ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了し、’17年のところに番号順になるようにアップしています。

2018年03月

1519


Dark Wood/David Darling(Cello)(ECM 1519) - Recorded July 1993. - 1. Darkwood 4 Dawn 2. In Motion 3. Journey 4. Darkwood 5 Light 5. Earth 6. Passage 7. Darkwood 6 Beginning 8. Up Side Down 9. Medieval Dance 10. Darkwood 7 The Picture 11. Returning 12. New Morning


チェロのソロアルバムで、全曲デヴィッド・ダーリングの作曲。ダーク・ウッドの1-3は、前作「チェロ」に入っていました。その延長線なので4-7なのでしょう。 それぞれ3-4曲ずつ組曲になっています。それぞれの曲自体も「夜明け」「動き」「旅」「明り」「大地」「小径」「始まり」「さかさまに」「探して」「中世の踊り」「絵画」「帰り」「新しい朝」とドラマチックなタイトルで、サウンド。ヨーロッパの黒く深い森のイメージが、映画音楽のようなチェロの録音(多重録音もあるようですが)から出てきます。ECMでのミキシングやエコー処理で、森の空間がうまく表現されている感じ。当然ながらジャズ度はなく、幽玄なサウンド世界が立ちはだかり、あるいはそこに存在していて、抑えがたい寂寥感が、私達をヨーロッパの森へ連れていってくれます。

1518


Pendulum/Eberhard Weber(B)(ECM 1518) - Recorded Spring 1993. - 1. Bird Out Of Cage 2. Notes After An Evening 3. Delirium 4. Children's Song No.1 5. Street Scenes 6. Silent For A While 7. Pendulum 8. Unfinished Self-Portrait 9. Closing Scene


全曲エバーハルト・ウェーバーの作曲。ベースの多重録音によるソロで、エフェクターを使用して面白い効果を生み出します。他の楽器は使用していないとのこと。バランス的に違和感がないのが彼らしい。やや哀愁系のメロディがやや重心低くせまってくる1曲目、明るめのポップスのようなサウンドを持つ2曲目、ややスピーディーなメロディながら哀しみを背負ったような3曲目、タイトルどおりちょっと優しげでおっとりとした4曲目、16ビート的アップテンポでギターとのデュオのような効果をもたらしている5曲目、牧歌的でフレットのないベースのメロディの良さがある6曲目、印象に残るメロディとジャズフィーリングも少しあるタイトル曲の7曲目、短調で少しどっしりとした感じの8曲目、ゆったりと温かいメロディに包まれた9曲目。

1517


Further/Jon Balke(P, Key) w/Magnetic North Orchestra(ECM 1517) - Recorded June 1993. Jens Petter Antonsen(Tp), Per Jorgensen(Tp, Vo), Morten Halle(As), Tore Brunborg(Ts, Ss), Gertrud Okland(Vln), Troud Villa(Viola), Jonas Franke-Blom(Cello), Anders Jormin(B), Marilyn Mazur(Per), Andun Kleive(Ds) - 1. Departure 2. Step One 3. Horizantal Song 4. Flying Place 5. Shaded Place 6. Taraf 7. Moving Carpet 8. Eastern Forest 9. Changing Song 10. Wooden Voices 11. Arrival


全曲ヨン・バルケの作曲。変則的な編成で、やや内省的なアレンジです。書き譜が多いのか、まとまりのあるサウンド。エキゾチックな響きが支配する小品の1、11曲目、淡々としたピアノにゆったり絡んでくるアンサンブルの2曲目、やや哀愁が混ざりながらもオーケストラの味わいのある3曲目、静かなところから盛り上がるメロディとリズムのやり取りの4曲目、静かでメカニカルなフレーズの上を舞うメロディの5曲目、ちょっとゆったりでエキゾチックな香り、かつドラマチックな6曲目、やや抑え気味で夢の中を行くようなサウンドの7曲目、ストリングスとトランペットで静かに漂う8曲目、哀愁のあるメロディと少しトンガッたフレーズが交錯する、ヴォーカル入りの9曲目、氷の上を危ういバランスでゆっくり走って行くような10曲目。

1516


Reflections/Bobo Stenson Trio(P)(ECM 1516) - Recorded May 1993. Anders Jormin(B), Jon Christensen(Ds) - 1. The Enlightener 2. My Man's Gone Now 3. Not 4. Dorrmattan 5. Q 6. Reflections In D 7. 12 Tones Old 8. Mindiatyr


きれいで叙情的なピアノ・トリオのサウンドが心地良く、それでいて静かにトリオで主張してくるようなアルバム。ECMの中では聴きやすい方のアルバムかも。1曲目は比較的分かりやすいテーマですが、だんだん彼ら流のインプロヴィゼーションにハマッていきます。ガーシュイン・ナンバー(オリジナルかと思った)を静かに淡々と綴っていく2曲目、叙情的で静かな緊張感をたたえる3曲目、フリー・インプロヴィゼーション的なサウンドを持つ4曲目、アンダース・ヨーミン作でベース・ソロがクローズ・アップされる5曲目、薄氷を踏むような低い温度感でこれもオリジナルと思えたエリントン作の6曲目、語りかけてくるような7曲目、10分台の曲で、ベースのフレーズが印象的で、かつドラマチックな展開をしめす8曲目。(00年9月23日発売)

1515


Madar/Jan Garbarek(Ts, Ss)、Anouar Brahem(Oud), Ustad Shaukat Hussain(Tabla)(ECM 1515) - Recorded August 1992. - 1. Sull Iull 2. Madar 3. Sebika 4. Bahia 5. Ramy 6. Jaw 7. Joron 8. Qaws 9. Epilogue


ノルウェーのトラディショナルが2曲(1、7曲目)、アヌアル・ブラヒム作が3曲(3-5曲目)、インプロヴィゼーションが2曲(2、8曲目)。ノルウェー(サックス)、チュニジア(ウード)、パキスタン(タブラ)出身のトリオ編成で 、異なる世界の折衷。1、7曲目が北欧トラディショナルなのに、すごく中近東的なエキゾチックさを感じます(1曲目はトリオ、7曲目はデュオ)。不思議。異なる世界から寄り添って組み上げていくデュオの2曲目、やはりデュオで沈みがちながらややテンポの良い3曲目、哀愁のやや速いパッセージのウード・ソロの4曲目、比較的鋭いフレーズのデュオの5曲目、タブラのソロとヴォイスが堪能できる6曲目、静けさがら徐々に盛り上がる15分にわたるドラマチックなトリオの演奏の8曲目、ウードの小品の9曲目。

1513


Johann Sebastian Bach/The French Suites/Keith Jarrett(Harpsichrd)(ECM New Series 1513/14) - Recorded September 1991. - 1-6. Suite No.1 BWV812 d-moll 7-12. Suite No.2 BWV813 c-moll 13-19. Suite No.3 BWV814 h-moll 20-26. Suite No.4 BWV815 Es-Dur 27-33. Suite No.5 BWV816 G-Dur 34-41. Suite No.6 BWV817 E-Dur


邦題「J.S.バッハ フランス組曲」。 バッハは18世紀ドイツの有名な作曲家。原曲のせいかどうか分かりませんが、キースのソロ・インプロヴィゼーションを連想させてしまうような曲やメロディもあります。間の取り方が独特のような気もしますが、他の演奏家の演奏を聴いた事がないので、さて。曲も「アルマンド」「クーラント」「サラバンド」「メヌエット」「ジーグ」「エール」「アングレーズ」「ガヴォット」など定型的ながらも幻想的なタイトルが。

1512


William Byrd: Motets And Mass For Four Voices/Paul Hillier(Baritone, Artistic Director)/The Theatre Of Voices(ECM New Series 1512)(輸入盤) - Recorded February 1992. Judith Nelson(Soprano), Drew Minter(Countertenor), Paul Elliott(Tenor), Christopher Bowers-Broadbent(Org) - Thomas Tallis: 1. O Ye Tender Babes William Byrd: Motets: Propers For The Feast Of Corpus Christi 2. Introit: Cibavit Eos 3. Gradual & Alleluia: Ocuili Omnium 4. Offertory: Sacerdotes Domini 5. Communion: Quotiescunque Manducabities 6. Mass For Four Voices: Kyrie 7. Mass For Four Voices: Gloria 8. Gloria Tibi Trinitas 9. Mass For Four Voices: Credo 10. Clarifica Me Pater 1 11. O Sacrum Convivium 12. Clarifica Me Pater 2 13. Mass For Four Voices: Sanctus 14. Mass For Four Voices: Benedictus 15. Clarifica Me Pater 3 16. Mass For Four Voices: Agnus Dei John Taverner: 17. In Nomine Richard Edwards: 18. In Going To My Naked Bed John Sheppard: 19. Vaine, Vaine, Vaine


(04/02/14)16-17世紀の作曲家(宗教音楽家)の特集のアルバム。その中でもイギリス人William Byrdの曲を多く取り上げています。(19曲中15曲)。なお、1曲目のThomas Tallisとは師弟関係にあったようです。間に5曲、オルガンのみの曲もありますが、歌の曲はソプラノとカウンターテナーもいて声域バランスの高めな、敬虔で素朴、かつ深遠な教会音楽が繰り広げられています。当時の教会の情景がしのばれるサウンド。

1511


Speak Of The Devil/John Abercrombie Trio(G)(ECM 1511) - Recorded July 1993. Dan Wall(Org), Adam Nussbaum(Ds) - 1. Angel Food 2. Now And Again 3. Mahat 4. Chorale 5. Farewell 6. BT-U 7. Early To Bed 8. Dream Land 9. Hell's Gate


このメンバーでの2枚目。ここでの作曲もジョン・アバークロンビー(4-5、7曲目)とダン・ウォール(1、8-9曲目)が3曲ずつ。フリー・インプロヴィゼーションの曲も2曲 (2-3曲目)。ハモンドB3オルガンなのに温度感の低いこと。しっとりと始まったと思ったら、ちょっとロック的なドラムスにのってギターを弾きまくっている1曲目、内省的に向き合って語りかける2曲目、ドラム・ソロではじまるけっこう切れ味の鋭い3曲目、自由にギターが彷徨っていてテンポもいい感じの4曲目、優しく味わいのあるゆったりしたバラードの5曲目、けっこうハードに攻めているリズミカルな6曲目、8分の6拍子でメロディアスに、時にやや激しい7曲目、7拍子のバラードでギターの主張もある8曲目、8ビートでややミステリアスなサウンドの9曲目。

1510


Abii Ne Viderem/Giya Kancheli(ECM New Series 1510) - Recorded April 1994. Vasiko Tevdorashvili(Voice), Natalia Pschenitschnikova(Afl), Kim Kashkashian(Viola), Stuttgarter Kammerorchester, Dennis Russell Davies(Cond), The Hilliard Ensemble: David James(Countertenor), David Gould(Countertenor), Rogers Covey-Crump(Tenor), John Potter(Tenor) - 1. Morning Prayers 2. Abii Ne Viderem 3. Evening Prayers


(02/08/11)邦題「私は去る、見ることもないままに」。現代音楽。1、3曲目は組曲の一部で、やはりカンチェーリらしく、静かな場面が大半を占めていて、時々突発的に音が大きくなる、といった構図。3曲目はヒリヤード・アンサンブルが参加 しています。2曲目のタイトル曲は、キム・カシュカシャンのヴィオラで悲しげな旋律を奏でていきますが、進行は空間的で複雑。現代的にもかかわらず、おそらく宗教的な要素も含んでいます。

1509


Musica De Sobrevivencia/Egberto Gismonti(P, G, Fl) Group(ECM 1509) - Recorded April 1993. Nando Carnerio(Synth, G, Caxixi), Jaques Morelenbaum(Cello, Bottle), Zeca Assumpcao(B, Rainwood) - 1. Carmem 2. Bianca 3. Lundu 2 4. Forro 5. Alegrinho 2 6. Natura, Festa Do Interior


邦題「ミュージック・オブ・サヴァイヴァル」。全曲エグベルト・ジスモンチの作曲。モチーフはブラジルの、ある壮大な湿地帯だそうです。33分にも及ぶ6曲目を聴く 5分前に読めという詩がライナーに書いてありますが、輸入盤だと英語のみ。映像的に迫ってくるような連綿とした音のつながりがそこにあります。物語がゆっくりとはじまっていくような、独特な哀愁に包まれているギター中心の1曲目、印象的でエキゾチックなメロディが寄せては返す、やはりギターの2曲目、速いテンポの綾織り系のアルペジオがせまってくる3、5曲目、ミステリアスなピアノになってノリの良いリズムとの対比が面白い、ラストはフルートで原初的な4曲目、そして壮大な6曲目は「ナトゥーラ:未開地の祭」という、クラシックの香りもあるドラマチックな大作。

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