ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

カテゴリ: ECM2451-2499番

2499

Streams/Jakob Bro(G)(ECM 2499)(輸入盤) - Recorded November 2015. Thomas Morgan(B), Joey Baron(Ds) - 1. Opal 2. Heroines 3. PM Dream 4. Full Moon Europa 5. Shell Pink 6. Heroines (Solo) 7. Sisimiut

(16/09/13)3曲目はポール・モチアンに捧げた3人のインプロヴィゼーションで、他はJakob Broの作曲。前作よりドラマーが変更。相変わらず浮遊感とホンワカした静かなサウンドで、それは1曲目にも。それでも2曲目あたり、ゆったりながら前作よりもメロディや輪郭がはっきりしている曲も。メロディは印象的で、それに絡むベースも絶妙。ソロ・ヴァージョンの6曲目もだいたい同じ印象。インプロヴィゼーションでありつつも、作られた曲とあまり変わりないやり取りが聴かれるゆったりとした3曲目、インプロヴィゼーションの曲ではと感じるような、ややトンガった部分もあるドラムスが目立つ4曲目、やや饒舌なベースの上をギターが哀愁を漂わせて流れる5曲目、寄せては返すようなドラムスの上を、やはり2人で漂う7曲目。

2498

Zsofia Boros(G)/Local Objects(ECM New Series 2498)(輸入盤) - Recorded November 2015. - 1. Mathias Duplessy: Nocturne 2. Egberto Gismonti: Celebracao De Nupcias 3-6. Carlo Domeniconi: Koyunbaba Op.19   7. Jorge Cardoso: Milonga 8. Ai Di Meola: Vertigo Shadow 9. Franghiz Ali-Zadeh: Fabtasie 10. Garoto(Anibal Augusto Sardinha): Inspiracao 11. Alex Pinter: Gothenburg

(16/10/14)ハンガリーの女性ギタリストのZsofia Borosのオムニバス集。エグベルト・ジスモンチやアル・ディメオラの曲もあったり、南米、欧州その他いろいろな地の音楽を彼女流に奏でています。いかにもクラシックという感じが薄いので、ECMのジャズ方向からのアプローチもOKではないかと。ECMということで、クールで静かな基調の中にどことなく温かいものを秘めているような、そんな感じのするギターが魅力があります。安らぎます。

2497

Resonances/Marco Ambrosini(Nyckelharpa)/Ensemble Supersonus(ECM 2497)(輸入盤) - Recorded November 2015. Anna-Liisa Eller(Kannel), Anna-Maria Hefele(Overtone Singing, Harp), Wolf Janscha(Jew's Harp), Eva-Maria Rusche(Harpsichord, Square P) - 1. Fuga Xylocopae 2. Rosary Sonata No.1 3. O Antiqui Sancti 4. Erimal Nopu 5. Polska 6. Ananda Rasa 7. Hicaz Humayun Saz Semaisi 8. Toccata In E Minor 9. Fjordene 10. Praeludium - Toccata Per L'elevazione 11. 2 Four 8 12. Ritus

(19/07/09)Marco Ambrosiniはイタリア人。彼の作曲は1曲目で、他にメンバーの作曲で4、6、9、11-12曲目があり、他の人の作曲にはFranz Biber(2曲目)スウェーデンのトラディショナル(5曲目)などがあります。ジャズの要素はほとんど無く、どちらかというと民族音楽的であり、時にクラシックや現代音楽の要素を持っています。ニッケルハルパという楽器はスウェーデンの民族楽器で、やはりそちら方面の民族音楽の要素が強いのだと思います。それでいて、積極的にオリジナル曲を演奏しているので、純粋な懐古趣味なのではないのは、ECMからアルバムを出したことでも分かります。ビーンビーンという音が強調される曲もあり、今っぽい要素を持った民族音楽という位置づけがしっくりくる。哀愁のあるサウンドもいい。

2496

Frode Haltli(Accordion)/Air/Bent Sorensen/Hans Abrahamsen(ECM New Series 2496)(輸入盤) - Recorded October and November 2014. Trondheim Soloists: Oyvind Gimse(Artistic Director), Sigmund Tvete Vik(Offstage Solo Vln), etc., Arditti Quartet: Irvine Arditti(Vln), Ashot Sarkissjan(Vln), Ralf Ehlers(Viola), Lucas Fels(Cello) - Bent Sorensen: 1. It Is Pain Flowing Down Slowly On A White Wall   Hans Abrahamsen: 2. Air 3-5. Three Little Nocturnes   Bent Sorensen: 6. Sigrid's Lullaby

(16/09/15)Bent SorensenとHans Abrahamsenは共にデンマークの現代音楽家で、Frode Haltliはノルウェーのアコーディオン奏者。デンマークがらみで、21世紀作曲のアコーディオンに関する現代音楽がアルバム1枚分そろっています。ソレンセンの方がやや難解な部分を抱合していて、エイブラハムセンは少し叙情的。そしてECMなので、やはり内省的に聴こえてきます。曲によってソロ、ストリング・オーケストラ、弦楽四重奏との演奏。

2494

Bells For The South Side/Roscoe Mitchell(Sopranino, Ss, As, Bass Sax, Fl, Piccolo, Bass Recorded, Per)(ECM 2494/95)(輸入盤) - Recorded September 2015. James Fei(Sopranino, As, Contra-alto Cl, Electronics), William Winant(Per, Tubular Bells, Glockenspiel, Vib, Marimba, Roto Toms, Cymbals, Bass Drum, Woodblocks, Timpani),   Hugh Ragin(Tp, Piccolo Tp), Tyshawn Sorey(Tb, P, Ds, Per),   Craig Taborn(P, Org, Electronics), Kikanju Baku(Ds, Per),   Jaribu Shahid(B, Bass Guitar, Per), Tani Tabbal(Ds, Per) - 1. Spatial Aspects Of The Sound 2. Panoply 3. Prelude To A Rose 4. Dancing In The Canyon 5. EP 7849   6. Bells For The South Side 7. Prelude To The Card Game, Cards For Drums, And The Final Hand 8. The Last Chord 9. Six Songs And Two Woodblocks 10. R509A Twenty B 11. Red Moon In The Sky/Odwalla

(17/07/04)全曲ロスコー・ミッチェルのオリジナルで、スティーヴ・レイクのプロデュース。ミュージシャンは上記の記載順に2人ずつ、4つのトリオでの演奏になっているのですが、クレジットにははっきりとは書いておらず、演奏楽器から推測するしかない、と思う部分も。構築されている部分もあるけれど、基本はシカゴ派のフリーなので、けっこうハードです。聴く人を選ぶけれど、フリー方面が好きだと、ドシャメシャなフリーの部分もあるけれど、静かな部分も味わいがあり、深いところをいっているし、物語性を感じる部分はあると思います。収録時間が長くなったのも、聴いているとけっこう意味のあることだと思います。レーベルの中でも聴く人を選ぶアルバムですが、この世界を少し垣間見てもいいかも。ラストは普通の曲です。

2490

As It Was/Peter Erskine(Ds) Trio(ECM 2490-93)(輸入盤) - John Taylor(P), Palle Danielsson(B) - You Never Know(ECM 1497) - Recorded July 1992. J - 1. New Old Age 2. Clapperclowe 3. On The Lake 4. Amber Waves 5. She Never Has A Window 6. Evans Above 7. Pure & Simple 8. Heart Game 9. Everything I Love - Time Being(ECM 1532) - Recorded November 1993. - 1. Terraces 2. For The Time Being 3. If Only I Had Known 4. Evansong 5. Page 172 6. Liten Visa Till Karin 7. Bulgaria 8. Ambleside 9. Phrase One 10. Palle's Headache 11. Pieds-en-L'air - As It Is(ECM 1594) - Recorded September 1995. - 1. Glebe Ascending 2. The Lady In The Lake 3. Episode 4. Woodcocks 5. Esperance 6. Touch Her Soft lips And Part 7. Au Contraire 8. For Ruth 9. Romeo & Juliet - Juni(ECM 1657) - Recorded July 1997. - 1. Prelude No.2   2. Windfall 3. For Jan 4. The Ant & The Elk 5. Siri 6. Fable 7. Twelve 8. Namasti

(16/0712)’16年に ECM 1497, 1532, 1594, 1657の4枚がECM 2490-93のBOXセットになりました。昔の記憶では、温度感が低くて静かな曲が多いと思っていましたが、今聴いてみると、温度感は低いながらもダイナミックなサウンドの曲もあるし、ごく一部ですが4ビートの曲もあります。それに、ドラムスのリーダー作だけあって、ECM的ながらドラム・ソロというか、ドラムが前面に出る場面もあります。意外にカラフルだったんだな、という感じがします。ただし、彼の他レーベルでの録音のサウンドとは、このメンバー固定で4枚連続のリリースなので、全然違うものになっていますが。ただ、彼のリーダー作の経歴では異色でもありますけど、この4枚は避けて通れないかな、という気もしています。ヨーロッパ的で豊饒なサウンド。

2489

Find The Way/Aaron Parks(P)/Ben Street(B)/Billy Hart(Ds)(ECM 2489)(輸入盤) - Recorded October 2015. - 1. Adrift 2. Song For Sashou 3. Unravel 4. Hold Music 5. The Storyteller 6. Alice 7. First Glance 8. Melquiades 9. Find The Way

(17/05/10)3人の名義にはなっているけど、タイトル曲がカヴァー作で、他の曲は全曲アーロン・パークスの作曲。パークスの前回のソロ作品よりは、トリオになったことで少々盛り上がりも出てきてはいますが、やはり幻想的なピアノであることには変わりはないです。相変わらず寒色系の色合いで、やや湿度も低く、非4ビート系のピアノ・トリオの世界を聴かせてくれます。こういう美しさの出るピアノは彼の個性の一面だと思いますが、それを思いっきり引き出してくれたのがECMだと思うし、今回のメンバー的にも興味深いです。2曲目はやや緩めのボッサというところか。4曲目はビートがボンボンと4つなんだけど、いわゆる4ビートではなく。トリオで自在に進んでいくような5-6曲目、穏やかな暖かめのバラードで終わる9曲目。

2488

In Movement/Jack DeJohnette(Ds, P, Electric Per)/Ravi Coltrane(Ts, Ss, Sopranino S)/Matthew Garrison(B, Electronics)(ECM 2488)(輸入盤) - Recorded October 2015. - 1. Alabama 2. In Movement 3. Two Jimmys 4. Blue In Green 5. Serpentine Fire 6. Lydia 7. Rashied 8. Soulful Ballad

(16/05/21)3人のインプロヴィゼーションが2-3曲目、ジャック・ディジョネット作が6、8曲目、ラヴィ・コルトレーンとの共作が7曲目、1、4-5曲目がジャズメン・オリジナルやスタンダード。ラヴィ・コルトレーンはジョン・コルトレーンの息子で、マシュー・ギャリソンはジミー・ギャリソンの息子(こちらはエレクトリック・ベース)。1曲目はけっこうスピリチュアルな演奏をしています。ドラムスの強力なプッシュはあるけれど、やはりECM的にやや抑制されています。ただスピリチュアルなだけではなく、2曲目は軽くてビート感もあり、少し今っぽい感じもする曲。荘厳ながらもファンク的な3曲目。エレクトロニクスの使い方も効果的。4-5、6、8曲目は割と淡々と進みます。7曲目はラシッド・アリに捧げた、サックスとのデュオの激しい曲。

2487

Andando El Tiempo/Carla Bley(P)/Andy Sheppard(Ts, Ss)/Steve Swallow(B)(ECM 2487)(輸入盤) - Recorded November 2015. - Andando El Tiempo: 1. Sin Fin 2. Potation De Guaya 3. Camino Al Volver   4. Saints Alive! 5. Naked Bridges/Diving Brides

(16/05/21)このメンバーではECM2枚目。メンバーの相性としてはなかなかいいです。全曲カーラ・ブレイの作曲で、最初の3曲が組曲。ジャケ写に長い譜面が写っているのは、記譜された部分が多いということだと思いますが、1曲目からけっこう緻密に考え抜かれたメロディやコード進行で、ドラマチックに、ちょっと哀愁をたたえて曲が進んでいきます。3曲目は少しミステリアスなラインがありますが、そこまではその沈んだ色調や、哀愁感が統一されたドラマのように仕立て上げられていて、なかなかいい感じ。4-5曲目も、彼女ならではのメロディラインと、ちょっと妖しげなサウンドが魅力的で、トリオという編成ながら、もっと大きい編成のサウンドを聴いているような錯覚にとらわれます。こういう考え抜かれたジャズもいい。

2486

A Cosmic Rhythm With Each Stroke/Vijay Iyer(P, Key, Electronics)/Wadada Leo Smith(Tp)(ECM 2486)(輸入盤) - Recorded October 2015. - 1. Passage   A Cosmic Rhythm With Each Stroke: 2. All Becomes Alive 3. The Empty Mind Receives 4. Labyrinths 5. A Divine Courage 6. Uncut Emeralds 7. A Cold Fire 8. Notes On Water   9. Marian Anderson

(16/03/24)1曲目がヴィジェイ・アイヤーの作曲、9曲目がワダダ・レオ・スミスの作曲、2-8曲目の組曲が2人のインプロヴィゼーション(共作)。1曲目は叙情感あふれるしっとりとしたバラードですが、2曲目以降はエレクトロニクスも使用したりして、トランペットもややフリー的な響きを持つようになります。ECM的に静けさの方には寄っていますけど、ある程度実験的なサウンドかも。やはり哀愁というか、ある種の情感を抱かせるような場面も多いですが。この組曲は「ナスリーン・モハメディに捧げる」とあり、インド人の女性アーティストだそうです。とは言うものの、インド的な要素はないです。4、6曲目はかなりフリーな展開。なかなか引きつけられる空間的なデュオ。落ち着いたやり取りが聴かれるも、ややフリー系の9曲目。

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