ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了。Wattレーベル、Works、:rarumシリーズは言及する予定なないです。

2018年07月

1661


Blessed/Joe Maneri(As, Ts, Cl, P)And Mat Maneri(Vln, Viola, etc)(ECM 1661)(輸入盤) - Recorded October 1997. - 1. At The Gate 2. There Are No Doors 3. Sixty-One Joys 4. From Loosened Soil 5. Five Fantasies 6. Never Said A Mumblin' Word 7. Is Nothing Near? 8. Body And Soul 9. Race You Home 10. Gardenias For Gardenis 11. Outside The Whole Thing 12. Blessed


(03/09/29)2人の共作のフリー・インプロヴィゼーションが大半で、それぞれの作品は3作、トラディショナルとスタンダードがそれぞれ1作。音階を細かくした「微分音」の世界はこのデュオのフォーマットではやりやすく、まさに魑魅魍魎の棲む世界のサウンドかも。いわゆる平均律への失調感が漂っていて、これをメロディと言うとおこがましいような気も。こういうアプローチのフリージャズはあまり例がなく、そういう意味では貴重。ただ2曲目のようにピアノが出てくると、フレーズはフリーなのだけれども、何とか調子を取り戻せます。4曲目は11分台の大作ですが、サウンドは他の曲と似ています。6曲目のトラディショナルと8曲目のスタンダード(ソロの演奏)も、12曲目のタイトル曲も我が道を行く路線。聴く人を選びます。

1660


Milvus/Mats Eden(Vln), Jonas Simonson(Fl, Afl)(ECM 1660)(輸入盤) - Recorded September 1997. Cikada String Quartet: Odd Hannisdal(Vln), Henrik Hannisdal(Vln), Marek Konstantynowicz(Viola), Morten Hannisdal(Cello) - 1. Havang 2. PolskaEfter Artbergs Kalle Karlstrom 3. Stegen Pa Taket - Plska Efter Lejsme Per Larsson 4. Variation 1 5. Septemberljus 6. Den Lyckliga (Beate Virgine) 7. Nordafjalls - Efter Torleiv Bjorgum 8. Vardag 9. Variation 2 10. Backahasten 11. Sjoraets Polska 12. Spillet 13. String Quartet No. 1


(99/12/10)曲はオリジナルもあればトラディショナルもあります。 半数以上がMats Edenのオリジナル。ヴァイオリンとフルートの演奏が中心で、最後の曲(実際は13-15曲目)にストリング・クァルテットが加わります。サウンドは北欧的というのか、もっと幅広い民族音楽的というのか、旋律が明らかに西ヨーロッパ圏とは違う、エキゾチックな場面を見せることが多いです。ジャケットの解説を見ると、西スウェーデンの伝統的なフォーク音楽に親しんで育ったことと関係があるらしいのですが。フルートがまるで尺八のような音を奏でる曲もあったりします。空間を生かしたサウンド。ヴァイオリンの独特な旋律もけっこう耳に残ります。弦楽四重奏団が入っている曲は、よりクラシックに近いような響きがあります。

1659


Das Buch Der Klange/Hans Otte(ECM New Series 1659)(輸入盤) - Recorded September 1997. Herbert Henck(P) - 1-12. Das Buch Der Klange 1-12


(04/03/10)Hans Otteは20世紀ドイツの現代音楽家。邦題にすると「響きの書物」とでもなるのでしょう。メロディはほとんど強調されずに、コードだったり、アルペジオだったり、やや明るめな、時にやや暗い音のかたまりの色彩として、時間軸に沿って表情を変えながら耳の中に入ってくる、というイメージの曲が多いです。静かな部分もフレーズやコードの反復で聞かせている感じ。こういう曲もミニマル・ミュージックと言うのでしょうか。

1658


Lassus/Orlando Di Lasso(ECM New Series 1658) - Recorded November 1993. The Hilliard Ensemble: David James(Coutertenor), Rogers Covey-Crump(Tenor), John Potter(Tenor), Gordon Jones(Baritone) - Missa Pro Defunctis 1. Responsorium: Memento Mei Deus 2. Introitus 3. Kyrie 4. Graduale 5. Offertorium 6. Sanctus & Benedictus 7. Agnus Dei 8. Communio 9. Antiphona: In Paradisum Prophetiae Sibyllarum 10. Carmina Chromatico 11. Sibylla Persica 12. Sibylla Libyca 13. Sibylla Delphica 14. Sibylla Cimmeria 15. Sibylla Samia 16. Sibylla Cumana 17. Sibylla Hellespontiaca 18. Sibylla Phrytia 19. Sibylla Europaea 20. Sibylla Tiburtina 21. Sibylla Erythraea 22. Sibylla Agrippa


(02/08/03)邦題「死者のためのミサ曲/巫女の予言」。16世紀のイタリアの作曲家オルディランド・ディ・ラッソの曲を2曲、取り上げています。1曲目(1-9)がミサ曲で、ヒリヤード・アンサンブルの深遠な合唱を聴くことができますが、穏やかではあるものの、死者のためにあるのにその色調は意外に明るめです。2曲目(10-22)はゆったりとしていて、流れていくような感じながらも、色彩感豊かなハーモニー です。

1657


Juni/Peter Erskine(Ds)(ECM 1657) - Recorded July 1997. Palle Danielsson(B), John Taylor(Ds) - 1. Prelude No.2 2. Windfall 3. For Jan 4. The Ant & The Elk 5. Siri 6. Fable 7. Twelve 8. Namasti


このメンバーによる4枚目のアルバム。グループとしてのまとまりが冴えています。ピーター・アースキンの曲は2曲(4、7曲目)のみ。 1-2、6曲目がジョン・テイラー作なので、彼もグループでは重要な位置付けです。1曲目は温度感が低く、フリー・インプロヴィゼーションに近い雰囲気で緊張感を伴います。哀愁を帯びているピアノがメロディアスでいい感じの2曲目、ケニー・ホイーラー作の美しいワルツの3曲目、かなり自由度の高い、内側を向いた演奏が聴ける4曲目、ややしっとりとしたサウンドでたゆたっている5曲目、やや緊張した趣で繊細なやり取りが表現されている6曲目、静かな場面から盛り上がる途中で4ビートがはさみこまれている7曲目、耽美的なインタープレイが聴ける8曲目。(99年4月1日発売)

(注)’16年に ECM 1497, 1532, 1594, 1657がECM 2490-93のBOXセットになりました。

1656


Lament/Giya Kancheli(ECM New Series 1656) - Recorded March, 1998. Gidon Kremer(Vln), Maacha Deubner(Soprano), Tbilisi Symphony Orchestra, Jansug Kakhidze(Cond) - 1. Lament Music Of Mourning In Memory Of Luigi Nono For Violin, Soprano And Orchestra


邦題「ラメント<<哀歌>>」。ギヤ・カンチェーリはグルジアの20世紀現代音楽家。深くて荘厳な現代音楽という雰囲気を持った、しかし哀愁漂うメロディも感じられるところもある、42分の曲が1曲。ヴァイオリンとソプラノの歌がソリストで、ハンス・ザールの詩の「詩節」を使用。静かな場面に時々盛り上がる場面がはさみ込まれていて、その色合いはやはり哀しみに包まれている深い寒色系の色という感じがしています。(99年11月22日発売)

1654


Kanon Pokajanen/Arvo Part(ECM New Series 1654/55) - Recorded June 1997. Tonu Kaljuste(Cond), Estonian Philharmonic Chamber Choir - 1. Ode 1 2. Ode 3 3. Ode 4 4. Ode 5 5. Ode 6 6. Kondakion 7. Ikos 8. Ode 7 9. Ode 8 10. Ode 9 11. Prayer After The Canon


(02/08/03)現代作曲家アルヴォ・ペルトの新作(録音当時)で、エストニア・フィルハーモニー室内合唱団による演奏。カノンという宗教的な題材により作曲されたとのこと。教会での録音なので、荘厳、深遠で敬虔なサウンドとともにその心地良い残響音を感じることができます。やはり寒色系ながら、そのサウンドの陰影や色彩感が、ある時はゆったりと、ある時は瞬時に、心に届いてくるようです。 難解な印象はありません。

1653


In Paradium, Music For Victoria And Palestrina/The Hilliard Ensemble(ECM New Series 1653) - David James(Vo), Rogers Covey-Crump)Vo), John Potter(Vo), Gordon Jones(Vo) - 1. Taedet Animam Mean 2. Introitus 3. Kyrie 4. Domine Quando Veneris 5. Graduale 6. Libera Me Domine 7. Tractus 8. Ad Dominum Cum Tribularer Clamavi 9. Sequentia 10. Offertorium 11. Peccantem Me Quotidie 12. Sanctus - Benedictus 13. Heu Mihi Domine 14. Agnus Dei 15. Communio 16. Libera Me Domine


邦題「イン・パラディスム(楽園へ)」。17世紀のフランスでのレクイエムの聖歌と、トマス・ルイス・デ・ヴィクトリアとジョヴァンニ・ピエルルイージ・ダ・パレストリーナのポリフォニー(複合旋律)とのこと。静寂の中から浮かび上がってくる歌が、聴いていると落ち着いてきて、心が洗われているようです。コーラスの響きと哀愁がいい。 宗教的な歌なので、 敬虔な気持ちになると同時に、BGMとしてもいいのではないかと思います。(00年7月26日発売)

1652


Die Kunst Der Fuge/Johann Sebastian Bach(ECM New Series 1652) - Recoreded May 1997. Keller Quartett: Andras Keller(Vln), Janos Pilz(Vln), Zoltan Gal(Viola), Otto Kertesz(Cello) - 1. Contrapunctus 1 2. Contrapunctus 2 3. Contrapunctus 3 4. Contrapunctus 4 5. Contrapunctus 5 6. Contrapunctus 4 A 6 In Stylo Franchese 7. Contrapunctus 7 A 4 Per Augmentationem Et Diminutionem 8. Contrapunctus 8 A 3 9. Contrapunctus 9 A 4 Alla Duodecima 10. Contrapunctus 10 A 4 Alla Decima 11. Contrapunctus 11 A 4 12. Contrapunctus 12 A 4 13. Contrapunctus Inversus 12 A 4 14. Contrapunctus 13 A 3 15. Contrapunctus Inversus 13 A 3 16. Canon Per Augmentationem In Contrario Motu 17. Canon Alla Ottava 18. Canon Alla Decima Contrapunto Alla Quinta 19. Canon Alla Duodecima Contrapunto Alla Quinta 20. Contrapunctus 14


(02/08/03)邦題「フーガの技法 BWV1080」。ケラー弦楽四重奏団によるバッハの作品。普通はこの曲はオルガンの演奏なのだそうですが、ここではストリング・クァルテットでの演奏を行なっています。沈んだ、そして落ち着いた色調でせまってきますが、バッハの曲はどこを切ってもバッハのようで、彼のメロディ、対位法、ハーモニーなどが心地良く心に響いてきます。 アレンジは変わったとしても、とりあえずは安心して聴けます。

1651


Nine To Get Ready/Roscoe Mitchell(Ss, Ts, Fl, Vo)(ECM 1651) - Recorded May 1997. Hugh Ragin(Tp), George Lewis(Tb), Matthew Shipp(P), Craig Taborn(P), Jaribu Shahid(B, Vo), William Parker(B), Tani Tabbal(Ds, Jimbe, Vo), Gerbel Cleaver(Ds) - 1. Leola 2. Dream And Response 3. For Lester B 4. Jamaican Farewell 5. Hop Hip Bir Rip 6. Nine To Get Ready 7. Bessie Harris 8. Fallen Heroes 9. Move Toward The Light 10. Big Red Peaches


全曲ロスコー・ミッチェルの作曲。9人編成ですが3管です。2ピアノ、2ベース、2ドラムスの変則的な編成 になっていて、そこがサウンドの特徴になっています。そしてメンバーの組み合わせに意外性を感じます。混沌としたあるいはアグレッシヴな部分もあれば、牧歌的な部分、まとまっていて美しさやノリを感じさせる曲もあったりします。 1曲目はその混沌としながらも哀愁を感じさせるホーンのメロディが心にしみてきます。2、8-9曲目はフリー度の高い曲。ゆったりしたアンサンブルの美しい3-4曲目、ホーンのスゴいソロにあふれるエネルギーを感じる5曲目、やはりパワーのあるフリーなタイトル曲の6曲目、アンサンブルと緊張感のあるソロの対比が際立つ7曲目、ヴォーカル入りでノリの良いファンクのような10曲目。(99年4月1日発売)

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