ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。追いつくまでは基本、毎日更新します。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。9月よりストリーミング配信だけのものも加える作業(まだ途中ですが)をしていますが、’17年のところに番号順になるようにアップしています。(現在1120番のあたりまで完了)

2018年02月

1507


Kulture Jazz/Wadada Leo Smith(Tp, Flh, Koto, Mbira, Harmonica, Bamboo Notch Flute, Per, Vo)(ECM 1507) - Recorded October 1992. - 1. Don't You Remember? 2. Kulture Of Jazz 3. Song Of Humanity (Kanto Pri Homaro) 4. Fire-Sticks, Chrysanthemums And Moonlight (For Harumi) 5. Seven Rings Of Light In The Hola Trinity 6. Louis Armstrong Counter-Pointing 7. Albert Ayler In A Spiritual Light 8. The Kemet Omega Reigns (For Billy Holiday) 9. Love Supreme (For John Coltrane) 10. Mississippi Delta Sunrise (For Bobbie) 11. Mother: Salah Brown-Smith-Wallace (1920-92) 12. The Healer's Voyage On The Sacred River (For Ayl Kwel Armah) 13. Uprising (For Jessie And Yvonne)


全曲Wadada Leo Smithの作曲。マルチ・プレイヤーによるソロ・パフォーマンスでヴォーカルの曲もあります。空間を生かすというよりも、ちょっとスカスカの感じも否めないですが。かなりプリミティヴな印象で、素朴なヴォーカルの曲もあったり楽器の演奏。1曲目のヴォーカル曲からその雰囲気は濃厚で、静かながらやや計算されている気配も。2曲目のタイトル曲はほとんどソロのトランペット。他に何曲か曲名にジャズ・ミュージシャンの名前がついていたり、捧げられている曲もありますが、あくまでもマイペースという感じ。6曲目のルイ・アームストロングとか7曲目のアルバート・アイラーとか。8曲目はホーンが分厚く多重録音でゆったりと。10曲目には琴まで出たりして。問題作になりうると思いますが、聴く人を選ぶかも。

1506


Hindemith/Britten/Penderecki, Lachrymae(ECM New Series 1506)(輸入盤) - Recorded December 1992. Kim Kashkashian(Viola), Dennis Russell Davis(Cond), Stuttgarter Kammerorchester - 1. Paul Hindemith: Trauermusik 2. Benjamin Britten: Lachrymae Op.48a 3. Krzysztof Penderecki: Konzert Fur Viola Und Kammerorchester


(04/02/14)3曲とも20世紀の現代音楽家の作品です。どちらかと言うとキム・カシュカシャンの方にスポットが当たっているようなアルバム。1曲目は静かにゆったりと情景描写のように音楽風景が流れていき、しっとりとしながらも淡々とした雰囲気。2曲目は静かな場面からドラマがゆるやかに展開、現代的な寒色系のサウンド。3曲目はさらに暗い深遠な世界へ引き込まれるような現代音楽。静けさも覗きますがドラマチック。

1505


Te Deum/Arvo Part(ECM New Series 1505)(輸入盤) - Recorded January 1993. Estonian Philharmonic Chamber Choir, Tallinn Chamber Orchestra, Tonu Kaljuste(Cond) - 1. Te Deum 2. Silouans Song 3. Magnificat 4-11. Berliner Messe


(03/10/25)エストニア出身の作曲家、アルヴォ・ペルトが’80-90年代に作曲した作品集。1、3-4曲目以降は合唱団が入っていますが、現代音楽なのに宗教音楽家の彼らしく、敬虔で深遠な響きに満ちています。どの曲も複雑さは感じられず、深い青色の世界がのぞきながらも、心にすんなりと溶け込んでいくようなサウンド。タイトル曲の1曲目は28分台の曲で、荘厳ながら盛り上がる場面も。3曲目は合唱団のみです。

1504


Codex Specialnik/The Hilliard Ensemble(ECM New Series 1504) - Recorded January 1993. David James(Vo), Rogers Covey-Crump(Vo), John Potter(Vo), Gordon Jones(Vo) - 1. Exordium Quadruplate Nate Dei Concrepet Verbum Caro 2. Tria Sunt Munera Videntes Stellam Reges Tharsis 3. In Natali Domini 4. Sophia Nasci Fertur O Quam Pulchra Magi Videntes 5. Congaudemus Pariter En Lux Immensa 6. Magnum Miraculum 7. Nobis Est Natus 8. Salve Mater Gracie 9. Christus Iam Surrexit Terra Tremuit Angelus Domini Surrexit Christus 10. Presulem Ephebeatum 11. Paraneuma Eructemus 12. Presidiorum Erogatrix 13. Pneuma Eucaristiarum Veni Vere Illustrator Dator Eya Paradiso Tripudia 14. Terrigenarum Plasmator 15. Pulcherrima Rosa 16. Chorus Iste 17. Bud' Buohu Chvala Cest 18. O Virens Virginum 19. Kyrie Petite Camusette 20. Gloria Petite Camusette 21. Tota Pulchra 22. Credo Petite Camusette 23. Ave Pura Tu Puella 24. Sanctus Patite Camusette 25. Ave maria


(02/07/07)邦題「ボヘミアの祈りの歌」。洋題は「スペツィアルニク写本」で、1500年ごろのプラハの宗教音楽とのこと。素朴な味がありつつも荘厳で厳粛な教会音楽の合唱集。そして、そこで歌われているのは、ポリフォニー(複合旋律)での合唱で、中世の宗教音楽もけっこう豊かなサウンドだったのだな、ということを実感 します。静かに包みこむような曲が多いので、ヒーリングの要素もあります。ゆったりと聴きたいアルバム。

1503


Water Stories/Ketil Bjornstad(P)(ECM 1503) - Recorded January 1993. Terje Typdal(G), Bjorn Kjellemyr(B), Jon Shristensen(Ds), Per Hillestad(Ds) - Part One: Blue Ice (The Glacier) 1. Glacial Reconstruction 2. Levels And Degrees 3. Surface Movements 4. The View 1 5. Between Memory And Presentiment Part Two: Approaching The Sea 6. Ten Thousand Years Later 7. Waterfall 8. Flotation And Surroundings 9. Riverscape 10. Approacing The Sea 11. The View 2 12. History


全曲ケティル・ビヨルンスタ の作曲。彼は、ノルウェーのピアニスト。水をテーマにしたこのアルバムも、北欧的イメージで迫ってきます。ドラマチックですが、多少荒々しい部分も。ちなみにエレキ・ギターと、ベースはエレキ、アコースティック持ち換えでの参加が異色で効果的。意外にトンガっています。大きく2つのパートに分かれていて、内省的で繊細な水(あるいは氷)の風景。フリーに行きそうで行かないリリシズムをたたえながら、ゆったりと進んでいきます。自由でゆったりした1、3、5曲目、ややドッシリとしたリズムで歩む2曲目、8ビート進行の4曲目、ひたすら叙情的にせまる6、9-10曲目、やや過激な小品の7曲目、叙情的にもロック的にもなる8曲目、ドラマチックな進行の11曲目、ゆっくりした優しい旋律の12曲目。

1502


November/John Abercrombie(G), Marc Johnson(B), Peter Erskine(Ds), John Surman(Bs, Ss, Bcl)(ECM 1502) - Recorded November 1992. - 1. The Cat's Back 2. J.S. 3. Right Brain Patrol 4. Prelude 5. November 6. Rise And Fall 7. John's Waltz 8. Ogeda 9. Tuesday Afternoon 10. To Be 11. Coma Rain Or Come Shine 12. Big Music


3人プラス、ジョン・サーマン(5曲参加、1-2、6、8、10曲目)。3人は長い付き合い。フリー・インプロヴィゼーションが1、5、9曲目で、ジョン・アバークロンビー作が5曲(2、4、7、10、12曲目)。フリー的でスリリングながらアップテンポの4ビートで進行していく1曲目、しっとりゆったりとしたバラードの2曲目、マーク・ジョンソン作でトリオでのおなじみのメロディの3曲目、美しいホンワカしたバラードの4、7曲目、ギターが斬り込みオドロオドロとバックが攻めるタイトル曲の5曲目、哀愁を強く感じる6曲目、ジョン・サーマン作で淡色系のサウンドの8曲目、ベースとドラムスが語り合う9曲目、乾いた切なさがゆっくりと心に入りこむ10曲目、唯一のスタンダードで優しく奏でる11曲目、微妙なバランスながらややアップテンポの12曲目。

1501


Johann Sebastian Bach/3 Sonaten Fur Viola Da Gamba Und Cembalo BWV1027-1029/Keith Jarrett(Chembalo)(ECM New Series 1501) - Recorded September 1991. Kim Kashkashian(Viola) - 1-4. SonateG-dur BWV1027 5-8. Sonate D-dur BWV1028 9-11. Sonate g-moll BWV1029


キース・ジャレットのクラシック/バロックというと、やはり18世紀ドイツの有名な作曲家であるバッハの作品が一番多いのですが、聴いていて一番しっくりくるのが、やはりバッハ。安定感と適度な哀愁がいい感じ。ここではヴィオラとのデュオで、バッハの室内楽は少ないと言われているそうで、けっこう貴重かも。ここではヴィオラを弾いています(たぶん問題ないと思う)が、古楽器ヴィオラ・ダ・ガンバとは、6弦楽器でフレット付きとのこと。

1500


Twelve Moons/Jan Garbarek(Sax) Group(ECM 1500) - Recorded September 1992. Rainer Bruninghaus(Key), Ebarhard Weber(B), Manu Katche(Ds), Marilyn Mazur(Per), Agnes Buen Garnas(Vo), Mari Boine(Vo) - 1. Twelve Moons 2. Psalm 3. Brother Wind March 4. There Were Swallows... 5. The Tall Tear Trees 6. Arietta 7. Gautes-Margjit 8. Darvanan 9. Huhai 10. Witch-Tai-To


ヤンガルバレク作は5曲(1、3-5、9曲目)、トラディショナルも2曲(2、7曲目)。私にとってECMのイメージの集大成という感じ。曲によってデュオからクインテットまで、編成が変わります。哀愁の強いメロディと映画音楽のようなドラマチックさが印象的なタイトル曲の1曲目、ヴォーカルが北欧の雰囲気を感じさせる静かな2曲目、静かなサックスから徐々に盛り上がっていく哀しみをたたえた3曲目、メロディにオリエンタルな香りがある4曲目、ゆったりした中を時々ソプラノサックスが響く5曲目、やや陽性ながら繊細な感触のある6曲目、トラディショナルも今っぽい感じになる7曲目、ヴォーカルとサックスだけでの北欧的な8曲目、明るい牧歌的なメロディが印象に残る9曲目、再演曲で、メロディアスなのは相変わらずな10曲目。

1499


Then Comes The White Tiger/Red Sun-Wolfgang Puschnig(As, Afl), Linda Sharrock(Voice), Rick Iannacone(G), Jamaaladeen Tacuma(B)/SamulNori-Kim Duk Soo, Lee Kwang Soo, Kang Min Seok, Kim Woon Tae(Per), Kim Sung Woon(Per)(ECM 1499) - Recorded May 1993. - 1. NanaJang (The Meeting Place) 2. Peaceful Question 3. Kil-Kun-Ak 4. Hear Them Say 5. Piri 6. Soo Yang Kol(The Valley Of Weeping Willows) 7. Flute Sanjo 8. Komungo 9. Full House-Part 1 10. Full House-Part 2 11. Far Away/Ariang


メンバーそれぞれの作曲、あるいは共作。プロデューサーはWolfgang Puschnig。珍しく韓国録音で民族的なサウンドが前面に出ています。韓国のサムルノリ(有名な打楽器集団)がECMに顔を出し、共演するメンバーも各国から集まったそうそうたるメンバーなので驚きました。ただし、静かな場面ではECMらしさがのぞきます。1曲目は全員のインプロヴィゼーションと思われる11分台の曲で、ミディアムのテンポのダイナミックなパーカッションを堪能できます。その他小品と長い作品が交ざりあっていますが、3曲目のサムルノリの打楽器だけの演奏もなかなか良い。ややスローな7拍子のファンク的な11分台の4曲目、明るい民族的ファンクの6曲目、空間的なフルートと打楽器の7曲目、折衷ファンクがけっこう楽しい10曲目。

1498


The Hal Russel Story/Hal Russel NRG Ensenble(Ts, Ss, Tp, Dr, Per, Vo, etc.)(ECM 1498) - Recorded July 1992. Mars Williams(Ts, As, Bs, F, etc.), Brian Sandstrom(B, G, Tp, Per, etc.). Kent Kessler(B, Tb), Steve Hunt(Ds, Vib, Per, etc.) - Part 1 1. Intro & Fanfare, Toy Parade, Trumpet March, Riverside Jump Part 2 Scholar And Fan 2. Krupa 3. You're Blase 4. Dark Rapture 5. World Class Part 3 Hit The Road, Hal 6. Wood Chips 7. My Little Grass Shack 8. O & B Part 4 Fase Company 9. For M 10. Gloomy Sunday 11. Hair Male 12. Bossa G 13. Mildred 14. Dope Music Part 5 The Birth Of The Free 15. 2 x 2 16. Ayler Songs Part 6 NRG Rising 17. Rehcabnettul 18. Steve's Freedom Princilple Encores 19. Lady In The Lake 20. Oh Well


老人プレイヤー、ハル・ラッセルの元気な、そしてどことなくユーモラスなフリージャズ(と言いきれないですが)であり、遺作になった作品。全体の5分の4ほどが彼の作曲。それぞれがマルチ・プレイヤーですが、シリアスでもありユーモアも持っているアルバムです。ものすごく元気なのにはびっくりします。あるときは爆発的な、あるときは静かな、そしてフリージャズの部分とアンサンブルの部分とがあって、全20曲、目まぐるしく変わっていきます。ナレーションでつながっていたり、曲中で語ったり叫んだり、そして20曲を6つのパートとアンコールに分けるなど、いろいろ工夫がされているフリーです。ECM黎明期を想像させるような、ギャロンギャロン系フリーが満載なのがうれしい。ラストの20曲目はカッコ良いファンクの曲です。

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