ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

カテゴリ: 書籍・雑誌

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’01年に最初の「ECMの真実/稲岡邦彌著」(河出書房新社刊)がでて、それが好評だったらしく、’09年に「増補改訂版 ECMの真実」が出ました。もう’00年代頭には私はECMのCDの追っかけだったので、これらは全て読んでいます。そこで、今回は発行元を代えて「新版 ECMの真実」(カンパニー社刊)が出ました。内容は増えたところもあって大幅に変わっていて、新たに200ページほど増ページです。そして、本のデザインも良くなったし、意外にコンパクトなサイズで、しかも本文が縦書きから横書きに変更され、ジャケ写などの写真も白黒ですが適宜入れるというこだわりの作りになっています。それだけでもECMのファンには買う価値があるのでは、と思います。

手元に届いたのは、実は20日の昼のことで、増補改訂版と見比べながら、まず内容が変わったところから読み始めてますが、なかなか面白い。第5章に、時間が経っているので新たな記事が加わっていたり、「第7章 対話」「第8章 エッセイ広告」が全く新しい、増えたところの記事となっています。もしかすると、他の部分にも手が加わっているのかもしれませんが、とりあえずは大きなところの紹介を。対話はミュージシャン等への長めのインタビューで、なかなか興味深いです。エッセイ広告はECM初期に、「ユリイカ」「カイエ」の詩の雑誌に詩人や作家がECMについて語る広告を掲載するという、貴重な資料になってます。まだ読書は全部は進んでないのと、あまりネタバレは良くないので、この辺まで。

私もいちおうECMの全部聴きの経験は、何十年もかけてつい先日達成したばかりですし、その経験で「ジャズCDの個人ページ ECM Blog」を作っていますが、あくまでも聴いてどういうアルバムかを紹介するにとどめ、批評や論評など、そこまで深く掘り下げて語っているわけではないので、このような今に至るまで記述のある書籍が出るのを、心待ちにしていました。ましてやECMの初期の頃にディストリビューターとして深く関わり、その後も御活躍している稲岡さんのような方がこういう本を出してくれているので、そこでさらに知識を深めることができます。今回の本の価格は税込み4,180円ですが、迷わずに買いました。この本を先に読んでいたら、もしかしたらECMのCDの処分はしなかったかもしれないなあ、とも思います。置き場所の問題と、今はストリーミングでも聴ける、という短絡的な問題でしたし。ECMファンにはおすすめの1冊です。

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「ECM Catalog 増補改訂版/50th Anniversary」(東京キララ社刊)がAmazonから昨日(12月2日)届きました。まずAmazonに梱包に関する苦言を。1キロ近い重さの分厚い本なので、てっきり段ボールタイプのゆうパケットで来ると思ったら、プチプチで本のサイズが合わないダブダブの柔らかい梱包だったので、本にいくつかぶつけた跡があり、ちょっと本が傷んでました。特にカバーの背表紙のところに少し目立つキズがあったので、5,500円もする本でこの送り方はないだろうと思います(ちょっと自分が神経質かなというところもありますが)。1日のおそらく通販の出荷直前に駅前の本屋で現物を見ていたのですが、その時に通販のキャンセルをすべきだったかなあ、という感想です。まあ、読み込んでいくうちにそれなりに使用感が出るので、返品交換までは求めないですけど。

’10年の最初の本が出ていた時に内容は全部、カタログ誌なのに読んでいて、今回はその続編も含まれるので、内容的にはそんなに眺めるのは時間はかからないだろうと思います。何せ、最近のある時期まで(現在発売されている新しいものはさすがに掲載されていないですが)とはいえ、ECMをその時点までは完全網羅している本なので、自分のようなECM好きにとっては持っているだけで価値があります。ジャケットをカラーで最初の方に掲載し、詳細なデータと文章がその後に続きます。もっとも自分でも、素人なりにECM本編に関しては聴いたコメントをホームページやブログで網羅している(ただしCDと未CD化のストリーミング配信のみ)ので、抜けがないかどうかのチェックに重点が置かれると思いますけれども。

私はこの本の単なる一読者にしかすぎませんが、610ページ「ECMをめぐる人々」という小さいコラムに、私のホームページ名とアドレスだけですが書かれています。’10年の時に出た本にも書かれていましたが、その後プロバイダーの事情でホームページの引っ越しをしなければならなかったので、新しいアドレスが書かれている改訂版は、非常にありがたいと思います。まあ、本の全体の物量からすると、そんな隅まで見る人がどれほどいるのか、という話にはなってきますが。

’10年の時と今と違うのは、この本を片手に’17年からのECMストリーミング配信で、片っ端から聴いていく、ということができるようになった点。そういう聴き方もアリなんじゃないかな、ということで。

この本、市場規模のわりにはけっこうな人気で、またそう遠くない時に売り切れてしまうと思います。編集などに相当ご苦労があったと思いますが、興味ある方は早めに入手してみてください。まあ、この本を買う最後の障壁はお財布の心配でしょうか(笑)。

(追記4日)ある方からの情報で、’10年の初版時に未CD化廃版だったものが、その後CD化されたんだけど、そのままの記事で今回掲載されているところがあると知りました。ちょっと残念ですし、そういう点では私のようにWebでやっているものの方がそういうフォローは楽だなあ、と思いました。(’19年12月3日記)

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最初に「ECMの真実」が出たのが’01年のことで、この当時はブログがなかったため、書いてなかったですが、’09年5月の増補改訂版が出たときには、ブログで触れていなかったでした。そこで改めて、内容に触れてみたいと思います。まずは初版が出たときの感想がホームページに残っていたので、それを。

「ECMの真実」は、結局昨日と今朝で一気に読んでしまいました。ECMに興味のある方は読んでおいて損はない本ではないかな、と思います。裏話的な部分もあって、例えば現在リッチー・バイラークの諸作品が廃盤なのは、リッチー・バイラークとプロデューサーのマンフレート・アイヒャーとのケンカが原因だったとか。この話はある方から噂話として聞いてはいたのですが、冗談かと思っていました。つまり、30年もレーベルを維持していられるのはしたたかな彼の経営的手腕だと思っていたのですけれど、反対に彼の芸術家気質だったということが分かって少々ビックリ。カタログに載っているリストもセールスの実績としてではなく、彼のこだわりで廃盤にしないで残してあるのだということも分かりました。個々のアルバムよりもレーベルとしてのファンが多いということもうなずける内容。リッチー・バイラークのように、本国ドイツで廃盤のものが日本でだけ再発されるケースもあるので、国内盤の再発情報にも要注意ではあります。

ECMの創成期から知る、稲岡氏による文章で、けっこうためになりました。本の内容も、年代を追ってECMについて書いてある部分、それからミュージシャンのエピソードの部分と、ECMを知るうえでは読んでおく必要があると思います。そして増補改訂版では、初版後(初版はECM30周年で作られた)の’00年代のことが付け加わっています。増補改訂版は40周年記念版になってます。ヴォリュームも360ページと読み応え十分。自分も、もう一度読み直ししなければ、と思う本です。(’20年8月31日記)

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先日この独語版を買いましたが、やはりある程度読めなければ、ということで、英語版も入手しました。まあ、本来英語版だけ入手できた方がよかったかもだし、5千円強の余分な出費もしたし、ちょっと回り道をしてしまったかな。でも、オリジナル言語は独語で、英語はその翻訳版なので、手順としては合っている、なんてことを思ったりしています。

今回、独語版を買った時に、内容が興味深かったので、さらにECMに対して知識を深めたいと思い、より読める英語版を入手したという次第です。とは言うものの端から読んでいくわけでもないんでしょうけれども。この本、展覧会用に作ったということを聞いてますので、もしかするとなくなるのも早いかもなあ、と思います。入手されたい方はお早めに。

いろいろな特集とともに、ディスコグラフィーもついていますが、ジャケ写はその部分にはなし。ただ、今はFacebookでECM自身がジャケット写真を出しているので、そちらの方を参考にされた方がいいですね。(’13年3月2日記)

http://www.facebook.com/ecmrecords

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ECM-Eine Kulturelle Archologie(Prestel)

今ミュンヘンで行われているECM展覧会のカタログ(図録) だそうです。私が買ったのは、注文を間違えてしまってなぜかドイツ語版なんですが、英語版は「ECM A Cultural Archaeology」というタイトルです。国内某大手通販でも両方扱ってますが、英語版が欲しい方はくれぐれもお間違えの無きように。

実は、どっちみち写真しか見ないだろうからドイツ語でも注文してしまえ、と思って届いて再びネットを確認したら、英語版もあったんですねえ。いくら大学の第2外国語がドイツ語(4年間やりました)だったといっても、もう忘れちゃっているし、まだ英語の方が良かったかも。

内容的には貴重な写真も多いし、英語、ドイツ語の読めるECMファンの方には貴重なECMに関する文章が多く入っていて、ハードカバーで300ページ強。さて、またドイツ語の勉強でもはじめるとするか(笑)。(’12年12月19日記)

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Horizon Touched/The Music of ECM

Edited by Steve Lake and Paul Griffiths

この本、写真集というわけではないので、発売時に買わなかったのですが、たまたまAmazonで在庫1点あり、値段も6,440円で以前より安くなったような気がしたので、思わず注文してしまいました(笑)。届いてみたら、でかいし、重い(体重計で計ったら2.4kgありました)。しかも、表紙をスキャナーをかけてみたのですが、 A4サイズのスキャナーでは少しはみ出してしまいました。おまけにこの本には黒い立派な外箱がついています。お値段以上の豪華本なのではないでしょうか。

文章(英語)ばかりでなくて、ジャケット写真や録音風景、その他の写真も混ざり、文章を読まないでペラペラとめくっていっても見ごたえはあると思いますが、昔英語を習っていて、少しだけ仕事で使っていた時代も思い出して、ゆっくりと読んでいかないと、ECMの真髄にはなかなか近づいていけないなあ、なんてことを思っています。編集がスティーヴ・レイクとポール・グリフィスというのも興味深いです。

Amazonでつい先日見かけるまでは、買おうという気すらなかったので、まさにめぐり合いですね。この出会いに感謝。でも、英語なので、読んでいくにしても時間と辞書と...。(’10年12月10日記)

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昨日、Amazonより「ECM catalog」(発行:東京キララ社、発売:河出書房新社)の出荷の通知があったのですが、届く時間帯はまちまち。今日の夕方になってやっと届きました。

このECM本、ECMの番号順に解説をつけていく方式の本で、ECMレーベルでは初ですね。ブルーノートとかでは以前からこの形式の本が出ています(それでも新生ブルーノートはないがしろにされてますが)。ECMはブルーノートよりは市場規模が小さいし、現在進行形のレーベルとして、編集作業が難しかったのではないかと思います。実際、企画から発売まで4年かかっているそうです。でも、コアなファンも多いレーベルなので、この本を心待ちにしていた人も多いのではないでしょうか。CDジャケットも最初の200ページ近くを割いて、カラーで掲載されています。

私のホームページも’97年からECMを取り上げはじめて、CDだけですが、集まってコメントも書き上がったのが’06年の5月のこと。けっこう時間がかかってます。当時で約800枚ありました。今回は本の中で、執筆者のひとりの原田さんのコラム(542ページ)に、ちょっとだけですが、私のホームページのURLも載せていただいてます。正直、うれしいです。またMixiの「ECMの深い森」コミュにも言及されてます。最近、やはりECMを中心に扱っていたホームページ「jAZZHOLE」が削除されて消失してまして、ECMを扱う個人のホームページはますます少なくなってきて残念だなあ、と思っていたところです。

百聞は一見にしかず、なので、いろいろ説明するよりは、この本をどこかで手にとってみて、それでできれば入手してほしいな、なんて思っています。こういう本を首を長くして待ってました。私も、手持ちにはない未CD化作品をこの本で楽しむことにします。じっくりと読んだり、ジャケ写を眺めたりしていると、何ヶ月もかかってしまいそう。

この本が出たことで、私のホームページが必要なくなる可能性、というのをちょっと考えていたのですが、本は評論的な短いレビューで、私のHPの方はこんなサウンドで、1曲目はこう、2曲目はこう、とアマチュア的な内容説明のコメントなので、読者的には分けることができ、すみ分けは可能じゃないかな、と思いました。

ECMにズブズブとハマる人が増えることを祈りつつ。(’10年7月13日記)

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「Windfall Light - The Visual Language of ECM」という英語版(他に独語版もあります)の本が出ました。この本はECMのジャケットを中心に紹介する写真の本で、内容的には’96年に出た「Sleeves of Desire - A Cover Story」の続きになります。前の本が出たときは、1500番台の途中までのアルバムのジャケット写真が掲載されていましたが、今回はその続編。

レーベル設立からある程度の期間は音的にもジャケット的にも試行錯誤が続いたと思われますが、今回の書籍が発売されたのは、それ以降’09年の途中までのジャケット写真が中心で、レーベルとしての統一性がとれていて、その集合体として恐ろしいほどまでの芸術性や、美しさを感じ取ることができます。印刷も良く、本物のCDジャケットを眺めているより迫力があって、このレーベルに興味がある方のみならず、デザインや写真などに興味がある人を含めて、この本を見てみる価値はあると思います。

また巻末近くにはECM初期のECM1001から順番に、小さいジャケ写が並んでいて、こちらの方も資料的価値があると言えます。ただし、CDとLPでジャケ違いのものは、どちらを掲載するかで統一性が取れていないケースもあるようです。

それにしても素晴らしい本が出たものです。ジャケット写真や他の写真類にただただ圧倒されるばかり。当分は眺めて暮らす生活が続きそうです。(’09年12月9日記)

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’96年に出た「Sleeves of Desire - A Cover Story」、当時この本を確かディスクユニオンの御茶ノ水店で入手した記憶があります。偶然その時の在庫の最後の1冊でした。値段ははっきり覚えてないけれど、7千円台だったかな。ECM初期から1500番台の途中までの紹介。今年出た「Windfall Light - The Visual Language of ECM」に比べ、大きさはやや小ぶり。そしてジャケット写真も、今よりは幅広いいろいろなデザインがあって、悪く言えばバラバラなところもある感じ。本としての完成度は新作の方が高いと思います。それでも、この2冊の本は、時代的につながっているんですよね。

この本を入手したおかげで、ECMを「集める」という行為に、その後ズブズブと入っていきました。今ではECMの番号付きでCDで発売されたものは、揃っていると思います。何とも罪作りな1冊ではありました。

Sleeves of Desireが入手できなくなって久しいですが、何とかこの本も再印刷してくれないかな、と思います。1-2年前かな? ECM本社に在庫がいくらか発見されて、その在庫分を発売。日本からも注文された方がけっこういたようで、もちろん世界中から注文があったんでしょうね。すぐ売切れてしまったようでした。

手元にあるのはもうボロボロです(写真でも分かりますよね)けど、大事に取っておきたいと思います。(’09年12月10日記)

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書籍(楽譜付きCD)が発売されたので、その写真を掲載させていただきますが、元のCDとあまりデザイン的には変わらないですね。一度は発売前にHMVに注文したのですが、その時は音源としてはすでに持っていて、それで5千円近い値段(マルチバイ価格)はちょっと高いな、と思ってキャンセル。その後様子見をしていたら、HMVでクラシックのマルチバイ40%引きというのがごく僅かの期間(30時間)だけあって、その時に4,200円台にまで下がったので、他のCDと組み合わせて注文したものです。今は聴き返す時間がないので、すいませんがアルバムコメントは’02年に書いたものを再掲載させていただきます。


Tabula Rasa/Arvo Part(ECM New Series 1275)(輸入盤) - Recorded November 1977, October 1983, January and February 1984. - 1. Fratres Gidon Kremer(Vln), Keith Jarrett(P) 2. Cantus In Memory Of Benjamin Britten Staatsorchester Stuttgart, Dennis Russell Davis (Cond) 3. Fratres The 12 Cellists Of The Berlin Philharmonic Orchestra 4, Tabula Rasa Gidon Kremer(Vln), Tatjana Grindenko(Vln), Algred Schnittke(Prepared P), Lithuanian Chamber Orchestra, Saulus Sondekis(Cond)


(02/08/03)現代音楽家アルヴォ・ペルトの第一作品集とのこと。1曲目がヴァイオリンとピアノ(1曲目のみキース・ジャレットが参加しています)、3曲目が12人のチェロ奏者での演奏で、両者は同じ曲でアレンジが違い 、比べるのも面白い。1、3曲目はやはり蒼い落ち着いた色調の作風 だと思います。2曲目は悠久の大河を流れて行くような心地良さ。タイトル曲の4曲目はゆったりとした、心に旋律が入りこんでくるような26分台の曲。

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