ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

2018年02月

1452


Horstucke/Heiner Goebbels(Synth, Prog)(ECM 1452-54)(輸入盤) - Recorded 1985, 1987/88, 1989/90.Augela Schnelec(Voice), Otto Sander(Voice), Jakob Rendtorff-Goebbels(Voice), Walter Reffeiner(Tenor), David Bennent(Voice), Rene Lussier(G, Vo), Peter Brotzmann(sax, Tarogato), Peter Hollimger(Ds, Darbouka), Megalomaniax, etc. - (CD1) Die Befreiung Des Prometheus/The Liberation Of Prometheus/La Liberation De Promethee 1. Ein Diagramm 2. Der Adler 3. Herakles Singt Vom Massiv 4. Endlich, Der Regen 5. Stunde Null - Heimweh Nach Dem Fahrstuhl 6. Zeitwetterkorfleischmetallsteinrost 7. Die Ketten - Eine Ruckblende Auf Hephaistos 8. Der Abstieg Zu Den Menschen 9. Im Jubel Der Bevolkerung - Zugabe (CD2) Verkommenes Ufer/Despoiled Shore/Rivage A L'abandon 1. Verkommenes Ufer MAeLSTROMSUDPOL/ MAeLSTROMSOUTHPOLE/ MAeLSTROMPOLESUD 2. Pym 3. Tsalal 4. Oh 5. Fff 6. Tekelili 7. Nunu 8. Keep The Dog (CD3) Wolokolamsker Chausee 1-5/Volokolamsk Highway 1-5/La Route Des Chars 1-5


(03/09/22)英語で読むと「ラジオ・プレイズ」でHeiner Mullerの詩(テクスト)に基づいた、とあります。CD3枚組で、全4曲という壮大なアルバム。確かにラジオから流れてくる音のようかも。詩の朗読のような場面が全編を支配していて、その中に歌、ロック、オーケストラのサウンド、あるいは音の断片が編集されており、かなり前衛的でバラエティに富んだ内容になっています。CD1枚目は、Editedという言葉が使われているので、いわゆるサンプリング音楽では。CD2枚目は前半がラジオと効果音のかけ合わせのようなサウンド。後半はやはりカラフルなヴォイスやサウンドで、後半ロック色強いです。CD3枚目は77分もあって、ハードロック、フォーク、合唱団のコーラス、クラシックのオーケストラ、ラップ&ヒップポップと、多彩な構成。

1451


Aquarian Rain/Barre Phillips(B)(ECM 1451)(輸入盤) - Recorded May 1991. Alain Joule(Per) - 1. Bridging 2. The Flow 3. Ripples Edge 4. Inbetween I Adn E 5. Ebb 6. Promenade De Memoire 7. Eddies 8. Early Tide 9. Water Shed 10. Aquarian Rain


主に、ベースソロにパーカッションがかぶさる構成で1枚のCDの録音がされています。裏面に「Music For Bass, Percusssion and Tape」とあり、2、4、8、10曲目にはJean-Francois EstagerとJames Giroudonのクレジットもあって、これがテープの操作に関わっているのでしょうか。全曲参加者のクレジットなので、やはりほとんどフリー・インプロヴィゼーションなのだろうと思います。表現がなかなか思索的で抽象的、つまりメロディではなくて、あらゆる音を凝縮してサウンドにしてしまっている感じなのでちょっと疲れますが、個人的には受け入れる余地は残っています。5,9曲目がBarre Phillipsの、6曲目がAlain Jouleの曲ですが境界線はない感じ。フリー・インプロヴィゼーションのように響くこともあれば、現代音楽のような心地も。

1450


Bridge Of Light/Keith Jarrett(P, Comp)(ECM New Series 1450) - Recorded March 1993. Michelle Makarski(Vln), Marcia Butler(Oboe), Patricia McCarty(Viola), Thomas Crawford(Cond), The Fairfield Orchestra - 1. Elegy For Violin And String Orchestra 2. Adagio For Oboe And String Orchestra 3-7. Sonata For Violin And Piano 8. Bridge Of Light For Viola And Orchestra


全曲キース・ジャレットのオリジナル作品集(クラシック)で、逆に、ピアノを演奏しているのは半分弱 (3-7曲目)というアルバム。現代音楽とクラシックの間のような曲調ですが、比較的聴きやすい感じ。1曲目は哀愁に満ちているところもあり、なかなかひきこまれます。やはりゆったりとした感じのオーボエがきれいな2曲目。ヴィオラを中心としたタイトル曲の8曲目。個人的には本人がピアノで参加している3-7曲目が気に入っています。

1449


A Wider Ensemble/Trevor Watts(As, Ss) Moire Music Drum Orchestra(ECM 1449) - Recorded April 1993. Nana Tsiboe(Per, Fl, Vo, etc.), Nee-Daku Patato(Per, Vo, etc.), Jojo Yates(Per, Vo, etc.), Nana Appiah(Per, Vo, etc.), Paapa J. Menasah(Per, Vo, etc.), Colin McKenzie(B) - 1. Egugu 2. Medley: Ahoom Mbram, Tetegramatan, Free Flow, Tetegramatan Reprise 3. Opening Gambit 4. Otublohu 5. Bomsu 6. Hunter's Song: Ibrumankuman 7. The Rocky Road To Dublin 8. Brekete Takai 9. Southern Memories 10. We Are


ガーナ出身のドラマー(パーカッショニスト)5人 プラス・アルファのメンバーが織り成す、アフリカのドラム・ミュージックとさまざまなジャンルの融合。ECMにしてはけっこう元気。トラディショナルも1、6-7曲目にあるし、フリー・インプロヴィゼーションも8、10曲目に配置。Trevor Wattsのサックスもなかなかにエキゾチック。基本的には原初的な色彩の強いアフリカン・サウンドですが、曲によって表情はさまざまです。1曲目は哀愁漂うサウンドだけれども、2曲目の出だしや5-6曲目あたりは一転アフリカの陽気な面が見えます。繰り返される強力なドラムスがある種のトランス状態に持っていくような感じ。ベースはエレキ・ベースで、ファンクのような感じも。7曲目でベースがフィーチャー。エキゾチックとファンクが混ざる8曲目。

1448


Dona Nostra/Don Cherry(Tp)/Lennart Aberg(Sax, Fl)/Bobo Stenson(P)(ECM 1448) - Recorded March 1993. Anders Jormin(B), Anders Kjellberg(Ds), Okay Temiz(Per) - 1. In Memorium 2. Fort Cherry 3. Arrows 4. M'bizo 5. Race Face 6. Prayer 7. What Reason Could I Give 8. Vienna 9. Ahayu-Da


ヨーロッパ人のミュージシャンと組んでドン・チェリーも参加した録音。Lennart Abergの曲が1、4曲目。メンバーのフリー・インプロヴィゼーションが2-3、6、8-9曲目、オーネット・コールマン作が5、7曲目。ドン・チェリーらしい鋭い演奏。しっとりとしたメロディでゆったりと進行する1曲目、パーカッションの上をホーンやピアノが舞い飛ぶ感じのある2曲目、ミステリアスなサウンドとスペイシーな空間でせまる3曲目、漂うようにフレーズが流れていくバラード的な4曲目、4ビートではないですがジャズ的な魅力のある5曲目、チェリーが大きくフィーチャーされるアフリカ的な6曲目、トランペットとピアノの美しいデュオの7曲目、かなりフリー的要素が強い曲調の8曲目、アフリカンなリズムの上をホーンやピアノが流れていく9曲目。

1447


Mojotoro/Dino Saluzzi Group(Bandoneon, Per Voice)(ECM 1447) - Recorded May 1991. Celso Saluzzi(Bandoneon, Per, Voice), Felix "Cuchara" Saluzzi(Ts, Ss, Cl), Armando Alonso(G, Vo), Guillermo Vadala(B, Voice), Jose Maria Saluzzi(Ds, Per, Voice), Arto Tuncboyaci(Per, Voice) - 1. Mojotoro 2. Tango A Mi Parde - Nocturno - Elegia 3. Mundos - Exposicion - Desarrollo - Cadensia - Imitacion - Marcha - Recapitulacion 4. Lustrin 5. Viernes Santo - Introduccion - Part A - Part B 6. Milonga(La Punalada) 7. El Camino - Introduccion - Imitacion


6曲目以外はディノ・サルーシの作曲。故郷アルゼンチンで、家族らと共に(彼らもミュージシャン)吹き込んだアルバム。とは いうものの伝統的なタンゴではなく、新しい音楽としてのサウンド。哀愁もあり、雄大かつ繊細、ドラマチックな展開を示す、途中アルゼンチン・フュージョンといった感じになるタイトル曲の1曲目、しっとりと優しいメロディが奏でられていく小品の2曲目、いろいろなパートに分かれていて、哀愁のあるアルゼンチンの雰囲気が出ている10分台の3曲目、ややフュージョンの色合いとバンドネオンがマッチしている4曲目、静かで哀愁感覚たっぷりのバンドネオンのゆったりした響きが聴ける5曲目、やはりキメの多いフュージョン的な色彩のある6曲目、優雅で洗練されたバンドネオンのやや静かな展開の7曲目。

1446


Solitudes/Tamia(Voice)/Pierre Favre(Per)(ECM 1446) - Recorded April 1991. - 1. Chant d'Exil 2. Drame 3. Clair - Obscur 4. Pluies 5. Allegria 6. Erba Luce 7. Sables 8. Solitudes


タミアが5曲、ピエール・ファヴルが3曲作曲。ヴォイスと、パーカッションのデュオ。多重録音あり。教会音楽的に聴こえる曲や、アフリカのリズムのような曲もあり、さまざま。ヴォイスの強靭な印象は頭に残ります。パーカッションも静寂の中、メロディアスに響きます。空間の奥から哀愁のあるヴォイスがゆったりと彷徨っている1曲目、静寂の中から浮かび上がる張りのあるヴォイスとパーカッションの2曲目、低い声、高い声を使い分け、広大な大地で発せられるヴォイスのような3曲目、パーカッションのみで「雨」を表現する4曲目、ミステリアスなメロディが心にささる5曲目、ヴォイスと、無国籍なテイストで打楽器が繰り広げる6曲目、静けさの中を淡々とヴォイスが舞う7曲目、流れるサウンドをバックにゆったりと歌う8曲目。

1445


Nonsentration/Jon Balke(Key) w/Oslo 13(ECM 1445) - Recorded September 1990. Per Jorgensen(Tp), Nils Petter Molvaer(Tp), Torbjorn Sunde(Tb), Morten Halle(As), Tore Brunborg(Ts), Arne Frang(Ts), Audun Kleive(Ds), Jon Christensen(Ds, Per), Finn Sletten(Per), Miki N'Doye(Per) - 1. Stealing Space 1 2. Stealing Space 2 3. Stop 4. Blic 5. Constructing Stop 6. The Laws Of Freedom 7. Disappear Here 8. Nord 9. Circling The Square 10. The Art Of Being


ヨン・バルケが全曲作曲。彼のピアノのフレーズも魅力的。室内楽的に聴こえる曲もあれば、パーカッションが強力な曲もあり、無国籍的で ミステリアス。ピアノでメロディが静かに、その後にパーカッションやホーンが加わり、淡々と進む1-2曲目、速いテンポのパーカッションとホーンのリズムのキメ、そして冷淡なピアノ・ソロが印象的な3曲目、パーカッションの上をピアノ、ホーンが低い温度感で歩んでいく4曲目、ちょっとミステリアスなサウンドで静かなバラードの5曲目、静かなピアノのソロが冷たい感触の6曲目、リズミカルな曲にトロンボーンが舞う7曲目、やはり浮遊感のあるテーマとリズミカルな曲の対比の8曲目、ゆったりしたホーンの眠そうなフレーズから盛り上がる9曲目、優しいミュートのトランペットが奏でる10曲目。

1444


Star/Jan Garbarek(Ss, Ts)/Miroslav Vitous(B)/Peter Erskine(Ds)(ECM 1444) - Recorded January 1991. - 1. Star 2. Jumper 3. Lamenting 4. Anthem 5. Roses For You 6. Clouds In The Mountain 7. Snowman 8. The Music Of My People


7曲目がフリー・インプロヴィゼーションで、他の曲は3人それぞれの曲。うち、ミロスラフ・ヴィトウス作が4曲(2-3、5-6曲目)。サックストリオの演奏といっても、このメンバーでは単なるトリオの演奏にとどまりません。ヤン・ガルバレク作の牧歌的な哀愁を持つゆったりしたタイトル曲の1曲目、4ビートっぽいですが、全員がソロをとっているような不思議なサウンドの2曲目、まったりと全員が寄り添って語り合うような3曲目、ゆったりと素朴なメロディが舞う中、自由にリズムが動く4曲目、淡々とそれぞれがフレーズを出していながらまとまりのある5曲目、スピーディーなフレーズだけれど妙な安心感のあるサウンドの6曲目、フリーでも感触は他の曲と変わらない安定感のある7曲目、リズミカルなビートでソロの集合体の8曲目。

1442


Ragas And Sagas/Ustad Fateh Ali Khan(Voice) & Jan Garbarek(Ss, Ts)(ECM 1442) - Recorded May 1990. Ustad Shaukat Hussain(Tabla), Ustad Nazim Ali Khan(Sarangi), Deepika Thathaal(Voice), Manu Katche(Ds) - 1. Raga 1 2. Saga 3. Raga 2 4. Raga 3 5. Raga 4


ヤン・ガルバレクの、南アジアを代表するミュージシャンとの共演。というより、ウスタッド・アリ・カーンの曲が4曲(1、3-5曲目)を占めていて、また曲がインド音楽(タイトルにはMusicians From Pakistanと書いてある)なので、北インド音楽(伝統的なそれとは違うのかも)のようなアルバムになって、立場は逆かも。2曲目のみヤン・ガルバレク作曲、マヌ・カッチェ参加。かの地の深いマイナー系のメロディが繰り返され、ゆったりと時が過ぎていく1曲目、エキゾチックながらもリズミカルで少し洋楽寄りのサウンドを持つ2曲目、うねるような民族的なメロディでせまってくる懐かしく、またリズムも出てくる3曲目、変幻自在なパーカッションの上をマイペースで歌っていく4曲目、さらにエキゾチックな色の度合いを濃くする民族的な5曲目。

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