ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

カテゴリ: ECM1451-1500番

1489


While We're Young/John Abercrombie(G)(ECM 1489) - Recorded June 1992. Dan Wall(Org), Adam Nussbaum(Ds) - 1. Rain Forest 2. Stormz 3. Dear Rain 4. Mirrors 5. Carol's Carol 6. Scomotion 7. A Matter Of Time 8. Dolorosa


ジョン・アバークロンビー とダン・ウォールの曲が半々なので、実質双頭アルバムか。昔ながらのハモンドオルガンの音ですが、全体のサウンドはクールなまとまり。また、曲の構成もオルガンジャズの路線から大きく外れていて新鮮です。静かな場面からはじまって実に温度感の低い1曲目、持続音のオルガンがバックで2人のやや激しいフリー・インプロヴィゼーションが繰り広げられる2曲目、しっとりとした「雨」のようなゆったりめのバラードの3曲目、アップテンポの4ビートもあるけれども冷ややかでスリリングな4曲目、ちょっとジャジーながらも4ビートにはならない5曲目、ちょっとゆったりと包み込むように進む6曲目、浮遊感がありつつも哀愁もそこはかとなくある7曲目、静かながらもファンクっぽさを感じる沈んだ8曲目。

1488


In The Evening Out There/Paul Bley(P), Gary Peacock(B), Tony Oxley(Ds), John Surman(Bs, Bcl)(ECM 1488) -Recorded September 1991. - 1. Afterthoughts 2. Partrait Of A Silence 3. Soft Touch 4. Speak Easy 5. Interface 6. Alignment 7. Fair Share 8. Article Four 9. Married Alive 10. Spe-cu-lay-ting 11. Tomorrow Today 12. Note Police


Adventure Playground/John Surman(ECM 1463)と同時期、同メンバーの録音。演奏者の作曲なのでフリーか。こちらは4人の連名のアルバムですが、4人揃って演奏するのは5、8曲目のみで、あとはソロが7曲、デュオが3曲。それでもそれぞれのソロやデュオの演奏 もけっこういけます。美しいメロディのソロ・ピアノではじまり時にダイナミックな1曲目、内省的なベース・ソロの2、11曲目、無機的でスリリングなピアノ・ソロの3、9曲目、ベースとドラムスでベースがちょっと激しく語る4曲目、4人の演奏ながら非常に内省的な5曲目、バリトン・サックスの説得力あるソロの6曲目、やはりメカニカルで丁々発止のデュオの7曲目、緊張感をはらんでいるやり取りの8曲目、氷のような感覚の10曲目、叙情的でやや静かな12曲目。

1487


Schattenwelt/Paul Giger(Vln)(ECM New Series 1487)(輸入盤) - Recorded may 1992. - 1. Bay Seven Scenes From Labyrinthos: 2. Dancing With The Stars 3. Crane 4. Creating The labyrinth 5. Birth Of The Bull 6. Fourteen Virgins 7. Death 8. Dancing In The World Of Shadows 9. Bombay (Good Night)


(04/01/19)全曲Paul Gigerの作曲で、1曲目、2-8曲目、9曲目というように分かれています。ヴァイオリンのソロではあるけれども、抽象的かつ幻想的な音を発していて、いわゆるクラシック的なメロディを拒むような雰囲気があります。1曲目はさりげなくはじまってさりげなく終わる3分の小品。次が7つの組曲で、クラシックでの時間軸に沿ったフリー・インプロヴィゼーションのような世界。実験的だったりややエキゾチックな場面も。

1486


To The Evening Child/Stephan Micus(Voice, Steeldrum, Dilruba, Suling, Kortholt, Nay, Sinding)(ECM1486)(輸入盤) - Recorded January and February 1992. - 1. Nomad Song 2. Yuko's Eyes 3. Young Moon 4. To The Evening Child 5. Morgenstern 6. Equinox 7. Desert Poem


全てステファン・ミクスの作曲。スチール・ドラムがメインの、聴き慣れない名前の楽器も使用した一人多重録音の演奏で、地中海あたりの民族音楽という感じのサウンド。ヴォーカルをとっている曲(1、3-4、7曲目)もあり、これはこれでエキゾチック。でも、ジャズからだいぶ遠い位置。スティール・ドラムがこんなエキゾチックだったかと思うほどの響きを持ち、ヴォーカルがまた異国的な1曲目、スペイシーな、時に日本に近い感傷を持つ2曲目、適度な哀愁を感じるゆったりとした3曲目、スティール・ドラムを11回重ねた、それでいて管楽器?も出てきて牧歌的哀愁を持つタイトル曲の4曲目、日本的な感じもする小品の5曲目、素朴でスローな音色が異世界へ誘い込んでいく6曲目、いきなり明るい世界があらわれる7曲目。

1485


Folly Seeing All This/Michael Mantler(Tp)(ECM 1485)(輸入盤) - Recorded June 1992. The Balanescu Quartet: Alexander Balanescu(Vln), Clare Connors(Vln), Bill Hawkes(Viola), Jane Fenton(Cello), Rick Fenn(G), Wolfgang Puschnig(Afl), Karen Mantler(P, Voice), Dave Adams(Vib, Chimes), Jack Bruce(Voice) - 1. Folly Seeing All This 2. News 3. What Is The Word


(02/02/11)マイケル・マントラーのECM第1作。彼の作曲した曲ばかりですが、サウンド的には弦楽四重奏団を配してNew Series(つまりクラシックや現代音楽)に近い感触があります。エレキ・ギターが参加していたりして、必ずしもクラシック的というわけでもありませんが。1曲目は沈んだ色調ながら何と28分台の長尺な演奏で、展開は淡いながらもドラマチックな感じ。時おりあらわれるトランペットやエレキギターが哀愁を誘います。2曲目は11分台の曲ですが、その暗く沈んだ哀愁調は1曲目からつながっているような印象があります。こちらの方が盛り上がりが大きい感じ。3曲目は何とジャック・ブルースとカレン・マントラーのヴォーカル入りの曲。こちらも陰りのある蒼い味わいがあります。

1484


Hal's Bells/Hal Russell(Ts, Ss, Tp, Dr, Vib, Per, Voice, etc.)(ECM 1484) - Recorded May 1992. - 1. Buddhi 2. Millard Mottker 3. Portrait Of Benny 4. Strangest Kiss 5. Susanna 6. Carolina Moon 7. Kenny G 8. I Need You Know 9. For Free 10. Moon Of Manakoora


6、10曲目を除きハル・ラッセルの作曲で、彼の初のソロ・アルバム。といっても当時65歳。元気な一人多重録音フリージャズで、時に内省的な部分も。一体どこにそんなエネルギーが残っているのか。マリンバのような音の重積と管楽器のいななきのような中間部の1曲目、調子っぱずれのホーンのテーマ、ドラムスとのデュオの2曲目、トランペットがうごめいているようなやや静かな3曲目、サックスがメインでエキゾチックなフリーとでも言うべき4曲目、ソプラノサックスが舞い飛ぶ5曲目、どう聴いてもサックスのフリーに聴こえる6曲目、タイトルを意識してか、いく分メロディのある7曲目、ヴァイブラホンのソロで静かに語りかける8曲目、ホーンがドシャメシャに暴れまわる9曲目、メロディらしさとフリーが交錯している10曲目。

1483


La Jalousie/Red Run/Herakles 2/Befreiung/Heiner Goebbels(ECM New Series 1483)(輸入盤) - Recorded May 1992. Christoph Anders(Narrator), Ensemble Modern: Dietmar Wiesner(Fl), Catherine Milliken(Oboe), Wolfgang Stryi(BCl, Sax), Noriko Shimada(Bassoon), Frank Ollu(French Horn, Narrator), William Forman(Tp), Bruce Nockels(Tp), Uwe Dierksen(Tb), Gerard Buguet(Tuba, Btb), Rainer Romer(Per), Hermann Kretzschmar(P, Sampler), Ueli Wiget(P, Sampler), Klaus Obermaier(G), Mathias Tacke(Vln), Michael Klier(Viola), Eva Bocker(Cello), Thomas Fitchter(B), Peter Rundel(Cond) - 1. La Jalousie 2. Red Run 3. Herakles 2 4. Befreiung


(04/01/02)全曲Heiner Goebbelsの’90年前後の作曲。クラシック(Ensemble Modernというグループ)のやや大きい編成ですが、曲によってサンプリングを使用していたり、電気楽器(エレキギター、エレキベースなど)の登場する場面やナレーションがあったりと、彼の他のECMの方のアルバムと違和感なく聴くことができます。現代音楽風でもあるけれども、アヴァンギャルドなインプロヴィゼーションのようなサウンドもあって、なかなか。

1482


Facing North/Meredith Monk(Voice, P, Org, Pitch Pipe)(ECM New Series 1482)(輸入盤) - Recorded April 1992. Robert Een(Voice, Pitch Pipe) - Facing North: 1. Northern Lights 1 2. Chinook 3. Long Shadows 1 4. Keeping Warm 5. Northern Lights 2 6. Chinook Whispers 7. Arctic Bar 8. Hocket 9. Long Shadows 2 Vessel: An Opera Epic: 10. Epic 11. Fire Dance 12. Little Epiphany/Sybil Song 13. Mill Recent Ruins: 14. Boat Song


(03/09/21)合作が少しあるほかはメレディス・モンクのオリジナル。2人による研ぎ澄まされた演奏(歌唱)。タイトル曲の1-9曲目は’90年の作品で、ゆったりとしていたりリズミカルだったりと表現はさまざまですが、そのエキゾチックな神秘性は相変わらずです。7曲目のみ異様に明るい。’71年作の10-13曲目はモンクの一人多重録音で、突き刺さってくる声は相変わらず。’79年作の14曲目は2人によるゆったりした多重録音。

1481


Vienna Concert/Keith Jarrett(P)(ECM 1481) - Recorded July 13, 1991. - 1. Vienna, Part 1 2. Vienna, Part 2


即興演奏のソロで、パート1が42分、パート2が26分の演奏。この時期ECM New Seriesからも立て続けにクラシックのCDを出しています。ウイーン国立歌劇場というクラシックのホールでの演奏という事を考えると、より荘厳な感じになっているのかも。ゆっくりとはじまってきて、落ち着いたピアノをゆったりと聴きながら持つ安心感。最初は平坦な道を歩いていて、12分ほどでその足音のステップが聴こえ、再び立ち止まる。思索的な短調の音の選び方が続き、24分からテンポが速くなってかなりスリリングな展開に。その後空が開けるような感じで、再びゆっくりと。パート2は、マイナー系の単音の周りを寄りつ離れつするメロディから徐々に表情を変えていきます。そのカラーを保ちつつ情熱がほとばしったり静かになったり。

1480


Shadow/Landscape With Argonauts/Heiner Goebbels(Key, Prog, Accordion)(ECM 1480)(輸入盤) - Recorded February, September and October 1990. Sussan Deihim(Vo), Rene Lussier(G), Charles Hayward(Ds, Tipan, Hand-per), ChristosGovetas(Cl, Chumbush, Gardon), and 100 Voices On The Streets Of Boston - 1. Landscape 2. Ye Who Read 3. Shall I Speak Of Me 4. 2 Doller 5. I My Sea Voyage 6. The Year Has Been A Year Of Terror 7. The Stars Are Cold Signposts 8. Over Some Flasks 9. From An Unknown Catastrophe 10. A Dead Weight 11. Yet We Laughed 12. No Arrival No Parking 13. Or The Hapless Landing 14. And Lo 15. In The Back The Swine 16. And Then Did We


(03/09/27)エドガー・アラン・ポーと、ハイナー・ミュラーの詩による曲と、ボストンの通りでの人の声の録音(1、3-5、7、9、12-13、15曲目(番目))が合わさってできているアルバム。ボストンでの録音はバックに雑踏、車、音楽その他の音が聞こえてきます。曲の部分は、2曲目はかなりエキゾチックで、バックのサウンドはまるである種のインド音楽のよう。4-5、12曲目はラップ&ヒップポップの雰囲気が他の声などの録音と混在。6曲目はやはりエキゾチック路線のサウンドと浮遊感のあるヴォーカル。8曲目は映画音楽のような、ちょっと硬派な哀愁路線。スペイシーな10曲目のあとにノリの良いファンクの11曲目が続きます。14、16曲目もノリの良い浮遊ヴォーカルのエキゾチックなロック。せめて言葉が分かれば。

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