ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了。Wattレーベル、Works、:rarumシリーズは言及する予定なないです。

2019年09月

2172

Vespers/Iro Haarla(P, Harp) Quintet(ECM 2172)(輸入盤) - Recorded February 2010. Mathias Eick(Tp), Trygve Seim(Sax), Ulf Krokfors(B), Jon Christensen(Ds) - 1. A Port On A Distwant Shore 2. Vesper 3. A Window Facing South 4. The Warm Currents Of The Sea 5. Doxa 6. Satoyama 7. The Shimmer Of Falling Stars 8. Returning Home 9. Adieux

(11/03/06)全曲Iro Haarlaの作曲。ピアノだけではなく、ハープを曲によって使用しています。クインテットですがジャズのそれではなく。ビートが比較的自由に進行していく、バラードの多めな、ゆったりしたヨーロピアンの香りがするECMジャズですが、しっとりしていて、温度感もやや温かめのところがあります。そして、ジャズ色は薄いながらも、やはりこのメンバーなのでECM的には満足感は高いです。ゆるいアレンジながらも、コンビネーションが良く、しかも、彼女のメロディが前面に出てきている感じがあって、草原の陽射しと雲の陰りと、サウンドの陰影感覚がなかなか素晴らしいものがあります。そんな中で4、9曲目は温度感が低くてゆったりシリアスだし、5曲目は8分の6拍子でモーダルな雰囲気のジャズ。6曲目は、まあ日本風。

2170

Vinding's Music - Songs From The Alder Thicket/Ketil Bjornstad(P on CD1)(ECM 2170/71)(輸入盤) - CD1: Recorded December 2009. CD2: Recorded March 2009. CD2: Christian Eggen(P on 1, 7, Cond on 7), Gunilla Sussmann(P on 2-3, 6), Hie Zhang(P on 4-5), Norwegian Radio Orchestra(on 7) - CD1: 1. So Far, So Hidden 2. If Only 3. Outside Skoog 4. The Stones, The River 5. Promise 6. She Didn't Say 7. Evening Voices 8. Remembrance 1   9. New Morning   CD2: Wolfgang Amadeus Morzart: 1. Adagio From Piano Concerto No.23 In A Major KV488   2. Claude Debussy: Clair De Lune From Suite Bergamasque 3. Sergey Rachmaninov: Adagio Sostenuto From Piano Concerto No.2 In C Minor Op.18   4. Frederic Chopin: Ballade No.1 In G Minor Op.23   5. Maurice Ravel: Adagio Assai From Piano Concerto In G Minor 6. Ludwig Van Beethoven Gesangvoll, Mit Innigster Empfindung. Andante Molto Cantabile Ed Espressivo From Sonata No.30 In E Major Op.109   7. Samuel Barber: Adagio For Strings

(12/06/03)CD1枚目がケティル・ビヨルンスタの作曲、ソロ演奏で、CD2枚目がクラシックの曲を、クラシックのピアニストやオーケストラの演奏で、という、クロスオーバーした、いかにもECMらしい2枚組。1枚目のビヨルンスタ作も、穏やかな感じでクラシック的な曲と言えなくもないし、CD2枚目も「アダージョ」の曲が多くて、やはり基調は穏やかな感じ。それでも、テンポ的にいい場面も混ざっていて、いかにもクラシック。内容的には異質な2枚が合わさっていても、自然な流れになっています。2枚目はそのままNew Seriesかも。1枚目のオリジナルはやはり彼らしいな、と思うのですが、即興的な内容かどうかはともかくアクが全然なくてストレートさが彼らしいし、癒しのピアノなどのジャンル分けをされそうな、クセのない演奏ではあります。

2169

Witold Lutoslawski/Bela Bartok/Musique Funebre/Stuttgarter Kammerorchester(ECM New Series 2169)(輸入盤) - Recorded May 2004 and February 2010. Hungarian Radio Children's Choir, Stuttgarter Kammerorchester, Dennis Russell Davies(Cond) - Witold Lutoslawski: 1. Musique Funebre   Bela Bartok: 2. Romanian Folk Dances BB 76   3-5. Divertimento BB 118   6-12. From: 27 Two- And Three- Part Choruses BB 111

(12/05/25)1曲目のWitold Lutoslawskiは20世紀ポーランドの現代音楽家で「葬送音楽」はバルトークの追悼のために作曲。これは完全に現代音楽の世界。バルトークは20世紀前半のハンガリー出身、ニューヨークで没した現代音楽家、民俗音楽研究家。割とはっきりした旋律が入っている民俗音楽の方が強い場面(2曲目)もありますが、完全に現代音楽(特に3-5曲目)もあり、6曲目以降の子供の合唱団が聴きやすい曲もあります。

2168

Swept Away/Marc Johnson(B)/Eliane Elias(P)(ECM 2168)(輸入盤) - Recorded February 2010. Joey Baron(Ds), Joe Lovano(Ts) - 1. Awept Away 2. It's Time 3. One Thousand And One Nights 4. When The Sun Comes Up 5. B Is For Butterfly 6. Midnight Blue 7. Moments 8. Sirens Of Titan 9. Foujita 10. Inside Her Old Music Box 11. Shenandoah

(12/09/26)マーク・ジョンソン作が3曲(4、6、9曲目)、イリアーニ・エライアス作が5曲(1-3、5、7曲目)、2人の共作が2曲(8、10曲目)、アメリカのフォークソングが11曲目と、どちらかというとイリアーヌの方がメインかも。ここでは2人のプロデュースで、マンフレート・アイヒャーの文字はなし。デュオだったり、サックスが時々入ったりといろいろ。1曲目のタイトル曲のように、いかにもECM的な、静かなサウンドのこともあれば、2曲目のように、ある程度の盛り上がりもある曲もあり、3曲目に至ってはワンコードで16ビート的に突っ走っています。4曲目の途中でミディアムの4ビートでの演奏も入っていて、レーベルを少し意識しつつ割と自由に演奏している感じ。5曲目も8ビート的でメロディアスな曲。ベース・ソロで穏やかな11曲目。

2167

The Rub And Spare Change/Michael Formanek(B)(ECM 2167)(輸入盤) - Recorded June 2009. Tim Berne(As), Craig Taborn(P), Gerald Cleaver(Ds) - 1. Twenty Three Neo 2. The Rub And Spare Change 3. Inside The Box 4. Jack's Last Call 5. Tonal Suite 6. Too Big To Fall

(10/10/14)全曲マイケル・フォーマネクの作曲。フリーの部分も構築された流れも変拍子もあり、複雑。レーベルイメージからすると予想を裏切る曲も。変拍子かつなだらかでエキゾチックな曲調がクラシック的でもあり、ドラマチックにユルく進行していく1曲目、慌ただしい変幻自在のテーマで、複雑に絡み合うビートの効いたよく弾む曲調の、アドリブもスリリングなフリー調にもなるタイトル曲の2曲目、メカニカルなユニゾンのテーマからアドリブに突き進むファンクビートの3曲目、ピアノから徐々に入るもフリーかつスピリチュアルな流れの4曲目、ミステリアスなテーマ、その発展形でアドリブがつながり絡み合って中盤何度か盛り上がる17分台の5曲目、ホーン、ベースのテンポとピアノのコンピングが絡み合いつつ自由に進む6曲目。

2166

A Worcester Ladymass/Trio Mediaeval(ECM New Series 2166)(輸入盤) - Recorded February 2010. Anna Maria Friman(Vo), Linn Andrea Fuglseth(Vo), Torunn Ostrem Ossum(Vo) - 1. Salve Sancta Parens 2. Kyrie 3. Gloria 4. Munda Maria 5. Sponsa Rectoris Omnium 6. O Sponsa Dei Electa 7. O Maria Virgo Pia 8. Benedicta/Virgo Dei Genitrix 9. Credo 10. Felix Namque 11. Salve Rosa Florum 12. Grata Iuvencula 13. Inviolata Integra Mater 14. De Supernis Sedibus 15. Dulciflua Tua Memoria 16. Sanctus 17. Agnus Dei 18. Beata Viscera 19. Alma Dei Genitrix 20. Benedicamus Domino

(11/03/27)9、20曲目のみ現代音楽家のGavin Bryersの’08年作品で、他は13-14世紀の西部イギリスの教会に残っていた楽譜を元に編曲されたものだそうです。素朴な味わいのある宗教音楽ですが、ハーモニーなどは編曲の段階でつけたものかも。それにしても天使の声と言ってもいいくらいの美しい女声3部合唱です。現代音楽の曲も他の昔からの曲と違和感なく溶け込んでいるし、録音場所のサンクト・ジェロルド教会もいい響き。

2165

Jasmine/Keith Jarrett(P)/Charlie Haden(B)(ECM 2165)(輸入盤) - Recorded March 2007. - 1. For All We Know 2. Where Can I Go Without You 3. No Moon At All 4. One Day I'll Fly Away 5. Intro - I'm Gonna Laugh You Right Out Of My Life 6. Body And Soul 7. Goodbye 8. Don't Ever Leave Me

(10/05/09)5曲目のイントロ部分がキース・ジャレットの即興部分(自然なメロディ)の他は、全てスタンダードでバラード中心、ミディアムの4ビート(3曲目、6曲目中盤のみ)。しっとりとピアノが優しく、そしてメロディアスに歌い上げていく曲が多いです。6曲目ではいつもの彼の入り組んだメロディの面も。バップの香りは微かで、自然にメロディが紡ぎだされていきます。そこに寄り添うようにチャーリー・ヘイデンの、ややねばり気のあるベースですが、バラードが多いため、どっしりと支えています。レーベル特有の硬質さは息をひそめて、温かみのあるホンワカとした雰囲気が前面に出ています。ECMでただひとり、スタンダードをこのように演奏していいことを認められているキースならではのアルバム。それでも昔に比べれば、丸いか。

2164

Saburi/Cyminology(ECM 2164)(輸入盤) - Recorded January 2010. Cymin Samawatie(Vo), Benedikt Jahnel(P), Ralf Schwarz(B), Ketan Bhatti(Ds, Per) - 1. Sibaai 2. Saburi 3. Shakibaai 4. Norma 5. As Maa 6. Nemininam

(11/02/04)「As Nay」に続く同じメンバーの2枚目。Cymin Samawatieの作詞とメンバー(主にBenedikt Jahnel)の作曲ばかりの曲で構成。ヴォーカルとピアノ・トリオですが、歌詞がアラビア文字(ペルシャ語)で、ヴォーカリストはジャーマン・イラニアン。ヴォーカルがミステリアスな声質と言語なので、より迷路の中に入っていくようでもあり、落ちつく感触のゆったりとしている曲ばかりなので、やはり空間を生かしつつ、ECMらしいところは多いです。温度感も相変わらず低いですし。変拍子の曲もありますけど、ピアノとベースがヨーロッパ系、ドラムスがインド系なので、不思議な折衷感覚があります。それをこのレーベルで録音すると、オーソドックスな編成でも不思議なアルバムになります。それでも時にややダイナミックになる場面あり。

2163

Quiet Inlett/Food/Thomas Stronen(Ds, Live-electronics)/Iain Ballamy(Ts, Ss)(ECM 2163)(輸入盤) - Released 2010. Nils Petter Molvaer(Tp, Electronics on 2, 4-6), Christian Fennesz(G, Electronics on 1, 3, 7) - 1. Tobiko 2. Chimaera 3. Mictyris 4. Bacalmed 5. Cirrina 6. Dweller 7. Fathom

(10/06/02)全曲、グループ「Food」の作曲。Thomas StronenとIain Ballamyのユニットと考えてよさそう。エレクトロニクスを多用していますが、あまり電気電気した感じではなく、効果的に使われています。そして、ECMらしいゆったりした空間の多いサウンドであり、どことなく民族音楽を想像させるような曲調。素朴と言えば素朴な感じのメロディと打楽器で、そこにエレクトロニクスが絡んで、けっこう考えられているサウンドかも。ドラムスのビートのある程度効いた曲もあるけれど、管楽器が全然シャープではなくて、包み込むような、しかもこれまた素朴な民謡的なメロディなので、本質的には西欧作の民族音楽なのかな、と思わせるサウンドです。メンバー的にはECM的なのですが。地味な感じもするけどヨーロッパではウケそう。

2162

Live At Birdland/Lee Konitz(As)/Brad Mehldau(P)/Charlie Haden(B)/Paul Motian(Ds)(ECM 2162)(輸入盤) - Recorded December 2009. - 1. Lover Man 2. Lullaby Of Birdland 3. Solar 4. I Fall In Love Too Easily 5. You Stepped Out Of A Dream 6. Oleo

(11/05/18)大物ばかりの演奏だし、ECMでスタンダード・ジャズの演奏ばかりの特異なケース。1曲目から、ややスローで4ビートを刻んではいないですが、リー・コニッツの吹く温かみのある「ジャズ」を展開し、ブラッド・メルドーはフレーズが歌いつつも時にドキッとするフレーズを奏でています。チャーリー・ヘイデンはドシッとした落ちついた演奏をして、ポール・モチアンは地味ながら円熟の境地を見せます。2曲目にはウォーキング・ベースが一部混ざり、ますます「ジャズ」に。曲の解体度ではメルドーかな。3曲目で曲を解体寸前まで持っていき、その感を強くします。しっとりと語りかけてくるバラードの4曲目、明るく軽快ながらウォーキングにはならないミディアムの5曲目、曲調に反して空間的な自由度があり、異色感の目立つ6曲目。

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