありますが、そんな中ではっとするような美しいメロディの部分も。それぞれの個性で聴くよりは2人の合わさったサウンドを追いかけていく感じ。ハーモニーの洪水の3曲目、タイトル通り雨が落ちる音のような4曲目、曲としてはまとまっている小品の5曲目、フリーに近い感覚の音の6曲目、ゆったりと伴奏とメロディに分かれて聴ける7曲目。(03年8月27日発売)

1010


Ballads/Paul Bley(P)(ECM 1010) - Recorded March and July 1967. Gary Peacock(B), Barry Altschul(Ds), Mark Levinson(B) - 1. Ending 2. Circles 3. So Hard It Hurts


1曲目がゲイリー・ピーコック(B)、バリー・アルトシュル(Ds)とのトリオで、2-3曲目がマーク・レビンソン(B)、バリー・アルトシュル(Ds)とのトリオ。すべてアーネット・ピーコックの曲ですが聴いた感じではフリー ジャズです。ECMがスタートする以前の録音なので、サウンドはちょっといつものECMと違う感じもします。1曲目は抑制の効いたフリー・ジャズという面持ちで、比較的静かに3人のコラボレーションが展開していきます。何と17分台の大曲 です。1曲目から、何と「エンディング」というタイトル。2曲目は3分弱の小品ながら、静かな緊張感。3曲目はテンションを維持しつつ冷ややかに、3人の語り合いが淡々と進行していきます。 これまた12分台の長い作品。フリーなので聴く人を選ぶかもしれません。(00年9月23日発売)

1009


A.R.C./Chick Corea(P)/Dave Holland(B)/Barry Altshul(Per)(ECM 1009) - Recorded January 11-13, 1971. - 1. Nefertitti 2. Ballad For Tillie 3. A.R.C. 4. Vadana 5. Thanatos 6. Games


当時のフリージャズの影響が強く見え隠れするアルバムで、正面から勝負をしている感じです。1曲目に「ネフェルティティ」。解体・再構築路線のソロピアノのイントロを経て、カッチリしたタイム感のトリオでの4ビートから曲が展開してフリーに突入して 、再びテーマに戻ります。2曲目は3者による作曲なので、おそらくフリー・インプロヴィゼーションの世界。短いテーマから徐々に発展していって、フリージャズの世界に入りこんでいくタイトル曲の3曲目。デイヴ・ホランド作の4曲目は、自由ながらも美しさを感じさせる出だしからフリーに展開していきます。ゆっくりとフェードインしてまたフェードアウトしていくゴリゴリのフリージャズの5曲目、やはり当時のフリージャズ度が高い6曲目。今なら聴く人を選ぶアルバムかも。

1008

Girl From Martinique/Robin Kenyatta(Fl, As, Per)(ECM 1008)(ストリーミング配信) - Recorded October 30, 1970. Wolfgang Dauner(Clavinet, P), Arild Andersen(B), Fred Braceful(Ds) - 1. Girl From Martinique 2. Blues For Your Mana 3. Thank You Jesus 4. We'll Be So Happy

(19/09/22)全曲Robin Kenyattaの作曲。欧州フリー的なサウンドで、電気楽器も聴こえつつ、フリージャズ、ブルースなどを演奏しています。「イパネマの娘」をもじったのではないとは思いますが、ある意味東洋的な感じもするような間を活かした静かで自由なバックで、幻想的なフルートを吹いて不思議なサウンドを醸し出しつつ後半は8ビートになる1曲目、ブルースというよりはロック的な8ビートサウンドでせまってきて、サックスも映えて、このサウンドの当時の新しさを物語っている2曲目、サックスと後半フルートを吹き、静かな演奏のバラードが心なしか敬虔な雰囲気もあって、ゆったりと進んでいって後半はビートも出てきて賑やかになる3曲目、やや時代を感じさせる音ですが、4曲の中で一番ポップな感じのある4曲目。

1007


Afric Pepperbird/Jan Garbarek(Ts, Bs, Cl, Fl, Per)(ECM 1007) - Recorded September 1970. Terje Rypdal(G, Bugle), Arild Andersen(B, etc.), Jon Christensen(Per) - 1. Skarabee 2. Mah-Jong 3. Beast Of Kmmodo 4. Blow Away Zone 5. MYB 6. Concentus 7. Afric Pepperbird 8. Blupp


今でもおなじみの4人の演奏ですが、ヤン・ガルバレクの音は、今に比べて、アヴァンギャルト(フリー)の要素が非常に強く、全然別人のサックスに聞こえます。 ただし、抑制は効いています。1曲目は、いわゆる静かなホーンの咆哮が聴ける当時のフリージャズとでも言うべき展開。2分弱の小品でベースを中心にギターが絡む2曲目、12分台の曲で一定のベースのリズムの上を飛び交うサックスとギターの3曲目、これぞゴリゴリのフリージャズというべき激しい展開の4曲目、ベースとサックスが中心の静かな小品の5曲目、ホーンの多重録音と思われるこれまた小品の6曲目、ソロも当時の雰囲気を出していてエキゾチックかつドラマチックなタイトル曲の7曲目。8曲目はスペイシーなドラムスの小品で幕を閉じます。

1006

Output/Wolfgang Dauner(P. Ringmodulator, Hohner Electra-clavinet)(ECM 1006)(ストリーミング配信) - Recorded September 15 and October 1, 1970. Fred Braceful(Per, Voice), Eberhard Weber(B, Cello, G) - 1. Mudations 2. Output 3. Bruch 4. Nothing To Declare 5. Abraxas 6. Brazing The High Sky Full

(19/09/22)全曲ウォルフガング・ダウナーの作曲ないしは共作。1曲目から落ち着いてはいるんだけど、電子楽器の絡んだある程度前衛的なサウンドでゆったりと進んでいきます。ベースもエバーハルト・ウェーバーで、ここではアルコ奏法ながら、個性的な味を見せてくれます。そこに時折り絡むヴォイス。ドラムスが入って、フリー的な電子音も加えながら、アヴァンギャルド的に進んでいくタイトル曲の2曲目、スペースの多い静かなやり取りが徐々にフリーで盛り上がる3曲目、ジャズロック的な8ビートで、少し時代を感じさせる音とノリの4曲目、エキゾチックなフレーズと何やら素朴なビートが絡んで、不思議な異国情緒的なものを味わいつつ進んでいく5曲目、ドラムスが淡々と進む中で、他の楽器が絡んでいく趣向の6曲目。

1005


The Music Improvisation Company/Derek Bailey(G)/Evan Parker(Ss)/Hugh Davis(Electro)/Jamie Muir(Per)/Christine Jeffrey(Vo)(ECM 1005) - Recorded August 25 and 27, 1970. - 1. Third Stream Boogaloo 2. Dragon Path 3. Packaged Eel 4. Untitled No.1 5. Untitled No.2 6. Tuck 7. Wolfgang Van Gangbang


全曲参加メンバーによるフリー・インプロヴィゼーション。クリスティン・ジェフリーは1、5曲目に参加。バリバリのフリー・ジャズでドシャメシャ的な部分もあるけれども、ある時はメロディと対極に位置するような非旋律が静かな場面から浮かび上がっては沈んでいき、ある時にはコラボレーションを形成している(非)音楽。ドラムスもベースもなくて、逆にElectro(シンセサイザーの元になるようなもの?)が入っているので独特なサウンドの感触があります。さすがにここまでイディオムならざるフリーを追求するのも頭が下がる思いですが、そのためにかなり聴く人を選ぶアルバムになっているような感じも。4-5曲目は「無題No.1-2」という曲なのですが、他のタイトルがある曲とどういう風に違いがあるのかを考えると難しい。(03年8月27日発売)

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