ジャズCDの個人ページ ECM Blog

ココログから’19年5月30日に移ってきました。 メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。追いつくまであとどのくらいかかるか。追いつくまでは基本、毎日更新します。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。

2019年03月

1962


Elixir/Marilyn Mazur(Per, etc)/Jan Garbarek(Ts, Ss, Fl)(ECM 1962)(輸入盤) - Recorded June 2005. - 1. Clear 2. Pathway 3. Dunun Song 4. Joy Chant 5. Bell-Painting 6. Elixir 7. Orientales 8. Metal Dew 9. Mother Drum 10. Mountain Breath 11. Creature Walk 12. Spirit Of Air 13. Spirit Of Sun 14. Sheep Dream 15. Talking Wind 16. Totem Dance 17. The Silen In The Wall 18. River 19. On The Move 20. Winter Wish 21. Clear Recycle


(08/02/11)2人の共作が7曲(7、10、12-13、16、18、20曲目)で、他はマリリン・マズール作。共作はフリー・インプロヴィゼーションか。21曲を55分なので小品の連続。パーカッションも、マリンバ、ヴァイブラホンのメロディ楽器をはじめ打楽器もいろいろ使っています。そこに広がるサウンドは、ジャケットのように蒼く薄暗い世界の中での静かな語り合い、といった曲も多いようです。現像的なパーカッションの中を、たゆたうように漂っていくサックスのメロディ。そんな中でもパーカッションとかスチールドラムのような、パルスとノリの良いメロディでのサックスでの3-4、16曲目。またパーカッションのみの曲(タイトル曲の6曲目や、5、8-9、11、14-15、17、19曲目)もあります。基本は静かながらエキゾチックな雰囲気。

1960


Radiance/Keith Jarrett(P)(ECM 1960/61) - Recorded October 27 and 30, 2002. - 1-13. Part 1 - 13 Osaka, October 27, 2002 14-17. Part 14-17 Tokyo, October 30, 2002


CD2枚組のソロ・ピアノでのライヴ。大阪公演全部(CD1枚目のパート1-9と2枚目のパート10-13)と、東京公演の一部(CD2枚目のパート14-17)を収録。各パートを短めにしているのは近年の傾向かもしれませんが、一連の長いドラマとして聴くことも可能。ますます内省的に抽象的になってきた部分もありますし、3、6、13、15-16曲目のようなゆったりとしたクラシック的な、あるいは8曲目など牧歌的な明るい曲も含まれています。1曲目から自己の内面との対峙がはっきりとしているように感じ、その静かな緊張感に心が締め付けられるような気分も少々。時に移ろいゆくメロディと伴奏のバランスの良さで、重く、そして時に軽く、心にせまってきます。非ジャズ的な局面で、これだけ聴かせるのも珍しい。(05年4月27日発売)

1959


Silvestrov/Part/Ustvolskaya Misterioso/Alexei Lubimov(P)/Alexander Trostiansky(Vln)/Kyrill Rybakov(Cl, P)(ECM New Series 1959)(輸入盤) - Recorded May 2005. - Valentin Silvestrov: 1-3. Post Scriptum 4. Misterioso Arvo Part: 5. Spiegel Im Spiegel Galina Ustvolskaya 6-8. Trio 9. Sonata


(06/10/07)ウクライナ、エストニアはじめ旧ソ連の曲も集めたアルバム。曲はGalina Ustvolskayaのものが’50年前後で、他は新しい作曲です。トリオのものは6-8曲目のみで、デュオの組み合わせのものが多い。シルヴェストロフの1-3曲目はあまり難解ではないですが、4曲目は空間的な現代音楽。ペルトはスペイシーで明るく、素朴な色合いを生み出しています。Ustvolskayaはやや難解さはありながらも、浮遊感のあるメロディ。

1958

Luys De Narvaez/Musica Del Delphin/Pablo Marquez(G)(ECM New Series 1958)(輸入盤) - Recorded April 2006. - 1. Ptimer Tono Por Ge Sol Re Ut 2. Cancion Del Emperador (Mille Regretz De Josquin) 3. Fantasia Del Quinto Tono 4. Segundo Tono 5. Diferencias Sobre Conde Claros 6. Tercero Tono 7. Fantasia Del Primer Tono 8. Baxa De Contrapunto 9. Quarto Tono 10. Diferencias Sobre El Himno O Gloriosa Domina 11. Quinto Tono De Consonancia 12. Je Veulx Laysser Melancolie De Richafort 13. Sesto Tono Sobre Fa Ut Mi Re 14. Sanctus Y Hosanna (Missa Faisant Regretz De Josquin) 15. Septimo Tono Sobre Ut Re Mi Fa Mi 16. Fantasia Del Quarto Tono 17. Octavo Tono

(06/07/01)Luys De Narvaezは16世紀スペインの作曲家。この時代特有の哀愁の漂う、そして時にスペインの青空のようなカラッとしたギターを聴くことができますが、元楽器はギターより古いものであったことが予想されます。1-3分ほどの曲が多く、10曲目が7分弱あって、全17曲を45分ほどで演奏していますが、この時代の音世界にひたるには、いい長さではないかな、と思わせます。特に、哀愁系の曲は深い味わいがあります。

1957


Alexander Knaifel/Blazhenstva(ECM New Series 1957)(輸入盤) - Recorded March 2006. Ivan Monighetti(Cello, P, Cond), Tatiana Melentieva(Soprano), Piotr Migunov(B), State Hermitage Orchestra, Saulius Sondeckis(Cond), Lege Artis Choir


(08/10/12)Alexander Knaifelは20世紀生まれのロシアの現代音楽家。1曲目は’67年作曲’87年改定、2曲目は’96年作曲です。1曲目はチェロの曲。これぞ現代音楽というような無調、非メロディ系の演奏を連発したと思ったら、無音、小音の時間も中途に続き、実験音楽的要素が強いです。2曲目はオーケストラとコーラスもついての36分もの演奏。静寂な音世界から温度感が低いままに静かにゆったりと演奏が続いてゆきます。


1956


The Spaces In Between/John Surman(Ss, Bs, Bcl)(ECM 1956)(輸入盤) - Recorded February 2006. Chris Lawrence(B), Trans4mation: Rita Manning(Vln), Patrick Kiernan(Vln), Bill Hawkes(Viola), Nick Cooper(Cello) - 1. Moonlighter 2. You Never Know 3. Wayfarers All 4. Now And Again 5. Winter Wish 6. The Spaces In Between 7. Now See! 8. Mimosa 9. Hubbub 10. Where Fortune Smiles 11. Leaving Harrow


(07/06/03)全曲John Surmanの作曲。今回はベースとストリング・クァルテットとの共演。ベースはジャズ畑の人らしく、ピチカートでラインを弾いていきますが、ストリング・クァルテットは室内楽・現代音楽的な味付け。ゆったりとした感じで、温度感も低めの演奏が続いていき、そこにソプラノサックス、バリトン・サックス、バス・クラリネットが状況に応じて加わっていくサウンド。なかなかに個性的で、やはりワンマン的な演奏ですが、味わいとミステリアスな雰囲気が残ります。全体的にはクラシック・現代音楽系のサウンドの方が勝っています。ヨーロッパ特有のやや暗いエキゾチックさが出ているホーンとそれを取り巻くストリングス。タイトル曲の6曲目はなぜかヴァイオリンのソロ。7曲目はリズミカルで明るい感じなので少々異色かも。

1955


Helena Tulve/Lijnen(ECM New Series 1955)(輸入盤) - Recorded November 1997, October 2001, April 2004, March, May and June 2006. NYYD Ensemble, Olari Elts(Cond), Arianna Savall(Voice), Stockholm Saxophone Quartet, Emmanuelle Ophele-Gaubert(Fl), Mihkel Peaske(Fl), Silesian String Quartet - 1. A Travers 2. Lijnen 3. Oo 4. Abysess 5. Cendres 6. Nec Ros, Nec Pluvia...


(08/06/21)’72年生まれでエストニア出身の女流現代音楽家の作品集。録音時期や編成がかなりまちまちなので、集めてマンフレート・アイヒャーがアルバムのプロデュースを行った感じです。温度感が低く、調性が不明瞭で、静かながらも地を這うようなサウンドが、ゆっくりと進んでいくような感じ。サウンドの色合いも濃い寒色系で、北国の暗さをあわせ持つような展開を示します。ゆったりとしつつも現代音楽の複雑さでせまる作品。

1954


L'imparfait Des Langues/Louis Sclavis(Cl, Bcl, Ss)(ECM 1954)(輸入盤) - Recorded April 2005. Marc Baron(As), Paul Brousseau(Key, Sampling, Electronics, G), Maxime Delpierre(G), Francois Merville(Ds) - 1. Premier Imparfait 2. L'idee Du Dialecte 3. Premier Imparfait 4. Le Verbe 5. Dialogue With A Dream 6. Annonce 7. Archeologie 8. Deuxieme Imparfait 9. Convocation 10. Palabre 11. Le Long Du Temps 12. L'ecrit Sacrifie 13. Story Of A Phrase 14. L'imparfait Des Langues


(07/03/06)1、3曲目がデュオのインプロヴィゼーションで、9曲目以外はLouis Sclavisの作曲。56分に14曲。小品も多く、小編成の場合が多いです。インプロヴィゼーション、民族音楽、映画音楽やフレンチ、アヴァンギャルドの要素がある曲まで、さまざま。ベースレスの、曲によってはエレクトロニクスが入り、出てくるサウンドも特徴的。やや勢いのある哀愁を含んだメロディからどんどんアヴァンギャルドになる2曲目、マイナーなメロディの循環があると思ったらフリーっぽい場面も見せる4曲目、浮遊感を持ちつつ進む5曲目、無機的な繰り返しのメロディから後半8ビートになる7曲目、途中からけっこう飛ばす10曲目、ゆったり牧歌的な11曲目、ロックのような重量のあるリズムの13曲目、やや沈み系のタイトル曲の14曲目。

1952


Elegy Of The Uprooting/Eleni Karaindrou(P)(ECM New Series 1952/53)(輸入盤) - Recorded March 27, 2005. Maria Farantouri(Voice), Vangelis Christopoulos(Oboe), Socratis Sinopoulos(Constantinople Lyra), Maria Bildea(Harp), Kostantinos Raptis(Accordion Bayan), Sergiu Nastasa(Vln), Renato Ripo(Cello), Stella Gadedi(Fl), Nikos Guinos(Cl), Socratis Anthis(Tp), Spyros Kazianis(Bassoon), Vangelis Skouras(French Horn), Aristotelis Dimitriadis(Mandolin), Traditional Instruments Ensemble: Maria Bildea(Harp), Socratis Sinopoulos(Constantinople Lyra, Laouto), Christos Tsiamoulis(Nay), Panos Dimitrakopoulos(Kanonaki), Andress Katsiyiannis(Santouri), Andreas Papas(Bendir, Daouli), Hellenic Radio/Television Choir, Antonis Kontogeorgiou(Choirmaster), Camerata Orchestra, Alexandros Myrat(Cond) - 1. Prayer 2. Refugee's Theme 3. The Weeping Meadow 4. Dance 5. An Ode Of Tears 6. For The Phrygian Land A Vast Mourning 7. By The Sea 8. Depart And Eternity Theme 9. Rosa's Aria 10. Memories 11. Hecuba's Lament/Hecuba's Theme 2 12. Telamon, You Came To Conquer Our Town 13. The City That Gave Birth To You Was Consumed By Fire 14. An Ods Of Tears 15. Theme Of The Uprooting 1 16. The Weeping Meadow 2 17. Voyage 18. Voyage To Cythera 19. On The Road 20. Parade 21. Return 22. Andromache's Theme 23. The Land I Call Home 24. Home Of My Forefathers 25. I Wish I'm Given There 26. Refugee's Theme 27. The Seagull 28. Song Of The Lake 29. Adagio-Father's Theme 30. In Vain The Sacrifices 31. My Beloves, Your Soul Is Wanding 32. Decision 33. Farewell Theme 34. Theme Of The Lake 35. Hecuba's Theme 2 36. Lament For Astyanax 37. Exodos 38. The Weeping Meadow


(06/10/07)全曲Eleni Karaindrouの作曲した映画音楽で、それを、オーケストラ、古楽器、コーラスを加えた大編成でコンサートをやった模様を収録。ほの暗いサウンドの比較的短めのサウンドトラックを全38曲、CD3枚組みで100分ほどで表現しています。薄暮の中の蒼い世界の中、切ないようなサウンドがあらわれては消えていく、その音世界の構築が見事。哀愁の深いメロディは親しみやすく覚えやすいので体の中に入ってきます。

1951


Natural Causes/Steve Tibbetts(G, P, Kalimba, Bouzouki)(ECM 1951)(輸入盤) - Recorded 2008. Marc Anderson(Per, Steel Ds, Gongs) - 1. Sitavana 2. Padre-yaga 3. Attahasa 4. Chandogra 5. Sangchen Rolpa 6. Lakshmivana 7. Manikarnika 8. Ishvaravana 9. Gilezian 10. Kill-ki Drok 11. Kuladzokpa 12. Lament 13. Threnody


(10/05/30)全13曲がスティーヴ・チベットの作曲ないしは一部の曲(9曲目)で共作。幻想的で、どこのものとも言えないワールドの世界が広がっています。あえて言うなら、ギターや時にピアノなどが使用される西洋に、インドや中近東系の音が混ざり合って、それをECM風にしっとりと聴かせているという感じです。インプロヴィゼーションで演奏をしているのだろうと思いますが、いわゆるジャズ度はほとんどなく、それこそサウンドだけでいくならワールドに入ってしまうでしょう。でもECMにはこういう作品が多いので、こういうものだと思って聴けば、自然に聴けてしまうのが不思議なところ。多重録音も駆使しているようです。大いなる自然を感じながら、時が流れていくような、雄大でもあり繊細でもあるサウンドが目の前にあります。

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