ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了。Wattレーベル、Works、:rarumシリーズは言及する予定なないです。

カテゴリ: ジャズ

2575

End To End/Barre Phillips(B)(ECM 2575)(輸入盤) - Recorded March 2017. - Quest: 1-5. Part1-5   Inner Door: 6-9. Part1-4 Outer Window: 10-13. Part1-4

(18/09/24)全曲ベース・ソロでバール・フィリップスの即興演奏と思われる。収録時間は43分ほど。録音当時83歳で、おそらくソロのアルバムとしては彼の最後のものになるのではないかとのこと。ECMらしく、静かな中でアルコ奏法とピチカート奏法その他を交えて、割とゆったりと進んでいきます。これまでの人生を見渡しているように聴こえますが、あるがままに音を発しているようでもあります。高齢の奏者のインプロヴィゼーションとしては、なかなか冴えていて、速いフレーズはないにしても、ベースの音色も良く、奏法的にもいろいろなアイデアで演奏して聴かせてくれています。確かに曲目通り、組曲的なドラマを感じます。こういう場はなかなか貴重。ただやはり聴く人を選ぶアルバムで、頭の上を素通りしていく人もいるかも。

2574

For 2 Akis/Shinya Fukumori(Ds) Trio(ECM 2574)(輸入盤) - Recorded March 2017. Walter Lang(P), Matthieu Bordenave(Ts) - 1. Hoshi Meguri No Uta 2. Silent Chaos 3. Ai San San 4. For 2 Akis 5. The Light Suite 6. No Goodbye 7. Spectacular 8. Mangetsu No Yube 9. Emeaude 10. When The Day Is Done 11. Hoshi Meguri No Uta (Var.)

(18/02/20)福盛進也作は、2、4、5曲目後半、7曲目、Walter Lang作は6、10曲目、Matthieu Bordenave作が9曲目、間に日本の滝廉太郎、宮沢賢治その他の曲がちりばめられています。日本の歌唱集のような印象だけど、意外にオリジナル割合が多い。メロディはあくまで優しく、そしてゆったりとした「ECMサウンド」で奏でられていて、これはどう見ても(聴いても)、ECMそのものとしての録音ですね。ただ、日本人が聴くのと、欧米人が聴くのとでは印象が違うと思います。欧米人からはある種の東洋のエキゾチックさというのものが、割と強く感じられるのでは。聴いた感じ、ゆったりしていて、ここではほんのりと温かみも感じられるような演奏で、しかも親しみのあるメロディ。これは強いですね。一度は聴いてみたい音楽。

2573

Unloved/Maciej Obara(As) Quartet(ECM 2573)(輸入盤) - Recorded January 2017. Diminik Wania(P), Ole Morten Vagan(B), Gard Nilssen(Ds) - 1. Ula 2. One For 3. Joli Bord 4. Unloved 5. Sleepwalker 6. Echoes 7. Storyteller

(17/11/22)タイトル曲の4曲目のみクリストフ・コメダ作で、他は全曲Maciej Obara作曲。彼はポーランド出身で、ECMでは初リーダー作なれど、他ではアルバムあり。前半テンポ感のあまりない、ゆったりした、時に盛り上がる演奏は北欧のジャズに近く、メンバーもノルウェー出身が混ざっていて、いかにもECMという感じの演奏です。むしろ安心して聴ける、その典型的な、やや寒色系でしっとり感のあるサウンドの1曲目。リズム的には多少変わるものの、北欧的な雰囲気のある曲が続きます。4曲目のコメダ作は、やはりメロディの強度があって、この曲は浮かび上がってきます。ところが5曲目は激しく、6曲目はフリー調からかなり盛り上がり。この5-7曲目あたりで、硬派な北欧的なジャズもやっていると、印象も軌道修正。

2572

Nahnou Houm/Jon Balke(Key)/Siwan(ECM 2572)(輸入盤) - Recorded January 2017. Mona Boutchebak(Vo), Derya Turkan(Kemence), Helge Norbakken(Per), Pedram Khavar Zamini(Tumbak), Barokksolistene: Bjarte Eike(Vln, Leader), Alison Luthmers(Vln), Oivind Nussle(Vln), Milos Valent(Viola), Per Buhre(Viola), TOrbjorn Kohl(Viola), Judith Maria Blomsterberg(Cello), Mime Brinkmann(Cello), Johannes Lundberg(B) - 1. Duda 2. Desmayer Se 3. Castigo 4. Del Rey 5. Ma Kontou 6. Nahnou Houm 7. Zem Zemeh 8. Aun Beniendo 9. Arco Y Flecha 10. Sin Nada Querer 11. Itimad

(17/11/21)SiwanのECM2作目、5曲目がアンダルシアのトラディショナルで、7曲目はメンバーのPedram Khavar Zaminiの打楽器の曲以外は全曲ヨン・バルケの作曲。11世紀から17世紀にかけてのスペインの詩を、曲にのせて歌っていますが、この時期はイスラム教からキリスト教にかけての時期ではなかったか。ヴォーカルはアルジェリア人。そのイスラムの音楽のような主要メンバーとバックの弦楽はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ベースと西洋のもの。でも旋律はアラブの味のところも。ヴォーカルのエキゾチックさと相まって、アラブと西洋の折衷的な民族音楽が繰り広げられています。スペインのアンダルシアも地域的、音楽的には興味深いので、これはバルケにしかなし得ないような、独特な世界観が広がっています。

2570

Pelagos/Stefano Battaglia(P, Prepared P)(ECM 2570/71)(輸入盤) - Recorded May 2016. - 1. Destino 2. Pelagos 3. Migralia 4. Lamma Bada Yatathanna 5. Processional 6. Hapiap 7. Dogon 8. Life 9. Lampedusa 10. Hora Mindi 11. Lamma Bada Yatathanna(Var.) 12. Exilium 13. Migration Mantra 14. Horgos E Roszke 15. Ufratu 16. Heron 17. Brenner Toccata

(17/09/20)イタリアでのライヴと客がいないところの録音らしく、CD2枚組。4、11曲目はアラブ地方のトラディショナルで、他は全てステファノ・バターリアの作曲。神秘的でクラシカルな場面も目立ち、ECMとしての想定の範囲での演奏を感じ取ることができます。ほとんど激しい演奏というのはなく、どちらかというと、いや、かなり静かな演奏で、作曲とはあるものの、整ったフリー・インプロヴィゼーションに近いものかもしれないです。そして心なしか瞑想的な音の繰り返しがあって、夢見心地な世界へ誘ってくれる場面もあります。それでも、曲によっては、激しくはないんだけど重々しい感じで多少緊張感を感じる曲も。また、プリペアード・ピアノを使っている曲はやはりある程度実験的か。彼のアルバムは2枚組が多いのも納得。

2569

Inland Sea/Stephan Micus(All Instruments and Voice)(ECM 2569)(輸入盤) - Recorded 2014-2016. - 1. Haze Spwing Wind 3. Dawn 4. Flor Del Sur 5. Reading Storm 6. Dancing Clouds 7. VIrgen De La Mar 8. For Shirin And Khosru 9. Dusk 10. Nuria

(17/07/07)全曲作曲と演奏はStephan Micus。無国籍的民族音楽。ここではフィンランドのフィドルNyckelharpaが新しいそうだけど、2曲目では尺八もあったりと、あっちへ行ったりこっちへ行ったりの、意外な民族楽器の組み合わせの無国籍的な民族音楽が、穏やかに、そしてミステリアスに展開していきます。ECMへの持ち込み音源だと思われますが、JAPO時代も含めてこれで22作目というのが、息も長いし、すごいです。それだけ独自の世界を築き上げてしまっているということ。ジャズでもなければ民族音楽というには、あまりにも雑多な楽器を使っていて、どこの国の音楽か特定できない。それでいて何となく気になるミュージシャン。ヴォイスも興味深い。おそらくは録音に専念しているんだろうけど、ライヴも聴いてみたい。

2568

Near East Quartet/Sungjae Son(Ts, Bcl)(ECM 2568)(輸入盤) - Recorded December 2016. Suwuk Chung(G), Yulhee Kim(Vo, Per), Soojin Suh(Ds) with Sori Choi(Per on 3) - 1. Ewha 2. Mot 3. Baram 4. Galggabuda 5. Garam 6, Pa:do 7. Ebyul 8. Jinyang

(18/09/12)2、4、6曲目が韓国の伝統音楽(トラディショナル)で、他はSungjae Sonの作曲。韓国の伝統楽器のパーカッションも3曲目に使ってますが、ブラインドだとやはり民族音楽的なECMサウンドで、こちら方面が好きな方は見事にハマるのでは。写真ではメイン4人のうち、ヴォイスとドラムスが女性。ちょっと元気な曲も、ドローン的に管楽器がのびる演奏でも、自由な演奏が多く、やはりレーベルカラーというものはあるのだなと思います。韓国のジャズというのはあまり日本には入ってこないけれど、ECMの売り上げは日本より韓国の方が多いらしいので、この流れは必然かも。このような音楽をバックに曲によって出てくるヴォイスが、神秘的に、そしてやはり東洋的に響いてきます。もちろんSun Chungがプロデューサー。

2566

Provenance/Bjorn Meyer(B)(ECM 2566)(輸入盤) - Recorded August 2016. - 1. Aldebaran 2. Provenance 3. Three Thirteen 4. Squizzle 5. Trails Crossing 6. Traces Of A Song 7. Pendulum 8. Banyan Waltz 9. Pulse 10. Dance 11. Garden Of Silence 12. Merry-Go-Round

(17/09/19)11曲目のみAsita Hamidi作(全曲この人に想いを寄せてというのがテーマ)で、他は全曲Bjorn Meyerの作曲。6弦エレクトリック・ベースとアコースティック・ベース・ギターとあるので、ギタータイプのベースを使用していると思う。ニック・ベルチュのRoninのメンバーでもあったよう。多重録音の曲もあって、出てくる音は音響系や、ミニマル系な、静かな演奏が多いけれと、曲によっては、Roninよりははっきりとしたメロディが出ている曲もあります(3、6-7曲目)。4曲目はフリー的な部分もある、やや激しさを持った曲。メロディよりはアルペジオでのコード(?)の変化で語り掛ける曲(5、8曲目)もあります。ギターの曲のような10曲目。しっとりとした11曲目。一部の曲を除いて、やはり環境系という言葉が似合います。

2560

The Gleaners/Larry Grenadier(B)(ECM 2560)(輸入盤) - Recorded December 2016. - 1. Oceanic 2. Pattiford 3. The Gleaner 4. Woebegone 5. Gone Like The Season Days 6. Compassion/The Owl Of Cranston 7. Vineland 8. Loveair 9. Bagatelle 1   10. Bagatelle 2   11. My Man's Gone Now 12. A Novel In A Sigh

(19/02/24)5曲目がレベッカ・マーティン作、6曲目前半がジョン・コルトレーン作、後半がポール・モチアン作、9-10曲目がウォルフガング・ムースピール作、11曲目がジョージ・ガーシュイン作で、他は全曲ラリー・グレナディア作。オリジナルの曲はアルコ奏法もあればピチカート奏法のものもあって、自由に演奏しているんだけどメロディアスな感じで、フリーっぽい演奏とは一線を画しています。アルバム1枚分ベース1本での演奏はけっこう難しいと思いますが、それを聴かせてしまうところがスゴいですね。3曲目など、音を重ねていると思われるところもありますけど、それはそれでいいんじゃないかと。ECMらしく、極端な速弾きは少ないですけど、さすがグレナディアの」ベースです。音といいフレーズといい文句なしです。

2559

Obsidian/Kit Downes(Pipe Org)(ECM 2559)(輸入盤) - Recorded November 2016. Tom Challenger(Ts on 5) - 1. Kings 2. Black Is The Colour 3. Rings Of Saturn 4. Seeing Things 5. Modern Gods 6. The Bone Gambler 7. Flying Foxes 8. Ruth's Song For The Sea 9. Last Leviathan 10. The Gift

(18/01/20)2曲目がトラディショナル、10曲目が共作の他は全曲Kit Downesの作曲。アルバムはジョン・テイラーに捧げるとあります。パイプ・オルガンのソロのジャズ・アルバム(5曲目のみテナー・サックスとのデュオ)はかなり珍しいけど、いわゆるジャズ色はなく、クラシックとして扱うにはちょっとメロディ感があるかな、という感じです。プロデューサーはSun Chung。まあ、クラシックとボーダーレスなこのレーベルではこういうものもアリかな、と思いますが、インプロヴィゼーションもあってもジャズとしてとらえるには、かなり聴く人を選ぶだろうな、という感想です。ただECMファンには、こういうのはけっこういい、という人も多そうで、そういう意味では荘厳な感じもあるし、面白そうなアルバム。パイプ・オルガンは初めてではないし。

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