ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了。Wattレーベル、Works、:rarumシリーズは言及する予定なないです。

カテゴリ: ECM1051-1100番

1078


The Plot/Enrico Rava(Tp)(ECM 1078)(輸入盤) - Recorded August 1976. John Abercrombie(G), Palle Danielsson(B), Jon Christensen(Ds) - 1. Tribe 2. On The Red Side Of This Street 3. Amici 4. Dr. Ra And Mr. Va 5. Foto Di Famigila 6. The Plot


(99/01/16)このメンバーでは2枚目のアルバム。全曲エンリコ・ラヴァのオリジナルないしは共作。彼の哀愁を帯びたトランペットはもちろん前面に出ていますが、ギター度も高いです。サウンド的には適度な浮遊感覚。ストレートで親しみやすいメロディとやや過激なバックとのアンサンブルが面白く、中間部では過激路線に入って行く1曲目、静かでスペイシーな、哀愁が漂うメロディの2曲目、自由度が高くてテンポの良いラテンタッチのバックの上をマイペースで吹いているトランペット、そしてギターも弾きまくる3曲目、3拍子系のエキゾチックに盛り上がる4曲目、渋くて哀愁度も高いギターとのデュオの5曲目、流れるように進んでいき、中ほどからドラマチックに盛り上がっていく15分台のタイトル曲の6曲目。

1077


Nan Madol/Edward Vesala(Ds, Per, Harp, Fl)(ECM 1077)(輸入盤) - Recorded April 25 and 26, 1974. Elisabeth Leistola(Harp), Kaj Backlund(Tp), Juhani Aaltonen(Sax, Fl, Bells, Voice), Seppo Paakkunainen(Ss, Fl), Pentti Lahti(Ss, Bcl), Charlie Mariano(As, Fl, Nagaswaram), Juhani Poutanen(Vln, Avlin, Voice, Bells), Sakari Kukko(Fl), Mircea Stan(Tb), Teppo Hauta-aho(B, Voice) - 1. Nan Madol 2. Love For Living 3. Call From The Sea 4. The Way Of... 5. Areous Vlor Ta 6. The Wind


(02/05/25)エドワード・ヴェサラのドラムスはパルシヴでパーカッシヴな感じなのですが、ここでは作曲やアレンジの方にも重きをおいているようなサウンドの曲が多いです。タイトル曲の1曲目は重厚な音が漂っていくような、6人で音を出しているわりにはシンフォニックなイメージのある曲。彼が楽器をハープ(これもなかなか)に持ちかえてサックスとのデュオを繰り広げる2曲目、多重録音と思われるパーカッションソロの3曲目、そして彼のパルシヴなドラムスとドラマチックでフリーな展開が聴ける12分台の4曲目、オリエンタルな香りのあるメロディからフリーブローイングになだれこむ9人編成での12分台の5曲目、厳かなオーケストレーションと効果音で、まさにヨーロッパの暗い「風」を意識するような6曲目。

1076


Mountainscapes/Barre Phillips(B)(ECM 1076) - Recorded March 1976. John Surman(Bs, Ss, Bcl, Synth), Dieter Feichtner(Synth), Stu Martin(Ds, Synth), John Abercrombie(G) - 1. Mountainscape 1 2. Mountainscape 2 3. Mountainscape 3 4. Mountainscape 4 5. Mountainscape 5 6. Mountainscape 6 7. Mountainscape 7 8. Mountainscape 8


曲名がマウンテン・スケープ1~8なので、組曲形式なのでしょうか。シンセサイザーを本格的に使用しているアルバムとしてはけっこう古い方で、うまく全体のサウンドにマッチしています。1曲目はさっそくジャズロックとインプロヴィゼーションの雰囲気をダイレクトに伝えます。シンセサイザーをバックにサックスが彩りを添える2-3曲目、ベースが比較的前面に出ていてサックスとの相性も良いゆったりした4曲目、スペーシーなワン・コードの曲の上をアグレッシヴにサックスが歌う5曲目、民族音楽的のようでもあり幻想的な6曲目、シーケンサーとベースで演奏される叙情世界の7曲目。ジョン・アバークロンビーは8曲目に参加していて、ある意味でビートが効いたフリーに近いサウンドの中をサックスと自由に飛び回ります。(99年10月1日発売)

1075


Dansere/Jan Garbarek(Sax)/Bobo Stenson(P) Quartet(ECM 1075)(輸入盤) - Recorded November 1975. Palle Danielsson(B), Jon Christensen(Ds) - 1. Dancere 2. Svevende 3. Bris 4. Skrik & Hyl 5. Lokk (Etter Thorvald Tronsgard) 6. Til Vennene


(02/05/04)このメンバーによる2作目。ほとんどの曲はヤン・ガルバレクのオリジナル。曲名も全曲北欧の言語圏のタイトルのようで、やはり北欧の温度感の低いサウンドが伝わってきます。1曲目はタイトル曲で、何と15分台の曲。ソロにコラボレーションにと、淡々と、しかし静かではあってもドラマチックで、情念が内面で燃え上がるように語りかけてきます。スペイシーなフリーのビートの上を哀愁漂うサックスが舞っているような印象の2曲目、4ビートではないのですが、けっこう盛り上がって彼ら流にジャズしている3曲目、わずか1分30秒でのサックスの多重録音による4曲目、静かに静かに演奏が繰り広げられる、これのみオリジナルでない5曲目、研ぎ澄まされた繊細なサウンドを聴くことができる6曲目。

(注)Dansere/Jan Garbarek(Ss, Ts, Bass-s, Fl)(ECM 2146-48)の3枚組BOXとして’12年に再発。

1074

Untitled/Jack DeJohnette’s Directions(Ds, Ts on 4)(ECM 1074)(ストリーミング配信) - Recorded Fenruary 1976. John Abercrombie(G), Alex Foster(Ts, Ss), Mike Richmond(B), Warren Bernhardt(P, Key, Clavinet, Cowbell) - 1. Flying Spirits 2. Panasori Visions 3. Fantastic 4. The Vikings Are Coming 5. Struttin 6. Morning Star 7. Malibu Reggae

(19/09/23)6曲目のみウォーレン・バーンハートの作曲で、ジャック・ディジョネット作が1、4、7曲目、他の曲は彼と出演者の共作のインプロヴィゼーション。ディレクションズというグループ名。8分の6拍子のようで変拍子のリズムでドラムスを中心にサックスやキーボードなどがスピリチュアルに絡んでいく13分台の1曲目、ギターとドラムスで東洋の?民族音楽的に曲がエキゾチックに展開する2曲目、バーンハート以外の参加でエレキベースとビートの効いたフリーファンク的なインプロヴィゼーションの3曲目、ディジョネットがサックスを吹く明るいバラードの4曲目、ドラムス、ギター、サックスの丁々発止のフリーの5曲目、メロディアスなんだけどテーマ部その他が変拍子っぽい6曲目、中間部はレゲエポップのような7曲目。

1073


Bright Size Life/Pat Metheny(G)(ECM 1073) - Recorded December 1975. Jaco Pastorius(B), Bob Moses(Ds) - 1. Bright Size Life 2. Sirabhorn 3. Unity Village 4. Missouri Uncompromised 5. Midwestern Nights Dream 6. Unquity Road 7. Omaha Celebration 8. Round Trip/Broadway Blues


8曲目以外はパット・メセニーの曲。ギター度は当然のことながら高いです。ジャコパストリアスの参加にも注目で、彼のフレットレス・ベースも縦横無尽に泳ぎ回ります。ノリの良い、明るい印象的なテーマを持つ1曲目、水彩画を見ているようなハーモニーとメロディに導かれていくスローテンポの2曲目、ギターの多重録音で味わい深く聴かせる3曲目、かなり勢いがあってジャズっぽいノリもけっこうイケる4曲目、時々紡ぎ出されるメロディが淡々と曲の中にある哀愁を語っていく5曲目、元気があるのだけれど曲調のマイナーさ加減とそのメロディが調和をもたらしている6曲目、8ビート的なノリで軽快に進んでいく7曲目、オーネット・コールマン作で4ビートの形をとりながらけっこう自由度の高い8曲目。(02年9月19日発売)

1072


Dreams So Real/Gary Burton Quintet(Vib)(ECM 1072) - Recorded December 1975. Mick Goodrick(G), Pat Metheny(G), Steve Swallow(B), Bob Moses(Per) - 1. Dreams So Real 2. Ictus/Syndrome 3. Jesus Maria 4. Vox Humana 5. Doctor 6. Intermission Music


カーラ・ブレイの作品集。ホンワカした、それでいて温度感があまり高くないグループのサウンドと、カーラ・ブレイの曲のメロディアスさがうまくマッチしています。そのホンワカムードとメロディアスという要素でゆったりとはじまる1曲目、テーマがけっこうハードで面白く、ややフリー的な展開からノリの良い4ビートに移ってのギターソロやヴァイブラホンのソロが面白い、2曲メドレーでの10分台の2曲目、ヴァイブラホンのみでしっとりと静かに語りかけてくる3曲目、メロディもノリも、ソロまでもがポップス的で陽気な4曲目、スピーディなメロディ展開なのだけど浮遊間を伴う不思議なメロディの5曲目、メロディアスさと複雑さが入り混じったような曲調で聴かせてくれる、やや哀愁路線の6曲目。ギター度は少し上がったかも。

1071


Balladyna/Tomasz Stanko(Tp)(ECM 1071)(輸入盤) - Recorded December 1975. Tomasz Szukalski(Ts, Ss), Dave Holland(B), Edward Vesala(Ds) - 1. First Song 2. Tale 3. Num 4. Duet 5. Balladyna 6. Last Song 7. Nenaliina


(02/05/25)ほとんどがトーマス・スタンコのオリジナルまたは共作。哀愁路線のサウンドかと思いきや、ホーンのユニゾンのテーマを経て、けっこうハードにブローイングしたフリー寄りの1曲目でビックリ。2曲目はサックスを除くトリオでの、比較的静かながら緊張感のあるフリー・インプロヴィゼーション。エドワード・ヴェサラ作のゆったりとした混沌の中に2管のメロディが自由に漂う3曲目、タイトル通り、トランペットとベースが寄り添いながら歩んでいくデュエットの4曲目、ゆっくりとしたベース・ドラムスの上をやや哀愁を伴いながらホーンがさまよっていくタイトル曲の5曲目、落ち着きながらもドラムスが叩きまくって盛り上がっていく6曲目、ドラムスがポイントとなりながらも、静かに寄せては返していく波のようなサウンドの7曲目。

1070


Arbour Zena/Keith Jarrett(P)(ECM 1070) - Recorded October 1975. Jan Garbarek(Ts. Ss), Charlie Haden(B), Mambers Of Radio Symphony Orchestra - 1. Runes 2. Solar March 3. Mirrors


邦題「ブルー・モーメント」。全曲キース・ジャレットのオリジナル。オーケストラとの共演ですが、1-2曲目参加のチャーリー・ヘイデンの粘り気のあるベースがジャズそのもので、面白い効果を出しています。1曲目は、かなりクラシックの味付けの、ゆったりした静かな曲調を持っている15分台の曲。中間部にはソロ・ピアノの部分もあって、後半部のサックスも含めて、しっとり感は高め。2曲目も前半はやや温かみはあるけれどもゆったりとした流れの曲で、ベースがメロディを奏でている雰囲気がありますが、後半盛り上がって哀愁度が増してきます。3曲目は27分台の曲で、クラシックを基調にピアノとサックスが絡んでくる曲調。緩やかではありますが、ドラマチックな展開をしていきます。溶けこむピアノと寄り添うサックス。

1069


Gnu High/Kenny Wheeler(Flh)/Keith Jarrett(P), Dave Holland(B), Jack DeJohnette(Ds)(ECM 1069) - Recorded June 1975. - 1. Heyoke 2. Smatter 3. Gnu Suite


全曲ケニー・ホイーラーのオリジナルなので、彼のリーダー・アルバムと考えて良いと思いますが、ここでは、あまり自己のグループ以外共演しないキース・ジャレットがピアノで参加している点が興味をひきます。彼のピアノはアルバムを通してけっこう印象的。また、ホイーラーもエッジの効いた音やフレーズを出しています。1曲目は少々冷めた色調でスタートしますが、ホーン、ピアノ、ベースと、それぞれの楽器が、あるいはそのサウンドがドラマチックに表情を変えていく21分台の曲で、中間部にソロ・ピアノの部分もあります。2曲目は温度感はそのままに盛り上がります。3曲目もやはり曲調やリズムが緩急自在に変化していく12分台の曲。そのサウンドのドラマ性から、通して聴きたい統一感のあるアルバム。

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