ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了し、’17年のところに番号順になるようにアップしています。

2019年04月

1984


Vossabrygg/Terje Rypdal(G)(ECM 1984) - Recorded April 12, 2003. Palle Mikkelborg(Tp, Synth), Bugge Wesseltoft(Key, Synth), Stale Storlokken(Org, Key, Synth), Marius Rypdal(Electronics, Samples, Turntables), Bjorn Kjellmyr(B), Jon Christensen(Ds), Paolo Vinaccia(Ds) - Vossabrygg Po.84 1. Ghostdancing 2. Hidden Chapter 3. Waltz For Broken Hearts/Makes You Wonder 4. Incognito Traveller 5. Key Witness 6. That's More Like It 7. De Slagferdige 8. Jungeltelegrafen 9. You're Making It Personal 10. A Quiet Word


ライヴ録音で、全曲テリエ・リピダル作曲。マイルス・デイヴィス、特に「ビッチェズ・ブリュー」と、その共演者に捧げられた音楽、とのこと。キーボードやオルガンの使い方など、まさに。特に18分もの1曲目が雰囲気が、渋い当時のエレクトリック・サウンドに近く、そこにギターが盛り上げていきます。カッコ良さのあるはっきりしたビートを持つ2曲目、エレクトリックなスペイシーさを持つバラードの3曲目、サンプリングを大胆に取り入れたと思われる4曲目、小品ですが緊張感のある5曲目、抑制された懐かしいドラマチックなエレクトリック・サウンドの6曲目、ドラムスのみの小品の7曲目、それプラステンポの良いリズムとトランペットの8曲目、重いベース音と牧歌的なメロディからハードになる9曲目、静かに漂っていく10曲目。(06年3月15日発売)

1983


Vaghissimo Ritratto/Gianluigi Trovesi(Cl)/Umberto Petrin(P)/Fulvio Maras(Per)(ECM 1983)(輸入盤) - Recorded December 2005. - 1. Primo Apparir 2. L'Orfeo 3. Grappoli Orfici 4. Mirage 5. Secondo Apparir 6. Al Primo Vostro Sguardo 7. The Lover's Appeal - Terzo Apparir 8. Angelia 9. El Grillo 10. Particolare De J. Donne 11. Amsterdam 12. Serenata - Matona Mia Cara 13. My Little Maid And I 14. Canto Vago 15. Far, Far Away 16. Vaghissimo Ritratto


(07/03/11)Gianluigi Trovesi作は3曲目、Umberto Petrin作は14曲目。Fulvio Maras作の10曲目はパーカッションが効いて現代的なアレンジ。そして3人のフリー・インプロヴィゼーションが1、4-5、7後半、12前半、16曲目とあり、他は16世紀から20世紀にかけてのおそらくイタリア人作曲家の作品。楽器編成からかジャズ色はほとんどなく、クラシックやバロックのサウンドの香り、時にポップス的(13、15曲目)。こういう世界もイタリア的ですが、クラシックに近い聴き方が多いアルバムでは。ただ、フリー・インプロヴィゼーションもアヴァンギャルドではないにしても緊張感をともなう現代的なサウンド(4-5曲目、特にタイトル曲の16曲目は。)になっていて、場合によって民族音楽的な香りも。記譜された世界とアドリブのはざま。 (07年4月25日発売 邦題「懐かしい風景」)

1982


The Words And The Days/Enrico Rava(Tp) Quintet(ECM 1982)(輸入盤) - Recorded December 2005. Gianluca Petrella(Tb), Andrea Pozza(P), Rosario Bonaccorso(B), Roberto Gatto(Ds) - 1. The Words And The Days 2. Secrets 3. The Wind 4. Echoes Of Duke 5. Tutu 6. Spgni Proibiti 7. Todamor 8. Serpent 9. Art Deco 10. Traps 11. Bob The Cat 12. Dr. Ra And Mr. Va


(07/03/08)Enrico Ravaの作曲は12曲中8曲(1-2、4-5、7-8、11-12曲目)。イタリアのECM的クインテットという感じで、温度感は低いながらも、地域性がにじみ出る感じです。透明感のある、やや醒めたゆったりとした、時に突き抜けるようなフレーズがある曲が多め。まろやかなトランペットが、冷たいバックで淡々と語りかけてくるようなゆったりとしたタイトル曲の1曲目、ゆらゆらとさまよってから盛り上がりを見せる2曲目、珍しく中盤で4ビートが出てきてジャズっぽいアプローチが続く4曲目、交替しながら少人数の演奏でミステリアスな香りを振りまいている8曲目、ドン・チェリー作のホーン2本のデュオでちょっとジャジーな絡みがある9曲目、珍しく陽気なジャズの10曲目、メランコリックと鋭さを併せ持つ12曲目。 (07年3月21日発売)

1981


The Wind/Kayhan Kalhor(Kamancheh)/Erdal Erzincan(Baglama)(ECM 1981)(輸入盤) - Recorded November 2004. Ulas Ozdemir(Divan Baglama) - The Wind: 1-12. Part 1-12


(06/11/23)ペルシャやトルコの音楽に基づいたインプロヴィゼーションとのことです。アレンジは表題の2人で、プロデュースはKayhan Kalhorとマンフレート・アイヒャーがやっています。インプロヴィゼーションではあるけれど、その範疇は完全にその方面の民族音楽です。アレンジも施されているようですが、やり取りに緊張感をはらんでいるものの、完全にあっち側の世界を行きつ戻りつしているサウンド。静かな場面、盛り上がる場面もそれぞれに、中近東の西の方のサウンドはこうなっているのかと思わせるものが。現地では現代でもこういう音楽なのか、古典音楽なのかは分かりませんが。それにしてもこの深い哀愁とエキゾチックなサウンドには、心のひだに入り込んでくるような要素もあって、惹かれるものがあります。

1980


Lontano/Tomasz Stanko(Tp) Quartet(ECM 1980) - Recorded November 2005. Marcin Wasilewski(P), Slawomir Kurkiewicz(B), Michael Miskiewicz(Ds) - 1. Lontano 1 2. Cyrhla 3. Song For Ania 4. Kattorna 5. Lontano 2 6. Sweet Song 7. Trista 8. Lontano 3 9. Tale


トーマス・スタンコの曲は5曲(2-3、6-7、9曲目)、4人の長めのインプロヴィゼーションが3曲(1、5、8曲目)。叙情的な世界を垣間見せてくれます。静かな耽美的な世界が繰り広げられた後に、ちょっと激しいやり取りも聴かれる1曲目、哀愁たっぷりにトランペットがせまってくる、やや前のめりのビートと静かな場面の2曲目、静かながら牧歌的で光が当たった像の陰影が見える3曲目、クリストフ・コメダ作の、ちょっと激しいビートの上を彷徨うホーンやピアノの4曲目、色合いは違えど、しっとりとした薄暮の世界から、時々丁々発止のアドリブが浮かび上がる5、8曲目、哀愁と、やや感触の温かい、盛り上がりのあるバラードの6曲目、どことなくまったりと進んでいく7曲目、悲しみが静かに沈んでいくような再演曲の9曲目。(06年8月30日発売)

1979


Nostarghia - Song For Tarkovsky/Francois Couturier(P)(ECM 1979)(輸入盤) - Recorded December 2005. Anja Lechner(Cello), Joen-Marc Larche(Ss), Jean-Louis Matinier(Accordion) - 1. Le Sacrifice 2. Crepusculaire 3. Nostarghia 4. Solaris 1 5. Miroir 6. Soralis 2 7. Andrei 8. Ivan 9. Stalker 10. Le Temps Scelle 11. Toliu 12. L'eternal Retour


(06/11/02)タルコフスキーの映画音楽集と思ったら、主にFrancois Couturierの作曲で、3曲参加者のインプロヴィゼーション(4、6、8曲目)。ただ、映画音楽にインスパイアされてできた曲も。変則的なクァルテットで、静かで格調高く、しかもどんよりとしたかの地の気候をそのままサウンドにしたような色調の演奏。曲によって参加しない人も。1曲目から繊細な沈んだ音で心に寄り添って来たかと思うと、時に静寂を乱す不協和音。ジャズというよりは現代音楽に近い雰囲気を持っています。3曲目はタイトル曲でややエキゾチックな各楽器が印象的ですが、やぱりアルバム全体の流れを通り過ぎて行きます。インプロヴィゼーションの曲はややそれらしい。8、10曲目はスピーディー、9曲目はうごめきながら盛り上がっています。

1978


Juan Condori/Dino Saluzzi(Bandoneon) Group(ECM 1978) - Recorded Octover 10-14, 2005. Felix 'Cuchara' Saluzzi(Ts, Ss, Cl), Jose Maria Saluzzi(G), Matias Saluzzi(B), U.T. Candhi(Ds, Per) - 1. La Vuelta De Pedro Orillas 2. Milonga De Mis Amores 3. Juan Condori 4. Memoria 5. La Parecida 6. Inside 7. Soles/La Camposantena 8. Las Cosas Amadas 9. A Juana, Mi Madre 10. Los Sauces 11. Improvisacion 12. Chiriguan


11曲目がフリー・インプロヴィゼーションで、2曲目、7曲目前半以外はディノ・サルーシの作曲。珍しく彼の故郷アルゼンチンでの録音で、彼のファミリーによる15年ぶりの作品。静けさもあるものの、温度感はほんの少し高めのようです。これぞアルゼンチンの哀愁というものを聴かせてくれますが、1曲目はラテン系の盛り上がる場面もあって、やはり自由にやらせてくれるのかな、という印象も。いちおうマンフレート・アイヒャーのプロデュースですが。他の曲も哀愁があったり明るかったり、静かだったりラテン・フュージョンっぽかったり、リズムがはっきりと盛り上がったりと構築力もあり、変化に富んでいて飽きさせません。タイトル曲の3曲目はゆったりと素朴でいい味を出しています。フリーの11曲目もあまり違和感はないです。(06年11月22日発売)

1977


Fleuve/Pierre Favre(Per, Ds) Ensemble(ECM 1977)(輸入盤) - Recorded October 2005. Philipp Schaufelberger(G), Frank Kroll(Ss, Bcl), Helene Breschand(Harp), Michel Godard(Tuba, Serpent), Wolfgang Zwiauer(Bass Guitar), Banz Oester(B) - 1. Mort d'Eurydice 2. Panama 3. Albatros 4. Reflet Sud 5. Fire Red - Gas Blue - Ghost Green 6. Nile 7. Decors


(06/11/26)全曲Pierre Favreの作曲。ドラムスというよりはパーカッショニストとしての役割のほうが大きく、カラフルなサウンドの楽器でECM的な世界に味付けをしていきます。楽器編成は割と個性的です。ゆったりとしたほんの少しシャッフル気味のパルスで映画音楽のようなメロディがたゆたっていく1曲目、いろいろな楽器があらわれては消えていく、自由なスペースのあるちょっと温度感の高いやり取りの2曲目、ノスタルジーのある世界をこの編成であらわしている変化のある3曲目、3拍子系ですがリズムも軽やかにノリも良く進んでいく4曲目、ベースがメインになっていて楽器の語り合いによって進んでいく5曲目、ある程度の自在な変化と東洋的な静けさの混ざる6曲目、クラシックにパーカッションが加わったような7曲目。

1976

Sangam/Charles Lloyd(Ts, As, Tarogato, Bfl, Afl, P, Per)(ECM 1976) - Recorded May 23, 2004. Zakir Hussain(Tabla, Voice, Per), Eric Harland(Ds, Per, P) - 1. Dancing On One Foot 2. Tales Of Rumi 3. Sangam 4. Nataraj 5. Guman 6. Tender Warriors 7. Hymn To The Mother 8. Lady In The Harbor 9. Little Peace


5曲目を除きチャールス・ロイドの作曲で、再演曲もあり。ライヴ録音。スピリチュアルかつエスニックな雰囲気の演奏で、リズムの2人がかなり強力で活躍の場面も多いです。その異国情緒の世界は1曲目のパーカッションからはじまってロイドが加わっていくサウンドから見い出せます。そしてやや激しいリズムの上をサックスがウネウネと吹いていく2曲目、雰囲気としては2曲目に近いタイトル曲の3曲目、ソロ・ピアノでのしっとりした小品の4曲目、唯一ザキール・フセイン作のピアノの低音ミュートの上をヴォイスが歌い他の楽器が加わっていく5曲目、原初的な雰囲気も持つやや静かな6曲目、スピリチュアルな部分も明るい部分もある7曲目、やや淡々と進行していく小品の8曲目、フルートでの演奏もエスノの感じの9曲目。(06年4月19日発売)

1975


Songs From Spain And Argentina/Kim Kashkashian(Viola)/Rovert Levin(P)(ECM New Series 1975)(輸入盤) - Recorded August 2006. - Manuel De Falla: 1. Asturiana Enrique Granados: 2. El Mirar De La Maja 3. El Majo Olividado 4. La Maja Dolorosa 5. El Majo Discreto Carlos Guastavino: 6. La Rosa Y El Sauce Alberto Ginastera: 7. Triste Xavier Montsalvatge: 8. Cancion De Cuna Para Dormir A Un Negrito 9. Chevere 10. Cuba Dentro De Un Piano 11. Punto De Habanera Manuel De Falla: Siete Canciones Populares Sepanolas: 12. El Pano Moruno 13. Sequidilla Murciana 14. Asturiana 15. Jota 16. Nana 17. Cancion 18. Polo Alberto Ginastera: 19. Triste Carlos Guastavino: 20. Se Equivoco La Paloma... 21. Abismo De Sed 22. Pampamapa 23. Bonita Rama De Sauce 24. La Rosa Y El Sauce Carlos Lopez Buchardo: 25. Prendiditos De La Mano 26. Oye Mi Llanto


(08/03/02)19世紀後半から20世紀にかけてのスペインとアルゼンチンの6人の作曲家の曲を演奏しています。地域がらかメロディから哀愁が漂ってくる曲もあって、何よりもこの時代にしては、メロディアスで分かりやすい演奏が魅力のヴィオラとピアノとのデュオの演奏です。2人でこの楽器のために書き換えたという記述や英語の歌詞と思われるものもあって、歌を編曲したものも。自然に心の中にしみこんでくるようなメロディです。 (07年11月28日発売)

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