ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

2018年10月

1748


Endless Days/Eberhard Weber(B)(ECM 1748) - Recorded April 2000. Paul McCandless(Oboe, English Horn, Bcl, Ss), Rainer Bruninghaus(P, Key), Michael DiPasqua(Ds, Per) - 1. Concerto For Bass 2. Frensh Diary 3. Solo For Bass 4. Nuit Blanche 5. A Walk In The Garrigue 6. Concerto For Piano 7. Endless Days 8. The Last Stage Of A Long Journey


全曲 エバーハルト・ウェーバーのオリジナル。独特な音色のメンバーが集まったメロディアスなマニアック路線とでもいえば良いのでしょうか。哀愁路線と彼のエフェクターのかかったベースが穏やかに歌う1曲目、分厚いサウンドの上を舞うメロディで後半静かに展開する2曲目、ストリングスの重低音の流れる中をマイペースでインプロヴァイズする3曲目、静かに語りかけてくるような4曲目、ベースによる彼流の必殺哀愁ソロの5曲目、タイトル通りピアノがメインの6曲目。そして8分台のタイトル曲の7曲目が山場で、クラシックかと思うサウンドで厳かにかつドラマチックに進んでいきます。8曲目は9分台のテーマの旋律が印象に残る曲。これもなかなか泣かせます。 比較的淡々と、時間が流れていきます。(01年6月21日発売)

1747


Naunz/Thomas Larcher(P)(ECM New Series 1747)(輸入盤) - Recorded November, 1999. Erich Hobarth(Vln), Thomas Demenga(Cello) - 1. Naunz 2. Vier Seiten 3. Noodivihik 4. Klavierstuck 1986 5-9. Kraken 10-12. Antennen-Requiem Fur H.


(04/01/02)ピアニストThomas Larcherの’86-99年にかけての作品。ソロ・ピアノ、チェロのソロ(2曲目)、そして3人での演奏(5-9曲目)と、ヴァリエーションに富んでいます。1曲目のタイトル曲はソロ・ピアノで、現代的ながらも静かで間を生かす場面があったりダイナミックだったりと変幻自在。3曲目のように、かなり硬質なジャズのフリー・インプロヴィゼーションと似たような場面も。トリオの曲でも現代的で雰囲気はほぼ同じ。

1746


In Montoreal/Charlie Haden(B) & Egberto Gismonti(G, P)(ECM 1746) - Recoreded July 6, 1989. - 1. Salvador 2. Maracatu 3. First Song 4. Palhaco 5. Silence 6. Em Familia 7. Loro 8. Frevo 9. Don Quixote


全9曲中7曲がエグベルト・ジスモンチの、2曲がチャーリー・ヘイデンのオリジナル。西洋的でもブラジル的でもある、彼らの独特なコラボレーションがそこにあります。不思議な色をなしてギターとベースが融合する1曲目、叙情的にせまってくるピアノが印象的な2曲目、おなじみヘイデン作の強烈な哀愁が漂ってくる3曲目、きれいなフレーズの演奏を聴かせている4曲目、ピアノをバックにベースがメロディを奏で、淡々とベースとピアノとでアドリブが続くヘイデン作の5曲目、ギターが音のかたまりとして元気に耳に飛びこんでくるような6曲目、個性的なピアノが聴ける7曲目、ピアノとベースがスリリングに展開していく8曲目。そして、美しいドラマチックなバラードの9曲目。 ヘイデンの連続していたコンサートの、ある一日の風景。(01年8月22日発売)

1745


Heino Eller/Neenia/Tallinn Chamber Orchestra/Tonu Kaljuste(Cond)(ECM New Series 1745)(輸入盤) - Recorded August 1999. - 1-6. Luuriline Suit/Lyrical Suite 7. Neenia 8-12. Viis Pala Keelpilliorkestrile/Five Pieces For String Orchestra 13-15. Sumfoniett/Sinfonietta 16. Eleegia/Elegy


(04/03/27)Heino Ellerはエストニアの20世紀現代音楽家。いわゆる難解な現代音楽っぽさというのがなくて、分かりやすいサウンド。ここでは’20-60年代に作曲された曲が演奏されています。やはり東欧からロシア圏にかけての雄大な自然の印象や、わずかに寒色系の響きがあり、哀愁もそれなりに感じられます。曲のタイトルからして、優しそうな曲を選んでいるのでしょうか。タイトル曲の7曲目はわずか5分の曲ですが、印象的。

1744


Different Rivers/Trygve Seim(Ts, Ss)(ECM 1744)(輸入盤) - Recorded 1998 - 1999. Arve Henriksen(Tp, Vo), Havard Lund(Bcl, Cl), Nils Jansen(Bs, Ss, Cont-bcl), Hild Sofie Tafjord(French Horn), David Gald(Tuba), Stian Carstensen(Accordion), Bernt Simen Lund(Cello), Morten Hannisdal(Cello), Per Oddvar Johansen(Ds), Paal Nilssen-Love(Ds), Oyvind Braekke(Tb), Sisel Endresen(Recitation) - 1. Sorrows 2. Ulrikas Dans 3. Intangible Waltz 4. Different Rivers 5. Bhavana 6. The Aftermath/African Sunrise 7. Search Silence 8. For Edward 9. Breathe 10. Between


(01/01/14)比較的大編成の、管楽器中心のアンサンブル。曲によって編成は変わりますが、7-10人ほどの曲が多いです。低音の楽器が多いのでちょっと重心は低めか。 個性的な、不思議な感触。全曲彼のオリジナルで、7曲目のみフリー・インプロヴィゼーション。5、8、10曲目はデュオの演奏。盛り上がる場面もいくつかありますが、比較的静かな哀愁漂うメロディとそれに合わさるようなアンサンブルのイメージの曲が多いです。曲もソロで聴かせるのではなく、あくまでもアンサンブル重視。そういう意味ではジャズではなくブラス・ミュージックを聴いている感触。ただ、アンサンブルのハーモニーはやや複雑な感じ。また、特にデュオなどは癒し系(?)なのではないかとも思えます。8曲目は邦楽系?

1743


Anthem/Ralph Towner(G)(ECM 1743) - Recorded February 28 and March 1, 2000. - 1. Solitary Woman 2. Anthem 3. Haunted 4. The Lutemaker 5. Simone 6. Gloria's Step 7. Four Comets 1 8. Four Comets 2 9. Four Comets 3 10. Four Comets 4 11. Rafish 12. Vary Late 13. The Prowler 14. Three Comments 1 15. Three Comments 2 16. Three Comments 3 17. Goodbye, Pork-Pie Hat


ギター・ソロでのアルバム。ギター・ソロといっても感触はジャズギターのそれではなくてクラシックやヒーリング系に近く、音でなく内面からジャズを感じさせる(感じないかも しれませんが)ような内容。ECMらしく、ブルー系の味わいが全体を支配していて、その中にひたっていたい感じ。淡々と語りかけてくるような中にも、技巧を感じさせずにメロディが心に迫ってくるような感じの曲が多いです。組曲風の小編が7-10曲目、14-16曲目に組み込まれていて、これはこれで味わい深い感じ。11曲目は技巧的でややハード。スコット・ラファロ作の6曲目、チャールズ・ミンガス作の17曲目(小品ですが)がよく知っているメロディなだけに、 このあたりはハッとさせられるややジャジーな曲か、と思わせます。(01年4月21日発売)

1742


Amaryllis/Marilyn Crispell(P), Gary Peacock(B), Paul Motian(Ds)(ECM 1742) - Recorded February 2000. - 1. Voice From The Past 2. Amaryllis 3. Requiem 4. Conception Vessel/Circle Dance 5. Voices 6. December Greenwings 7. Silence 8. M.E. 9. Rounds 10. Avatar 11. Morpion 12. Prayer


5年ぶりのこのトリオでの録音。ほとんどはメンバーが持ち寄った曲で、3-4曲ずつ提供しています。フリー・インプロヴィゼーションに近い形での演奏が繰り広げられるのかと思ったら、前半は意外にまとまりが良くてメロディアス。とは言うものの、全体的にはやっぱりECM流で、淡く静かな演奏ではあります。そんな中で3曲目は曲名に似合わずやや元気か。哀愁漂う1曲目からはじまり、タイトル曲の2曲目は甘く、まさにアマリリス。幻想的な4曲目、静かに語りかけてくる5曲目、不思議なテーマとメロディの6曲目、静かでフリーっぽいマンフレート・アイヒャーに捧げた8曲目、これぞフリーという感じの9-11曲目。後半ややフリーっぽくなっていきますが、静かで美しいメロディを持つ12曲目で幕を閉じます。(01年4月21日発売)

1740


Serenity/Bobo Stenson(P) Trio(ECM 1740/41) - Recorded April 1999. Anders Jormin(B), Jon Christensen(Ds) - 1. T. 2. West Print 3. North Print 4. East Print 5. South Print 6. Polska Of Despair(2) 7. Golden Rain 8. Swee Pea 9. Simple & Sweet 10. Der Pflaumenbaum 11. El Mayor 12. Fader 5(Father World) 13. More Cymbals 14. Extra Low 15. Die Nachtigall 16. Rimbaud Gedicht 17. Polska Of Despair(1) 18. Serenity 19. Tonus


2枚組で全19曲、90分ほどの演奏で、比較的短い曲も多いです。彼らのオリジナルは半分ほど。全員のクレジットの曲も2曲あります(静かなフリー ・インプロヴィゼーション)が、他の曲でもフリー的色彩が強い曲も(特に2-5曲目などは組曲のようでそれっぽい)あったりします。他の人の曲も、彼ら独自の北欧で培われた硬質な美意識でまとめあげています。全体的には静かかなという印象で、やはり寒色系の肌触りであまり燃え上がる事もなく曲が進んでいきます。そんな中で17、19曲目が盛り上がります。また、ところどころに美しい曲がちりばめられているのが印象的。8曲目はウェイン・ショーターの曲とは気がつきませんでした。 北欧系のトリオのフォーマットはやっぱりこうなる、というイメージがあります。(00年7月1日発売)

1739


Ensemble Belcanto/Come Un'ombra Di Luna/Dietburug Spohr(ECM New Series 1739)(輸入盤) - Recorded January 2000. Ensemble Belcanto: Dietburg Spohr(Cond, Mezzosoprano), Brigitta Zehetner(Mezzosoprano), Andrea Baader(Soprano), Rita Huber(Soprano), Dzuna Kalnina(Alto), Rica Eunch(Alto) - Haim Alexander: 1-4. Mein Blaues Klavier Konrad Boemer: 5. Un Monde Abandonne Des Facteurs Fabrizio Casti: 6. Come Un'ombra Di Luna Wolfgang Rihm: 7. Seraphin - Stimmen


(04/04/25)女声の6人のグループによる合唱。曲はさまざまな国の4人の現代音楽家によって’95-97年に作曲されたもので、やはり現代音楽らしい難しそうなサウンドを持っています。1-4曲目はパーカッションの音も合いの手のような感じで入っている、やや複雑な流れを持つ合唱。エコーがかかり気味のなかで、他の曲も不思議な浮遊感を伴う旋律とアンサンブルが奥に引っ込んだり正面に出てきたり。やはり現代音楽の合唱。

1738


Hide And Seek/Michael Mantler(Tp, etc)(ECM 1738) - Recorded April-September 2000. Robert Wyatt(Vo), Susi Hyldgaard(Vo, Accordion), Roger Jannotta(Fl, Oboe, Cl), Martin Cholewa(French Horn), Vincent Nilsson(Tb), Bjarne Roupe(G), Tineke Noordhoek(Vib, Marimba), Per Salo(P), Marianne Sorensen(Vln), Mette Winther(Viola), Helle Sorensen(Cello) - 1. Unsaid(1) 2. What Did You Say? 3. Unsaid(2) 4. It's All Just Words 5. If You Have Nothing To Say 6. Unsaid(3) 7. What Do You See? 8. Absolutely Nothing 9. Unsaid(4) 10. What We Can Do? 11. Unsaid(5) 12. It All Has To End Sometime 13. Unsaid(6) 14. I Don't Deny It 15. I'm Glad You're Glad 16. Do You Think We'll Ever Find It? 17. It Makes No Difference To Me


劇に曲をつけて、2人のヴォーカリスト(そのうちの1人は元ソフト・マシーンのロバート・ワイアットとのこと)が歌っています。伴奏はインプロヴィゼーションっぽい部分も少しですけれど見え隠れしますが、基本的には室内楽団がバックなので、クラシックや現代音楽の方でくくられるようなサウンド。一部打ち込みっぽいサウンドも入っていますが、New Seriesの方から出てもおかしくない雰囲気があります。ところどころにちりばめられている「アンセッド1-6」はインストルメンタルの曲。曲自体は1-4分台の曲ばかりで、それが17曲もあります。ヴォーカルも、ヴォーカルというよりは(歌い方ではなく雰囲気が)オペラの感触に近いものを感じます。歌われている言葉が分からないと少々退屈になるかも。(01年6月27日頃発売)

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