ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

2020年06月

2465

What Was Said/Tord Gustavsen(P, Electronics, Synth B)(ECM 2465)(輸入盤) - Recorded April 2015. Simin Tander(Voice), Jarle Vespestad(Ds) - 1. Your Grief 2. I See You 3. Imagine The Fog Disappearing 4. A Castle In Heaven 5. Journey Of Life 6. I Refuse 7. What Was Said To The Rose/O Sacred Head 8. The Way You Play My Heart 9. Rull 10. THe Source Of Now 11. Sweet Melting 12. Longing To Praise Thee 13. Sweet Melting Afterglow

(16/01/24)作詞はさまざまで、作曲がトルド・グスタフセン作が1、6-10曲目(7曲目は前半)、全員のインプロヴィゼーションが13曲目前半、ノルウェーのトラディショナルが2、4-5、11-12曲目(13曲目の後半も)。たいていヴォーカル曲ですが、7曲目後半から9曲目までインストルメンタル。ヴォーカリストはアフガン系のハーフのようで、アラビア文字の歌詞の曲もあります。ノルウェー語はなく、他は英語の歌詞を歌っています。なので、ノルウェーのトラディショナルが多いにもかかわらず、何となく無国籍的な民族音楽のようなサウンドになっていることも。静かで地味な感じで、ピアノはやや荘厳な雰囲気ですが、聴きやすくなってはいます。ピアノはいつもの感じなので、ヴォーカルを気に入るかどうかが好みの分かれ目。

2464

Continuum/Nik Bartsch's(P) Mobile(ECM 2464)(輸入盤) - Recorded March 2015. Sha(Bcl, Contrabass Cl), Kasper Rast(Ds, Per), Nicolas Stocker(Ds, Turned Per), Extended: Etienne Abelin(Vln), Ola Sendeski(Vln), David Schnee(Viola), Solme Hong(Cello), Ambrosius Huber(Cello) - 1. Modul 29_14   2. Modul 12   3. Modul 18   4. Modul 5   5. Modul 60   6. Modul 4   7. Modul 44   8. Modul 8_11

(16/05/04)全曲ニック・ベルチュの作曲で、アレンジはMobileとなっています。Roninと比べて、ベースがいないだけのような気もしますし、奇数拍子系の変拍子が多い機械的な展開や、主旋律が見えてこずに、ある意味ミニマル的なサウンドというのは同じで、今回そこにストリングスが時に加わるという感じ。リズムはここでも割とはっきりしています。Mobileはアコースティックなアプローチだそうです。これで68分というのは長いかもなあとも思いますが、すでにECMでは彼の作品は5枚目なので、こういうサウンドがウケてもいるのでしょう。幾何学的なアプローチとでもいうのか、聴いていると、何かトランス状態になっていくような気も。曲名がModulの番号というのも、こだわりが見えて面白い。のめり込む人もいると思うサウンド。

2463


Hommage A Eberhard Weber(ECM 2463)(輸入盤) - Recorded January 2015. Pat Metheny(G), Jan Garbarek(Ss), Gary Burton(Vib), Scott Colley(B), Danny Gotlieb(Ds), Paul McCandless(English Horn, Ss), Klaus Graf(As), Ernst Hutter(Euphonium), SWR Big Band, Michael Gibbs(Arr, Cond), Helge Sunde(Cond) - 1. Resume Variations 2. Hommage 3. Touch 4. Maurizius 5. Tubingen 6. Notes After An Evenning

(15/09/12)2曲目がパット・メセニー作曲(何と31分台で、エバーハルト・ウェーバーのインプロヴィゼーションに基づく、とあります)の壮大なストーリーを感じさせる曲、他はウェーバーの作曲。ウェーバーへの文字通りオマージュとなるライヴで、1-2曲目には彼自身のベースの演奏をテープで重ねてあります。全体のサウンドも彼を意識したもの。アレンジャーも曲によってまちまち。1曲目はヤン・ガルバレクのECMらしいソロのインプロヴィゼーションとベースのテープが重なり合っています。漂う哀愁感とヴァイブラフォンの響きの心地良さからファンクにも向かう3曲目、淡色系のバラードでゆったり進む4曲目、少しゆっくりめながらビッグバンドのカッコ良さが出てくる5曲目、割と明るめでドリーミングなメロディを持つ6曲目。

2462

Ida Lupino/Giovanni Guidi(P)/Gianluca Petrella(Tb)/Louis Sclavis(Cl)/Gerald Cleaver(Ds)(ECM 2462)(輸入盤) - Recorded February 2015. - 1. What We Talk About When We Talk About Love 2. Just Tell Me Who It Was 3. Jeronimo 4. Ida Lupino 5. Per I Morti Di Reggio Emilia 6. Gato! 7. La Terra 8. No More Calypso? 9. Rouge Lust 10. Things We Never Planned 11. Fidel Slow 12. Hard Walk 13. Zweig 14. The Gam Scorfpions

(16/09/25)4曲目のタイトル曲がカーラ・ブレイの曲で、5曲目がAmodei作曲、他は参加メンバー2-4人の作曲ないしはフリー・インプロヴィゼーション。というのは、作曲者の人数と参加メンバーの数が合わない曲もあるからです。なかなか興味深いメンバーの組み合わせで、こういうのはなかなかない。ECM的なフリーの要素は強いにしても、曲としてまとまっている感じもあって、このなかなかいい感じが71分収録と、長めの収録になっているのでは。ECMにしてはやや激しめの曲もあります。4曲目は少し奇妙なサウンドながらも、ポップな主題が印象的です。しっとりとした哀愁がありつつ徐々に盛り上がる5曲目。曲数は多いけれど、曲ごとに変化に富んでいる感じです。もちろんECM的っていう意味です。ある意味繊細さも。

2460

Mette Henriette(Sax)(ECM 2460/61)(輸入盤) - Recorded 2013-2014. [CD1] Johan Lindvall(P), Katrine Schiott(Cello) - 1. So 2. .oOo. 3/ The Taboo 4. All Ears 5. But Careful 6. Beneath You 7. Once 8. We Were Go 9. 3-4-5   10. Hi Dive 11. A Void 12. The Lost One 13. In CIrcles 14. I Do 15. O   [CD2] Henrik Norstebe(Tb), Eivind Lonning(Tp), Sara Ovinge(Vln), Karin Hellqvist(Vln), Odd Hennisdal(Vln), Bendik Bjornstad Foss(Viola), Ingvild Nesdal Sandnes(Cello), Katrine Schiott(Cello), Andreas Rokseth(Bandoneon), Johan Lindvall(P), Per Zanussi(B), Per Oddvar Johansen(Ds, Saw) - 1. Passe 2. Pearl Rafter 3. Velis Ever After 4. Unfold 5. Wildheart 6. Strangers By Midday 7. Late A La Carte 8. So It Is 9. ? 10. True 11. THis Will Pass Too 12. But We Did 13. I 14. Breathe 15. Off The Beat 16. Wind On Rocks 17. Bare Blacker Rum 18 & The Silver Fox 19. Behold 20. Better Unheard (Yet To Be Told)

(15/11/17)CD1の2、9、15曲目がJohan Lindvallの作曲で、他は全てMette Henrietteの作曲。1枚目がトリオで、2枚目がアンサンブル。曲の数が多いけれど、短めの曲が多い。1枚目は断片的な風景を垣間見せるような、叙情的な演奏が続きます。サックスとして技量で示すよりは、その作曲と叙情的で個性的な演奏に耳を澄ましているような感じ。実際、そんなに複雑なテクニックを使用しているようには思えないですけど、包み込むようなサックスが、割と印象的。時にゆったりしたフリーのような断片も。2枚目のアンサンブルの方がサウンドに変化があって、同じように温度感が低くてアップテンポの曲はなくても、ヴァリエーションに富んでます。時にアクセント的なフリーなど、いろいろな表情になって、才気あふれる感じも。

2459

Black Orpheus/Masabumi Kikuchi(P)(ECM 2459)(輸入盤) Recorded October 26, 2012. - 1. Tokyo Part I 2. Tokyo Part II 3. Tokyo Part III 4. Tokyo Part IV 5. Tokyo Part V 6. Black Orpheus 7. Tokyo Part VI 8. Tokyo Part VII 9. Tokyo Part VIII 10. Tokyo Part IX 11. Little Abi

(16/04/10)6曲目のみ有名なボッサで、他は菊地雅章作(ほぼインプロヴィゼーションと思われる)。東京でのライヴの模様。ECMならではの、残響音が豊かなコンサートになっていますが、いつもよりはやや音数は多いとはいっても、うまくサウンドとマッチしている感じ。音の選択からくる緊張感というものも、いつもよりは和らいでいる感じもしますが、それでも聴いていて緊張する方か。その音の選択と構築力は、まさに誰風でもなく、菊地のものだということが分かります。これをひとつのコンサートでやってしまうのは、やはり奇跡に近いかも。サウンドの残響により、フリーインプロヴィゼーションと現代音楽の狭間を行くようなイメージ。6曲目の「黒いオルフェ」も、けっこう内省的でストイックな音選びです。11曲目は穏やかな曲。

2458

In Concert/Ferenc Snetberger(G)(ECM 2458)(輸入盤) - Recorded December 2013. - 1. Budapest - Part I 2. Budapest - Part II 3. Budapest - Part III 4. Budapest - Part IV 5. Budapest - Part V 6. Budapest - Part VI 7. Budapest - Part VII 8. Budapest - Part VIII 9. Somewhere Over The Rainbow

(16/03/22)9曲目のみスタンダードで、1-8曲目はFerenc Snetbergerの作曲、というよりはライヴでそのままインプロヴィゼーション。ただ、それは歌うようにメロディが流れているので、彼のレパートリーのバリエーションか。ハンガリー出身のジプシー系ギタリスト。クラシックギターを使用していて、スパニッシュ的というか、東欧的というか、様々な民族的な味わいもあります。情熱的というよりは落ち着いた味わい。速いパッセージも豊富で、流暢なイメージの1曲目、ゆったりとひたすら美しいメロディが流れていく2曲目、その哀愁系の3、6曲目、淡いけどスピーディなサンバの4曲目、ミステリアスと哀愁のメロディの5曲目、少し華やかな感じもする明るめな演奏の7曲目、ゆったりと明るく素朴な8曲目、しっとりとした9曲目。

2457

Ante Lucem/Iro Haarla(P, Harp)(ECM 2457)(輸入盤) - Recorded October 2012. Hayden Powell(Tp), Trygve Seim(Ss, Ts), Ulf Krokfors(B), Mika Kallio(Ds ,Per). Norrlands Operans Symfoniorkester, Jukka Lisakkila(Cond) - 1. Songbird Chapel 2. Persevering With Winter 3. ... And The Darkness Has Not Overcome It ... 4. Ante Lucem - Before Dawn...

(16/08/26)全曲フィンランド出身のIro Haarlaの作曲。サブタイトルに「for Symphony Orchestra and Jazz Quintet」とあり。ジャズ・クインテットの出る部分もあっても5人だけの演奏は多くなく(3、4曲目に少し長めのがあり)、オーケストラの方がメインのよう。ある意味New Series的なのですが、即興演奏も含むジャズ側での作曲と演奏もある程度あるということで、ECMとして出しているのは、テリエ・リピダルらのアルバムと趣旨は同じか。全体を通してジャズ側の管2人の音は目立っています。4つの部分からなる組曲で、’12年に発表したもの。ダイナミックな面もあるものの、やや静かな感じでもあり、ここでの温度感は低め。ただし、全般的に情熱を感じるような演奏です。こういう演奏はやはりECMでないと出せない曲かも。

2456

Wild Dance/Enrico Rava(Tp) Quartet w/Gianluca Petrella(Tb)(ECM 2456)(輸入盤) - Recorded January 2015. Francesco Diodati(G), Gabriele Evangelista(B), Enrico Morello(Ds) - 1. Diva 2. Space Girl 3. Don't 4. Infant 5. Sola 6. Not Funny 7. Wild Dance 8. F. Express 9. Cornette 10. Overboard 11. Happy Shades 12. Monkitos 13. Improvisation 14. Frogs

(15/09/08)13曲目が文字通りインプロヴィゼーションの他は全曲エンリコ・ラヴァの作曲。14曲あって7-8分台の曲を前後に配し、2-5分台の曲がその間にあります。ラヴァの分かりやすいフレーズがアピールしますが、ギターの参加も浮遊感を演出していて、サウンドのキモかも。哀愁たっぷりのメロディのバラードから徐々に盛り上がってくる1曲目、浮遊感も少しある淡いサウンドの2曲目。曲によってサウンドやリズムは変化しますが、ラヴァはマイペースというような感じを受けます。4曲目はアップテンポの現代4ビートジャズのテーマとアドリブ部分のフリー的な展開が面白い。11曲目もアップテンポの4ビート。8ー9、14曲目もノリのいいリズムの曲。ただ、他の曲はゆったりとした、フレーズ的には割と自由な曲が多め。

2454

Arvo Part/Musica Selecta(ECM New Series 2454/55)(輸入盤) - [CD1] 1. Es Sang Vor Langen Jahren 2. Fur Alina 3. Mein Weg 4. Kanon Pkajanen 5. Silouans Song 6. Fratres 7. Alleluia-Tropus 8. Trisagion 9. Beatus Petrronius [CD2] 1. Wallfahrtskued/Pilgrims' Song 2. Most Holy Mother Of God 3. Cantus In Mamory Of Benjamin Britten 4. Magnificat 5. Gestina Lente 6-8. Lamentate 9. Stabat Mater 10. Da Pacem Domine

(15/09/27)アルヴォ・ペルトの80歳を記念しての、マンフレート・アイヒャーによるセレクトのECMでのベストアルバム。現代音楽の位置づけにありながら、聴いていると昔の宗教音楽のように聴こえて、その不思議な世界はやはりECMならではかも。曲は’70年代から’10年代にかけてのものを集めてあり、聴いていて癒される音楽の集大成のような気も。過去のアルバムの振り返りにもなるしBGMとしてもいいので、あってもいいかも。

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