ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了し、’17年のところに番号順になるようにアップしています。

2019年12月

2275

Iva Bittova(Vln, Voice, Kalimba)(ECM 2275)(輸入盤) - Recorded February 2012. - 1. Fragments 1   2. Fragments 2   3. Fragments 3   4. Fragments 4   5. Fragments 5   6. Fragments 6   7. Fragments 7   8. Fragments 8   9. Fragments 9   10. Fragments 10   11. Fragments 11   12. Fragments 12

(13/04/05)旧チェコ・スロヴァキア、元モラヴィア出身のIva Bittovaは、東欧でのジプシー・ミュージックの推進者とのことで、ここでのほとんどが彼女の作曲。6曲目のみ元歌あり。ECMでは初リーダー作(ECM New Series 1985には参加)ですが、他では多くのアルバムを残しています。多重録音なのか、ヴァイオリンを弾きながら歌う場面もあり、その歌い方は東欧っぽくてエキゾチックな民族音楽の香りがします。時につんざくような高い声は、けっこう印象に残ります。歌詞のある曲もあり、タイトルの「Fragments」が、即興の要素が強いのか、それとも計算されて作られている曲なのかは不明。だけど、原初的なエネルギーのようなものを彼女のヴォイスから感じ、反面構築されているような曲ごとの幅を感じます。少し聴く人を選ぶかも。

2274

City Of Broken Dreams/Giovanni Guidi(P) Trio(ECM 2274)(輸入盤) - Recorded December 2011. Thomas Mogan(B), Joao Lobo(Ds) - 1. City Of Broken Dreams 2. Leonie 3. Just One More Time 4. The Forbidden Zone 5. No Other Possibility 6. The Way Some People Live 7. The Impossible Divorce 8. Late Blue 9. Ocean View 10. City Of Broken Dreams, Var.

(13/04/04)全曲イタリア人ピアニストのGiovanni Guidiの作曲。’06年リーダー作デビューのようで、ECMでは初リーダー作。1、10曲目のタイトル曲では、耽美的に流れていくピアノが美しく、非4ビート系のベースが、穏やかに、絡むように寄り添っていきます。明るい分かりやすいメロディの2曲目。ある意味淡色系だけれども、明暗をうまく描いているピアノ・トリオ。少々ゆるめの感じだけど、フリーまたは自由度の高い、それでいてメロディアスな3曲目、哀愁感たっぷりのバラードの4曲目、緊張感を伴う鋭いフリーの5曲目、哀愁アルペジオ寄り添い風味の6曲目、淡い哀愁をたずさえているワルツの7曲目、ゆったりとした空間的なやり取りのある綾織り系の8曲目、演奏、テンポがフリー気味だけど3者で語り合っているような9曲目。

2270

Johann Sebastian Bach/Das Wohltemperierte Clavier/Andras Schiff(P)(ECM New Series 2270-73)(輸入盤) - Recorded August 2011. - Disc 1-2. Praludien Und Fugen: BWV 846-869: 1-2. C-Dur 3-4. C-Moll 5-6. Cis-Dur 7-8. Cis-Moll 9-10. D-Dur 11-12. D-Moll 13-14. Es-Dur 15-16. Es/Dis-Moll 17-18. E-Dur 19-20. E-Moll 21-22. F-Dur 23-24. F-Moll 25-26. Fis-Dur 27-28. Fis-Moll 29-30. G-Dur 31-32. G-Moll 33-34. As-Dur 35-36. Gis-Moll 37-38. A-Dur 39-40. A-Moll 41-42. B-Dur 43-44. B-Moll 45-46. H-Dur 47-48. H-Moll   Disc 3-4. Praludien Und Fugen: BWV 870-893: 1-2. C-Dur 3-4. C-Moll 5-6. Cis-Dur 7-8. Cis-Moll 9-10. D-Dur 11-12. D-Moll 13-14. Es-Dur 15-16. Dis-Moll 17-18. E-Dur 19-20. E-Moll 21-22. F-Dur 23-24. F-Moll 25-26. Fis-Dur 27-28. Fis-Moll 29-30. G-Dur 31-32. G-Moll 33-34. As-Dur 35-36. Gis-Moll 37-38. A-Dur 39-40. A-Moll 41-42. B-Dur 43-44. B-Moll 45-46. H-Dur 47-48. H-Moll

(12/09/16)J.S.バッハは18世紀ドイツの有名な作曲家。ECM New Seriesではキース・ジャレットにより第1集(1362/63)、第2集(1433/34、第2集のみハープシコードでの演奏)、ティル・フェルナーにより第1集(1853/54)で出ていますが、こちらはアンドラーシュ・シフによる4枚組の集大成版。それぞれに比較してみるのも面白いと思いますが、シフはさすがの安定感で聴かせてくれます。この有名曲を今回BOXで出しているので、聴いてみるのも。

2269

Mercurial Balm/Food/Thomas Stronen(Ds, Per, Electronics)/Iain Ballamy(Sax, Electronics)(ECM 2269)(輸入盤) - Recorded 2010 and 2011. Christian Fennesz(G, Electronics on 1-6, 10), Eivind Aarset(G, Electronics on 7-9), Prakash Sontakke Slide G, Vo on 7-9), Nils Petter Nolvaer(Tp on 6) - 1. Nebular 2. Celestial Food 3. Ascendant 4. Phase 5. Astral 6. Moonpie 7. Chanterelle 8. Mercurial Balm 9. Magnetosphere 10. Galactic Roll

(12/11/15)少しメンバー構成が変わり、このグループで2作目。曲によって参加メンバーが異なります(7-9曲目だけ曲の雰囲気がちょっと変わる)が、参加者の全員の作曲なのは前のアルバムと同様。エレクトロニクスなどの多重録音も多いと思うので、かなりスタジオで作り込んでいる感じ。日本的な間のあるゆったりした演奏の部分と、リズム楽器が複数組み合わさったようなノリのいい、前回よりは盛り上がりの部分があります。ゆったりした部分は、日本の尺八などの奏法の影響を受けているのか、と思わせる部分も。基本的にはフリー・インプロヴィゼーションに音を重ねていってこういうサウンドを作り上げたと思いますが、なかなかその組み上げ方が見事かも。ジャズの精神を持ちつつサウンドはグループならではのものです。

2268

John Cage/As It Is(ECM New Series 2268)(輸入盤) - Recorded December 2011. Alexei Lubimov(P, Prepared P), Natalia Pschenitschnikova(Voice) - 1. Dream 2. The Wonderful Widow Of Eighteen Springs 3. The Unavailable Memory Of 4. A Flower 5. Music For Marcel Duchamp 6. Experiences No.2   7. A Room 8-10. Three Songs 11-12. Two Pieces For Piano 13-17. Five Songs 18. Prelude For Meditation 19. Shi Is Asleep 20. Nowth Upon Nacht 21. Dream Var.

(12/09/19)ジョン・ケージは20世紀アメリカ合衆国の現代音楽家。実験音楽的な面で有名ですが、ここでは、割と初期の頃の曲の演奏が多く、静かで、そんなに突飛でもなく、やや陰鬱といえばそうかもしれないと思うあまり現代音楽らしくはない曲が多めです。ピアノだけの曲とヴォーカル(ヴォイス)が入る曲とがあります。ECMで発表するのにふさわしい曲が続きます。ヴォイスの曲はやや前衛的かな、という印象ですが、今聴くと割と普通か。

2267

Small Places/Michael Formanek(B)(ECM 2267)(輸入盤) - Recorded December 2011. Tim Berne(As), Craig Taborn(P), Gerald Cleaver(Ds, Shruti Box) - 1. Small Places 2. Pong 3. Parting Ways 4. Rising Tensions And Awesome Light 5. Slightly Off Axis 6. Seeds And Birdman 7. Wobble And Spill 8. Soft Reality

(12/09/28)全曲マイケル・フォーマネクの作曲。構築された部分とフリーの部分とが入り混じる、硬派な現代ジャズ。変拍子のメカニカルなテーマと4ビートっぽい部分とフリー的になる部分があるタイトル曲の1曲目、ミステリアスで幻想的なサウンドから絡み合う、ドラマチックな2曲目、しっとりしたピアノではじまり、徐々に盛り上がりフリー的な物語性も見せ、後半は素朴でリズミカルになる18分台の3曲目、妖しげなミディアムでキメフレーズもフリーも交えつつ薄暗く進む4曲目、ベースとピアノが淡々と語り合い、次第に寄り集まる5曲目、薄暗さはあれどカチッとしている部分も持ち、自由なフレーズの発展がある12分台の6曲目、自由に弾くリズムの上をたゆたいつつ盛り上がる7曲目、夜の雲の上を漂っているような、静かな8曲目。

2266

Saltash Bells/John Surman(Ss, Ts, Bs, Acl, Bcl, Cotrabass Cl, Harmonica, Synth)(ECM 2266)(輸入盤) - Recorded June 2009. - 1. Whistman's Wood 2. Glass Flower 3. On Staddon Heights 4. Triadichorum 5. Winter Elegy 6. AElfwin 7. Saltash Bells 8. Dark Refrections 9. The Crooked Inn 10. Sailing Westwards

(12/06/23)全曲ジョン・サーマンの作曲でひとり多重録音。こういう形式のアルバムはこれまで何作も作られています。哀愁の漂う、ジャズのイディオムが入ってないマイナーフレーズに特徴があって、そのほの暗さがいい感じの個性。ただ今回は明るい曲が多めか。ソロの曲から何重にも、時にシンセサイザーも音をかぶせていて、サーマンならでは、そしてECMならではの音が出てきます。録音の形式からジャズとは言えないのかもしれませんが、それでも、フレーズからは彼独自のフレーズが飛び出してきます。バックで同じフレーズが繰り返し、ミニマル感のある曲も。ミステリアスな音世界に連れて行かれる感じ。イギリスの懐かしいもやのかかった風景が見えてくるような曲が、次から次へと出てきます。彼独自の枯れた境地か。

2260

Paul Motian(Ds, Per)(ECM2260-65)(輸入盤) - Conception Vessel/Paul Motian(Ds) - Recorded November 25 and 26, 1972. Keith Jarrett(P, Fl), Charlie Haden(B), Leroy Jenkins(Vln), Sam Brown(G), Becky Friend(Fl) - 1. Georgian Bay 2. Ch'l Energy 3. Rebica 4. Conception Vessel 5. American Indian:, Song Of Sitting Bull 6. Inspiration From A Vietnamese Lullaby   Tribute/Paul Motian(Ds) - Recorded May 1974. Carlos Ward(As), Sam Brown(G), Paul Metzke(G), Charlie Haden(B) - 1. Victoria 2. Tuesday Ends Saturday 3. War Orphans 4. Sod House 5. Song For Che   Dance/Paul Motian(Ds, Per) Trio - Recorded September 1977. David Izenson(B), Charles Brackeen(Ss, Ts) - 1. Waltz Song 2. Dance 3. Kalypso 4. Asia 5. Prelude 6. Lullaby   Le Voyage/Paul Motian(Ds) - Recorded March 1979. J.F. Jenny-Clerk(B), Charles Brackeen(Ts, Ss) - 1. Folk Song For Rosie 2. Abacus 3. Cabala/Drum Music 4. The Sunflower 5. Le Voyage   Psalm/Paul Motian(Ds) - Recorded December 1981. Bill Frisell(G), Ed Schuller(B), Joe Lovano(Ts), Billy Drewes(Ts, As) - 1. Psalm 2. White Magic 3. Boomerang 4. Fantasm 5. Mandeville 6. Second Hand 7. Etude 8. Yahllah   It Should've Happened A Long Time Ago/Paul Motian(Ds) - Recorded July 1984. Bill Frisell(G), Joe Lovano(Ts) - 1.It Should've Happened A Long Time Ago 2. Fiasco 3. Conception Vessel 4. Introduction 5. India 6. In The Year Of The Dragon 7. Two Women From Padua

(13/04/28)ECM1028, 1048, 1108, 1138, 1222, 1283の再発6枚組BOX。録音期間も’72年から84年までの期間のものです。その後のECMでのリーダー作は’07年の「I Have The Room Above Her」(ECM1902)からなので、ECMの古い時期の録音の集大成と見ることができます。’84年のアルバムで、ビル・フリゼール、ジョー・ロヴァーノを加えたトリオで、他レーベルも含め、ある程度レギュラー化するのですが、それまでのアルバムは、その直前以外は、その時々のいろいろなミュージシャンとの録音になっています。全体的に自由度は高めですが、特に初期のものはフリーが強めになっています。けっこう硬派だと思うけれども、こういうアルバムを聴いてみるのも、たまにはいいんじゃないかと思います。ECMには欠かせない存在。

2259

Celebration/Arild Andersen(B)/Scottish National Jazz Orchestra/Tommy Smith(Fl, Ts, Direct)(ECM 2259)(輸入盤) - Recorded Ontober 2010. Scottish National Jazz Orchestra: Martin Kershaw(Cl, Ss, As), Paul Towndrow(As), Tommy Smith(Fl, Ts), Konrad Wiszniewski(Ts), Bill Fleming(Bcl, Bs), Ryan Quigley(Tp, Flh), Cameron Jay(Tp, Flh), Richard Iles(Tp, Flh), Tom MacNiven(Tp, Flh), Chris Greive(Tb), Phil O'Malley(Tb), Michael Owers(Tb), Lorna McDonald(Btb, Tuba), Steve Hamilton(P), Calum Gourlay(B), Alyn Coster(Ds) - 1. May Dance 2. Molde Canticle, Part 1   3. Crystal Silence 4. Ulrikas Dans 5. Independency, Part 4   6. My Song

(12/06/16)ライヴで、しかもビッグバンド。ECMでの有名曲の作曲者とアレンジャーは1曲目から以下の通り。デイヴ・ホランド(Christian Jacob)、ヤン・ガルバレク(Tommy Smith)、チック・コリア(小曽根真)、Trygve Seim(Oyvind Braekke)、アリルド・アンデルセン(Mike Gibbs)、キース・ジャレット(Geoffrey Keezer)。ECMのトリビュート・アルバムの位置付けのようだけれど、おなじみのメロディで耳になじんだ曲も多く、アンデルセンのソロがなかなか(もう一人のベースはバックのようです)。ビッグバンドのアレンジもなかなか素晴らしいし、ちょっと活発かな、という感じでせまって来る場面もありますが、ECMらしく静かに進むところも。極めつけはラストの「マイ・ソング」か。何といってもメロディの強度があります。特別なアルバムかも。

2258

The Sirens/Chris Potter(Ss, Ts, Bcl)(ECM 2258)(輸入盤) - Recorded September 2011. Craig Taborn(P), David Virelles(Prepared P, Celeste, Harmonium), Lary Grenadier(B), Eric Harland(Ds) - 1. Wine Dark Sea 2. Wayfinder 3. Dawn (With Her Rosy Fingers) 4. The Sirens 5. Penelope 6. Kalypso 7. Nausikaa 8. Stranger At The Gate 9. The Shades

(13/01/29)9曲目がCraig TabornとDavid Virellesの他はクリス・ポッターの作曲。ややおとなしめかなと思うけど、ECMでも彼らしい演奏とサウンドが前面に出ているところも。静かにはじまったと思ったらいつもの調子でバリバリと盛り上がっていく1曲目、複雑な拍子と進行で幻惑されつつも渋く盛り上がって進む2曲目、しっとりとした温度感の低いバラードから情感豊かになる3曲目、哀愁のあるバスクラリネット/サックスのバラードのタイトル曲の4曲目、朗々とサックスの音が響き渡る浮遊感のあるバラードの5曲目、音が飛び飛びになる跳ねるフリー調の6曲目、やはり温度感の低いミステリアスなバラードの7曲目、浮遊感のある音のつながりで、これまたジワジワ盛り上がるボッサ的な8曲目、鍵盤楽器のデュオの小品の9曲目。

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