ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

2017年07月

1226

Picture This/Gary Burton(Vib) Quartet(ECM 1226)(ストリーミング配信) - Recorded January 1982. Jim Odgren(As), Steve Swallow(B), Mike Hyman(Ds) - 1. Tanglewood '63   2. Waltz 3. Dream So Real 4. Tierra Del Fuego 5. Duke Ellington's Sound Of Love 6. Skylight

(19/11/06)Michael Gibbs作の1曲目、チック・コリア作の2曲目、カーラ・ブレイ作の3曲目、Jim Odgren作の4、6曲目、チャールズ・ミンガス作の5曲目。プロデューサーはHans Wendl。ノリの良い明るい曲調で、フュージョン的な雰囲気も醸し出している、やや一本調子だけどメロディアスな1曲目、アップテンポのワルツなんだけど、コード進行も複雑そうだし、演奏も難しそうな2曲目、再演曲だけれども、こちらの方が何だかホンワカとしてしまう、バラードの3曲目、フュージョン色が強めのサックスのテーマの、時に4ビートやラテンのリズムも入るカッコいい4曲目、ミンガスらしい優しいメロディと、心もち温かみのあるバラードの5曲目、やはりフュージョン的なテーマの勢いのある曲で、これまた4ビートやラテンビートが入る6曲目。

(’19年7月より順次配信)

1225


The Struggle Continues/Dewey Redman(Ts) Quartet(ECM 1225)(輸入盤) - Recorded January 1982. Charles Eubanks(P), Mark Helias(B), Ed Blackwell(Ds) - 1. Thren 2. Love Is 3. Turn Over Baby 4. Joie De Vivre 5. Combinations 6. Dewey Square


(07/09/20)1-5曲目がデューイ・レッドマン作曲で、6曲目のみチャーリー・パーカー作曲。ほんの少しスピリチュアルながらもいわゆる普通のジャズなので、ECMらしくなく、今まで廃盤になっていた理由が分かるような気がします。フリーキー・トーンも交えて縦横無尽にサックスを吹いていくアップテンポの4ビートでの、その他の楽器のソロもゴキゲンな1曲目、浮遊感のある美しいメロディが流れる10分台の3+3+2のリズムでゆったりした2曲目、エレキベースのミディアムのロックビート(?)にのせて、サックスを吹きまくる3曲目、明るくて弾むようなメロディ、アドリブはややアップテンポの4ビートの4曲目、超アップテンポでフリーのフレーズで暴れまわっている5曲目、明快なテーマのややアップテンポでの4ビートの6曲目。

1224

Opening Night/Enrico Rava(Tp, Flh) Quartet(ECM 1224)(ストリーミング配信) - Recorded December 1981. Franco D'andrea(P), Furio Di Castri(B), Aldo Romano(Ds, G) - 1. I'm Getting Sentimental Over You 2. Opening Night 3. Diva 4. GRRR 5. F. Express 6. Venise 7. Thank You, Come Again

(19/11/05)エンリコ・ラヴァ作が2-5、7曲目、Aldo Romanoと他の人の共作が6曲目。Thomas Stowsandのプロデュース。割と普通にジャズしてますが時にピアノがアヴァンギャルド気味。意外にも明るいスタンダード曲を奏でていく1曲目、ホーンがスローな出だしをしたと思いきや、途中からメカニカルな速いパッセージでフリー的なアップテンポになって、ラストで穏やかなジャズに戻るタイトル曲の2曲目、綾織り系のバックでホーンが朗々と奏でるバラードの3曲目、明るくてややボッサ的なサウンドから中盤ラテンになる4曲目、ピアノが時に中盤でかなり暴れている感じのアップテンポの4ビートもある、終盤バラードになる5曲目、ギターとホーンのデュオでメロディアスな6曲目、普通に4ビートジャズで意外な感じの7曲目。

(’19年8月より順次配信)

1223


Paths, Prints/Jan Garbarek(Ts, Ss, Wood Fl, Per)(ECM 1223)(輸入盤) - Recorded December 1981. Bill Frisell(G), Eberhard Weber(B), Jon Christensen(Ds, Per) - 1. The Path 2. Footprints 3. Kite Dance 4. To B.E. 5. The Move 6. Arc 7. Considering The Snail 8. Still


(99/05/02)全曲ヤン・ガルバレクの作曲。彼のサックスなどの存在感がある一方で、参加している他のメンバーも個性がけっこうあります。ゆったりした曲調のものが多い感じ。1曲目の何気ない音の連なりでも聴く人を説得してしまいます。パーカッションがエキゾチックな味を醸し出している10分台の2曲目、メロディアスでノリの良い3曲目、スペイシーな、サックスとギターで包みこんでいるような4曲目、不思議な浮遊感のあるテーマで、途中ビートがありながらも浮遊感は持続する5曲目、ゆっくりとしたサックスのメロディに他の音がさりげなく絡む6曲目、エキゾチックなサックスという点ではここでも印象的な7曲目、牧歌的で空間的にも広がりをみせている8曲目。こういう世界があってもいいかも。

1222


Psalm/Paul Motian(Ds)(ECM 1222) - Recorded December 1981. Bill Frisell(G), Ed Schuller(B), Joe Lovano(Ts), Billy Drewes(Ts, As) - 1. Psalm 2. White Magic 3. Boomerang 4. Fantasm 5. Mandeville 6. Second Hand 7. Etude 8. Yahllah


全曲ポール・モチアンの作曲。ビル・フリゼールとジョー・ロバーノが参加した最初のアルバムで、それ以前のサウンドとこの3人でのサウンドが混在している感じ。やはりギターのサウンドには、当時から独特のものがありました。 タイトル曲の1曲目は、スペイシーに包みこむギターが荘厳な雰囲気を醸し出しています。けっこうハードに切り込んできて、切れ味抜群にジャズしている2曲目、ジャズとしてはドッシリとした感じでやや浮遊感風味の3曲目、 個々の楽器がそれぞれの場面で語りかけてくる4曲目、南から風が吹いてくるようなゴキゲンなカリプソの5曲目、テーマはあるものの、自由に展開していく6曲目、ギターだけで哀愁の世界を奏でる7曲目、ギターが幻想的な風景を演出していく8曲目。

(注)Paul Motian(Ds, Per)(ECM2260-65)で6枚組BOXとして、’13年に再発。

1221

Schattseite/Adelhard Roidinger(B)(ECM 1221)(ストリーミング配信) - Recorded November 1981. Heinz Sauer(Ts), Bob Degen(P), Harry Pepl(G), Werner Pircher(Vib, Marimba), Aina Kemanis(Voice), Michael DiPasqua(Ds, Per) - 1. Fu Ptu 2. Lutti 3. Loveland 4. Stress 5. Ania 6. When Earth Becomes Desert

(19/10/30)全曲Adelhard Roidinger作曲。ECMらしいサウンドでせまってきます。薄暮のようなサウンドで、静かな中に時折り大きめの音が入るテーマの後にヴァイブラフォンその他の楽器で割とゆったりと進む1曲目、哀愁を含んだメロディアスな、時にやや激しいベース・ソロだけで、4分間が進行していく2曲目、ヴォイスも加わって、浮遊感のあるコードを変えながら同じフレーズが何度も繰り返し出てくる8分の7拍子基調の3曲目、出だしの静かで優しいメロディのヴォイスが印象に残り、ピアノ他が加わってから美しいながら何となくタイトルとのつながりが分かる4曲目、フリーのようなフレーズの感触がヴォイスを含んで展開する後半打楽器的な5曲目、フレーズの表現も物語的で、中盤はややフリーっぽく展開する6曲目。

(’19年8月より順次配信)

1220


Ondas/Mike Nock(P)(ECM 1220)(輸入盤) - Recorded November 1981. Eddie Gomez(B), Jon Christensen(Ds) - 1. Forgotten Love 2. Ondas 3. Visionary 4. Land Of The Long White Cloud 5. Doors


(02/05/05)マイク・ノックがECMに残したアルバムで、全曲彼 のオリジナルです。哀愁をたたえた非常に美しいメロディのピアノが特徴。1曲目は静かにスタートして、その哀愁系の旋律がゆっくりと心の中に入りこんでくる、ゆったりとした15分台の曲です。切ないメロディか優しく語りかけてくるタイトル曲の2曲目も、そのメロディの片鱗とピアノの伴奏の部分のバランスが心地良い。これは名曲でしょうね。タイトル通りに視覚的に映像が浮かんでくるような3曲目は、やはり旋律で聴かせるドラマチックな11分台の曲。しっとりと優しく歌い上げてくる叙情的なバラードの4曲目、このアルバムの中としてはややスリルがあって、最もジャズらしい展開をしている5曲目。ECMピアノのアルバムとしては聴いておきたい。

1219


Cycles/David Darling(Cello)(ECM 1219)(輸入盤) - Recorded November 1981. Collin Walcott(Sitar, Tabla, Per), Steve Kuhn(P), Jan Garbarek(Ts, Ss), Arild Andersen(B), Oscar Castro-Neves(G) - 1. Cycle Song 2. Cycle One: Namaste 3. Fly 4. Ode 5. Cycle Two: Trio 6. Cycle Three: Quintet And Coda 7. Jessica's Synwheel


(03/01/12)今見るとけっこうスゴいメンバーです。叙情的な方向に引っ張っていく感じのサウンド。1曲目は味わい深くて切なげなピアノのメロディが印象的な、優しい曲。2、5-6曲目は参加メンバーによるフリー・インプロヴィゼーションで、2曲目がダーリング/ウォルコット/ガルバレクでの哀しみを帯びたエキゾチックなサックス、5曲目がダーリング/キューン/ウォルコットでのパーカッションの上をゆったりと語りかけてくるフレーズ、6曲目がガルバレクを除いたメンバーでの後半盛り上がっていき最後に静かになる演奏です。硬質の冷たさを持つ、静かに進んでいく3曲目、映画音楽のような、さらに深いメロディアスな哀愁路線でせまってくる4曲目、聴き手に静かに寄り添うようにメロディが展開していく7曲目。

1218


Northern Song/Steve Tibbetts(G, Kalimba, Tape Loop)(ECM 1218)(輸入盤) - Recorded October 26-28, 1981. Marc Anderson(Per) - 1. The Big Wind 2. Form 3. Walking 4. Aerial View 5. Nine Doors/Breathing Space


(00/07/23)全曲Steve Tibbettsのオリジナル。アコースティック・ギターがメインでパーカッションがスパイスの、ゆったりした空間的なアルバム。1曲目はややエスニックの香りがしつつ、多少山はありますが、淡々と進んでいきます。シンプルなテーマから訥々と語りかけてくる2曲目、フレーズの繰り返しが印象的な、牧歌的という感じの3曲目、繰り返されるリズムの上を淡々と乗っかっていくギターの4曲目。5曲目は22分ほどの大作。空間的で、ややドラマチックでありながらあっさりした組曲というイメージ。全体的に淡々としたイメージで、もう少しメリハリがあっても良いのかな、という気もしますが、まあ、これがECM的なところなのかも しれません。シンプルなので何気なく心に入り込んできます。

1217

Lask/Ulrich P. Lask(As, Synth)(ECM 1217)(ストリーミング配信) - Recorded November 1981. Meinolf Bauschulte(Ds), Maggie Nichols(Voice) - 1. Drain Brain 2. Tattooed Lady 3. Kidnapped 4. Should We, Geanie? 5. Unknown Realm (Shirli Sees) 6. Poor Child 7. Too Much-not Enough

(19/10/29)全曲Ulrich P. Lask作曲で、作詞は5曲目のみShirli Hall、他は全曲Maggie Nichols。これこそECMでは異端で、ジャズ色すらなくポップスやロックの部類に入るのではないか。ヴォーカルがけっこう前面に出てきているけど、面白いと言えば面白いサウンド。サックスとシンセサイザー、ヴォーカルにドラムスというのはなかなか相性が良い。持ち込み音源だと思われるが、1枚で終わらなかったところを見ると、それなりに需要はあったのでしょう。それにしてもこの時代にこういう音楽を受け入れるとは、かなり進んでいたんだなあと。Maggie Nicholsの語りもあれば超人的な声もスゴい。アルバムの各曲自体のインパクトはけっこうあります。各曲の違いを表現するというより、アルバム全体で一つの世界を構築してます。

(’19年8月より順次配信)

このページのトップヘ