ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了し、’17年のところに番号順になるようにアップしています。

2017年06月

1216


Offramp/Pat Metheny(G) Group(ECM 1216) - Recorded October 1981. Lyle Mays(P), Steve Rodby(B), Dan Gottlieb(Ds), Nana Casconcelos(Per) - 1. Barcarole 2. Are You Going With Me? 3. Au Lait 4. Eighteen 5. Offramp 6. James 7. The Bat Part 2


基本的にはパット・メセニーとライル・メイズの共作。ナナ・ヴァスコンセロス参加の影響なのか、ベースがメンバーチェンジしたせいなのか、グループのサウンドには変化が。効果的にギター・シンセサイザーを使用して、ゆったりとはじまりインプロヴィゼーションも見せて彼の世界を表現している1曲目、渋めのメロディが淡々と続いていって、ギターシンセのソロが心の中に入り込んでくる2曲目、浮遊感の漂う出だしから、ほのかな温かみのあるメロディが静かに紡ぎ出されていく3曲目、ロック・ビートを基調に印象のある旋律を挟みながら元気のある4曲目、過激で起伏のあるインプロヴィゼーションのタイトル曲の5曲目、すんなり頭に入ってくるメロディの、爽やかな6曲目、映画音楽あるいは穏やかな海の風景のような7曲目。(02年9月19日発売)

1215


Tehillim/Steve Reich(Per)(ECM (New Series) 1215)(輸入盤) - Recorded October 1981. Pamela Wood(High Soprano), Cheryl Bensman(Lyric Soprano), Rebecca Armstrong(Lyric Soprano), Jay Clayton(Alto), Bob Becker(Per), Russ Hartenberger(Per), Garry Kvisted(Per), Gary Schall(Per), Glen Velez(Per), Virgil Blackwell(Cl, Fl), Mort Silver(Cl, Piccolo), Vivian Burdick(Oboe), Ellen Bardekoff(English Horn), Edmund Niemann(Org), Nurit Tilles(Org), Shen Guibbory(Vln), Robert Chausow(Vln), Ruth Siegler(Viola), Chris Finckel(Cello), Lewis Paer(B) - 1. Parts 1 & 2 2. Parts 3 & 4


(03/01/08)スティーヴ・ライヒらしいと言えば言える曲。ある時は表情を変えながら反復していき、ある時はドラマチックに展開するように聞こえるヴォイス(ヴォーカル)を中心に、パーカッションや電子オルガンも使用して、ワールド・ミュージックっぽいサウンドを発しています。クラシック色は薄く、ジャスにまではいかないにしても、記譜されたECMでのインプロヴィゼーション、とでもいう雰囲気。明るめのサウンドカラーを持っています。

(注)The ECM Recordings/Steve Reich(ECM New Series 2540-42)の3枚組CDとして、’16年に再発。

1214


Axum/James Newton(Fl, Afl, Bfl)(ECM 1214)(輸入盤) - Recorded August 1981. - 1. The Dabtara 2. Malak 'Uqabe 3. Solomon, Chief Of Wise Men 4. Addis Ababa 5. Choir 6. Feeling 7. Axum 8. Susenyos And Werzelya 9. The Neser


(02/09/27)全曲ジェームス・ニュートンのオリジナル。何とフルートのみで1枚のアルバムを作ってしまいました。一部フルートの多重録音の曲も。メロディが舞う感じもありますが、何となくワールドを感じさせるような場面もあります。フルートらしい高度なメロディの表現世界。1曲目は多重録音でハーモニーとメロディを比較的ゆったりと聴かせる曲。空間・哀愁・ちょっと日本系の2曲目、悲しげなメロディが内側へ向かう3曲目、多重録音の、キラキラと舞い飛ぶフレーズの4曲目、ややブルースやや尺八風味の5曲目、この楽器らしくちょっと飛躍のあるメロディの6曲目、多重録音で少々混沌とした空間的ハーモニーのタイトル曲の7曲目、素早くやや抽象的なパッセージの8曲目、多重録音で神秘的な世界が広がる9曲目。

1213

Last Year's Waltz/Steve Kuhn(P) Quartet(ECM 1213)(ストリーミング配信) - Recorded April 1981. Sheila Jordan(Voice), Harvie Swartz(B), Bob Moses(Ds) - Turn To Gold 2. The Drinking Song 3. Last Year's Waltz 4. Remember You 5. Mexico 6. The Fruit Fly 7. The Feeling Within 8. Medley: Old Folks - Well You Needn't 9. Confirmation 10. The City Of Dallas

(19/10/29)ライヴのアルバム。スティーヴ・キューン作が1-3、6-7曲目、Harvie Swartz作が5曲目、スティーヴ・スワロウ作が10曲目で、他はスタンダードやジャズメン・オリジナル。プロデューサーはRobert Hurwiz。ECMらしからぬ雰囲気。1曲目からこれはアメリカンなライヴという雰囲気で、2曲目もラテンのリズムでノリノリ。タイトル曲の3曲目は美しいワルツでピアノが印象的、やや盛り上がりあり。ただ、4、9曲目その他、普通に4ビートのジャズを演奏している曲も目立つので、当時のECMとしてはやはり異色か。ラテンのメロディとリズムでエキゾチックな輝きを放つ5曲目、明るく陽気なエネルギーと時に4ビートのある6曲目、珍しくしっとりしたバラードの7-8(時に暴れる)曲目、陽気なワルツで歌がいい10曲目。

(’19年7月より順次配信)

1211


Urban Bushmen/Art Ensemble Of Chicago(ECM 1211/12) - Recorded May 1980. Lester Bowie(Tp, Bass Ds, Long Horn, Vo), Joseph Jarman(Sopranino, Ss, As, Ts, Bs, Bass Sax, Vo, Bcl, Cl, Bassoon), Roscoe Mitchell(Ss, As, Ts, Bs, Bass Sax, Piccolo, Fl, Bongo, Conga, Cl, Bamboo Fl, Gongs, Glockenspiel, Whistles, Bells, Pans, Vo), Malachi Favors Maghostus(B, Per, Melodica, Bass Pan Ds, Vo), Famoudou Don Moye(Trap Ds, Bendir, Bike Horns, Whistles, Comga, Tympani, Chekere, Conch Shell, Long Horn, Elephant Horn, Gong, Cymbal, Chime, Wood Blocks, Belafon, Cans, Bass Pan Ds, Vo, etc) - 1. Promenade: Cote Bamako 1 2. Bush Magic 3. Urban Magic a) March b) Warm Night Blues Stroll c) Down The Walkway d) Rm Express 4. Sun Precondition Two a) Soweto Messenger b) Bushman Triumphant c) Entering The City d) Announcement Of Victory 5. New York Is Full Of Lonely People 6. Ancestral Meditation 7. Uncle 8.Peter And Judith 9. Promenade: Cote Bamako 2 10. Odwalla/Theme


ライヴ録音で2枚組。たくさん楽器が並んでいるので、どれだけ会場がにぎやかか想像がつきます。キーポイントは、やっぱりパーカッションという気も。 でもそれだけではなくて、あらゆる楽器で曲を作り上げていきます。メンバーそれぞれの曲と全員でのフリー・インプロヴィゼーションが有機的に絡み合い、不思議な音空間を作り出しています。3、4曲目はそれぞれ組曲になっていて、両方とも4部構成。叙情的で視覚的な場面があったと思ったら、アップテンポのシリアスなジャズが繰り広げられている部分もあります。全体的にフリーに近い演奏ですが、どことなくユーモラスな場面もあって、割と親しみのわく演奏も。適材適所の楽器選び。5曲目はタイトルどおり都会的か。ロスコー・ミッチェル作の7、8、10曲目が好みかも。

1210


Voice From The Past-Paradigm/Gary Peacock(B)(ECM 1210)(輸入盤) - Recorded August 1981. Jan Garbarek(Ts, Ss), Tomasz Stanko(Tp), Jack DeJohnette(Ds) - 1. Voice From The Past 2. Legends 3. Moor 4. Allegory 5. Paradigm 6. Ode For Tomten


(99/09/10)全曲ゲイリー・ピーコックのオリジナル。やや思索的なサウンドの印象を持つアルバムですが、 北欧・東欧のフロントに、このリズム隊なので、かなりスゴいメンバーです。1曲目は哀愁を帯びたテーマではじまり、ややフリーのサウンドの中を淡々と語りかけてくるような11分の曲。2曲目は、どちらかと言うと混沌としたリズムの上を泳ぐメロディ、という感じの曲。3曲目は再演曲で、このメンバーにしては、オーソドックスな4ビートにやや近い曲。4曲目はどちらかと言うとフリー・インプロヴィゼーションに近い展開。5曲目はメンバーの丁丁発止のやり取りでさらにフリーな展開を示します。6曲目はやはり哀愁を帯びていて、ドラマチックに盛り上がる部分も。でも、思索的と言えば思索的な演奏だと思います。

1209


The Great Pretender/Lester Bowie(Tp)(ECM 1209)(輸入盤) - Recorded June 1981. Hamiet Bluiett(Bs), Donald Smith(P, Org), Fred Williams(B), Phillip Wilson(Ds), Fontella Bass(Vo), David Peaston(Vo) - 1. The Great Pretender 2. It's Howdy Doody Time 3. When The Doom (Moon) Comes Over The Mountain 4. Rios Negroes 5. Rose Drop 6. Oh, How The Ghost Sings


(99/05/05)ポップなノリの曲を、アヴァンギャルドな感じを含めて料理している1曲目がとにかく印象的。このサウンドは後のブラス・ファンタジーに引き継がれていくのですが、ここでの楽器の編成はオーソドックス。3曲目までが他の人の作曲で、後半がレスター・ボウイのオリジナル。その1曲目は何と16分台のポップスの大曲ですが、進んだり立ち止まったり。この曲のみバリトンサックスとヴォーカルも参加。おどけたニューオリンズ・ジャズのような2曲目、ハードなフリー・ファンクの様相を示す3曲目、哀愁メロディアス路線の4曲目、スペイシーなインプロヴィゼーションの5曲目。6曲目はプロデューサーであるアイヒャーやエンジニアの名前もクレジットされているエコーたっぷりのフリー・インプロヴィゼーション。

1208


Skylight/Art Lande(P, Per), David Samuels(Vib, Marimba, Per), Paul McCandless(Ss, English Horn, Oboe, Bcl, Wood Fl)(ECM 1208)(輸入盤) - Recorded May 1981. - 1. Skylight 2. Dance Of The Silver Skeezix 3. Duck In A Colorful Blanket (For Here) 4. Chillum 5. Moist Windows/Lawn Party 6. Ente (To Go) 7. Willow


(02/01/06)管楽器とピアノ、ヴァイブラホン系との変わった編成によるトリオ。全体的な印象は参加したメンバーにもよるのでしょうが、比較的端正な感じです。1曲目のタイトル曲は、その名のとおりメロディアスで明るく爽やかな印象を受けます。たたみかけるようなピアノやマリンバの音に乗っかっているホーンが哀愁を帯びて奏でられ、その対比が面白い2曲目、3人のフリー・インプロヴィゼーションでは自然体でお互いに語り合っている小品の3、6曲目、気だるい日曜日の午後のようなややスペイシーで、白っぽいやわらかな光の色調を伴っている4曲目、淡々としていながらも時にしっとりと、時にメロディアスにせまってくる5曲目。そして、表情を変えながら、メロディが流れるように進んでいく7曲目。

1207


Five Years Later/Ralph Towner(G)/John Abercrombie(G, Mandlin)(ECM 1207)(輸入盤) - Recorded March 1981. 1. Late Night Passenger 2. Isia 3. Half Past Two 4. Microthema 5. Caminata 6. The Juggler's Etude 7. Bumabia 8. Child's Play


(14/01/30)2人のインプロヴィゼーションが3曲(1、4、7曲目)、ラルフ・タウナー作が3曲(3、5-6曲目)、ジョン・アバークロンビー作が2曲(2、8曲目)。いろいろな種類のギターで、この2人ならではの世界を聴かせてくれます。フリーと思えないほど構築感のある、静けさからリズム感のあるサウンドに向かう1曲目、哀愁感たっぷりのメロディが聴ける短調バラードの2曲目、これまた哀愁がありながら浮遊感と淡さのある3曲目、幻想的でもあるけどけっこう活発なやり取りが聴ける4曲目、しっとりと落ち着いた短調のメロディでの語りかけのある5曲目、速いパッセージで割と緻密な綾織り系サウンドで聴かせる6曲目、片方がエレキギターで明るくズンズン突き進み、時にフリーになる7曲目、淡い色で語りかけてくるような8曲目。

1206

Gallery(ECM 1206)(ストリーミング配信) - Recorded May 1981. David Samuels(Vib, Per), Micheal DiPasqua(Ds, Per), Paul McCandless(Ss, Oboe, English Horn), David Darling(Cello), Ratzo Harris(B) - 1. Soaring 2. Prelude 3. A Lost Game 4. Painting 5. Pale Sun 6. Egret 7. Night Rain

(19/10/27)4曲目はマンフレート・アイヒャーとグループ名の作曲、デイヴ・サミュエル作は1-2、7曲目、3曲目がMicheal DiPasqua作、5曲目がPaul McCandless作。基本的に2つのグループ出身の新しいグループ。曲が印象に残る楽器編成。幻想的で叙情的な情景が見え隠れする、やや陰影のあるバラードの1曲目、チェロが哀愁のあるテーマを奏でた後は、映画音楽のような雰囲気の2曲目、チェロが飛び回り、アップテンポで勢いのある曲になる3曲目、おそらくフリー・インプロヴィゼーションで、漂うような自由な空間のある4曲目、映画音楽を回想するような美しいメロディが印象に残る5曲目、多少の浮遊感を伴いながら短調のメロディが心に響く6曲目、やや重厚な出だしから、薄暮のようなサウンドになる7曲目。

(’19年8月より順次配信)

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