ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

カテゴリ: ECM2401-2450番

2429

In The Morning - Music Of Alec Wilder/Stefano Battaglia(P) Trio(ECM 2429)(輸入盤) - Recorded April 28, 2014. Salvatore Maiore(B), ROberto Dani(Ds) - 1. In The Morning 2. River Run 3. Moon And Sand 4. When I Am Dead My Dearest 5. The Lake Isle Of Innisfree 6. Where Do You Go? 7. Chick Lorimer

(15/09/06)Alec Wilderの曲をライヴで演奏。オリジナルなし。スタンダードとかクラシックの作曲家だそうですが、メロディは美しいものの、演奏自体は彼らピアノ・トリオのECMジャズという感じ。哀愁満点のメロディと、マイナー1コード的な進行が印象に残るタイトル曲の1曲目、濃淡がある、16ビート的でリズムにのりながらのアドリブが心地よい、1コード的展開で後半叙情的になる2曲目、マイナーなメロディが心を打つ、静かに進んでいく3曲目、グループとしての方向性を保ちつつ、短めの哀愁世界を示す4曲目、少ない音でじっくりと攻め緊張を強いて、そこから叙情的世界にも入り込んでいく15分台の5曲目、バラードで短調のメロディが美しい6曲目、ドラマチックな世界と語り合いが続き、盛り上がりの部分もある7曲目。

2428

Now This/Gary Peacock(B) Trio(ECM 2428)(輸入盤) - Recorded July 2014. Marc Copland(P), Joey Baron(Ds) - 1. Gaia 2. Shadows 3. This 4. And Now 5. Esprit De Muse 6. Moor 7. Noh Blues 8. Christa 9. Vignette 10. Gloria's Step 11. Requiem

(15/05/29)ゲイリー・ピーコック作が7曲(1-3、6、8-9、11曲目)、マーク・コープランド作が2曲(4、7曲目)、ジョーイ・バロン作が5曲目、スコット・ラファロ作が10曲目。ロマンチックなピアノのコープランドなので、いつもよりは自由(フリー)な展開があったとしても割とメランコリックに、抒情的に進んでいきます。6曲目の少しゆったりした中でのフレーズは見事かも。コープランドの曲でも鋭いところもあります。トリオとして強力な布陣ですが、多少枯れつつも、トンガった感じも出しているところがさすが。ピーコックは、年齢的にも衰えを感じさせず、いい感じの曲を書き、演奏をしています。作曲名はあるけれど、大部分が即興で成り立っている曲が多そう。そのバランスはなかなか。10曲目も何となくオリジナルのようです。

2427

Carolin Widmann(Vln)/COE/Felix Mendelssohn Bartholdy/Robert Schumann(ECM New Series 2427)(輸入盤) - Recorded July 2014. Chamber Orchestra Of Europe - Felix Mendelssohn Bartholdy: 1-3. Concerto For Violin And Orchestra Op.64   Robert Schumann: Violin Concerto WoO 23

(15/09/16)メンデルスゾーン、シューマンは共に19世紀ドイツロマン派の作曲家。クラシックでは特にメンデルスゾーンの曲が有名(私でもメロディを聴いたことがある)ですが、最近こういう正統派のクラシック音楽のアルバムもECMで増えてきて、うれしいところ。演奏的にどうなのか、やはりECM的なミキシングやマスタリングはあるでしょうが、多少ぬくもりを持ったような雰囲気で聴こえてきます。Carolin Widmannのヴァイオリンがいい。

2425

Franz Schubert/Andras Schiff(P)(ECM New Series 2425/26)(輸入盤) - Recorded July 2014. - 1. Ungarische Melodie In H-Moll D817   2-5. Sonate In G-Dur D894   6-11. Moments Musicaux D780   12. Allegretto In C-Moll D915   13-16. Vier Impromptus D935   17-20. Sonate In B-Dur D960

(15/04/29)CD2枚組。シューベルトは19世紀オーストリアの作曲家。ここでは1820年頃製作のフランツ・ブロードマンという、アンドラーシュ・シフが持っているアンティークなフォルテピアノを使用していて、当時のシューベルトのピアノの音に近いと思われるピアノ・サウンドで録音しています。今のピアノに比べてややソフトな感じか。曲は温かみもあり、落ち着いて聴けるので、やはりシフの王道作品でこのレーベルでの存在は大きいかも。

2423

Souvenance/Anouar Brahem(Oud)(ECM 2423/24)(輸入盤) - Recorded May 2014. Francois Couturier(P), Klaus Gesing(Bcl), Bjorn Meyer(B), Orchestra Della Svizzera Italiana, Pietro Mianiti(Cond) - 1. Improbable Day 2. Ashen Sky 3. Deliverance 4. Souvenance 5. Tunis At Dawn 6. Youssef's Song 7. January 8. Like A Dream 9. On The Road 10. Kasserine 11. Nouvelle Vague

(15/01/21)CD2枚組で88分収録。全曲アヌアル・ブラヒムの作曲で、オーケストラ・アレンジは主に共作(11曲目のみ他の人)。エキゾチックだけれども、ECMらしい静かな温度感の低い、哀愁が漂う世界が広がっています。出だしでウード中心の素朴な演奏から、だんだんオーケストラの広がりを見せていきます。ベースはエレクトリック・ベース。ゆったり感を残したまま、時にメンバーの一瞬アヴァンギャルドなフレーズも。ただ、これでもかというくらい異国の地の哀愁を見せつけるようなサウンドが続いているのが、聴いていて切ない。クァルテットの曲も多いし(クレジットでは未記載)、オーケストラはフルに活用するというよりは、メインのメンバーを包み込むようなサウンドで効果が逆に出ている感じ。素直に哀愁感を味わいたい。

2422

Hamburg '72/Keith Jarrett(P, Fl, Per, Ss)/Charlie Haden(B)/Paul Motian(Ds, Per)(ECM 2422)(輸入盤) - Recorded June 14, 1972. - 1. Rainbow 2. Everything That Lives Laments 3. Piece For Ornette 4. Take Me Back 5. Life, Dance 6. Song For Che

(14/12/13)1曲目がMargot Jarrett作曲、2-5曲目がKeith Jarrett作曲、6曲目がCharlie Haden作曲のライヴ。当時のトリオ編成ですが、リミックスがECMなので、混沌としたところはあるも全体的にややさっぱりした音にはなっています。これぞ3人の個性の音という感じでぶつかり合いながら進んでいく、ピアノのフレーズも鮮やかで速いパッセージも交えつつのドラマチックにまとまる1曲目、エキゾチックなフルートとベースの前半と抒情的なピアノとベースの後半の2曲目、フリー的で混沌としながらソプラノ・サックスでのトリオで突き進む3曲目、ピアノで出だしに少し哀愁がありつつも、8ビート的乗りの良さも見せる4曲目、3人の淡々とした語り合いがある小品の5曲目、有名な哀愁満点なメロディで15分もの演奏が続いていく6曲目。

2421

Amorphae/Ben Monder(G, Baritone G)(ECM 2421)(輸入盤) - Recorded October 2010 and December 2013. Rete Rende(Synth on 4-5), Andrew Cyrille(Ds on 3-5, 7), Paul Motian(Ds on 2, 6) - 1. Tendrils 2. Oh, What A Beautiful Morning 3. Tumid Cenobite 4. Gamma Crucis 5. Zythum 6. Triffids 7. Hematophagy 8. Dinosaur Skies

(15/11/02)1、8曲目がベン・モンダー作曲、2曲目がスタンダード以外は演奏者のインプロヴィゼーション。2、6、8曲目が’10年の録音で、他の曲は’13年の録音。’11年に亡くなったポール・モチアンの演奏があるのは追悼の意味もあるか。1、8曲目はエレキ・ギターのソロで、空間を浮遊したゆったりした音。8曲目の方は少し重々しい展開。ゆったりとしていて明るいメロディなのに妙に重々しい音、ジャーンという音も入る2曲目、エレキのバリトン・ギターで、ホンワカと空間的にゆっくり進んでいく3曲目、やや不安定な持続音のシンセサイザーと滑らかなギターの4曲目、そのまま引き続きそこにあるような5曲目、小品でギターがやや不安なメロディを弾く6曲目、再びゆったりとした空間系のサウンドに戻っていく7曲目。

2420

Break Stuff/Vijay Iyer(P) Trio(ECM 2420)(輸入盤) - Recorded June 2014. Stephan Crump(B), Marcus Gilmore(Ds) - 1. Starlings 2. Chorale 3. Diptych 4. Hood 5. Work 7. Blood Count 8. Break Stuff 9. Mystery Woman 10. Geese 11. Countdown 12. Wrens

(15/01/20)5曲目がセロニアス・モンク作、7曲目がビリー・ストレイホーン作、11曲目がジョン・コルトレーン作で、他はヴィジェイ・アイヤーの作曲。バリバリの変拍子のトリオを聴かせてくれるのを期待してましたが、ECM寄りのところはあるにしても、その落ち着き加減もまたいい塩梅で、十分魅力的。幾何学模様のようなトリオ・サウンドの曲もあるし(例えば4曲目、8、9曲目の出だし、11曲目など)。ミキシングやマスタリング次第で印象も変わっているかも。でも、例えば2、3曲目の中途から盛り上がっていて、11曲目も、そのあたり彼自身の自由な演奏を感じます。フェードアウトの曲がいくつか。既成曲も雰囲気もあるけれど、よりオリジナルっぽく聴こえます。7曲目はソロ・ピアノ。アルバムを頭と体をフル動員して聴く感じ。

2419

Touchstone For Manu/Manu Katche(Ds)(ECM 2419)(輸入盤) - Released 2014. - 1. Song For Her 2. Number One 3. Take Off And Land 4. So Groovy 5. Morning Joy 6. Keep On Trippin' 7. Senses 8. Swing Piece 9. Running After Years 10. Slowing The Tides 11. Bliss

(14/10/13)限定盤のコンピレーションで、デジパック仕様。「Neighbourhood(ECM 1896)」(2-3曲目)、「Playground(ECM 2016)」(1、4-5曲目)、「Third Round(ECM 2156)」(6-8曲目)、「Manu Katche(ECM 2284)」(9-11曲目)の4枚のリーダー作からのセレクト。録音も’04、’07、’09、’12年の録音。ドラマーのリーダー作とはいえ、ECMからの発売なので、テンポも普通かややゆったりとして、サウンド的にもソフトな曲が多いです。ECMとしてはドラムスが前面に出ているかもしれないけれども、ハードな面が出てこないので、ドラマーとしてのテクニックを求めているとちょっと違うかも。ただ全曲マヌ・カッチェの作曲だし、曲とかサウンドに興味があれば聴いてみてもいい。ECMの彼を1枚で聴いてみたい人に。BGM的にも聴けます。

2418

A Clear Midnight/Julia Hulsmann(P) Quartet w/Theo Bleckmann(Vo)(ECM 2418)(輸入盤) - Recorded June 2014. Tom Arthurs(Tp, Flh), Marc Muellbauer(B), Heinrich Kobberling(Ds) - 1. Mack The Knife 2. Alabama Song 3. Your Technique 4. September Song 5. This Is New 6. River Chanty 7. A Clear Midnight 8. A Noisless Patient Spider 9. Beat! Beat! Drums! 10. Little Tin God 11. Speak Low 12. Great Big Sky

(15/03/12)サブタイトル「Kurt Weill And America」。7-9曲目の3曲がジュリア・ハルスマンの作曲でヴォーカル曲(詞はWalt Whitman)、他は全曲クルト・ワイルの曲です。そのうち2、6曲目がインストルメンタル。実はTheo BleckmannはWinter&Winterレーベルで何枚かスタンダードを歌っていて、ECMへの登場は意外ですが、スタンダードのアレンジは他よりは温かみはあるにしても、バラードが多くてECMならではのサウンド。静かな方面から攻めています。ヴォーカルは普通のジャズの男性ヴォーカリストという気が。でもECM対応は万全か。オリジナルも静かで浮遊感漂うメロディでエキゾチックな雰囲気もある7曲目、やはりエキゾチックな雰囲気が漂うサウンドの8曲目、ビートは入って活発だけどやっぱりECM的な9曲目。

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