ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了し、’17年のところに番号順になるようにアップしています。

2019年11月

2245

Say And Play/Jon Balke(P, Key, Electronics, Tungone, Darbouka, Per)/Batagraf(ECM 2245)(輸入盤) - Recorded 2009. Helge Andreas Norbakken(Sabar, Gorong, Djembe, Talking Drum, Shakers, Per), Emilie Stesen Christensen(Vo), Erland Dahlen(Ds), Torgeir Rebolledo Pedersen(Poetry Reading) - 1. Baka #65   2. Everyday Music 3. Riddle #1   4. Calmly 5. Vjup 6. Tonk 7. The Wind Calmer 8. Riddle #2   9. Azulito 10. Hundred-Handed 11. One Change 12. Winds 13. GMBH

(11/11/06)13曲目のみHelge Andreas Norbakken作で、他はヨン・バルケ作。47分で全13曲はけっこう凝縮されています。詩がついているのは4、7、10、12曲目でポエトリー・リーディングです。他に随所に女性ヴォーカルというか時にコーラスで参加。5曲目で合いの手のような声が入っていたりと随所に声の存在感もあります。基本的にピアノ、キーボード類の他はパーカッションやドラムスで、サウンド的にはその打楽器感が強めになっていて、ECMにしては珍しくちょっとハジけた感じもあります。その音のリアリティもなかなかいい感じ。ただ、ヴォーカル、キーボード、エレクトロニクス、打楽器の混合的なところはECM的な試みにも感じます。ジャズというよりは多重録音で時間をかけて作ったと思いますが、個性的なサウンドです。

2244

Vox Clamantis/Jaan-Eik Tulve(Cond)/Filia Sion(ECM New Series 2244)(輸入盤) - Recorded September 2010. - 1. Ecce Venit/Psalm 94   2. Virgo Prudentissima/Magnificat 3. Gaudeamus 4. Rex Virginum 5. Gloria   Magister Perotinus: 6. Beata Viscera   7. Audi Filia   Petrus Wilhelmi De Grudencz: 8. Prelustri Elucentia   9. Ave Maria   Hildegard Von Bingen: 10 O Ignis Spiritus   11. Agnus Dei 12. Exulta Filia Sion 13. O Maria 14. Salve Regina 15. Ma Navu

(12/05/26)グレゴリオ聖歌はじめ、作曲者不詳の古楽(宗教音楽?)の声楽を主に集めていて、全15曲中、作曲者の分かるものも12世紀から15世紀まで3曲あります。教会での録音なので反響音が大きく長く、素朴な歌が続きます。宗教的な要素を別にしても心が落ち着いて、癒されるようなゆったりとした曲が流れます。Vox Clamantisというのは、エストニアの合唱団、器楽奏者たちの名前らしいですが、ここでは声楽のみでの録音です。

2243

Helena Tulve/Arboles Ilaran Por Lluvia(ECM New Series 2243)(輸入盤) - Recorded October 2009, May, August and September 2010. Charles Barbier(Countertenoron on 1), Taniel Kirikal(Countertenor on 1, 4), Ensemble Vox Clamantis(on 1, 4), Ensemble Hortus Musicius(on 1), Jaan-Eik Tulve(Cond on 1, 3-4), Arianna Savall(Soprano on 2-4, Triple Harp on 3), Riivo Kallasmaa(Oboe on 2), Helena Tulve(Glasses, Wind Chimes on 2), NYYD Quartet(on 3), Marco Ambrosini(Nyckelharpa on 4), Estonian National Symphony Orchestra(on 5), Olari Elts(Cond on 5) - 1. Reyah Hadas'ala 2. Silences/Larmes 3. L'Equinoxe De L'ame 4. Arboles Ilaran Por Lluvia 5. Extinction Des Choses Vues

(14/03/13)Helena Tulveは’72年エストニア生まれの女性現代音楽家。その内容は、現代音楽メインで1曲目は古楽というか宗教音楽が入り混ざった、ゆったりとした和音、不協和音が流れていく、不思議な感覚のサウンドです。ここでは編成を変えて5曲収録されてますが、古楽器の入った1曲目、弦楽四重奏団もいる3曲目、ダイナミックなオーケストラとの5曲目など、やはり現代音楽の面で硬派な一貫しているところを見せてくれています。

2241

Claude Debussy/Preludes/Alexei Lubimov(P)(ECM New Series 2241/42)(輸入盤) - Recorded April 2011. Alexei Zuev(P) - 1-12. Preludes - Premier Livre 13-15 Trois Nocturnes 16. Prelude Aa L'apres-midi D'un Faune 17-28. Preludes - Deuxieme Livre

(12/05/25)クロード・ドビュッシーは19世紀から20世紀はじめにかけてのフランスの作曲家。ここでは16曲目が1895年作の他は、1909-12年作曲の曲に集中しています。ピアノ2人の連弾になるのは13-16曲目のみ。前奏曲集第1巻、第2巻を前後に配置して、間に「牧神の午後への前奏曲」「夜想曲」(これらは2台のピアノでの演奏)を入れています。叙情的であり、しかも有名な曲。ピアノはあえて機種名を記しているので、名器かと。

2240

Kim Kashkashian(Viola)/Kurtag/Ligeti/Music For Viola(ECM New Series 2240)(輸入盤) - Recorded May 2011. Gyorgy Kurtag: Signs, Games And Messages 1. In Nomine - All'ongherese 2. Csendes Sorok Dobszay Laszlonak 3. Level Ligeti Veranak 4. Zold Erdobol Magyar Nota 5. Kromatikus Feleselos 6. Virag Zsigmondy Denesnek 7. In Memoriam Blum Tamas 8. In Memoriam Aczel Gyorgy 9. H.J. - Nota 10. Vagdalkozos 11. The Carenza Jig 12. Kroo Gyorgy In Memoriam 13. Hommage A John Cage 14. Doloroso "Garzulyeknak" 15. Perpetuum Mobile 16. Jelek 1   17. Jelek 2   18. Negy Osszefonodo Test - Gerloczy Sari Kiallitasara 19. Panaszos Nota   Gyorgy Ligeti: Sonata 20. Hora Lunga 21. Loop 22. Facsar 23. Prestissimo Con Sordino 24. Lamento 25. Chaconne Chromatique

(12/09/18)Gyorgy Kurtagはルーマニア出身でハンガリー人の作曲家、ピアニスト。1926年生まれ、ここでの曲は’89年から今に至るまで作曲され、手を加えられている曲。適度に現代音楽しているというイメージで、静かな場面が多く、比較的聴きやすい方かもしれません。寡作の人だそうです。Gyorgy Ligetiはハンガリー人の現代音楽家(’06年没)。こちらは複数の弦を同時に弾く奏法で、やや賑やかな面もありますが、やはり現代音楽。

2239

Dobrinka Tabakova/String Paths(ECM New Series 2239)(輸入盤) - Recorded March, April, and June 2011. Roman Mints(Vln on 1, 5), Maxim Rysanov(Viola on 1, 9, Cond on 2-4, Viola and Cond on 6-8), Kristina Blaumane(Cello on 1-4), Lithuanian Chamber Orchestra(on 2-4, 6-8), Raimondas Sviackevicius(Accordion on 5), Danatas Bagueskas(B), Vaiva Eidukaityte-Storastiene(Harpsichord on 6-8), Dzeraldas Bidva(Concertmaster on 6-8), Janine Jansen(Vln on 9), Julia-Maria Kretz(Vln on 9), Amihai Grosz(Viola on 9), Torleif Theodeen(Cello on 9), Boris Andrianov(Collo on 9), Stacey Watton(B on 9) - 1. Insight 2-4. Concerto For Cello And Strings 5. Frozen River Flows 6-8. Suite On Old Style 9.Such Different Paths

(13/07/13)Dobrinka Tabakovaは’80年ブルガリア生まれの女性作曲家。少し民族的な要素もサウンドの中に織り交ぜつつ、温度感としては寒色系の割と自然なサウンドで語ってきます。シンプルとまではいかないけれど、少しゆったりとした澄んだサウンドは、心地良いかも。現代的というよりは、民族的なサウンド。活発なサウンドが時に混ざったり(アルペジオ的なフレーズ)して、やっぱり現代の作曲家だな、ということを思わせます。艶あり。

2238

Takemitsu/Hindemith/Janacek/Silvestrov/Five Pieces/Duo Gazzana(ECM New Series 2238)(輸入盤) - Natascia Gazzana(Vln), Raffaella Gazzana(P) - Toru Takemitsu: 1. Distance De Fee   Paul Hindemith: 2-3. Sonata In E   Leos Janacek: 4-7. Sonata   Valentin Silvestrov: 8-12. Five Pieces

(11/11/07)演奏の2人の姉妹はイタリア出身で、現代音楽も得意とするデュオだそうです。ここでは’50年代(武満徹)、’30年代(ヒンデミス)、20世紀の割とはじめの時期(ヤナーチェク)の曲を取り上げ、タイトル曲の(シルヴェストロフ)’04年作では比較的新しい現代音楽を演奏しています。作曲者は時代も個性も違い、4人4様といった感じでバラエティに富んでいて、それを奏で上げていく姉妹の演奏も、けっこう素晴らしいものがあります。

2237

The Well/Tord Gustavsen(P) Quartet(ECM 2237)(輸入盤) - Recorded February 2011. Tore Brunborg(Ts), Mats Eilertsen(B). Jarle Vespestad(Ds) - 1. Prelude 2. Playing 3. Suite 4. Communion 5. Circling 6. Glasgow Intro 7. On Every Corner 8. The Well 9. Communion, Var. 10. Intuition 11. Inside

(12/02/13)全曲トルド・グスタフセンの作曲。ワン・ホーン・クァルテットの演奏なのだけど、サックスがあまり目立たずに、時にピアノ・トリオに聴こえて、かすかにホーンが鳴っているような部分もあり、トリオのサウンドの流れに寄り添うような感じがしています。3曲目以降でははっきりとソロを吹く曲もあるも、その温度感は低くしっとりとしていて、ジャズという流れからは遠いところを流れている北欧ジャズ、というようなところがあるのでしょう。やはりこれはどこを切ってもグスタフセンのサウンドとしか言いようがなく、エキゾチックで魅惑的。以前のトリオの作品に慣れている方にも、すんなり入っていけそう。どの曲もたゆたうようにゆっくり進んでいく雰囲気。5曲目は緩やかな8ビートで明るめの曲です。でも大半は薄暮のようなサウンド。

2236

The Gurdjieff Folk Instruments Ensemble/Levon Eskenian(Director)/Music Of Georges I. Gurdjieff(ECM 2236)(輸入盤) - Recordeed November and December 2008. Emmanuel Hovhannisyan(Duduk), Avag Margaryan(Blul), Armen Ayvazyan(Kamancha), Aram Nikoghosyan(Oud), Levon Torosyan(Oud), Meri Vardanyan(Kanon), Vladimir Papikyan(Santur), Davit Avagyan(Tar), Mesrop Khalatyan(Dap, Dhol), Armen Yaganyan(Saz), Reza Nesimi(Tombak), Harutyun Chkolyan(Duduk), Tigran Karapetyan(Duduk), Artur Atoyan(Dam Duduk) - 1. Chant From A Holy Book 2. Kurd Shepherd Melody 3. Prayer 4. Sayyid Chant And Dance No.10   5. Sayyid Chant And Dance No.29   6. Armenian Song 7. Bayaty 8. Sayyid Chant And Song No.9   9. No.11   10. Caucasian Dance 11. No.40   12. Trinity 13. Assyrian Women Mourners 14. Atarnakh, Kurd Song 15. Arabian Dance 16. Ancient Greek Dance 17. Duduki

(11/07/27)グルジェフはアルメニア生まれの哲学者、作曲家となっていて、個人的にはキース・ジャレットの演奏が耳から離れませんが、今回ディレクターのLevon Eskenianが、アルメニア独自の音楽(フォークソングや聖歌とのこと。一種のワールド・ミュージックと言っていいかも)を基調に、新しい解釈で、古い当時の世界観のように表現しなおしたもの。楽器もアルメニア地方で使われる民族楽器がふんだんに出てきます。完全な別世界がそこにあらわれているけれども、元々グルジェフを紹介するときは作曲者よりも先に神秘思想家が前面に出ていることが多いので、こういうサウンドもアリだろうな、と思わせるところがスゴいです。ただ、あくまでも静かに、神秘的に、そしてエキゾチックな世界が淡々と続いているという雰囲気です。

2235

Year Of The Snake/Fly(ECM 2235)(輸入盤) - Recorded January 2011. Mark Turner(Ts), Larry Grenadier(B), Jeff Ballard(Ds) - 1. The Western Lands 1   2. Festival Tune 3. The Western Lands 2   4. Brothersister 5. Diorite 6. Kingston 7. Salt And Pepper 8. The Western Lands 3   9. Benj 10. Year Of The Snake 11. The Western Land 4   12. The Western Land 5

(12/05/06)3人のフリー・インプロヴィゼーションが4曲(3、7、11、12曲目)、他はメンバーそれぞれの曲ないしは2人の合作。タイトル曲や4曲提供しているところをみると、マーク・ターナー中心と考えていいか。2、6曲目にやや激しめの曲がありますが、基本的にはECMらしい静かな部分の多い、サックス・トリオ。まあ、メンバーがメンバーなので、飽きさせるということはないとは思いますが、やはり空間的な部分の大きさから聴く人を選ぶアルバムかもしれない、と思います。温度感は、ターナーの個性でもあるのですが、けっこう低めです。ベースとドラムスもブラッド・メルドー・トリオの時とは性格を異にしますけど、こういう静かめのバランスでうまくトリオとして入り込んでいく音のタイミングの良さはなかなか。かなり内省的なアルバム。

このページのトップヘ