ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

2017年09月

1290


Without Warning/Everyman Band(ECM 1290)(輸入盤) - Recorded December 1984. Marty Fogel(Sax), David Torn(G, Effects), Bruce Yaw(B), Michael Suchorsky(Ds) - 1. Patterns Which Connect 2. Talking With Himself 3. Multibluetonic Blues 4. Celebration 7 5. Trick Of The Wool 6. Huh What He Say 7. Al Ur


(03/05/29)曲はメンバーそれぞれの作曲。やや自由度の高いロック・ファンク系のサウンドのグループです。一定のリズムの上をサックスやギターがメロディを奏でたりソロをとったりという比較的ノリやすい1曲目、ドラマチックかつアヴァンギャルドな展開を示す、外に発散するタイプのロックの2曲目、かなりフリー寄りではじまって中盤になってはじめてブルースになり、また変化していく3曲目、エキゾチックなテーマの、ギターはロック的で豪快なフレーズで、サックスはメロディアスにせまってくる4曲目、ドラムスとベースの絡みつくようなフレーズの上を舞うサックスとギターの5曲目、スリリングなソロがせまってくる、やや重めでノリの良い6曲目、ややブルージーで渋めな、リズムの上を浮遊していくメロディの7曲目。

1289


Standards, Vol.2/Keith Jarrett(P)/Gary Peacock(B)/Jack DeJohnette(Ds)(ECM 1289) - Recorded January 1983. - 1. So Tender 2. Moon And Sand 3. In Love In Vain 4. Never Let Me Go 5. If I Should Lose You 6. I Fall In Love Too Easily


「スタンダーズVol.1」と同じ時に録音されたアルバム。「チェンジズ」も含めて、一気に大量に録音してしまった事でも、このメンバーのスゴさが分かります。 そして、個性的なトリオ。ただ、選曲に通好みというか、マイナーかなあ、という印象も少々あります。ただし、どの曲も美しいです。1曲目だけは キース・ジャレットのオリジナルなのですが、まるでスタンダードのようにメロディアス。メロディ・メイカーの面目躍如といったところ。哀愁漂うこれまた美しいメロディの2曲目も、その漂う流れに身をまかせていたい感じ。明るく朗々と歌い上げていく3曲目、これまたきらめくような美しいバラードの4曲目、ウルトラ級のスピードのピアノソロが繰り広げられる5曲目。 そして、ラストの6曲目はあっさりとして素直な感じで締めくくります。(01年3月28日発売)

(注)Setting Standards New York Sessions/Keith Jarrett(P)/Gary Peacock(B)/Jack DeJohnette(Ds)(ECM 2030-32)として3枚組BOX化して’08年に再発。

1288


Chorus/Eberhard Weber(B, Synth)(ECM 1288)(輸入盤) - Recorded September 1984. Jan Garbarek(Ss, Ts), Ralf-R. Huber(Ds) - 1. Part 1 2. Part 2 3. Part 3, 4 4. Part 5 5. Part 6 6. Part 7


(03/04/20)全曲エバーハルト・ウェーバーの作曲ですが、全体を通して組曲の構成。テンポのゆったりした曲が多いです。多重録音でシンセサイザーの音も重ね合わせて重厚な流れていくサウンドになっています。1曲目はシンセサイザーをバックにベースソロを聴かせる落ち着いた出だしから、後半ソプラノサックスが入り込んできます。サックスとベースが哀愁漂う美しいメロディを切々と奏でる2曲目、やはり哀愁系のサウンドが繰り返し紡ぎ出されて後半盛り上がる、パート3と4がいっしょになった3曲目、分厚いシンセサイザーがゆったりと漂っている4曲目、サックスをメインに、途中からベースも絡んでドラマチックに、かつ比較的ハードに展開していく5曲目、メロディアスなフレーズで、再び落ち着いた世界が繰り広げられる6曲目。

1287


Rambler/Bill Frisell(G)(ECM 1287) - Recorded August 1984. Kenny Wheeker(Tp, Flh), Bob Stewart(Tuba), Jerome Harris(B), Paul Motian(Ds) - 1. Tone 2. Music I Heard 3. Rambler 4. When We Go 5. Resistor 6. Strange Meeting 7. Wizard Of Odds


全曲ビル・フリゼールの作曲。かなり変則バンドの編成。チューバも参加する必然性も感じられて、それなりのごった煮的な面白さがあります。 けっこうアヴァンギャルドな鋭角的フリーではじまって、彼の意外な側面を見せてくれる1曲目、スペイシーな中にチューバ(けっこうバカテク)のサウンドが何となくマーチ風で印象的で、後半は超現代的ニューオリンズジャズ的音楽ただし浮遊しまくりの2曲目、ほのぼのとした温かいメロディが続く3曲目、次も明るくてメロディが柔らかく包み混むようなやはりニューオリンズ系のような4曲目、低音系2人が目立つ、ややハードな浮遊系ロックとも言える5曲目、ちょっとミステリアス系で個性的な哀愁サウンドの6曲目、内省的で冷たいサウンドが切れ込んでくるような、シリアスな7曲目。

1286


Song For Everyone/Shankar(Vln, Ds Machine)(ECM 1286) - Recorded September 1984. Jan Garbarek(Ss, Ts), Zakir Hussain(Per), Trilok Gurtu(Per) - 1. Paper Nut 2. I Know 3. Watching You 4. Conversation 5. Song For Everyone 6. Let's Go Home 7. Rest In Peace


(00/01/08)メンバーからいくと完全にインド系のサウンドなのですが、北欧のヤン・ガルバレクのサックスが加わったことで、どことなく無国籍、あるいは異種格闘技的な異国情緒を感じることができます。曲はすべてシャンカールの作曲。 エレクトリック・ヴァイオリンやドラムマシーンを使っているのもサウンドに変わった彩りを添えています。哀愁を帯びたヴァイオリンとサックスの混じりあう1曲目、インドのリズムの上にテーマで爽やかなサックスが舞う2曲目、しっとりとしたリズムの上を淡々と進むヴァイオリンとサックスの、13分台の3曲目、まさに「会話」の、強力なインドリズムの4曲目、親しみやすいメロディのタイトル曲の5曲目、ベーシックなリズムの上を綴っていく6曲目。7曲目は厳かにヴァイオリンで幕を閉じます。

1285


Holderlin: Gedichte/Bruno Ganz(Narration)(ECM New Series 1285)(輸入盤) - Rcorded March 1984. - 1. Rene Char: Prometheus Und Steinbrech Zugleich 2. Friedrich Holderlin: Die Dioskuren 3. Der Ister 4. Ner Neckar 5. Der Winkel Von Hardt 6. Heidelberg 7. Ihr Sicher Gebaueten Alpen 8. Lebenslauf 9. Der Abschied 10. Diotima 11. Ruckkehr In Die Heimat 12. Vom Abgrund Namlich 13. Johannes R. Becher: Auswahl 14. Friedrich Holderlin: Mnemosyne 15. Hort Ich Die Warnenden 16. Da Ich Ein Knabe War 17. Halfte Des Lebens 18. Andenken 19. Brot Und Wein 20. Wenn Aus Dem Himmel 21. Paul Celan: Tubingen, Janner


(04/04/03)Bruno Ganzのアルバムの1作目。時々音(楽器)の断片が出てくるものの、全編が彼のナレーションというか、語りになっているという、ECMでは異色作です。CDはドイツ語で書かれているのでよく分かりませんが、数人の詩人の詩を朗読しているのだろうと思います。日本人にはほとんど無縁のCDでしょうけれども、集めていくには出会ってしまうCD。ただ、その朗読のリズム、イントネーションなどは比較的心地良いかも。

1284


Best Laid Plans/David Torn(G)(ECM 1284)(輸入盤) - Recorded July 1984. Geoffrey Gordon(Per) - 1. Before The Bitter Wind 2. Best Laid Plans 3. The Hum Of Its Parts 4. Removable Tongue 5. In The Fifth Direction 6. Two-Face Flash 7. Angle Of Incidents


(03/04/20)デヴィッド・トーンのオリジナルか2人の共作によって構成。1、6曲目が共作なので2人の フリー・インプロヴィゼーションなのでは、と思いますが、けっこうまとまりがあります。1曲目ではエレキギターで切り裂いていくフレーズとドラムスが、まるでデュオでロックをしているかのような、スペイシーかつ元気なフレーズが舞い飛びます。哀愁の漂う出だしのアルペジオと時に舞っているギターのフレーズが浮遊感を誘うタイトル曲の2曲目、強力なギターとドラムスのフレーズが空間に響き渡る3曲目、ディストローションの効いたギターソロの小品の4曲目、粘り気のあるドラムスの上を飛翔するギターの5曲目、フレーズはマイペース な感じで、淡々と進んでいく6曲目、やや変化のあるコラボレーションが聴ける7曲目。

1283


It Should've Happened A Long Time Ago/Paul Motian(Ds)(ECM 1283) - Recorded July 1984. Bill Frisell(G), Joe Lovano(Ts) - 1.It Should've Happened A Long Time Ago 2. Fiasco 3. Conception Vessel 4. Introduction 5. India 6. In The Year Of The Dragon 7. Two Women From Padua


全曲ポール・モチアンのオリジナル。3人の初アルバムで、その後長い付き合いになります。ベース無しの不安定な編成ですが、ストリングス的なギターの音が意外に厚く、この トリオだとこの編成が当たり前のように思えるのが不思議。1曲目から不思議な浮遊感覚と哀愁が出てきて、すでにこの録音でトリオとしてのサウンドが確立しています。無機的なテーマを持つ、フリーに近いような激しいアヴァンギャルドなサウンドの2曲目、かなり空間的で個性的ですが美しい気もする3曲目、ギターで切なさを秘めたメロディが奏でられていく静かな4曲目、曲名と違ってインド的な感じはしないけど雄大な印象もある5曲目、やや激しいサックスのソロや包みこむギターが展開される6曲目、危うげなテーマと自由な進行の7曲目。

(注)Paul Motian(Ds, Per)(ECM2260-65)で6枚組BOXとして、’13年に再発。

1282


Voyage/Chick Corea(P)/Steve Kujala(Fl)(ECM 1282) - Recorded July 1984. - 1. Mallorca 2. Diversions 3. Star Island 4. Free Fall 5. Hong Kong


邦題「果てしない旅」。1、3、5曲目がチック・コリアの作曲で、2、4曲目が共作ないしはフリー・インプロヴィゼーション。ピアノにスパニッシュの色やクラシック的な感じが濃く反映される部分もあって、 かなりジャズ色を抑えたフレーズで勝負しています。フルートも、やはりジャズをあまり感じさせないクラシック寄りの個性 かも。哀愁の漂う情景がヨーロッパ的に目の前に広がっていき、構築されたカッチリとしたやり取りの世界がそこにある10分台の1曲目、研ぎ澄まされたインプロヴィゼーションにも聴こえる変化に富んだやり取りの12分台の2曲目、ソロ・ピアノで、ゆったりしっとりと進行していく3曲目、やはり物悲しい雰囲気をもちつつ静かで日本的な情緒も少し感じる4曲目、緩急自在で温度感が低い現代音楽的な5曲目。

1281

Piano Harfe/Michael Fahres(ECM New Series 1281)(LPのみ)(輸入盤) - Recorded August 1982. Polo De Haas(P), Paul Godschalk(Live Electronics), Hans Stibbe(Live Electronics), Gyde Knebusch(Harp) - 1. Piano (Solo Piano And Live Electronics) 2. Piano (Solo Piano And Live Electronics)


(20/12/10)Michael Fahresはドイツの作曲家(現代音楽家)。当時のNew Seriesには珍しく、エレクトロニクスも使った片面1曲ずつの演奏。ある意味、ジャズのインプロヴィゼーションに近い(実験的?)、そして反復の多めな演奏になってますが、ゆったりと情景を移してサウンドも時間が経つにつれて変わっていきます。ある意味少し激しめな反復もあって、その部分を聴いているとトランス状態に近くなっていく感じも。2曲目の方が静かか。


(’20年9月現在CDもストリーミング配信もなし)

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