ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。追いつくまでは基本、毎日更新します。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。9月よりストリーミング配信だけのものも加える作業(まだ途中ですが)をしていますが、’17年のところに番号順になるようにアップしています。(現在1120番のあたりまで完了)

2017年12月

1438


Jimmy Giuffre 3, 1961(ECM 1438/39) - Disc1 "Fusion" - Recorded March 3, 1961. Jimmy Giuffre(Cl), Paul Bley(P), Steve Swallow(B) - 1. Jesus Maria 2. Emphasis 3. In The Mornings Out There 4. Scootin' About 5. Cry, Want 6. Brief Hesitation 7. Venture 8. Afternoon 9. Trudgin' Disc2 "Thesis" - Recorded April 8, 1961. Jimmy Giuffre(Cl), Paul Bley(P), Steve Swallow(B) - 1. Ictus 2. Carla 3. Sonic 4. Whirrr 5. That's True, That's True 6. Goodbye 7. Flight 8. The Gamut 9. Me Too 10. Temporarily 11. Herb & Ictus


もともとヴァーヴで発表されていた2枚のアルバムの権利をECMが買い取って、リミックスしたもの。演奏はとても’61年の録音とは思えないもので、音質もECMらし くクリアです。ジミー・ジュフリーの作曲が大半ですが、その中にカーラ・ブレイの作品がやや目立つ感じ。メンバーも強力だし、未発表曲も4曲あったというおまけ付き。ややゆったりした感じの曲調で、4ビートになっていないところもあったり、バップ的ではない緊張感のあるフレーズが続いている感じ。2枚目の方が急速調の曲がややあります。全20曲という曲数は、クールな感じながらけっこうお腹いっぱいになります。それにしてもクラリネットはメロディを吹いているのに、音色は温かくてもやっぱり冷たいフレーズの感触。この外れ具合がECMにフィットしてます。

1437


Re-Enter/Masqualero(ECM 1437)(輸入盤) - Recorded December 1990. Nils Petter Molvaer(Tp), Tore Brunborg(Ts, Ss), Arild Andersen(B), Jon Christensen(Ds, Per) - 1. Re-Enter 2. Lill'Lisa 3. Heimo/Gardsjenta 4. Gaia 5. Little Song 6. There Is No Jungle In Baltimore 7. Find Another Animal 8. Stykkevis Og Delt


2、3曲目がトラディショナルで、北欧の香りが何となく。他はドラムスを除く 3人がそれぞれ曲を提供。牧歌的な部分と、かなり自由なアドリブの部分と、さまざまです。オーソドックスな編成だけどECMっぽい。2管でけっこう自由なアップテンポの、時に4ビート空間を提供している、ドラムスもプッシュしているECM流ジャズの1曲目、ホーンのメロディとベースのアルコと自由なビートで勝負する2曲目、しっとり暗めな哀愁民族空間を表現する3曲目、アメーバ状にフリーっぽいリズムの上を漂うメロディの4曲目、シンプルなメロディで語り合うようなゆったりした5曲目、エキゾチックなリズムとメロディで北欧空間を演出している6曲目、リズミックなホーンとスペイシーな空間の対比の7曲目、やや暗く不安定な世界を演出する8曲目。

1436


Musik Fur Zwei Kontrabasse, Gitarre & Schlagzeug/Christy Doran(G)/Fredy Studer(Ds, Per)/Bobby Burri(B)/Oliver Magnent(B)(ECM 1436) - Recording May 1990. - 1. Siren 2. Chemistries 1 3. Collage 4. Chemistries 2 5. Ma Perche 6. 'Seen A Man About A Dog 7. SCD 8. U7


全8曲中8曲目がBobby Burriの作曲の他はクリスティ・ドランの作曲。全体を通して、フリー・ミュージックという感じ。2人のベースというのが珍しいし、アンサンブルの難しいところかも。もちろん1曲目のようにリズムがはっきりしていて、その上にけっこうハードなロック的なエレキ・ギターなどが乗っかっていますが、その後もさまざまに自由に変化していくところは個性的。2、4曲目は同タイトルで、ゆったりからはじまって静かなフリーですが、やっぱり変幻自在なところがあります。メカニカルでアヴァンギャルドなフリーの3曲目、皆交互に好き勝手やっているようで求心力も感じる5曲目、シンセサイザーのようなギターが流れていく6曲目、リズミカルなアプローチが印象的な7曲目、ダイナミックな展開で絡み合っている8曲目。

1435


Sagn/Arild Andersen(B)(ECM 1435)(輸入盤) - Recorded August 1990. Kirsten Braten Berg(Vo), Bendik Hofseth(Ts, Ss), Frode Alnaes(G), Bugge Wesseltoft(Key), Nana Vasconcelos(Per) - Part 1 1. Sagn 2. Gardsjenta 3. Eisemo 4. Toll 5. Draum 6. Laurdagskveld Part 2 7. Tjovane 8. Sorgmild 9. Svarm 10. Gamlestev 11. Reven Part 3 12. Nystev 13. Lussi 14. Rysen 15. Balare 16. Sagn


作曲やアレンジはアリルド・アンデルセン。北欧の民族音楽の香りがプンプンしている曲と、そうでない曲が混在。サックスやギターなど、新しいサウンドの部分もありますが、ナナ・ヴァスコンセロスの参加で、さらに無国籍的なエスニックさが加わって、不思議なサウンドに。ヴォーカルやヴォイスの入っている曲は北欧のトラディショナルが多めで、異国情緒がたっぷり。しかもブッゲ・ヴェッセルトフトのキーボードも加わり、最近の北欧ジャズの傾向にもつながっているような感じ。最初とラストのタイトル曲はその北欧ヴォーカルもあれば、民族的な部分、今の部分が混在していて、まさにアルバム全体の象徴のような雰囲気。11曲目の曲のサウンドとベース・ソロが圧巻。パート1-3に分かれていますが、あまり意識しないでも。

1433


Johann Sebastian Bach/Das Wohltemperierte Klavier, Buch 2/Keith Jarrett(Harpsichord)(ECM New Series 1433/34) - Recorded May 1990. - Praludien Und Fugen: BWV 870-893: 1-2. C-Dur 3-4. C-Moll 5-6. Cis-Dur 7-8. Cis-Moll 9-10. D-Dur 11-12. D-Moll 13-14. Es-Dur 15-16. Dis-Moll 17-18. E-Dur 19-20. E-Moll 21-22. F-Dur 23-24. F-Moll 25-26. Fis-Dur 27-28. Fis-Moll 29-30. G-Dur 31-32. G-Moll 33-34. As-Dur 35-36. Gis-Moll 37-38. A-Dur 39-40. A-Moll 41-42. B-Dur 43-44. B-Moll 45-46. H-Dur 47-48. H-Moll


邦題「J.S.バッハ 平均律クラヴィーア曲集第2巻」。バッハは18世紀ドイツの有名な作曲家。第2巻の方は、ピアノではなく、 ハープシコードで弾いています。構成的には「プレリュードとフーガ」で各調の長調と短調で計24の楽曲から成り立ちますが、「第1巻」からは20年経った作品ということで、また違った、熟成された味わいを感じることができます。バッハ特有のどこまで行っても美しく、安定したメロディとリズムという点では同じ感触。

1432


Barzakh/Anouar Brahem(Oud)(ECM 1432) - Recorded September 1990. Bechir Selmi(Vln), Lassed Hosni(Per) - 1. Raf Raf 2. Barzakh 3. Sadir 4. Ronda 5. Hou 6. Sarandib 7. Souga 8. Parfum De Gitane 9. Bou Naouara 10. Kerkenah 11. La Nuit Des Yeux 12. Le Belvedere Assiege 13. Qaf


アヌアル・ブラヒムはチュニジア出身のウード奏者。2曲目がBechir Selmiとの共作、7、9曲目がLassed Hosniの作曲の他は全部彼の作曲。いわゆるジャズではなく、ほとんど民俗音楽ですが、インプロヴィゼーションはあるのかも。面白いのはヴァイオリンも中近東の音階やフレーズになっていることで、完全に中近東音楽になっています。やはりオリジナル曲は、伝統からすれば斬新な部分になっているのでしょう。比較的短めの曲が並ぶ中、タイトル曲の2曲目だけは11分もの曲になっていて、穏やかな対話のようなドラマが繰り広げられています。編成は基本的にソロですが、デュオ、トリオの曲も数曲。ウードのフレーズが時々速い曲もありますが、大半はゆったりとしていて、乾燥した、かの地を思い出すような展開です。

1431


Arvo Part/Peter Maxwell Davies/Phillip Glass/Trivium/Christopher Bowers-Breadbent(Org)(ECM New Series 1431)(輸入盤) - Recorded October 1990. - Arvo Part: 1. Trivium 2. Mein Weg Hat Gipfel Und Wellentaler 3. Annum Per Annum 4. Pari Intervallo Peter Maxwell Davies: 5. Psalm 124 6. O God Abufe Philip Glass: 7. Satyagraha 8. Dance 4


(04/01/02)パイプオルガンでの曲。3人の20世紀現代音楽家の作品を取り上げています。アルヴォ・ペルトの曲はあまり現代的ではなく、宗教的な色彩を帯びつつも情念的に心にせまってくる場面があります。特にタイトル曲の1曲目はダイナミックレンジが広いです。他のPeter Maxwell Daviesの小品やPhillip Glassの曲は、宗教色こそないものの、聴きやすく、分かりやすい旋律が耳元を流れていきます。Glassはミニマル系?

1430


Miserere/Arvo Part(ECM New Series 1430) - Recorded September and December, 1990. Paul Hillier(Cond), The Hilliard Ensemble: Sarah Leonard(Soprano), David James(Countertenor), Rogers Covey-Crump(Tenor), John Potter(Tenor), Michael George(Bass), Western Wind Choir, Dennis Russell Davies(Cond), Orchestra Der Beethovenhalle Bonn, Christopher Bowers-Broadbent(Org), Pierre Favre(Per), etc. - 1. Miserere 2. Festina Lente 3. Sarah Was Ninety Years Old


(02/08/03)現代音楽。編成の違う演奏で3曲。1曲目はヒリアード・アンサンブルとウェスターン・ウインド・クアイアによる、荘厳で静かな場面とダイナミックな場面とのレンジが広い34分台のタイトル曲。歌詞とサウンドからするとやはり宗教音楽。2曲目はマンフレート・アイヒャーに捧げられた、ECMらしいカラーの管弦楽団での演奏。3曲目は3声とオルガン、パーカッションによる変わった編成で、静謐な中から音が浮かび上がります

1429


Music For Films/Eleni Karaindrou(P, Vo)(ECM 1429) - Jan Garbarek(Ts), Vangelis Christopoulos(Oboe), Anthis Sokratis(Tp), Nikos Guinos(Cl), Tassos Diakoyiorgis(Santouri), Vangelis Skouras(French Horn), Petros Protopapas(Fl), Andreas Tsekouras(Accordeon), Christos Sfetsas(Cello), Vassilis Dertilis(Key), String Ensemble, Directed by Lefteeris Chalkiadakis - 1. Farewell Theme 2. Elegy For Rosa 3. Fairytale 4. Parade 5. Return 6. Wandering In Alexandria 7. The Journey 8. Scream 9. Adagio 10. Fairytale 11. Parade 12. Elegy For Rosa 13. Roas's Song 14. Improvisation On Farewell And Waltz Theme 15. Wandering In Alexandria 16. Song 17. Farewell Theme 2


エレニ・カラインドルーはギリシャ生まれで、曲作りにもその民族性が強く出ているような気がします。彼女の’79年から’80年代後半にかけてのさまざまな映画音楽集との事ですが、このような渋い映画 音楽はなかなか聴いた事がありません。そして’90年ヴァージョンとして録音しなおしたものも。音楽は全17曲ありますが、もやのかかった夕暮れ時の、薄暗く、しかもゆっくり時の流れるような静かな感じです。どの曲も強い哀愁が感じられて、重みのある哀しい映画なのだなと思わせます。救いのない、あるいは少ないシリアスさ。そして、クラシックとの境目もあいまいな音楽。事実、彼女のアルバムはNew Seriesから出ているものも。ヤン・ガルバレクの参加曲は1、8、14、17曲目で「The Beekeeper」という映画のもの。

1428


Infancia/Egberto Gismonti Group(G, P)(ECM 1428) - Recorded November 1990. Nando Carneiro(Synth, G), Zeca Assumpaco(B), Jacques Morelenbaum(Cello) - 1. Ensaio De Escola De Samba (Danca Dos Escravos) 2. 7 Aneis 3. Meninas 4. Infancia 5. A Fala Da Paixao 6. Pecife & O Amor Que Move O Sol E Outras Estrelas 7. Danca No. 1 8. Danca No. 2


全曲エグベルト・ジスモンチの作曲で、グループ名義のアルバム。曲によってシンセサイザーが入り、サウンドに広がりが出てきます。かなりドラマチックな仕上がりをみせています。やはり流れで聴かせるようなサウンド。悠久の河の流れを見せるような雄大な感じもする1曲目、ピアノの明るいメロディが印象的な、クラシック的な響きも感じるドラマチックな2曲目、「少女たち」の邦題が示すような美しい控えめな3曲目、フレーズは目まぐるしいけれど時間軸に沿って流れていく、物語性のあるタイトル曲の4曲目、ゆったりとした情景の中に身をまかせるような5曲目、時にスピーディな展開がかなりスリルのある後半ゆったりの6曲目、タイトルはダンスなんだけれども複雑な色合いを持ちつつ内省的な感じもある7-8曲目。

このページのトップヘ