ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了し、’17年のところに番号順になるようにアップしています。

2020年04月

2443

You've Been Watching Me/Tim Berne's Snakeoil(As)(ECM 2443)(輸入盤) - Recorded December 2014. Oscar Noriega(Cl, Bcl), Ryan Ferreira(G), Matt Mitchell(P, Electronics), Shes Smith(Ds, Vib, Per, Timpani) - 1. Lost In Ledding 2. Small World In A Small Town 3. Embraceable Me 4. Angles 5. You've Been Watching Me 6. Semi-Self Detached 7. False Impressions

(15/05/07)ECMでのグループ3作目で、全曲ティム・バーンの作曲。今回はギターも加わり5人組になっています。1曲目の冒頭から勢いよく音が出てきて、構築された部分とフリーの部分の区分が付かない、けっこう凝っている感じのフリーです。2曲目も定型的な音符に加えてメカニカルなメロディが行ったり来たり。タイトル曲の5曲目はアコースティック・ギターのソロの曲です。ECMとしてはけっこう賑やかな方かなとは思えますが、こういうサウンドも昔からあったので、そんなに不自然ではないです。リズムも割とはっきりしているところも多いし、緩急自在でもあるし、フリーの奔放さと緻密な構築感がバランスよく配されて、それでいてあくまでも硬派。変化に富んでいて飽きることはないと思います。ただ、少々聴く人を選ぶかも。

2442

Giya Kancheli/Chiaroscuro(ECM New Series 2442)(輸入盤) - Recorded December 2014. Gidon Kremer(Vln), Patricia Kopatchinkaja(Vln), Kremerata Baltica - 1. Chiaroscuro 2. Twilight

(15/10/23)Giya Kancheliはベルギー在住のグルジア人現代音楽家。’10年作の1曲目はギドン・クレーメルとオーケストラ、’04年作の2曲目は2人のヴァイオリニストとオーケストラ。相変わらず温度感が低く、情景描写的な静かな、時にダイナミックな部分を混ぜて、風景が見えるような内省的なサウンドを奏でています。両方の曲とも、静かな部分と時に激しい部分との起伏が大きく、2曲目はタイトル通り薄暮の雰囲気を伝えています。

2441

Amores Pasados/John Potter(Voice)(ECM New Series 2441)(輸入盤) - Recorded November 2014. Anna Maria Frimen(Voice, Hardanger Fiddle), Ariel Abramovich(Lute), Jacob Heringman(Lute) - 1-3. Amores Parados - Al Son De Los Arroyuelos - No Dormia - So Ell Encina 4. Sleep 5. Follow Thy Fair Sun 6. Oft Have I Signed 7. In Nomine 1   8. The Cypress Curtain Of The Night 9. Follow Thy Fair Sun 10. Oh Fair Enough Are Sky And Plain 11. The Cypress Curtain Of The Night 12. In Nomine 2   13. Bury Me Deep In The Greenwood

(15/06/30)現代のロックのアーチストによる作詩作曲編曲(?)と、過去の詩や曲などを組み合わせたりした、斬新な古楽的ヴォーカルアルバム。1-3曲目にはジョン・ポール・ジョーンズ、9、11曲目にはトニー・バンクスの名があり、5、9曲目と8、11曲目は同名曲、13曲目はスティングの曲。他に16世紀から比較的新しいところまでの古楽などが並べられていて、まさにボーダーレス。落ち着いた大昔のポップスを聴いている雰囲気。

2440

A Suite Of Poems/Ketil Bjornstad(P)(ECM 2440)(輸入盤) - Recorded June 2016. Anneli Drecker(Voice) - 1. Mayflower, New York 2. Duxton, Melbourne 3. Kempinski, Berlin 4. L'Hotel, Paris 5. Palace, Copenhagen 6. Astor Crowne, New Orleans 7. The Grand, Krakow 8. Palazzo Londra, Venice 9. Vier Jahreszeiten, Hamburg 10. Savoy, Lisbon 11. Mayday Inn, Hong Kong 12. Lutetia, Paris 13. Schloss, Elmau

(18/05/22)全曲Lars Saabye Christensenの作詞(スカンジナビアでは有名らしい現代作家)、ケティル・ビヨルンスタの作曲&プロデュースで、マンフレート・アイヒャーの名前はありません。ECMらしからぬ、ゆったりとした温かみのあるメロディアスなフォーク・ソングといった趣の曲が並びます。そのChristensenがホテルの詩をつけて、ビヨルンスタに送って、それに曲をつけたものとのこと。ジャズ度はなく、やはりフォークソングの領域か。ただ、メロディとしては美しいものもあって、ピアノでの間奏などにハッとすることもあります。ECMにたまにある、ボーダーレスのラインをちょっと突破してしまったという感じのサウンドは、やはりジャズファンというよりはECMファンに向けられたものか。収録時間が55分あり、少し一本調子か。

2439

Encore/Eberhard Weber(B, Key)(ECM 2439)(輸入盤) - Recorded 1990 -2007. Ack Van Rooyan(Flh) - 1. Frankfurt 2. Kanstanz 3. Cambridge 4. Rankweil 5. Langenhagen 6. Granada 7. Sevilla 8. London 9. Klagenfurt 10. Bradford 11. Edinburgh 12. Hannover 13. Pamplona

(15/02/22)過去のライヴ・レコーディングからベースの音を抜き出し、編集や多重録音を加えて再構築したものだそう。’07年に卒中を患ったとのことなので、それまでの演奏。ライヴの録音とありますが、実際は編集色が強く、往年の時期のスタジオ録音のようなサウンド。1曲の長さが2-4分台と比較的短く、13曲あっても45分台と短めのアルバムになっています。ただその分ベース・ソロやベースやキーボード、フリューゲルホーンとの多重録音ばかりなので、ベースの露出度は多め。エレクトリック・ダブル・ベースも駆使して、彼の往年のサウンドがそのまま今に来ているような錯覚を覚えます。ジャズと言えるかというと、メインストリームのそれではありませんけど、少しのスリルとメランコリックな雰囲気がいい感じです。

2438

Quiver/Ralph Alessi(Tp)(ECM 2438)(輸入盤) - Recorded September 2014. Gary Versace(P), Drew Gress(B), Nasheet Waits(Ds) - 1. Here Tomorrow 2. Window Goodbyes 3. Smooth Decsent 4. Heist 5. Gone Today, Here Tomorrow 6. I To I 7. Scratch 8. Shush 9. Quiver 10. Do Over

(16/03/19)全曲ラルフ・アレッシの作曲。他レーベルでもいけそうなメンバーではあるけど、ここでは、やはり適度な抑制された静けさと、冷たい色合いを持たせつつ、彼らの自由な表現の要素もある、一部勢いも否定できないジャズを演奏しています。マンフレート・アイヒャーのプロデュース下では、まあ、ギリギリのセンかもしれない。ECMの前作からはピアノがジェイソン・モランから交替してますが、メンバーからすると、もっと発散されたジャズをやりそうな感じですけど、こういう行き方もアリなのかなと。例えば3曲目はミックス次第で、もっと温度感が上がったジャズになるのではと思わせます。ただ、それぞれのメンバーの、やや静かな、あるいは穏やかな中でも時たま斬りこんでいくフレーズはなかなか鋭いものがあります。

2436

Alexander Knaifel/Lukomoriye(ECM New Series 2436)(輸入盤) - Recorded February 2012. Oleg Malov(P), Tatiana Melentieva(Soprano), Piotr Migunov(Bass), Lege Artis Choir, Boris Abalian(Cond) - 1. O Comforter 2. A Mad Tea-Party 3. Bliss 4. This Child 5. Confession 6. O Lord Of All My Life 7. O Heavenry King 8. Lukomoriye

(18/04/27)アレクサンドル・クナイフェルは20-21世紀ロシアの作曲家。ここでは’90-00年代の短い作品を集めていますが、宗教に関するもの、あまり関係ないものといろいろなようです。静かな音が多いですけど、そういうところもECM向けなのかも。オーケストラと合唱団が関わるのは1、7曲目で、他はピアノのみのソロか、ピアノとソプラノまたはバスとのデュオの曲。全体的に静かですが、3曲目の軽快なオペラの曲もあります。

2435

Burkhard Reinartz(Produce)/Eine Olive Des Nichts(ECM New Series 2435)(輸入盤) - Recorded August 2013. Anja Lais, Brumo Winzen - Simone Weil Blickt In Das Rhonetal 2. Die Formeln Des Winters 3. Die Stimme 4. Im Nildelta 5. Die Vier Temperamente 6. Der Unwissende 7. Schneesturn

(15/09/02)Adam Zagajewski、Tomas Transtromer、Philippe Jaccottetの詩を77分にわたって、ECMの音楽をバックにしながら朗読するという、音楽付きの録音。録音の音源は短めに使われつながれているようで、ああ、あそこの音源を使っている、というのははっきり分かりづらい。いずれにしても、ドイツ語での朗読がメインなので、言葉が分らないと、何度も聴くには少々きついかも。流れに任せて音源の断片を聴いているにはいい。

2434

Lumen Drones/Nils Okland(Fiddle)/Per Steinar Lie(G)/Orjan Haaland(Ds)(ECM 2434)(輸入盤) - Recorded November 2011. - 1. Dark Sea 2. Ira Furore 3. Anemone 4. Echo Plexus 5. Lux 6. Husky 7. Keelwater 8. Svartaskjaer

(14/11/23)5曲目がPer Steinar Lie作で、7曲目がNils Okland作の他は全員の合作(インプロヴィゼーション?)。ややフリー的ながらフィドルのメロディが強調されて民族音楽やロックの要素も。ベースがいないため空間的で、メロディアスなフィドルの音色が印象的な1曲目、混沌を基調にしてやや盛り上がったりして持続的に展開していく12分台の2曲目、ドローン的基調にゆったりした雰囲気かつミステリアスに盛り上がって行く3曲目、どっしり感で一歩一歩前に進んでいき、これまた盛り上がる4曲目、メランコリックな雰囲気が印象的な5曲目、続けて穏やかに進んでいく小品の6曲目、フィドルの情感的な明るめのメロディとゆったりとしたサウンドが心地良い7曲目、ワンコードでのロックが延々続いていくようなサウンドの8曲目。

2433

Only Sky/David Torn(G, Electric Oud)(ECM 2433)(輸入盤) - Recorded February 2014. - 1. At Least There Was Nothing 2. Spoke With Folks 3. Ok, Shortry 4. Was A Cave, There... 5. Reaching Barely, Sparely Fraught 6. I Could Almost See The Room 7. Only Sky 8. So Much What 9. A Goddamned Specific Unbalance

(15/05/31)76分にもわたる、全曲デヴィッド・トーン作曲の、多重録音による主にギターと、エレクトリック・ウードの世界。エフェクターをかけて流れるような感じで、しかも効果音とかオーケストレーションのサウンドを意識した部分(特に1曲目)と、ギター(ウード)らしい音が出ている部分とがあって、ちょっとエキゾチックな雰囲気もあります。ただ、基本的には流れていくような漂うようなサウンドなので、聴く人を選ぶかも。2曲目は牧歌的で明るい、素朴なサウンドを奏でて、そこからディストローションのかかったディープな方向に行く感じ。全体的にゆったりしているのですが、曲ごとのサウンドカラーや曲内での移り変わりはさまざま。エレクトロニクスを多用した音響のような部分も。やはりこういうアルバムはECM独特のものか。

このページのトップヘ