ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

カテゴリ: ECM1201-1250番

1250


Blue Sun/Ralph Towner(G, P, Synth, French Horn, Cor, Per)(ECM 1250)(輸入盤) - Recorded December 1982. - 1. Blue Sun 2. The Prince And The Sage 3. C.T. Kangaroo 4. Mevlana Etude 5. Wedding Of The Streams 6. Shadow Fountain 7. Rumours Of Rain


(03/02/09)さまざまな楽器を使った一人多重録音によるアルバム。シンセサイザーの包まれるようなサウンドが効果的に使われています。タイトル曲の1曲目は「青い太陽」の割にはほのかに暖かい印象を受ける曲。ギターが繊細にメロディアスに、しかもしっとりと奏でられていて、哀愁を感じさせる2曲目、シンセサイザーを中心にパーカッションが彩りを添える、ややノリの良いメロディの3曲目、幻想的で浮遊感のあるギターのアルペジオで厳かに進んでいく4曲目、何となく昔のパット・メセニー・グループを連想させる、広い風景が見えてくるような5曲目、シンセサイザーを中心にドラマチックに盛り上がって発展していく6曲目、静かにメロディが漂っている、起伏がある中にどこか沈静した雰囲気のある11分台の7曲目。

1249


Trommelgefluster/Harald Weiss(Per, Voice)(ECM (New Series) 1249)(輸入盤) - Recorded September, 1982. - 1. Part 1 2. Part 2


(03/09/19)New Seriesから出ているものの、パーカッションと、時々ヴォイスによる硬質なジャズのインプロヴィゼーションという感じ。1曲目はビートやパルス感の感じる部分の方が多めで、メロディックなパーカッションも使用しています。たまに入るヴォイスは男声にしてはやや高めで、独特な雰囲気を持っています。2曲目は前半でエレクトロニクスが入ったり、ゆったり系の部分もあるドラマチックな曲。2曲38分ほどを飽きさせない展開。

1248


The Ballad Of The Fallen/Charlie Haden(B)(ECM 1248) - Recorded November 1982. Carla Bley(P), Don Cherry(Tp), Sharon Freedman(Flh), Mick Goodrick(G), Jack Jeffers(Cuba), Michael Mantler(Tp), Paul Motian(Ds), Jim Pepper(Ts, Ss, Fl), Dewey Redman(Ts), Steve Slagle(As, Ss, Cl, Fl), Gary Valente(Tb) - 1. Els Segadors 2. The Balld Of The Fallen 3. If You Want To Write Me 4. Grandola Vila Morena 5. Introduction To People 6. The People United Will Never Be Defeated 7. Silence 8. Too Late 9. La Pasionaria 10. La Santa Espina


邦題「戦死者たちのバラッド」。’60年代のインパルス盤に続く2枚目の位置づけ 。アレンジはカーラ・ブレイ。ECMには珍しくビッグバンドで、しかも思想的でメロディアスな感じの曲が続きます。曲としてだけ聴いてもその完成度は高く、聴きごたえがあるアルバム。哀しみに満ちたトラディショナルの1曲目ではじまります。エルサルバドルの民謡というタイトル曲の2曲目も心に深く入り込み、そのままテンポの速い3曲目に。マーチなのだけれどもメッセージ性を感じる4曲目、ブレイ作の哀愁たっぷりの5曲目、悲しいメロディの小品の6曲目、ヘイデン作の静かに語りかけてくる7曲目、ブレイ作の静かにメッセージを送る8曲目、そして10分を超えるヘイデン作の哀愁満載のクライマックスの9曲目、明暗取り混ぜたラストの10曲目。

1246


All The Magic!/The One And Only/Lester Bowie(Tp, etc)(ECM 1246/47)(輸入盤) - (All The Magic!) - Recorded June 1982. Ari Brown(Ts, Ss), Art Matthews(P), Fred Williams(B), Phillip Wilson(Ds), Fontella Bass(Vo), David Peaston(Vo) - All The Magic 1. For Louie 2. Spacehead 3. Ghosts 4. Trans Traditional Suite 4. Let The Good Times Roll The One And Only (The One And Only) - 1. Organic Echo 2. Dunce Dance 3. Charlie M. 4. Thirsty? 5. Almost Christmas 6. Down Home 7. Okra Influence 8. Miles Davis Meets Donald Duck 9. Deb Deb's Face 10. Monkey Waltz 11. Fradulent Fanfare 12. Organic Echo(Part 2)


(99/05/14)1枚目はバンド編成で、ジャズというよりはもっと分かりやすい曲をさらに分かりやすく、あるいはその上に時々アバンギャルドを重ねて、ところによってはずっとアバンギャルドに、というようなサウンド。ヴォーカルの入った曲もあります。ピアノやベース、ドラムスは入っていますが、ある意味でブラス・ファンタジーにつながるサウンド。こちらはオリジナルが半分ほどの構成。 組曲になっている曲もありますが、作曲者が違う曲も混ざっていて、個々の曲として聴けるような気もします。2枚目はソロでの演奏で、全曲彼のオリジナル。多重録音の部分もあると思いますが、かなりスペイシー(悪く言えばスカスカ)な印象も。2枚組ですが、タイトルもそれぞれについてい て、どうしてこの2枚がカップリングされているのか不明。

1245


Scenes/Michael Galasso(Vln)(ECM 1245)(輸入盤) - Recorded October 1982. - 1. Scene 1 2. Scene 2 3. Scene 3 4. Scene 4 5. Scene 5 6. Scene 6 7. Scene 7 8. Scene 8 9. Scene 9


(03/02/07)何とヴァイオリンのソロによる多重録音。全曲マイケル・ガラッソのオリジナルで、曲目もズバリ「シーン1-9」。ジャズらしさはなく、構築されたインプロヴィゼーションというよりも、ある種のクラシックやヒーリング・ミュージックに近いような雰囲気の曲も。そこはかとなく冷たい色合いですが、曲によっては哀愁が漂っています。淡い感触の1曲目、映画音楽のような2曲目、やや明るいクラシックの室内楽のような3曲目、短調のクラシック編とでも言うべき4曲目、変わっていく色合いの綾織りのような前半と、後半は沈潜した雰囲気の5曲目、淡々とした情景が目の前に広がっていく6曲目、ややエキゾチックな小品の7曲目、明るい陽射しを感じるような8曲目、音の持続と繰り返しを中心に少しずつ表情を変えていく9曲目。

1244

Inflation Blues/Jack DeJohnette's Special Edition(Ds, P, Clavinet, Vo)(ECM 1244)(この番号では未CD化、別番号でCDBOX発売) - Recorded September 1982. Chico Freeman(Ss, Ts, Bcl), John Purcell(Afl, Fl, Reeds, Piccolo Fl, Ack, As, Bs), Rufus Reid(B), Baikida Carroll(Tp) - 1. Starburst 2. Ebony 3. The Islands 4. Inflation Blues 5. Slown Down

(19/11/10)全曲ジャック・ディジョネットの作曲。彼は他にピアノやヴォイスもやってます。他のスペシャル・エディションのアルバムとほぼ内容は変わらないと思うのですが、なぜかCDBOX化されるまで待ちました。出だしのみ静かで、本編で激しい4ビート的なツッコミでけっこう燃えながら突っ走る感じの1曲目、少しメカニカルなテーマをソフトな3管で表現していて、変拍子的ボッサでその表現がドラマチックな進行の、やや淡色系な2曲目、ドラムスをバックにホーンのメンバーが自由に暴れまわって、ドラムスもかなりプッシュしている3曲目、ディジョネット自身のヴォーカルによるレゲエのリズムのノリが良い、本当にレゲエの曲かとも思える4曲目、プッシュするリズムで、ホーンが自由に動き回っていてテンポの良い感じの5曲目。

(注)Jack DeJohnette Special Edition(ECM2296-99)の4枚組CDBOXで再発 ’12年(このアルバムは初CD化)

1243


Codona 3/Collin Walcott(Sitar, Tabla, Voice, Per)/Don Cherry(Tp, Org, Voice, Per)/Nana Vasconcelos(Berimbau, Per, Voice)(ECM 1243)(輸入盤) - Recorded September 1982. - 1. Goshakabuchi 2. Hey Da Ba Doom 3. Travel By Night 4. Lullaby 5. Trayra Boia 6. Cicky Clacky 7. Inner Organs


(03/01/12)このメンバーでの3枚目で最終作。1曲目は日本の民謡らしいですが、該当の曲が不明の10分台の曲。かなり空間的な日本的な表現やそこはかとない日本情緒を保ちつつ、盛り上がっていきます。エキゾチックで無国籍的なワールド・ミュージックの、皆で歌うメロディが印象的な2曲目、静かですがやはりエキゾチックな雰囲気を持って後半フレーズのやり取りが見られる3曲目、曲名通りゆったりと優しいメロディに包みこまれるような4曲目、ヴォイスというかしゃべりをバックにメロディが淡々とゆっくり綴られていく5曲目、何となくアフリカ寄りの味付けもあるヴォイスによって進んでいく6曲目、オルガンの音を中心に散発的に他の楽器やヴォイスが絡んできて、徐々に密度が高くなって盛り上がっていく7曲目。

(注)Don Cherry(Tp, Doussin'gouri, Fl, Org, Melodica, Voice)/Nana Vasconcelos(Belinbau, Cuica, Talking Drum, Per, Voice)/Collin Walcott(Sitar, Tabla, Hammered Dulcimer, Sanza, Timpani, Voice)/The Codona Trilogy(ECM 2033-35)として3枚組BOXとして’08年に再発。

1242


Journey's End/Miroslav Vitous(B)(ECM 1242)(輸入盤) - Recorded July 1982. John Surman(Ss, Bs, Bcl), John Taylor(P), Jon Christensen(Ds) - 1. U Dunaje U Prespurka 2. Tess 3. Carry On, No.1 4. Paragraph Jay 5. Only One 6. Windfall


(99/04/08)低めの温度感を持つサウンドの、ECMらしいアルバム。参加メンバーも良いし、作曲のバランスからも、どちらかと言うと4人の合作のような感じ。ベースソロで静かにスタートして他の楽器が徐々に絡んできて盛り上がっていく、チェコの民謡にインスパイアされたという哀愁の漂う1曲目、しっとりとしているメロディが心に入り込みつつサウンドがドラマチックに展開する2曲目、あらかじめ作曲されたような、全員によるインプロヴィゼーションの3曲目、自由度は高そうながらも皆で盛り上がっていく4曲目、エレキのフレットレスベースを使用していると思われ、ヴィトウスの父親に捧げたという、静かでメロディが散発的に届いてくる5曲目、哀愁路線の浮遊感のあるメロディが心にせまってくる6曲目。

1241


In Line/Bill Frisell(G)(ECM 1241) - Recorded August 1982. Arild Andersen(B) - 1. Start 2. Throughout 3. Two Arms 4. Shorts 5. Smile On you 6. The Beach 7. In Line 8. Three 9. Godson Song


全曲ビル・フリゼールの作曲。アリルド・アンデルセンは1、4、6、8-9曲目に参加。音色、フレーズ、独特の揺らぎなど、今まで全くいなかったタイプのギタリストだったので、ショックを受け ました。聴いていてなごむような感じ 。多重録音なども使って、おおらかな、ある時は映画のバックを流れるようなサウンド。牧歌的で明るく包み込むようなデュオの1曲目、アコースティックとエレキでゆっくりと進んでいく2曲目、クラシックのような薄暮を流れていくメロディが静かな3曲目、寄り添うように語り合うデュオの4曲目、しっとりとスペイシーな5曲目、まるで風の音のような6曲目、マイルドなエスニックの上を時々斬り込んでくるギターのタイトル曲の7曲目、不安な心を覗き込むような8曲目、メロディアスで牧歌的なサウンドの9曲目。

1240


Turtle Dreams/Meredith Monk(Voice, P, Synth)(ECM (New Series) 1240)(輸入盤 ) - Released 1983. Robert Een(Voice), Andrea Goodman(Voice), Paul Langland(Voice, Org), Julius Eastman(Org), Steve Lockwood(Org), Collin Walcott(Org, Didjeridoo) - 1. Turtles Dreams 2. View 1 3. Engine Steps 4. Ester's Song 5. View 2


(03/01/08)全曲メレディス・モンクのオリジナル。1曲目は合唱というよりはオルガンをバックにしたヴォイス・パフォーマンスとでも言うべき17分台の曲。どことなく暗く、エキゾチック。ある時は流れていて、ある時は突き刺さってくるようなヴォイス。2-5曲目はコリン・ウォルコットとのデュオのクレジットのようですが(?)。2、5曲目はアクセントのヴォイスがキリッと入って、 それでいて、ゆったりと時が流れて過ぎ去っていきます。

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