ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了し、’17年のところに番号順になるようにアップしています。

2017年05月

1173


Solo Concert/Ralph Towner(G)(ECM 1173) - Recorded October 1979. - 1. Spirit Lake 2. Ralph's Piano Waltz 3. Train Of Thought 4. Zoetrope 5. Nardis 6. Chelsea Courtyard 7. Timeless


とてもギター・ソロとは思えない複雑なアルペジオやコードワークが見事。それをライヴでやってのけています。曲によって12弦ギターの変則チューニングとクラシックギターを交替で使用しているらしい。色彩感覚がすごく複雑で、しかもきれいなサウンド。その複雑なアルペジオが聴く人を幻影の彼方へと誘い込む1曲目、哀愁ただよう情感豊かなメロディが美しい2曲目、ところどころにタウナーのパッションの発露を聴くことができる3曲目、爽やかな草原の香りを感じる事ができる4曲目、有名な「ナーディス」が深い味わいをもって演奏される5曲目、素直に流れているのだけれどひとクセありそうな6曲目、場面によってスペイシーな印象のある感性度の高い7曲目。ちなみに2、7曲目はジョン・アバークロンビー作。(01年6月21日発売)

1171


Nude Ants/Keith Jarrett(P, Per)(ECM 1171/72) - Recorded May 1979. Jan Garbarek(Ss, Ts), Palle Danielsson(B), Jon Christensen(Ds, Per) - 1. Chant Of The Soil 2. Innocence 3. Professional 4. Oasis 5. New Dance 6. Sunshine Song


邦題「サンシャイン・ソング」。ヨーロピアン・クァルテットのヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴで、全曲キース・ジャレットのオリジナル。CD2枚組で、長い曲が多いです。ブルージーでノリの良い、ビートが効いている17分台の1曲目、この1ヶ月前の録音の「パーソナル・マウンテンズ」でも演奏された、明るいメロディで親しみをもってせまってくる2曲目、エキゾチックな味を持ちながら浮遊感のある哀愁風味で、静かになったり盛り上がったりして進んでいく20分台の3曲目、30分もの長い演奏時間で、旋律が漂ってさまざまな表情に変化していく4曲目、タイトル通りダンサブルで明るい12分台の5曲目、美しいピアノやサックスがサウンドのドラマチックな展開と調和していく、邦題タイトル曲で12分台の6曲目。(02年9月19日発売)

1170


Folk Songs/Charlie Haden(B)/Jan Garbarek(Ts, Ss)/Egberto Gismonti(G, P)(ECM 1170) - Recorded November 1979. - 1. Folk Song 2. Bodas De Prata 3. Cego Aderaldo 4. Veien 5. Equilibrista 6. For Turia


同じメンバーでの半年ぶり2作目。今回はエグベルト・ジスモンチ作が3作あるので、彼がメインか。からっとしたサックスと、粘り気のあるベースと、アルペジオ的なギターとピアノが、一種沈んだ、また叙情的なサウンドを奏でているのは印象に残ります。1曲目はトラディショナルを3人でアレンジしたものですが、沈潜した哀愁のメロディを軸に自由に絡み合ってゆったり進んでいく感じ。ピアノも含めてそこはかとない哀しみと優しさを感じる2曲目、素早いマイナーのパッセージとそのヴァリエーション、そして大らかな長調の場面が印象的な3曲目、サックスの淡々とした語りとギターの絡みが美しい4曲目、バックの演奏から浮かび上がるサックスのメロディの5曲目、いかにもチャーリー・ヘイデン作らしい哀愁いっぱいの6曲目。

1169


Aftenland/Jan Garbarek(Ts, Ss, Wood Fl), Kjell Johnsen(Pipe Organ)(ECM 1169)(輸入盤) - Recorded December 1979. - 1. Aftenland 2. Syn 3. Limje 4. Bue 5. Enigma 6. Kilden 7. Spill 8. Iskirken 9. Tegn


(99/01/16)パイプ・オルガン(ハモンドオルガンではありません)と管楽器のデュオ。他ではあまり聴くことができないだろうなあ、と思いつつ。全曲2人での作曲なので、完全即興演奏の可能性は高いです。ジャズ的かというと微妙なところですが、インプロヴィゼーションのエッセンスは感じることができます。曲によってサウンドに変化があり、時間とともにサウンドの表情の移ろいを聴いていくのも面白いかも。1曲目のタイトル曲では、オルガンの荘厳な雰囲気とともにサックスが深みのあるメロディで非常にゆったりと絡んでいきます。他の曲でもソプラノ・サックス、テナー・サックス、ウッド・フルートと楽器を持ちかえつつ、落ち着いた世界を表現しています。ごくたまに不安感を誘ったり、激しい部分も あります。

1168


Octet/Music For A Large Ensemble/Violin Phase/Steve Reich(ECM (New Series) 1168)(輸入盤) - Recorded February 1980. Russ Hartenberger(Marimba), Glen Velez(Marimba), Gary Schall(Marimba), Richard Schwarz(Marimba), Bob Becker(Xylophones), David Van Tieghem(Xylophones), James Preiss(Vib), Nurit Tilles(P), Edmund Niemann(P), Larry Karush(P), Steve Reich(P), Jay Clayton(Vo), Elizabeth Arnold(Vo), Shem Guibbory(Vln), Robert Chausow(Vln), Ruth Siegler(Viola), Claire Bergmann(Viola), Chris Finckel(Cello), Michael Finckel(Cello), Lewis Paer(B), Judith Sugarman(B), Virgil Blackwell(Cl, Bcl, Fl, Piccolo), Richard Cohen(Cl), Mort Silver(Cl, Bcl, Fl, Piccolo), Ed Joffe(Ss), Vincent Gnojek(Ss), Douglas Hedwig(Tp), Marshall Farr(Tp), James Hamlin(Tp),


(02/08/04)スティーヴ・ライヒ作の現代音楽でミニマル・ミュージック。編成の異なる3曲を演奏していて、それぞれが15-17分ほど。1曲目は大編成による演奏で、同じフレーズの反復の中で、少しずつサウンドの表情が変わっていきます。2曲目はヴァイオリンの演奏で、多重録音。やはり反復された演奏が変化しながらひたすら続きます。3曲目は8人編成による演奏。執拗な反復により変化していく傾向は、やはり同じです。

(注)The ECM Recordings/Steve Reich(ECM New Series 2540-42)の3枚組CDとして、’16年に再発。

1167


Full Force/Art Ensemble Of Chicago(ECM 1167) - Recorded January 1980. Lester Bowie(Tp, etc.), Joseph Jarman(Sax, etc.), Roscoe Mitchell(Sax, etc.), Malachi Favors Maghostus(B, etc.), Famoudou Don Moye(Per, etc.) - 1. Magg Zelma 2. Care Free 3. Charlie M 4. Old Time Southside Street Dance 5. Full Force


全曲メンバーそれぞれの、あるいは全員によるオリジナル。1曲目は何と19分台の曲。静かな場面から徐々に哀愁が漂いながら盛り上がりをみせ、フリーに突入する曲の展開で、動物の鳴き声を模するような場面もあり、様々なインストルメンツによる効果音的なサウンドが、このグループならではの表現力。ECMらしく、特に静かな場面でのパーカッションの音が深いです。曲としてよりも物語を聴いているような気分。アンサンブルとしてまとまっている小品の2曲目を経て、マイナー調のブルースを聴いているような渋めの4ビートの3曲目、アップテンポのテーマの次にサックスの咆哮やメロディがあらわれて勢いがかなりある4曲目、浮遊感があって自由な展開をする、タイトル曲でフリー・インプロヴィゼーションの5曲目。

1166

AH/Enrico Rava(Tp) Quartet(ECM 1166)(ストリーミング配信) - Recorded December 1979. Franco D'andrea(P), Giovanni Tommaso(B), Bruce Ditmas(Ds) - 1. Lulu 2. Outsider 3. Small Talk 4. Rose Selavy 5. Ah 6. Trombonaua 7. At The Movies

(19/10/22)全曲エンリコ・ラヴァの作曲。プロデューサーはトーマス・ストゥーヴサント。ジャズ、時にフリー寄りの演奏で温度感も高め。短いテーマの後にフリーの場面がいきなり登場したり、ジャズの匂いをプンプンさせたりしている1曲目、テーマがオーネット・コールマン的な明るさを感じつつアドリブでかなりアップテンポの4ビートでモーダルにガンガン突き進む2曲目、やや落ち着きを取り戻すものの、イケイケ状態のジャズに近いサウンドになっている3曲目、シャッフルのリズムでジャズらしいジャズを演奏している4曲目、メカニカルなテーマとアドリブでそのまま4ビートで突っ切る部分もあるタイトル曲の5曲目、トランペットが朗々と鳴るメロディアスなバラードの6曲目、バラードと思いきや中盤で全体的に盛り上がる7曲目。

(’19年8月より順次配信)

1165


Shift In The Wind/Gary Peacock(B)(ECM 1165)(輸入盤) - Recorded February 1980. Art Lande(P), Eliot Gigmund(Ds) - 1. So Green 2. Fractions 3. Last First 4. Shift In The Wind 5. Centers 5. Caverns Beneath The Zoth 6. Valentine


7曲中、ゲイリー・ピーコック作が3曲、3人のインプロヴィゼーションが2曲。変わったメンバーの取り合わせですが、ここではやはりゲイリーを中心としたサウンドで、ピアノの個性もやや強め。アート・ランディ作の端正で静かなピアノのテーマと、自由なベースとの対比が面白い1曲目、表情を自在に変えていき、それでいて緻密な感じもあるフリーの2曲目、テーマが哀愁を帯びていて、静かな場面から各ソロの波を経ながらメロディアスに物語性のある進行の3曲目、ゲイリーの作曲ではあるけれどもフリー色がかなり強いタイトル曲の4曲目、インプロヴィゼーションでありながらカッチリ構築されているような5曲目、スペイシーで内省的な世界が展開し、中間部で盛り上がる6曲目、サウンドの対比は1曲目に似ている7曲目。

1164

Abercrombie Quartet/John Abercrombie(G, Mandolin)(ECM 1164)(この番号では未CD化、別番号でCDBOX発売) - Recorded November 1979. Richie Beirach(P), George Mraz(B), Peter Donald(Ds) - 1. Blue Wolf 2. Dear Rain 3. Stray 4. Madagascar 5. Riddles 6. Foolish Dog

(19/10/22)ジョン・アバークロンビー作が1-2、6曲目、リッチー・バイラーク作が3-5曲目。実質的には双頭バンドか。なだらかな出だしで哀愁のテーマがはじまったのち、アップテンポの4ビートでモーダルなサウンドで突き進んだり戻ったりの1曲目、長めのベース・ソロではじまり、割と自由なテンポで4人が寄り添いながら演奏するバラードの2曲目、8分の6拍子で、多少の浮遊感を伴いつつ入り組んだフレーズをギターが弾きながら、ベースも時々ウォーキングする3曲目、耽美的なソロ・ピアノではじまり、その後少しずつ盛り上がるもメロディが印象的な4曲目、8ビートも効いていてモーダルな感じで全体的に割とハードに攻めている5曲目、しっとり感が強めのメロディの良いバラードでジャズに寄り添いつつ進む6曲目。

(注)「The First Quartet/John Abercrombie(G)」(ECM 2478-80)として’15年に3枚組CDBOXとして再発。初CD化。

1163

Depart/Azimuth with Ralph Towner(G)(ECM 1163)(この番号では未CD化、別番号でCDBOX発売) - Recorded December 1979. John Taylor(P, Org), Norma Winstone(Voice), Kenny Wheeler(Tp, Flh) - 1. The Longest Day 2. Autumn 3. Arrivee 4. Touching Points: From The Window - 5. Wildfall -  6. The Rabbit -  7. Charcoal Traces 8. Depart 9. The Longast Day (Reprise)

(19/10/22)全曲ジョン・テイラーの作曲で、作詞はノーマ・ウィンストン。ラルフ・タウナーがゲスト参加で、存在感があります。1曲目からやや静かな、哀愁を伴ったピアノとベースに、途中からホーンが乗っかって淡々と進む1曲目、静かで浮遊感を伴ったヴォイスが不思議な感覚をもたらしている11分台の2曲目、ソロ・ピアノではじまりギターが控えめに絡んできて、温度感低くホーンが朗々と鳴っている3曲目。4-7曲目は組曲で、CDでは小曲ごとに曲番が分かれてます。1-4分台の静かな小品(断片?)が続いていく。出だしで非常にゆったりとしたホーンとヴォイスのユニゾン、その後クラシック的なピアノを伴奏にヴォーカルとホーンが展開していくタイトル曲の8曲目、1曲目のリプライズで淡々と進んで幕を閉じる9曲目。

(注)CDではECM 1546-48で再発

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