ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

2019年01月

1850


Monodia/Tigran Mansurian/Kim Kashkashian(Viola)(ECM New Series 1850/51)(輸入盤) - Recorded November 2001 and January 2002. Leonidas Kavakos(Vln), Jan Garbarek(Ss), Muchener Kammerorchester, Christoph Poppen(Cond), The Hilliard Ensemble: David James(Countertenor) Rogers Covey-Crump(Tenor), Steven Harrold(Tenor), Gordon Jones(Baritone) - 1-2. "...and The I Was In Time Again" 3. Concerto For Vilolin And Orchestra 4. Lachrymae 5-7. Confessing With Faith


(04/03/26)Tigran Mansurianは20世紀アルメニアの現代音楽家。今回のアルバムは、曲によってヒリヤード・アンサンブルやヤン・ガルバレクの参加など、けっこう力が入っています。3曲目でもレオニダス・カヴァコスも参加していて、豪華。1枚目(1-3曲目)がオーケストラとの録音。現代音楽と民族的な要素が掛け合わされたような、一種哀愁のあるサウンドが展開されます。もちろん、メインはキム・カシュカシャンのヴィオラ。 (04年4月28日発売)

1848


Lauds And Lamentations Music Of Elliot Carter And Isang Yun/Heinz Holliger(Oboe, English Horn)(ECM New Series 1848/49)(輸入盤) - Recorded September 2001 and Febryary 2002. Thomas Zehetmair(Vln), Ruth Zehetmair(Viola), Thomas Demenga(Cello) - (CD1) Elliott Carter 1. Oboe Quartet 2-5. 4 Lauds 6. A 6 Letter Letter 7. Figment 8. Figment 2 - Remembering Mr. Ives (CD2) Isang Yun 1. Piri 2-4. Quartet For Oboe And String Trio


(03/06/13)CD2枚組みで、1枚目がElliott Carter、2枚目がIsang Yunの曲(共に現代音楽家)の曲を演奏。1枚目1曲目と2枚目2-4曲目がオーボエとストリングス・トリオの4人組。以下、ヴァイオリンのソロ、イングリッシュホルンのソロ、チェロのソロ、オーボエのソロの曲があります。その曲調は 両者の曲ともに、やはり寒色系の景色で、抽象的かつ難解で精緻、といった趣きがあります。Isang Yunは東洋的な音の部分も。

1847


Storyteller/Marilyn Crispell(P) Trio(ECM 1847)(輸入盤) - Recorded February 2003. Mark Helias(B), Paul Motian(Ds) - 1. Wild Rose 2. Flight Of The Bluejay 3. The Storyteller 4. Alone 5. Harmonic Line 6. Cosmology 2 7. Limbo 8. Play 9. The Sunflower 10. Cosmology 1 11. So, Far, So Near


(04/05/23)3人それぞれのオリジナルですが、11曲中6曲がポール・モチアンの曲で、彼がどちらかというと中心かも。過去の曲の再演曲もあり、それも彼らの色になってます。フリーに近いようなフォーマットでの演奏でしょうけれど、メロディはあくまでもしっとりと美しく、静かに流れていくような曲が前半に多め。内省的で硬質な曲も多いですが。1曲目はメロディの切なさがあらわれています。タイトル曲の3曲目はふつふつと燃えたぎるような蒼い情念が、静かに心の奥底からたぎってくる演奏。5曲目は、メロディアスかつフリーの方面にやや傾いた感じ。6、10曲目の連作はもっとフリー色が強いですが、この連中だと自然。心にせまる7曲目、さりげなく一部に4ビートも出てくる自由な8曲目。そしてゆったりと叙情的な11曲目。 (04年7月28日発売)

1846


Class Trip/John Abercrombie(G)(ECM 1846) - Recorded February, 2003. Mark Feldman(Vln), Joey Baron(Ds), Marc Johnson(B) - 1. Dansir 2. Risky Business 3. Descending Grace 4. Illinoise 5. Cat Walk 6. Excuse My Shoes 7. Swirls 8. Jack And Betty 9. Class Trip 10. Soldier's Song 11. Epilogue


このメンバーで2作目。10曲目がバルトークの作品、4、11曲目が4人のフリー・インプロヴィゼーションで、他はジョン・アバークロンビーの曲。うまく全体の中でヴァイオリンが生かされています。哀愁を漂わせるメロディがあらわれては消えていく、温度感も低めな1曲目、自由度の高いスペイシーな中で旋律が歌う2曲目、メロディを奏でながらふつふつと盛り上がっていくテンポも良い3曲目、あたかも構築された曲のようなまとまりの4、11曲目、やや哀愁系で浮遊感も少しある流れの5曲目、やはりメロディがしっとりした佇まいの6曲目、やや不安定なテーマと進行から4ビートに展開する7曲目、まるで映画音楽のような8曲目、タイトル曲の割にはあっさりとした9曲目、弦のデュオでクラシックの香りがほのかな10曲目。(04年5月21日発売)

1845


Senderos/Dino Saluzzi(Bandoneon)(ECM 1845) - Recorded November 2002. Jon Christensen(Ds, Per) - 1. Vientos 2. Imagines... 3. Todos Los Recuerdos 4. Tus Ojos...! 5. Detras De Las Rejas...! 6. Los Ceibos De Mi Pueblo... 7. Aspectos 8. Huellas... 9. Ternuras 10. Alla!...En Los Montes Dormidos 11. Tiempos 12. Fantasia 13. Formas 14. Eternidades - Loca Bohemia


全14曲中10曲がディノ・サルーシの作曲か他者との共作。4曲(1、5、7、13曲目)が2人のフリー・インプロヴィゼーション。西欧的な面とちょっと異世界的なエキゾチックさを持って、スペイシーにゆったりと進んでいきます。寒色系の緊張感もあります。そんな緊張感は1曲目の出だしなどに顕著で、ちょっと激しい。綾織り系の色合いの自由な7、13曲目もそっち系かも。サルーシのソロは2、10、12、14曲目。長い曲はあまりなくて徐々に場面が明るく、あるいは暗く、移ろっていきます。2曲目はほのぼのとした雰囲気。3-6、8-9曲目のデュオも哀愁と異郷の味わい、程よいスペイシーなパルス。深い哀愁系のソロの10曲目、不可思議迷彩系の11-12曲目、ラストは牧歌的な広さを感じるメロディアスな14曲目。(05年5月25日発売)

1844


Early Piano Music/John Cage/Herbert Henck(P)(ECM New Series 1844)(輸入盤)- Recorded December 2002. - 1-9. The Seasons 10-14. Metamorphosis 15. In A Landscape 16. Ophelia 17-18. Two Pieces For Piano 19. Quest 20-21. Tow Pieces For Piano


(05/08/04)ジョン・ケージは20世紀アメリカの現代音楽家。ここでは彼の1930-40年代の、初期の頃のピアノ曲を取り上げています。各曲は小品が多いながらも、やっぱり当時からジョン・ケージ作だと思わせるような内容。当時では新しすぎたかな、とも思わせますが、それでいて過激な作品は多くはなくて、小品ながらも味わいのある曲に仕上がっています。曲によっては、今の無機的なジャズのインプロヴィゼーションに通じる内容。

1842


John Cage/Herbert Henck(P, Prepared P)/Locations(ECM New Series 1842/43)(輸入盤)- Recorded August 1993 and August 2000. - (CD1) Sonatas And Interludes For Prepared Piano/John Cage 1. Sonata 1 2. Sonata 2 3. Sonata 3 4. Sonata 4 5. First Interlude 6. Sonata 5 7. Sonata 6 8. Sonata 7 9. Sonata 8 10. Second Interlude 11. Third Interlude 12. Sonata 9 13. Sonata 10 14. Sonata 11 15. Sonata 12 16. Fourth Interlude 17. Sonata 13 18. Sonata 14 19. Sonata 15 20. Sonata 16 Festeburger Fantasien(Piano Improvisations)/Herbert Henck: Second Series 1. Duo 1 2. Duo 2 3. Duo 3 4. Solo 1 5. Duo 4 6. Duo 5 7. Duo 6 8. Solo 2 9. Duo 7 10. Duo 8 11. Duo 9 First Series 12. Solo 1 13. Duo 1 14. Duo 2 15. Solo 2 16. Duo 3 17. Duo 4


(03/06/13)CD2枚組みで、1枚目がジョン・ケージの曲、2枚目がHerbert Henck自身のピアノ・インプロヴィゼーションとのこと。クラシック畑なのですが、なぜか1枚目のケージのプリペアド・ピアノの曲でも、いわゆるECM的なスペイシーなインプロヴィゼーションの香りがあったりします 。不思議。ただし、2枚目の本当のフリー・インプロヴィゼーションはやはり現代音楽サイドのサウンドで、ジャズのそれとは一線を画します。

1840


Ghazal/The Rain(ECM 1840)(輸入盤) - Recorded May 28, 2001. Kayhan Kalhor(Kamancheh), Shujaat Husain Khan(Sitar, Vo), Sandeep Das(Tabla) - 1. Fire 2. Dawn 3. Eternity


(03/07/09)ペルシャ(イラン人)とインドのインプロヴィゼーションということで、ジャズではなくて完全な民族音楽になっています。いわゆるジャズ的ではないにしろ、異なる民族の音楽を融合させたという点ではECM的である、とも言えます。1曲目は哀愁を伴ったフレーズで、その哀愁を引き寄せたまま徐々に盛り上がっていき、そして静かになっていく18分台の曲。 14分台の2曲目も似たようなサウンドカラーですが、こちらは盛り上がらずに、よりしっとり感が高い雰囲気を漂わせています。 19分台の3曲目は、一転、長調が基調の曲で、明るいながらもやはりエキゾチックさはあります。どの曲もモードは異なりますが、同じコード(概念は違うと思います)でその曲のサウンドが続くと不思議な効果を脳に与えるようです。

1838


Abaton/Sylvie Courvoisier(P)(ECM 1838/39)(輸入盤) - Recorded September 2002. Mark Feldman(Vln), Erik Friedlander(Cello) - (CD1) 1. Ianicum 2. Orodruin 3. Poco A Poco 4. Avaton (CD2) 1. Icaria 1 2. Imke's 3. Icaria 2 4. Clio 5. Nova Solyma 6. Spensonia 7. Octavia 8. Icaria 3 9. Sonnante 10. The Scar Of Lotte 11. Turoine 12. Archaos 13. Ava's 14. Brobdingnag 15. Calonack 16. Precioso 17. Sekel 18. Izaura 19. Marnia


(03/10/11)CD1枚目がSylvie Courvoisierの作曲、2枚目が3人のフリー・インプロヴィゼーション。ピアノ、ヴァイオリン、チェロという特殊な編成で、音楽的にもジャズ色はなく、現代音楽に近い響きを持っています。1枚目の作曲された曲は、寒色系で味わいもやや難解なものを持っていて、静かな盛り上がりを繰り返しながらも語り合いをしているような、独特の間があります。2曲目は立ち止まったり盛り上がったり、ゆったりしたりの語りかけ。3曲目は弦楽器の2人のみの演奏。タイトル曲の4曲目は緊張感があふれます。2枚目の即興は、ソロ、トリオの曲もあり、ピアノ、ヴァイオリン、チェロのうち、それぞれのデュオの曲が目立ちますが、現代音楽的ながらもより自由な演奏が聴けます。New Seriesとの境目のような雰囲気。

1837


Der Turken Anmarsch/Biber/Muffat/John Holloway(P)(ECM New Series 1837)(輸入盤) - Recorded July 2002. Aloysia Assenbaum(Org), Lars Ulrik Mortensen(Harpsichord) - Heinrich Ignaz Franz Biber: 1. Sonata "Victori Der Christen" A Minor 2. Sonata 1 A Major 3. Sonata 2 D Dorian 4. Sonata 5 E Minor 5. Sonata 8 A Major Georg Muffat: 6. Sonata Violino Solo D Major


(04/11/21)Heinrich Ignaz Franz Biberは17世紀ドイツのヴァイオリニストであり作曲家。1曲目の「キリスト教徒の勝利」他。いかにもバロック音楽らしくゆったりとしていて、それでいて落ち着いた演奏。聴いていて安心できる演奏です。それでいてヴァイオリンはなかなかひきつける感じ。ラストの曲のみやはり17世紀ドイツの音楽家Georg Muffat作曲の曲。アルバムのメインはオルガンとの演奏のようですが時々ハープシコードが入ります。

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