ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了し、’17年のところに番号順になるようにアップしています。

2018年01月

1465


Notes From Big Sur/Charles Lloyd(Ts)(ECM 1465) - Recorded November 1991. Bobo Stenson(P), Anders Jormin(B), Ralph Peterson(Ds) - 1. Requiem 2. Sister 3. Pilgrimage To The Mountain -Part1 Persevere 4. Sam Song 5. Takur 6. Monk In Paris 7. When Miss Jessye Sings 8. Pilgrimage To The Mountain -Part2 Surrender


全曲チャールス・ロイドの作曲。ドラムスに音数の多いラルフ・ピーターソンが参加していますが、ここでは叙情的に、メンバーに合わせた演奏をしています。ヨーロッパ勢の2人がサウンドのかなめで、やはりまったりした温度感の低い演奏。哀愁を漂わせた淡い、しかしはっきりとしたメロディの1曲目、優しいメロディを持つ、自由なサウンドのバラード系でも時に盛り上がる2曲目、出だしの静かなサックスの咆哮が印象に残る、自由な進行の3曲目、ちょっと浮遊感がありながらも軽めに盛り上がっていく4曲目、神秘的な雰囲気でメロディがせまってくる5曲目、モンク的なサウンドにはならず、ロイド節が聴こえる6曲目、彼流のスピリチュアルで自由な進行の7曲目、3曲目と同様な雰囲気で静かに神秘的に進んでいく8曲目。

(注)Quartets/Charles Lloyd(Ts, Fl, Chinese Oboe, Tibetan Oboe)(ECM2316-20)で5枚組BOXとして、’13年に再発。

1464


Cello/David Darling(Cello)(ECM 1464) - Recorded November 1991 and January 1992. - 1. Darkwood1 2. No Place Nowhere 3. Fables 4. Darkwood 2 5. Lament 6. Two Or Three Things (For Jean Luc Godard) 7. Indiana Indian 8. Totem 9. Psalm 10. Choral 11. The Bell 12. In November 13. Darkwood 3


全曲デヴィッド・ダーリングの作曲ないしはマンフレート・アイヒャーとの共作(2、6曲目)。何とチェロ(普通のチェロと8弦のエレクトリック・チェロ)のソロアルバム。ただし、多重録音もしているようで、2-4分台の短めの曲が多いです。各曲のタイトルからみても、秋から冬にかけてのヨーロッパの森の中のイメージ。蒼系統で深く沈み込んだサウンドが、映画音楽のようでもあります。後に「ダーク・ウッド」というアルバムも発売していますが、同名の曲が3曲入っています。どの曲もゆったりとした感じで、クラシックの香りも。2曲目など、割と厚みのある、ゆっくりと流れていくようなサウンドなので、眠りを誘うかもしれません。全体的にある種のヒーリング・ミュージック。6曲目は有名な映画監督に捧げられた、ちょっと重厚な曲。

1463


Adventure Playground/John Surman(Bs, Ss, Bcl)(ECM 1463) - Recorded September 1991. Paul Bley(P), Gary Peacock(B), Tony Oxley(Ds) - 1. Only Yesterday 2. Figfoot 3. Quadraphonic Question 4. Twice Said One 5. Just For Now 6. As If We Knew 7. Twisted Roots 8. Dust For One 9. Seven


ジョン・サーマンの作曲は全9曲中4曲(3、6-8曲目)あり、他のメンバーの作曲も。ラストのみカーラ・ブレイ作。メンバーがスゴい。静謐な中にも一本筋の通った緊張感のあるフリー に近いサウンドが展開。ホーンとピアノから他の楽器も交ざり、ビート感がなく、比較的深みのある1曲目、ベースソロからややジャジーな展開をする2曲目、ホーンやピアノにまとわりつく各楽器の様相をしているフリー的な14分台の3曲目、スペイシーなピアノの中をバス・クラリネットが泳ぐ5曲目、サックスとドラムスで情景描写的に、時にハードに進む5曲目、しっとりとしたメロディのバラードの6曲目、自由な絡み合いが静かな緊張感をもたらす10分台の7曲目、サーマンのソロで例の哀愁のある8曲目、ゆったりと大らかに進んでいく9曲目。

1462


Open Letter/Ralph Towner(G, Synth)(ECM 1462) - Recorded July 1991 And February 1992. Peter Erskine(Ds) - 1. The Sigh 2. Wistful Thinking 3. Adrift 4. Infection 5. Alar 6. Short'n Stout 7. Waltz For Debby 8. I Fall In Love Too Easily 9. Magic Pouch 10. Magnolia Island 11. Nightfall


全11曲中8曲がラルフ・タウナーの作曲。4曲目が2人の、意外に斬り込むフリー・インプロヴィゼーションで、7-8曲目がスタンダードなど。ギターとシンセサイザーの多重録音の部分もあります 。ドラムスは曲により参加。淡さやしっとり加減のメロディが印象的な1曲目、静かにギターで語りかけてくる2曲目、スペイシーでパーカッシヴなシンセサイザーがスパイスになる3曲目、ちょっと速いフレーズで哀愁のメロディの5曲目、コードワークを基調に綾織り系で聴かせる6曲目、一聴の価値があると思う優しい7曲目、静かでメロディアスな落ち着きのある8曲目、パーカッシヴなシンセサイザーをバックにノリの良い演奏を聴かせる9曲目、シンセとドラムをバックに12弦ギターが舞う10曲目、曲名に反して明るいイメージの11曲目。

1461


Invisible Storm/Edward Vesala(Ds, Per) Sound & Fury(ECM 1461)(輸入盤) - Recroded May and June 1991. Jorma Tapio(As, Bcl, Fl, Per, Bfl), Jouni Kannisto(Ts, Fl), Pepa Paivinen(Ts, Bs, Ss, Fl Afl), Matti Riikonen(Tp), Iro Haarla(P, Harp, Key), Jimi Sumen(G), Marko Ylonen(Cello), Pekka Sarmanto(B), Mark Nauseef(Bongos) - 1. Sheets And Shrouds 2. Murmuring Morning 3. Gordion's Flashes 4. Shadows On The Frontier 5. In The Gate Of Another Gate 6. Somnamblues 7. Sarastus 8. The Wedding Of All Essential Parts 9. The Invisible Storm 10. The Haze Of The Frost 11. Caccaroo Boohoo


(03/09/27)全曲Edward Vesalaの作曲。4人のホーンを中心とした7人編成に、曲によってゲストが加わります。全11曲ですが1-2、5曲目は0-1分台の小品。叩き出されるドラムスのビートの中、アンサンブルを交えつつアグレッシヴに舞い踊るホーンの3曲目、ゆったりとした曲に時々ヴォイスが絡んだり して、けっこうしっとりとした4曲目、ブルースというよりは、ゆっくりとノンテンポで自由に展開していく5曲目、 ほのぼのと明るい曲調で語りかけてくる7曲目、静かに、かつ叙情的にはじまりスローでスペイシーなジャズに展開する11分台の8曲目、アンサンブルと自由の妙味がある、前半空間的で後半盛り上がるタイトル曲の9曲目、管の浮遊感漂うサウンドの10曲目、唯一ベースが入っても彼ららしい自由のある11曲目。

1459


Forgetten Peoples/Veljo Tormis(ECM New Series 1459/60)(輸入盤) - Recorded February 1990. Estonian Philharmonic Chamber Choir, Tonu Kaljuste(Cond) - 1-5. Livonian Heritage 6-12. Votic Wedding Songs 13-22. Izhorian Epic 23-32. Ingrian Evenings 33-46. Vepsian Paths 47-51. Karelian Destiny


(04/01/02)20世紀エストニアの作曲家の、無伴奏の合唱の作品。現代の音楽にしてはストレートな 比較的分かりやすい旋律で、そのサウンドの中にほのかにある民族(エスニック)色が印象的。東欧から旧ソ連にかかるラインにあって、ちょっと昔の宗教的な合唱を聴いている雰囲気で、 ひと味違う、その民族的な哀愁、ある場面ではすがすがしさとエキゾチックさがエッセンスになっています。一部には歌だけでなく語りの場面も。

1458


Rouge/Louis Sclavis Quintet(Cl, Bcl, Ss)(ECM 1458) - Recorded September 1991. Dominique Pifarely(Vln), Bruno Chevillon(B), Francois Raulin(P, Synth), Christian Ville(Ds) - 1. One 2. Nacht 3. Kali La Nuit 4. Reflet 5. Reeves 6. Les Bouteilles 7. Moment Donne 8. Face Nord 9. Rouge 10. Yes Love


フランス出身のグループ。作曲はルイ・スクラヴィスか他のメンバー。フリーフォームのジャズの時もあれば、7曲目のように現代音楽的に聴こえる事もあります。9曲目のタイトル曲のようにユニゾンで難しいテーマがあったり、メロディが無階調の場面も。ヴァイオリンとのデュオで静かな日本的情緒も感じさせる1曲目、ドラムスのゆったりしたパルスの上をクラリネットやベースが舞う2曲目、バスクラリネットが縦横無尽に動く3曲目、スペイシーから徐々に密度が濃くなり盛り上げる4曲目、浮遊感覚があってインプロヴィゼーションが鋭い5曲目、前半バス・クラ、後半急速調で各ソロがスリリングな6曲目、10分を超える変化に富んだドラマチックな展開を見せる8曲目、後半がワルツの9曲目、ピアノが硬質で美しい10曲目。

1457


Conte De I'incroyable Amour/Anouar Brahem(Oud)(ECM 1457)(輸入盤) - Recorded October 1991. Barbaros Erkose(Cl), Kudsi Erguner(Nai), Lassad Hosni(Bendir, Darbouka) - 1. Etinecelles 2. Le Chien Sur Les Genoux De La Devineresse 3. L'oiseau De Bois 4. Limiere Du Silence 5. Conte De I'incroyable Amour 6. Peshrev Hidjaz Homayoun 7. Diversion 8. Nayzak 9. Battements 10. En Souvenir D'lram 11. Iram Retrouvee 12. Epilogue


(99/04/19)相変わらずエキゾチックなアラブ(チュニジア)音楽を奏でるアヌアル・ブラヒム2枚目の作品。12曲中10曲が彼のオリジナル。彼の演奏は単にアラブ音楽にとどまらないとのことですが、旋律がエキゾチックながらも西洋にやや近いのかな、と思えるフレーズにあるような気がします。他者の2曲の方がアラブ音楽、といった雰囲気が伝わります。編成もクラリネットの他は民族楽器ですが、クラリネットの旋律も十分同化しています。ちょっと空間の多めな、いわゆるECMのワールドミュージック系統。編成は4人が揃うことはなく、ウードのソロが6曲あって、デュオが4曲、トリオが2曲。エコーも深めにかかり、音がクリアで気持ち良い。タイトル曲の5曲目は徐々に盛り上がっていく10分台の曲。

1456


The Suspended Step Of the Stork/Music Composed By Eleni Karaindrou, For The Film By Theo Angelopoulos(ECM 1456) - Recorded April And August 1991. Vangelis Christpoulos(Oboe), Nikos Spinoulas(French Horn), Christos Sfetsas(Cello), Dimitris Vraskos(Vln), Ada Rouva(Harp), Andreas Tsekouras(Accordeon), String Orchestra - 1. Refugee's Theme 2. Search - Refugee's theme Variation A 3. the Suspended Step 4. Train - Car Neighbourhood Variation A 5. Refugee's Theme 6. The River - Refugee's Theme 7. Refugee's Theme Symphonic Variation No.1 8. Train - Car Neighbourhood Variation B 9. Refugee's Theme Symphonic VariationNo.2 10. Hassaposerviko 11. Search - Refugee's Theme Variation B 12. Waltz Of The Bridge 13. Finale 14. The River - Refugee's Theme


邦題「こうのとり、たちずさんで」オリジナル・サウンド・トラック。全曲エレニ・カラインドルーの作曲。全編を通して、重く、静かなオーケストラの曲が続きます。これはもはやジャズではなくて、クラシック寄りの映画音楽ととらえた方が良く、アルバムを通して35分の長さに、蒼い色調の沈んだ短編の曲が1分弱-4分ほどの長さで13曲。3曲目が、たぶん映画のテーマともなる曲で、この曲のみ13分の長さになります。映画監督のテオ・アンゲロプロスはギリシャの有名な映画監督で、わずかにジャケットに見れる映画の風景も、音楽に合わせて沈んだ色調になっていて、この映画にこの音楽、果たしてその人間模様に幸福はあるのか、どこまでも哀しみをさまようのではないか、という気にさせます。New Seriesの方が向いている。

1455


The Finish/Swiss Tour/Hal Russel NRG Ensemble(Ts, Ss, Tp, Vib, Ds)(ECM 1455) - Recorded November 1990. Mars Williams(Ts, Ss, etc.), Brian Sandstrom(B, Tp, G). Kent Kessler(B, etc.), Steve Hunt(Ds, Vib, etc.) - 1. Monica's Having A Baby 2. Aila/35 Basic 3. Temporarily 4. Raining Violets 5. For MC 6. Dance Of The Spider People 7. Ten Letters Of Love 8. Hal The Weenie 9. Linda's Rock Vamp 10. Mars Theme


全10曲中8曲がハル・ラッセルの作曲。恐ろしく元気で、しかもどことなくユーモラスなフリー系のジャズ。リーダーが老人とはとても思えない。ここまで思いっきり演奏されると、かえってすがすがしい感じがしますが、聴く人によっては怒り出す人がいるのではないかと。この当時のECMには珍しく、けっこう外向的なフリー・ジャズ(そう、フリー・ジャズです)で、そのエネルギーを体で感じるタイプのサウンド。もう1曲目から全開で飛ばしまくります。単なるドシャメシャだけではなくて、決め事もあって変化に富んでいます。2曲目はややゆったり系のアンサンブルもありますが途中からやはり全開。4曲目のようにビートの効いた曲も。6曲目はフリーながらやや静かめの展開。緩急自在な7、10曲目。9曲目はスピーディーなファンク。

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