ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

2020年03月

2367

Moderato Cantabile/Anja Lechner(Cello)/Francois Coutuier(P)(ECM New Series 2367)(輸入盤) - Recorded November 2013. - Georgw I. Gurdjieff: 1. Sayyid Chant And Dance No.3 Jymn No.7   Francois Coutuier: 2. Voyage   Komitas: 3. Chinae Es   Federico Mompou: 4. Cancion Y Danza VI 5. Musica Callada XXVIII Impresiones Intimas I   Francois Coutuier: 6. Soleil Rouge 7. Papillons   George I. Guldjieff: Hymn No.8 Night Procession 9. No.11- Federico Mompou: Fetes Lointaines No.3   10. Impresiones Imtimas VIII "Secreto"

(14/10/15)19世紀から20世紀にかけての、神秘思想家グルジェフ、モンポウ(スペイン)、コミタス(アルメニア)の作品に、Francois Coutuierの作曲の2、6-7曲目を交えた演奏。CoutuierはECM的ジャズの方が本職なので、彼の曲はそういう要素も加えたような感じ。ちょっとそこだけ現代音楽的か。時に賑やかになるも、比較的静かでシンプルな演奏が続き、聴きやすい面を持っていると思います。やや神秘的なサウンドの部分が印象あり。

2366

Forever Young/Jacob Young(G)(ECM 2366)(輸入盤) - Recorded August 2013. Trygve Seim(Ts, Ss), Marcin Wasilewski(P), Slawomir Kurkiewicz(B), Michael Miskiewicz(Ds) - 1. I Lost My Meart To You 2. Therese's Gate 3. Bounce 4. We Were Dancing 5. Sofia's Dance 6. Comeback Girl 7. 1970   8. Beauty 9. Time Changes 10. My Brother

(14/05/07)全曲ヤコブ・ヤングの作曲。Trygve Seimと通称「シンプル・アコースティック・トリオ」との組み合わせ。ギタリストのアルバムでも最初はジャズギター色はあまり濃くなく、淡々とした印象ですが、最後まで聴くとけっこう弾いています。そのサウンドはなかなかいい雰囲気。当初トータルアルバムとして感じても、ギター・ソロの部分は、やはり印象的に出てきます。前半もギター・ソロの部分はありますが、後半に行くに従ってECMとしてはジャズ的な部分も強くなり、ところどころ盛り上がりもあります。他のメンバーも含め、叙情的な、はっきりしているメロディが印象的ですが、盛り上がりを含めるとやっぱりジャズ色を感じます。5、7-9曲目あたり割とジャズ的か。割と明るい曲もあれば、哀愁度満点の曲もあって引き込まれます。

2365

Re: Seoul(ECM 2365) - Gary Burton: 1. Three Nocturne Vulgaire / Arise 2. Her Eyes from Seven Songs For Quartet And Chamber Orchestra[ECM 1040]   Ralph Towner / John bercrombie: 3. Late Night Passenger 4. Isla from Five Years Later [ECM 1207]   Keith Jarrett: 5. Runes from Arbour Zena [ECM 1070]   Sam Rivers: 6. Circles 7. Solace from Contrasts[ECM 1162]   Miroslav Vitous Group: 8. When Face Gets Pale 9. Sleeping Beauty from Miroslav Vitous Group [ECM1185]    Yeahwon Shin: 10. Lullaby from Lua ya [ECM 2337]   Norma Winstone: 11. A Breath Away from Dance Without Answer [ECM 2333]

(13/12/22)1-4、6-9が’13年12月現在未CD化、11が未発売(その後発売されました)。韓国ソウルの展覧会で配布されたコンピレーションとのこと。将来的にCD化の布石になるのかどうか。また、ある時期に、ECMに直接CDを2枚以上オーダーすると、このCDがおまけでついてきた時期もあります。その当時、発売されたのはすべて持っていたので、オーダーしてこれをゲットすることができませんでした。(追記)その後、ここに掲載された未CD化アルバムの5枚全部が’14年にCD化されました。(’15年11月追記)何とかいろいろなつてを頼って、入手することができました。やはりECM番号がついている以上は、他のアルバムと曲が重なっていたとしても、ゲットしたいと思っていました。関係者の方々には感謝です。

2364

Music Of Weather Report/Miroslav Vitous(B, Key)(ECM 2364)(輸入盤) - Recorded May 2010, February and March 2011. Gary Cambell(Ss, Ts), Roberto Bonisolo(Ss, Ts), Aydin Esen(Key), Gelard Cleaver(Ds), Nasheet Waits(Ds) - 1. Scarlet Woman Variations 2. Seventh Arrow 3. Multi Dimention Blues 2   4. Birdland Variations 5. Multi Dimention Blues 1   6. Pinocchio 7. Acrobat Issues 8. Scarlet Refrections 9. Multi Dimention Blues 3   10. Morning Lake

(16/07/05)ウェザー・リポート時代の曲と、ブルースが新曲で、それを「Variations」という用語で変奏曲にしてしまっているところが、彼らしいのか、ウェザー・リポートという縛りがあるからなのか。ヴィトウスのみの作曲は7曲(2-3、5、7-10曲目)。バードランドなど、ジャコ時代の曲も登場させていたり、それなりに賑やかな曲やフリーな曲もありますが、やはりECMというレーベルのため、静かな部分も多く混ざる印象。ヴィトウスなりの初期のグループを現代に再構築している感じのサウンドです。こういう方向性もアリだったのかなと。ただ、録音から発売まで5-6年かかっているので、レーベルとしての方向性が出るまでに時間がかかった感じです。また、あえて「ウェザー・リポート」のタイトルをつける必要があるのかどうか。

2363

Babylon-Suite/Vera Kappeler(P, Harmonium, Toy P, Voice)/Peter Conradin Zumthor(Ds, Toy P, Voice)(ECM 2363)(輸入盤) - Recorded June 2013. - 1. Das Erste Tier 2. Tor II 3. Tor I 4. Ne Pidu Ja Do Lesa 5. Annalisa 6. Traumgesicht 7. November 8. Tor III 9. Bontempi Var. I 10 Bontempi Var. II 11. Tor IV

(14/04/12)4曲目はウクライナ民謡で、他はどちらかの曲、または2人でのフリー・インプロヴィゼーション。1曲目を聴くと、かなり空間系の音かなと思いましたが、他の曲も温度感の低い空間系のサウンドが多いです。不思議とエレクトロニクスは使用していないようで、でも、それに近いような雰囲気でゆったりと、しかも時々パルス的な音もあり、緊張感をもって時間が流れていきます。ジャズではないにしろ、インプロヴィゼーション的には多分に入っているようで、ECMならではのピアノとドラムス(でもほとんど音を発しない部分もあり)でのデュオです。なぜか4曲めがいちばんジャズっぽい感じになっていて、トラディショナルを感じさせないところがスゴいかも。他に6曲目の中盤以降の盛り上がり。他の部分の音数はやはり少なめ。

2361

No End/Keith Jarrett(G, B, Ds, Tablas, Per, Voice, Recorder, P)(ECM 2361/62)(輸入盤) - Recorded 1986. - 1. 1,   2. 2,   3. 3,   4. 4,    5. 5,   6. 6,   7. 7,   8. 8,   9. 9   10. 10,   11. 11,   12. 12,   13. 13,   14. 14,   15. 15,   16. 16,   17. 17,  18. 18,  19. 19,   20. 20

(13/11/23)キース・ジャレットの曲をひとり多重録音したもの。’85年の「スピリッツ」もひとり多重録音だけれど、それよりはエレクトリック寄りで楽器もギターやベースなどが目立っているので、あまりスピリチュアルな感じはしない。曲自体はまあ、そこに適度にパーカッションが絡んだりして、そのパーカッションのノリは良い感じ。エキゾチックな感じはあっても普通の曲。1コード進行が多いのでトランス状態的になることも。彼流のジャズロックだけど、彼の幾多あるスゴい作品と比べると、ちょっと、という気も。弦楽器に関しては彼はプロではないですし。2枚組の必要があったのかどうか。ただ、非常に個性的なアルバムではあるので、聴く人を選ぶかもしれないけれども、キースのファンは聴いておいた方がいいかも。問題作だと思う。

2360

Joy In Spite Of Everything/Stefano Bollani(P)(ECM 2360)(輸入盤) - Recorded June 2013. Mark Turner(Ts), Bill Frisell(G), Jesper Bodilsen(B), Morten Lund(Ds) - 1. Easy Healing 2. No Pope No Party 3. Alobar E Kudra 4. Las Hortensias 5. Vale 6. Teddy 7. Ismene 8. Tales From The Time Loop 9. Joy In Spite Of Everything

(14/09/15)全曲ステファノ・ボラーニの作曲。ボラーニはけっこう好きにやらせてもらっている感じで、曲調が変化に富んでいます。1曲目から8ビート系の明るい曲なのでビックリします。どことなくおどけたテーマのメロディとリズムで、アドリブも浮遊感がついてまわる中盤4ビートの2曲目、メランコリックなピアノが印象的な盛り上がりのある3曲目、ホンワカとしたゆったり空間的な進行の4曲目、ミステリアスでややゆったり系でも中盤やや熱くなる12分台もの5曲目、ピアノとギターのデュオでの熟達したやりとりを聴くことができる6曲目、淡白な印象のバラードながらも盛り上がりや味わいのあるサウンドの7曲目、幻想的な感じの哀愁に満ちた5拍子基調で進んでいく8曲目、速いパッセージで畳み込むようにピアノを弾きまくる9曲目。

2359

Valentin Silvestrov/Maidan/Kyiv Chamber Choir/Mykola Hobdych(Cond)(ECM New Series 2359)(輸入盤) - Recorded 2016. - Maiden 2014: 1-3. Cycle I 4-6. Cycle II 7-10. Cycle III 11-15. Cycle IV   16-19. Four Songs 20-21. Diptych 22-24 Triptych


(22/10/16)Valentin Silvestrovはウクライナの現代音楽家。収録時間は76分。当初はロシアによるクリミア半島占領のことを描いた作曲かなと思ったのですが、そうではなくてウクライナの内的な革命のことを歌にしたらしいです。’14年作曲で、16曲目以降は’16年作曲。今にしてはごくオーソドックスに、暗めの合唱ではあるも、難しいところはなく、すんなりと頭に入ってきます。教会での録音で反響が多く、ECMらしい仕上がりです。

2358

Extended Circle/Tord Gustavsen(P) Quartet(ECM 2358)(輸入盤) - Recorded June 2013. Tore Brunborg(Ts), Mats Eilertsen(B). Jarle Vespestad(Ds) - 1. Right There 2. Eg Veit I Himmerik Ei Borg 3. Entrance 4. The Gift 5. Staying There 6. Silent Spaces 7. Entrance, Var. 8. Devotion 9. The Embrace 10. Bass Transition 11. Glow 12. The Prodigal Song

(14/02/07)フリー・インプロヴィゼーションが3、7曲目、トルド・グスタフセン作曲が8曲(1、4-6、8-9、11-12曲目)、Mats Eilertsen作が10曲目、トラディショナルが2曲目に。小品も含めて全12曲で51分ほどと、それぞれの曲は比較的コンパクトにまとまっています。同じメンバーでの2作目。静かなゆったりとした曲が多くて、時に盛り上がりますが、温度感も低く、クスタフセンはノルウェー出身なので、これぞECMの北欧クァルテットというような非4ビートサウンドがせまってきます。なおかつメロディが前面に出てきます。2曲目も彼らの曲かのように自由に盛り上がるフォーマットで演奏しています。フリー・インプロヴィゼーションも静かで、間がなかなかいい感じ。5、9、11曲目は8ビートでポップスに近い感じも。ECM的な今の音。

2357

Lathe Of Heaven/Mark Turner(Ts) Quartet(ECM 2357)(輸入盤) - Recorded June 2013. Avishai Cohen(Tp), Joe Martin(B), Marcus Gilmore(Ds) - 1. Lathe Of Heaven 2. Year Of The Rabbit 3. Ethan's Line 4. The Edenist 5. Sonnet For Stivie 6. Brother Sister 2

(14/09/14)全曲マーク・ターナーの作曲。58分ほどの収録で6曲と、スタジオ録音にしては長めの曲が多い。この鉄壁のフロント2人ならば、何をやってもコワくないですが、ターナーの温度感の低いところは前面に出つつ、2人でたゆたうように進みながらも、ソロではけっこう吹きまくっている(2曲目など)の場面もあって、シリアスに進んでいきます。1曲目のタイトル曲はECMらしさも出ていますが、ある意味ECMでの自由さを象徴するようなアルバムかも。3曲目も自由度が高く、やはりたゆたいつつも速いパッセージがある曲。時にバラバラなようで不思議なまとまり感があります。4曲目を含め、テンポがどの曲も似ていますが、一連の流れとして聴けるか。ミステリアスな5曲目、素朴なテーマで混沌として来る6曲目とも、彼らしい展開。

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