ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了。Wattレーベル、Works、:rarumシリーズは言及する予定なないです。

カテゴリ: ECM1001-1050番

1027


Conference Of The Birds/Dave Holland(B) Quartet(ECM 1027)(輸入盤) - Recorded November 30, 1972. Sam Rivers(Reeds, Fl), Anthony Braxton(Reeds, Fl), Barry Altschl(Per, Marimba) - 1. Four Winds 2. Q & A 3. Conference Of The Birds 4. Interception 5. Now Here (Nowhere) 6. See-Saw


2管とベース・ドラムスの編成で、全曲デイヴ・ホランドのオリジナル。ECMとしてはエネルギーのあるアルバムかも。1曲目のテーマが終わるとさっそく管のブローイングに入っていくところなどは、往年のジャズという感じですが、テンポは4ビートのままを保っていて、統制は取れています。2曲目は丁丁発止の往年のフリージャズの展開になってきます。ただ、3曲目のタイトル曲はメロディが美しい5拍子の曲で、なるほど鳥をイメージさせる感じ。4曲目はパワーのあるフリージャズの展開で、これでもかとブローイング合戦で音を出しまくっています。メロディーが浮遊感があって思索的な展開になっている5曲目、そして再びビートを保ちつつハードにジャズらしく突き進んでいく6曲目で幕を閉じます。

1026


Illusion Suite/Stanley Cowell(P) Trio(ECM 1026) - Recorded November 29, 1972. Stanley Clarke(B), Jimmy Hopps(Ds) - 1. Maimoun 2. Ibn Mukhtarr Musutapha 3. Cal Massey 4. Miss Viki 5. Emil Danenberg 6. Astral Spiritual


邦題「幻想組曲」。スタンリー・カウエルならではの知的かつ民族の血をひくフレーズの組み立てやハーモニー感覚が印象的。1曲目は非常に美しい曲とピアノのフレーズ。これはもうハマります。2曲目は、速いパッセージを経て一転エレキピアノによるノリの良いサウンドになり、次第にパーカッシヴに。3曲目はちょっとアグレッシヴな部分もありますが、言わばジャズらしい曲。当時のクロスオーヴァーっぽいファンクなノリの4曲目、これまた渋く聴いていて不思議な感覚になるバラードの5曲目。6曲目は誰がソロをとっているというわけではなく3人が同時に音を紡ぎ出してそれがひとつのサウンドにまとまっているというような感じの曲。でも、そのまとまりが見事。 これぞECMならではのプロデュースかもしれません。(99年8月18日発売)

1025


Trios/Solos/Ralph Towner(G, P) With Glen Moore(B)(ECM 1025)(輸入盤) - Recorded November 1972. Paul McCandless(Oboe), Collin Walcott(Per) - 1. Brujo 2. Winter Light Noctuary 4. 1x12 5. A Belt Of Asteroids 6. Re: Person I Knew 7. Suite: 3x12 8. Raven's Wood 9. Reach Me, Friend


(99/08/19)実はここでは4人が揃って演奏する曲はないのですが、後にこの4人は「オレゴン」としてアルバムを出すことに なります。11曲中6曲はラルフ・タウナーの作曲。1曲目は唯一コリン・ウォルコットが参加したトリオの演奏で、タブラの音がサウンドを引き締めています。2曲目はタイトル通りの印象のギターソロ、3曲目はオーボエを加えたトリオのフリー・インプロヴィゼーション。4曲目は12弦ギターのスリルあるソロ。6分以上ある グレン・ムーア作のベースソロの5曲目、ピアノとギターを多重録音した、ご存知ビル・エヴァンスの愛奏曲の6曲目、ギターソロで3部に分かれ、技巧が凝らされた7曲目、再びオーボエ入りのトリオで幻想的な8曲目。9曲目は印象的なギターソロでアルバムを締めくくります。

1024


Crystal Silence/Gary Burton(Vib)/Chick Corea(P)(ECM 1024) - Recorded November 6, 1972. - 1. Senor Mouse 2. Arise, Her Eyes 3. I'm Your Pal 4. Desert Air 5. Crystal Silence 6. Falling Grace 7. Feelings And Things 8. Children's Song 9. What Game Shall We Play Today


全9曲中、チック・コリアのオリジナルが5曲、スティーヴ・スワロウ作が3曲。ピアノとヴァイブラホンは音がぶつかり合う難しい組み合わせながら、彼らの洗練されたテクニックとカッチリしたフレーズで、ジャズのようでなくてしっかりジャズをしているところがいい感じ。ノリが良くてスパニッシュ度の比較的高い1曲目にはじまり、温かみのある3拍子の2曲目、メロディをゆったりと聴かせてくれる3曲目、色彩感覚豊かにドラマチックに展開される4曲目、「リターン・トゥ・フォーエヴァー」でも取り上げられていたしっとりとしたタイトル曲の5曲目、ノリが良く一体感のある6曲目、マイケル・ギブス作の淡い感覚の7曲目、おなじみの小品の8曲目、よく弾んで楽しい感じの9曲目。ジャズの新しい流れのひとつを作ったアルバム。

(注)Crystal Silence/The ECM Recordings 1972-79/Gary Burton(Vib)/Chick Corea(P)(ECM 2036-39)で4枚組BOXとして’09年に再発。

1023


Open, To Love/Paul Bley(P)(ECM 1023) - Recorded September 11, 1972. 1. Closer 2. Ida Lupino 3. Started 4. Open, To Love 5. Harlem 6. Seven 7. Nothing Ever Was, Anyway


オリジナル2曲、カーラ・ブレイの曲が3曲、アーネット・ピーコックの曲が2曲という構成。音数が少なく、研ぎ澄まされていて、聴いていてショックを受けました。ソロピアノに新しさを見せた演奏。その研ぎ澄まされ度や音の少なさ、鋭さでは1曲目の「クローサー」が素晴らしい感じです。2曲目は有名なメロディアスな曲ですが、時おり見せるフレーズが、やはり耽美的に流れていきます。優しいメロディを鋭い音使いで包んで、ゆったりとしつつ緊張感を持たせたような3曲目。彼らしさが出ていて空間的かつ緊張感を強いるタイトル曲の4曲目も素晴らしい。彼流のほんのりしたブルースフィーリングといった感じで進む5曲目、やや抽象的で淡い水彩画のように語りかけてくる6曲目、静かで硬質な響きが印象的な6曲目。

1022


Return To Forever/Chick Corea(P)(ECM 1022) - Recorded February 1972. Joe Farrel(Fl, Ss), Flora Purim(Vo, Per), Stan Clarke(B), Airto Moreira(Ds, Per) - 1. Return To Forever 2. Crystal Silence 3. What Game Shall We Play Today 4. Sometime Ago-La Fiesta


言わずと知れた有名盤で、ECMとしては異色なアルバム。このアルバムが人気の出た理由は、親しみやすくて分かりやすいメロディにあったと思います。エレキ・ピアノなので、今考えるとクロスオーヴァーの走りですが、サウンドはちょっと古さを感じさせつつもカッコ良く、曲自体は素晴らしいものが多いです。作詞を除いて全曲チック・コリアのオリジナル。1曲目からおなじみのメロディが奏でられ、ドラマチックに展開していきます。曲はいくつかの部分をつなぎ合わせた感じ。フローラ・プリムのスキャットも印象的。エレキ・ピアノを中心に淡々と進んでいく2曲目、リラックスして軽快なヴォーカル入りの3曲目、ヴォーカル入りの前半とおなじみの「ラ・フィエスタ」とのスパニッシュ風メドレーで何と23分も続く4曲目。

1021


Ruta + Daitya/Keith Jarrett(P)/Jack DeJohnette(Per)(ECM 1021) - Recorded May 1971. - 1. Overture - Communion 2. Ruta + Daitya 3. All We Got 4. Sounds Of Peru - Submergence - Awakening 5. Algeria 6. You Know, You Know 7. Pastel Morning


曲によってエレキピアノが入りますが、2人の路線を共演で行うとこうなる、というような雰囲気での演奏。大半が2人の共作。厳かにはじまったと思ったら後半ロック的な展開でビートが効いてくる1曲目。そして、11分台もの2曲目ではフルートを時々効果的に自由に吹いて、アコースティックピアノにチェンジする、やや牧歌的でドラマチックな展開のタイトル曲が、やはりアルバムの方向性を引っ張っています。エレキピアノでやはりビートの効いた小品の3曲目、キリッとしたマイナーな展開にはじまって、中盤部に速いパッセージが続き、明るい8ビートが後半続く4曲目のメドレー、フルートでのアフリカの香り漂う5曲目、エレキピアノでポップスのノリのような6曲目、タイトル通り静かな朝を表現している7曲目。

1020


Piano Improvisations Vol.2/Chick Corea(P)(ECM 1020) - Recorded April 21 and 22, 1971. - 1. After Noon Song 2. Song For Lee Lee 3. Song For Thad 4. Trinkle Tinkle 5. Masqualero 6. Preparation 1 7. Preparation 2 8. Departure From Planet Earth 9. A New Place (1)Arrival (2) Scenery (3) Imps Walk (4) Rest


チック・コリアのピアノ・ソロ第2集ですが、録音されたのは第1集と同じ日です。やはり端正な演奏。タイトルのように午後の陽射しを浴びながらゆったりと聴きたい1曲目、やや憂いを帯びた表情を示す2曲目、カッチリとした、哀愁もほのかな3曲目、セロニアス・モンク作のやや斬新な解釈の4曲目、ウエイン・ショーター作のドラマチックな構成でちょっと爆発もある5曲目、やや抽象的なつながりの速いパッセージの続く6曲目、表情は少し変わりますが、やはり速い抽象的な演奏の小品の7曲目。そして8、9曲目はそれぞれ「地球からの出発」、「新しい場所」(組曲)と、両方合わせて20分ほどになる、音で表わしているドラマです。ドラマチックではありながら、やはり絵画的で抽象的な構成が中心になります。

(注)Solo Piano/Improvisations/Children's Songs/Chick Corea(P)(ECM 2140-42)の3枚組BOXとして’10年に再発。

1018


Paris-Concert/Circle(ECM 1018/19) -Recorded February 21, 1971. Anthony Braxton(Reeds, Per), Chick Corea(P), David Holland(B), Barry Altshul(Per) - 1. Nefertitti 2. Song For The Newborn 3. Duet 4. Lookout Farm - 73゜ Kalvin(Variation-3) 5. The Room - Q&A 6. No Grater Love


「A.R.C.」のメンバーにアンソニー・ブラクストンが加わったグループ「サークル」のライヴ。基本はフリージャズ。ここでも1曲目は「ネフェルティティ」で、ブラクストンはアグレッシヴ、コリアはカッチリといった印象で、自由度が高くかつドラマチックな演奏。何と19分にわたって展開されています。緩急自在なフレーズの、やはりフリーのベースソロの2曲目、フリーの中に美しさと咆哮が共存する、ピアノとサックスのデュオの3曲目、前半7分半がドラムソロでその後フリーになだれこんでいく16分台の4曲目、音のせめぎあいだったりメロディが舞ったりと自在に進んでいく、何と24分台もの5曲目、そうしてここでは珍しいスタンダードの、やはりフリーにも向かう17分もの6曲目。CD2枚組なので、聴くのに体力を要します。

1017


Facing You/Keith Jarrett(P)(ECM 1017) - Recorded November 10, 1971 - 1. In Front 2. Ritooria 3. Lalene 4. My Lady, My Child 5. Landscape For Future Earth 6. Starbright 7. Vapallia 8. Semblence


キース・ジャレットの、長い長い即興ソロ・ピアノ時代の幕開け的アルバム。まだ1曲がそれほど長くなく、タイトルもついていました。ピアノの音が他のアルバムと比べて人工的な感じも。豪快な8ビート・フォーク調の出だしから静かな場面へと変わっていく10分台の1曲目は将来への予感。緊張感のある耽美的なフレーズが紡ぎ出されるバラードの2曲目、フォーク調に淡々と、時に素早くメロディを綴っていく3曲目、家族の事を想って演奏されたと思われる美しい4曲目、心象風景を表現しているかのような比較的ゆったりした5曲目、星のきらめきが感じられる6曲目、ゆったりとした左手の上を舞う右手の7曲目、メロディと伴奏が絡み合って聞こえてくる8曲目。全体を通して、不思議なタイム感覚。(01年8月22日発売)

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