ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

2017年11月

1362


Johann Sebastian Bach/Das Wohltemperierte Klavier, Buch 1/Keith Jarrett(P)(ECM New Series 1362/63) - Recorded February 1987. - Praludien Und Fugen 1-12 BWV 846-857: 1-2. C-Dur 3-4. C-Moll 5-6. Cis-Dur 7-8. Cis-Moll 9-10. D-Dur 11-12. D-Moll 13-14. Es-Dur 15-16. Es/Dis-Moll 17-18. E-Dur 19-20. E-Moll 21-22. F-Dur 23-24. F-Moll Praludien Und Fugen 13-24 BWV 858-869: 25-26. Fis-Dur 27-28. Fis-Moll 29-30. G-Dur 31-32. G-Moll 33-34. As-Dur 35-36. Gis-Moll 37-38. A-Dur 39-40. A-Moll 41-42. B-Dur 43-44. B-Moll 45-46. H-Dur 47-48. H-Moll


邦題「J.S.バッハ 平均律クラヴィーア曲集 第1巻」。バッハは18世紀ドイツの有名な作曲家。ここではジャズのクラシック化でなくて、純粋にクラシックとしての演奏をしています。クラシック /バロックは私自身の評価軸がないためコメントがうまくできないのですが、聴いていて心が安らぎます。元々完成度のけっこう高い楽曲なので、人気が高いのもうなずけます。 不思議なのは楽譜どおりに弾いているのに、キースの音楽にも聴けること。

1360


Still Live/Keith Jarrett(P)(ECM 1360/61) - Recorded July 13 1986. Gary Peacock(B), Jack DeJohnette(Ds) - 1. My Funny Valentine 2. Autumn Leaves 3. When I Fall In Love 4. The Song Is You 5. Come Rain Or Come Shine 6. Late Lament 7. You And The Night And the Music, Extention 8. Intro, Someday My Prince Will Come 9. Billie's Bounce 10. I Remember Clifford


邦題「枯葉」。CD2枚組。だんだん曲のヴァリエーションも増えてきて、好みのスタンダードも多くなってきたので、特にこのアルバムは何度も聴いた一枚。1曲目は自然発生的なアルペジオから盛りあがってなだらかに引いていきます。これでもか、という感じの流麗かつ強引な、タイトル曲の2曲目、穏やかにしっとりと歌い上げる3曲目、16分もテンションが持続する4曲目、比較的オーソドックスなサウンドの5曲目、メロディアスに優しく語りかけてくる6曲目、前半はアップテンポのスタンダード、そして後半一転してオリジナルになる7曲目、厳かな オリジナルのイントロからおなじみの曲にスッと入って盛りあがる8曲目、これまたゴキゲンなジャズの9曲目。10曲目は静かな3分半ほどのバラードで幕を閉じます。(01年3月28日発売)

1359


Nafas/Rabih Abou-Khalil(Oud)(ECM 1359)(輸入盤) - Recorded February 1988. Selim Kusur(Nay, Voice), Glen Velez(Frame Ds), Setrak Sarkissian(Darabukka) - 1. Awakening 2. Window 3. Gaval Dance 4. The Return 1 5. The Return 2 6. Incantation 7. Waiting 8. Amal Hayati 9. Nafas 10. Nandi


(03/07/23)レバノン人のウード奏者による演奏。やはり中近東的な純民族音楽。彼の曲は半分ほどで、他のメンバーによる曲もあります。1曲目はパーカッションのみによる小品ですが、同じフレーズが続いてリズミカル。2曲目は4人の連名の曲なので民俗音楽のフリー・インプロヴィゼーションといったところですが、曲としてまとまりがあります。パーカッションのみで繰り広げられる3曲目、エキゾチックな哀愁が目の前に広がっていく組曲になっている4-5曲目、やや激しい民族的なビートにのって時々味のあるメロディが舞う6曲目、じっくりと地に足をつけたようなビートとメロディの7曲目、やはりエキゾチックで起伏のある展開をする8曲目、タイトル曲ながら小品の9曲目、そして再びパーカッションのみで締めくくる10曲目。

1358


Twilight Fields/Stephan Micus(Shakuhachi, Flowerpots, Per, etc)(ECM 1358)(輸入盤) - Recorded November 1987. - 1. Part 1 2. Part 2 3. Part 3 4. Part 4 5. Part 5


(02/02/09)ステファン・ミクスの一人多重録音。「フラワー・ポット」は植木鉢で、写真を見ると大小たくさんの植木鉢を音階が出るように並べていて、それを叩いて心地良いハーモニーを演出しています。その他の楽器でHammered Dulcimers, Bavarian Zither, Nayというものが出てきますが、どんなものか少々不明。どれかは管楽器ですが...。ただ、基本はその植木鉢で、曲によって使用個数や出てくる音階が違うようなので、並べ替えて使用してるのかも。そしておなじみ尺八は、1曲目のように西洋の音階だったり、2、5曲目のように日本的な旋律が流れてきたりと、その表情はさまざまです。特に2曲目は全体が日本的なので面白い?。3曲目は植木鉢だけでの演奏で、56個も使用。5曲目はスペイシーな15分台の曲。

1357


Acceleration/Hans Koch(Cl, Bck, Ts, Ss), Martin Schutz(B, Cello), Marco Kappeli(Ds, etc)(ECM 1357)(輸入盤) - Recorded June 1987. - 1. Shy Csardas 2. Im Delirium 3. Midori 4. Loisaida 5. Glas(s)no(s)t 6. Tatzelwurm 7. Nitrams Rock 8. Acceleration Controlee 9. GG-U-GG-U-RR-U-GG


全曲Hans Kochの作曲。ジャズよりも、フリー・インプロヴィゼーションに近い香り。書かれた譜面による演奏もあるような気も。クラシック的な蒼さを持つチェロの出だしにはじまり、クラリネットがゆったりと絡んでいく1曲目、ドラムスもラテンやワルツ的に活躍する、躍動的な感じもする2曲目、深遠の底から音が浮かび上がって時に盛り上がってくる3曲目、クラリネットのみの月夜が隠れたような小品の4曲目、無機的と思ったら有機的でミニマルな音の連なりに聴こえる5曲目、変則ビートに、メロディのみに、あるいはフリーになったり変幻自在の6曲目、ビートの上を飛び回るバスクラリネットの7曲目、サックスとドラムスが緩急自在に絡み合ったり4ビートになる変化球のような8曲目、目まぐるしいメカニカルな小品の9曲目。

1356


Cracked Mirrors/Harry Pepl(G, G Synth, P)/Herbert Joos(Flh)/Jon Christensen(Ds)(ECM 1356)(輸入盤) - Recorded February 1987. - 1. Wolkenbilder 1 2. Reflections In A Cracked Mirror 3. Schikaneder Delight 4. Die Alte Mar Und Das Mann 5. More Far Out Than East 6. Wolkenbilder 2 7. Purple Light 8. Tintelfisch Inki


全8曲中、6曲がHarry Peplの、2曲(1、6曲目)がHerbert Joosの作曲。フリー・インプロヴィゼーションぽい部分と牧歌的な部分とがあります。曲によってローランド・ミディ・ギター・システムがシンセのような広がりを出しています。 1、6曲目はシンセサイザーやエレキギターも使用して、幽玄かつフリー・ジャズ的な要素を持っている先鋭的な感じもする曲。6曲目の方がゆったり。細かいリフやリズムと大きく流れるシンセなどでやはりフリーっぽい感じの強い2曲目、優しいメロディがホーンで流れるバラードの小品の3曲目、ややスペイシーで自由度はけっこうある4曲目、テンポのかなり速いメカニカルなフリーの5曲目、ギターのギザギザした上を舞い飛んでいるメロディ(?)の7曲目、ピアノ中心でしっとり系のメロディの8曲目。

1355


Yr/Steve Tibbetts(G, Kalimba, Synth)(ECM 1355)(輸入盤) - Released 1980. Marc Anderson(Ds, Per), Bob Hughes(B), Steve Cochrane(Per), Marcus Wise(Per), Time Weinhold(Per) - 1. Ur 2. Sphexes 3. Ten years 4. One Day 5. Three Primates 6. You And It 7. The Alien Lounge 8. Ten Yr Dance


(01/06/23)ロックノリ方面かなと思うギターと、曲によってエレキベースに、タブラ2人を入れた計4人のパーカッションがエキゾチックな雰囲気を作っています。展開はそのまま行くと思うと急に変わる曲も。盛り上がりを見せる8分の7拍子を中心とした1曲目、ギターやカリンバにパーカッション達が絡んでいく2曲目、おおらかなロック的なメロディやコード進行を合わせ持つエスニックな3曲目、爽やかなアコースティック・ギターの風が吹く4曲目、エスニック・ロックとも言うべき味わいを持つ大らかでドラマチックな5曲目、ギターが飛びまわるコード一発風しかも時々ゆったりタイプの6曲目、生ギターを生かしたアメリカンロック路線の7曲目、ネアカな8曲目と続きます。編成は内向的だけれどサウンドは外を向いています。

1354


Ecotopia/Oregon(ECM 1354) - Recorded March 15-17, 1987. Trilok Gurtu(Per), Paul McCandless(Oboe, English Horn, Ss, Synth), Glen Moore(B), Ralph Towner(G, P, Synth, Drum Machine) - 1. Twice Around The Sun 2. Innocente 3. Wbai 4. Zephyr 5. Ecotopia 6. Leather Cats 7. ReDial 8. Song Of The Morrow


(00/12/31)メンバーが、亡くなったコリン・ウォルコットからインド人のトリロク・グルトゥに交代。パーカッションの部分のサウンドが変化していますが、いわゆる自然指向(シンセなどは入っていますが)のようなサウンドは基本的には変わっていません。8曲中5曲はラルフ・タウナーのオリジナル。自然派のきれいなメロディの曲が多いのですが、3曲目の小品のようなフリー・インプロヴィゼーションもあったりします。1曲目は打ち込みのドラムもある10分台の曲。メロディアスで哀愁漂う2曲目。4曲目も地味ですが美しい。ややエキゾチックな5曲目も打ち込みのドラムか。彼ら流のジャズと言えなくもないややシリアスな6曲目、哀愁のあるメロディでリズミカルな7曲目。そしてシンセサイザーをバックにスペイシーな8曲目。

1353


The Razor's Edge/Dave Holland(B) Quintet(ECM 1353) - Recorded February 1987. Steve Coleman(As), Kenny Wheeler(Tp, Flh, Cor), Robin Eubanks(Tb), Marvin "Smitty" Smith(Ds) - 1. Brother Ty 2. Vedana 3. The Razor's Edge 4. Blues For C.M. 5. Vortex 6. F Four Six 7. Wights Waits For Weights 8. Figit Time


デイヴ・ホランドのM-BASEとの交流が最高潮に達した演奏。ロビン・ユーバンクスの参加で、ホーンのアンサンブルが豊かになり、グループとしてのサウンドがまとまりと凄みを見せています。拍子については追いきれていませんけれど、オーソドックスなジャズのように聴ける曲もありますが、実は変拍子の曲が多いです。ダグ・ハモンド作の1曲目などがその最たるもの。アンサンブルの妙が聴ける2曲目。複雑な、ラテンぽい3曲目。オーソドックスな4拍子のブルース(ソロは個性的)の4曲目。個人的にはスティーヴ・コールマン作の5、7曲目が面白いと思います。静かな6曲目、急速調の曲でドラムソロが面白い8曲目と、個人的にはスティーヴ・コールマン参加のデイヴ・ホランド作品では一番好きなアルバム。

1352


Guamba/Gary Peacock(B)(ECM 1352)(輸入盤) - Recorded March 1987. Jan Garbarek(Ts, Ss), Palle Mikkelborg(Tp, Flh), Peter Erskine(Ds, Ds Computer) - 1. Guamba 2. Requiem 3. Calima 4. Thyme Time 5. Lila 6. Introducing 7. Gardenia


4曲目以外はゲイリー・ピーコックの作曲。ホーンの2人にヨーロッパの実力派 が参加、低い温度感です。テクニシャンでもあり、思索的でもあるゲイリー・ピーコックのベースは、限界がないような気も。1曲目のタイトル曲は内省的ながらも表現が豊かなベース・ソロの曲。ゆったりとしていて、ちょっとエキゾチックで浮遊感のあるホーンが印象的な2曲目、ベースではじまってしっとりとしたミュート・トランペットとゆっくり進むような3曲目、この曲のみピーター・アースキンとの合作で、4人でやや激しいフリー・インプロヴィゼーションの4曲目、冷たい情景があらわれては消えていき、中盤盛り上がってドラマチックで13分台もの5曲目、テンポの良いリズムの上を舞うようなホーンの6曲目、ゆっくりと語り合っているような風景の7曲目。

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