ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

2020年05月

2432

Surrounded By Sea/Andy Sheppard(Ts, Ss) Quartet(ECM 2432)(輸入盤) - Recorded August 2014. Eivind Aarset(G), Michel Benita(B), Sebastian Rochford(Ds) - 1. Tipping Point 2. I Want To Vanish 3. Aoidh, Na Dean Cadal Idir (Part 1) 4. Origin Of Species 5. They Aren't Perfect And Neither Am I 6. Medication 7. Aoidh, Na Dean Cadal Idir (Part 2) 8. The Impossibility Of Silence 9. I See Your Eyes Before Me 10. A Letter 11. Aoidh, Na Dean Cadal Idir (Part 3) 12. Looking For Ornette

(15/05/06)アンディ・シェパード作または共作は6曲で(1、4、6、8-9、12曲目)、穏やかなヨーロピアン・バラードに聴こえる明るめのエルヴィス・コステロの曲が2曲目、静かなメロディが流れていく、あまり古さは感じない3つのパートの曲(3、7、11曲目)はトラディショナルで、5、10曲目はメンバーの作曲。ベースの弾く一定のテンポの上をややエキゾチックに舞っている1曲目、やや哀愁を伴いながら、好きな方向に漂う感じもある淡々とした4曲目、ドラマーの作った曲らしく自由度の高さがある5曲目、薄暮に漂うメロディが印象的な6曲目、内側に向かおうとする雰囲気の8曲目、哀愁はあるものの自由なビートで進む9曲目、浮遊感のあるメロディでミステリアスな10曲目、ゆったりしながら自由に舞う感じの12曲目。

2431

Many More Days/Third Reel(ECM 2431)(輸入盤) - Rcorded August 20014. Nicolas Masson(Ts, Ss, Cl), Roberto Pianca(G), Emanuele Maniscalco(Ds, P) - 1. Gilberto Stimmung 2. Afterwards 3. Fourth Reel 4. Simple 5. Lara's Song 6. Strand 7. White 8. Happy People 9. Many More Days 10. Hill 11. Fast Forward 12. Two-Part Chorale 13. White Epilogue

(15/06/18)Nicolas Masson作が6曲(4、7、9-11、13曲目)、Roberto Pianca作が2曲(5、8曲目)、Emanuele Maniscalco作が5曲(1-3、6、12曲目)。同じメンバーでのECM2作目で、41分ほどの収録時間に13曲あって、短い曲が多いです。ベースレスで、ギターは1曲目ではシンセサイザーのような音で同じ音が持続して、その不思議な世界に連れていかれる感じ。シリアス度はある程度あるけれど静かな場面も多いし、メロディ的なものの要素も強く、まさにECM的なトリオのような感じ。メロディは強いし作曲者名はあるものの、制作過程はフリー・インプロヴィゼーションに近いものがあるのかもしれない。空間的・時間的な間も広く感じます。ただ、そのメロディは少々地味な表現をしているかなとも。聴く人を少し選ぶか。

2430

The Declaration Of Musical Independence/Andrew Cyrille(Ds, Per) Quartet(ECM 2430)(輸入盤) - Recorded Jult 2014. Bill Frisell(G), Richard Teitelbaum(Synth, P), Ben Street(B) - 1. Coltrane Time 2. Kaddish 3. Sanctuary 4. Say 5. Dazzling (Perchordially Yours) 6. Herky Jerky 7. Begin 8. Manfred 9. Song For Andrew No.1

(16/09/14)ジョン・コルトレーン作が1曲目、4人のインプロヴィゼーションが3曲(3、5、8曲目)、ビル・フリゼール作が3曲(2、7、9曲目)、ベン・ストリート作が4曲目、Richard Teitelbaum作は6曲目。ドラマーのリーダー作で露出度は高いも、ECMらしくミックスは控えめ。ドラム・ソロではじまり、ギターが斬りこんで行くも、浮遊感が満載の1曲目、哀愁をたたえたギターがフリゼールらしく印象的なバラードの2曲目、狙っているのか、いかにもフリーらしい展開で進んでいく3、5、7曲目、フリーに近い形だけど、やや哀愁のあるサウンドの4曲目、不思議感覚の旋律ながら、細かいフレーズが耳に残る6曲目、ギター中心のバラードで、かなり空間的でゆったりしている7曲目、ドラムスがあおりつつもゆったり哀愁バラードの9曲目。

2429

In The Morning - Music Of Alec Wilder/Stefano Battaglia(P) Trio(ECM 2429)(輸入盤) - Recorded April 28, 2014. Salvatore Maiore(B), ROberto Dani(Ds) - 1. In The Morning 2. River Run 3. Moon And Sand 4. When I Am Dead My Dearest 5. The Lake Isle Of Innisfree 6. Where Do You Go? 7. Chick Lorimer

(15/09/06)Alec Wilderの曲をライヴで演奏。オリジナルなし。スタンダードとかクラシックの作曲家だそうですが、メロディは美しいものの、演奏自体は彼らピアノ・トリオのECMジャズという感じ。哀愁満点のメロディと、マイナー1コード的な進行が印象に残るタイトル曲の1曲目、濃淡がある、16ビート的でリズムにのりながらのアドリブが心地よい、1コード的展開で後半叙情的になる2曲目、マイナーなメロディが心を打つ、静かに進んでいく3曲目、グループとしての方向性を保ちつつ、短めの哀愁世界を示す4曲目、少ない音でじっくりと攻め緊張を強いて、そこから叙情的世界にも入り込んでいく15分台の5曲目、バラードで短調のメロディが美しい6曲目、ドラマチックな世界と語り合いが続き、盛り上がりの部分もある7曲目。

2428

Now This/Gary Peacock(B) Trio(ECM 2428)(輸入盤) - Recorded July 2014. Marc Copland(P), Joey Baron(Ds) - 1. Gaia 2. Shadows 3. This 4. And Now 5. Esprit De Muse 6. Moor 7. Noh Blues 8. Christa 9. Vignette 10. Gloria's Step 11. Requiem

(15/05/29)ゲイリー・ピーコック作が7曲(1-3、6、8-9、11曲目)、マーク・コープランド作が2曲(4、7曲目)、ジョーイ・バロン作が5曲目、スコット・ラファロ作が10曲目。ロマンチックなピアノのコープランドなので、いつもよりは自由(フリー)な展開があったとしても割とメランコリックに、抒情的に進んでいきます。6曲目の少しゆったりした中でのフレーズは見事かも。コープランドの曲でも鋭いところもあります。トリオとして強力な布陣ですが、多少枯れつつも、トンガった感じも出しているところがさすが。ピーコックは、年齢的にも衰えを感じさせず、いい感じの曲を書き、演奏をしています。作曲名はあるけれど、大部分が即興で成り立っている曲が多そう。そのバランスはなかなか。10曲目も何となくオリジナルのようです。

2427

Carolin Widmann(Vln)/COE/Felix Mendelssohn Bartholdy/Robert Schumann(ECM New Series 2427)(輸入盤) - Recorded July 2014. Chamber Orchestra Of Europe - Felix Mendelssohn Bartholdy: 1-3. Concerto For Violin And Orchestra Op.64   Robert Schumann: Violin Concerto WoO 23

(15/09/16)メンデルスゾーン、シューマンは共に19世紀ドイツロマン派の作曲家。クラシックでは特にメンデルスゾーンの曲が有名(私でもメロディを聴いたことがある)ですが、最近こういう正統派のクラシック音楽のアルバムもECMで増えてきて、うれしいところ。演奏的にどうなのか、やはりECM的なミキシングやマスタリングはあるでしょうが、多少ぬくもりを持ったような雰囲気で聴こえてきます。Carolin Widmannのヴァイオリンがいい。

2425

Franz Schubert/Andras Schiff(P)(ECM New Series 2425/26)(輸入盤) - Recorded July 2014. - 1. Ungarische Melodie In H-Moll D817   2-5. Sonate In G-Dur D894   6-11. Moments Musicaux D780   12. Allegretto In C-Moll D915   13-16. Vier Impromptus D935   17-20. Sonate In B-Dur D960

(15/04/29)CD2枚組。シューベルトは19世紀オーストリアの作曲家。ここでは1820年頃製作のフランツ・ブロードマンという、アンドラーシュ・シフが持っているアンティークなフォルテピアノを使用していて、当時のシューベルトのピアノの音に近いと思われるピアノ・サウンドで録音しています。今のピアノに比べてややソフトな感じか。曲は温かみもあり、落ち着いて聴けるので、やはりシフの王道作品でこのレーベルでの存在は大きいかも。

2423

Souvenance/Anouar Brahem(Oud)(ECM 2423/24)(輸入盤) - Recorded May 2014. Francois Couturier(P), Klaus Gesing(Bcl), Bjorn Meyer(B), Orchestra Della Svizzera Italiana, Pietro Mianiti(Cond) - 1. Improbable Day 2. Ashen Sky 3. Deliverance 4. Souvenance 5. Tunis At Dawn 6. Youssef's Song 7. January 8. Like A Dream 9. On The Road 10. Kasserine 11. Nouvelle Vague

(15/01/21)CD2枚組で88分収録。全曲アヌアル・ブラヒムの作曲で、オーケストラ・アレンジは主に共作(11曲目のみ他の人)。エキゾチックだけれども、ECMらしい静かな温度感の低い、哀愁が漂う世界が広がっています。出だしでウード中心の素朴な演奏から、だんだんオーケストラの広がりを見せていきます。ベースはエレクトリック・ベース。ゆったり感を残したまま、時にメンバーの一瞬アヴァンギャルドなフレーズも。ただ、これでもかというくらい異国の地の哀愁を見せつけるようなサウンドが続いているのが、聴いていて切ない。クァルテットの曲も多いし(クレジットでは未記載)、オーケストラはフルに活用するというよりは、メインのメンバーを包み込むようなサウンドで効果が逆に出ている感じ。素直に哀愁感を味わいたい。

2422

Hamburg '72/Keith Jarrett(P, Fl, Per, Ss)/Charlie Haden(B)/Paul Motian(Ds, Per)(ECM 2422)(輸入盤) - Recorded June 14, 1972. - 1. Rainbow 2. Everything That Lives Laments 3. Piece For Ornette 4. Take Me Back 5. Life, Dance 6. Song For Che

(14/12/13)1曲目がMargot Jarrett作曲、2-5曲目がKeith Jarrett作曲、6曲目がCharlie Haden作曲のライヴ。当時のトリオ編成ですが、リミックスがECMなので、混沌としたところはあるも全体的にややさっぱりした音にはなっています。これぞ3人の個性の音という感じでぶつかり合いながら進んでいく、ピアノのフレーズも鮮やかで速いパッセージも交えつつのドラマチックにまとまる1曲目、エキゾチックなフルートとベースの前半と抒情的なピアノとベースの後半の2曲目、フリー的で混沌としながらソプラノ・サックスでのトリオで突き進む3曲目、ピアノで出だしに少し哀愁がありつつも、8ビート的乗りの良さも見せる4曲目、3人の淡々とした語り合いがある小品の5曲目、有名な哀愁満点なメロディで15分もの演奏が続いていく6曲目。

2421

Amorphae/Ben Monder(G, Baritone G)(ECM 2421)(輸入盤) - Recorded October 2010 and December 2013. Rete Rende(Synth on 4-5), Andrew Cyrille(Ds on 3-5, 7), Paul Motian(Ds on 2, 6) - 1. Tendrils 2. Oh, What A Beautiful Morning 3. Tumid Cenobite 4. Gamma Crucis 5. Zythum 6. Triffids 7. Hematophagy 8. Dinosaur Skies

(15/11/02)1、8曲目がベン・モンダー作曲、2曲目がスタンダード以外は演奏者のインプロヴィゼーション。2、6、8曲目が’10年の録音で、他の曲は’13年の録音。’11年に亡くなったポール・モチアンの演奏があるのは追悼の意味もあるか。1、8曲目はエレキ・ギターのソロで、空間を浮遊したゆったりした音。8曲目の方は少し重々しい展開。ゆったりとしていて明るいメロディなのに妙に重々しい音、ジャーンという音も入る2曲目、エレキのバリトン・ギターで、ホンワカと空間的にゆっくり進んでいく3曲目、やや不安定な持続音のシンセサイザーと滑らかなギターの4曲目、そのまま引き続きそこにあるような5曲目、小品でギターがやや不安なメロディを弾く6曲目、再びゆったりとした空間系のサウンドに戻っていく7曲目。

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