ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了。Wattレーベル、Works、:rarumシリーズは言及する予定なないです。

カテゴリ: ECM2151-2200番

2184

Post Scriptum/Wolfert Brederode(P) Quartet(ECM 2184)(輸入盤) - Recorded May 2010. Claudio Puntin(Cl), Mats Eilertsen(B), Samuel Rohrer(Ds) - 1. Meander 2. Angelico 3. November 4. Post Scriptum 5. Hybrids 6. Inner Dance 7. Aceh 8. Post Scriptum, Var. 9. Brun 10. Sofja 11. Augenblick In Der Garderobe Des Sommers 12. Silver Cloud 13. Wall View 14. Silver Cloud, Var.

(11/05/01)同じメンバーでの2作目。Wolfert Brederode作は全14曲中9曲(1-4、6、8、10、12、14曲目)で、他の曲も参加メンバーの作曲。多分にヨーロッパ的ですが、ピアノ・トリオにクラリネットが加わった、いわゆる「ジャズ」の範疇か。非4ビートながら、なかなか聴かせてくれます。曲は14曲と少し多めですけど、ある種の薄暗さを伴いつつ、それぞれの曲のサウンドの違いがはっきりと分かって飽きさせません。ドラムスも場面によってはプッシュしていて、ECMとしては冒険している方ではないか、と思います。アドリブ的にバップではないけれど、ジャズ的なスリリングさも抱合しています。ちょっとフリー的に、しかも研ぎ澄まされて美しい情景描写が広がるような世界もあります。やはりこのクァルテットにはクラリネットが似合う。

2182

Magnetic Works 1993-2001/Jon Balke(P, Key, Per, Electronics)(ECM 2182/83)(輸入盤) - CD1. 1-7 Further: Jon Balke(P, Key) w/Magnetic North Orchestra - Recorded June 1993. Jens Petter Antonsen(Tp), Per Jorgensen(Tp, Vo), Morten Halle(As), Tore Brunborg(Ts, Ss), Gertrud Okland(Vln), Troud Villa(Viola), Jonas Franke-Blom(Cello), Anders Jormin(B), Marilyn Mazur(Per), Andun Kleive(Ds) - 1. Departure 2. Changing Song 3. Flying Thing 4. Horizontal Song 5. Moving Carpet 6. Taraf 7. Shaded Place   CD1. 8-11/CD2. 1-5. Solarized/Magnetic North Orchestra - Recorded 1998. - Jon Balke(Key, Per), Per Jorgensen(Tp, Vo), Arve Henriksen(Tp, Vo), Morten Halle(As, Fl), Anders Jormin(B), Andun Kleive(Ds), Chikada String Quartet: Henrik Hannisdal(Vln), Odd Hannisdal(Vln), Marek Konstantynowicz(Viola), Morten Hannisdal(Cello) - CD1: 8. Present Position 9. Solarized 10. Dark And Now 11. In Degrees CD2: 1. Curve 2. Circular 3. Vertical 4. Encoded 5. Elusive Song   CD2: 6-12. Kyanos/Jon Balke(P) & Magnetic North Orchestra - Recorded November 2001. Per Jorgensen(Tp, Vo), Morten Halle(Sax, Fl), Arve Henriksen(Tp), Svante Henryson(Cello), Anders Jormin(B), Audun Kleive(Ds, Per) - CD2: 6. In Virto 7. Plica 8. Zygotos 9. Karyon 10. Mutatio 11. Katabolic 12. Kyanos

(12/07/08)Further(’93年録音)(ECM 1517), Solarized(’98年録音)(Sonet -EmArcy), Kyanos(’01年録音)(ECM 1822)からのコンピレーション盤。3枚のアルバムからそれぞれセレクトされています。ECMからだけかと思ったら、2枚組アルバムの真ん中、「Solarized」がECM以外からの発売で、10曲中9曲セレクトと、このアルバムの紹介が大きい面があります。どのアルバムも共通するのは、温度感が低くて、ミステリアスな、それでいてちょっと硬質な感じのアンサンブルが続くところで、それは「Solarized」においても体現されているところです。やや賑やかかなと思うのはECMを離れての録音だからと思うのですが、温度感やサウンドに違和感はありません。こういう硬質なはっきりとしたアンサンブルは、やはりECMにふさわしい。

2181

Kula Kulluk Yakisir Mi/Kayhan Kalhor(Kamancheh)/Erdal Erzincan(Baglama)(ECM 2181)(輸入盤) - Recorded Frbruary 2011. - 1. Improvisation 1   2. Alli Turnam 3. Improvisation 2   4. Deli Dervis 5. Daldalan Bari 6. Improvisation 3   7. Kula Kulluk Yakisir Mi 8. Improvisation 4   9. Improvisation 5   10. The Wind 11. Intertwining Melodies - Sivas Halayi - Mevlam Bircok Dert Vermis - Erik Dali Gevrektir - Gol Nishan

(13/08/25)イラン出身のKayhan Kalhorとトルコ出身のErdal Erzincanとのデュオのライヴで、このメンバーでは2枚目。2人の国籍は違えども、楽器やメロディは完全にかの地の民族音楽。ただし、2人の作曲は10曲目のみで、1、3、6、8-9曲目は主に2人のインプロヴィゼーション、2、4-5、11曲目はトラディショナルになっています。完全なトラディショナルか現代風の演奏になっているのかは分かりませんが、民族色満載でスリリングな演奏もあってテクニックもあり、けっこう新鮮に響きます。変拍子もあったり、インプロヴィゼーションとトラディショナルの境目もあまりなくて、曲もライヴなのに間髪を入れずにつながって次の曲に行っています。時に、曲調が変わるところでの拍手が聴こえます。静かなところもあるも、熱い演奏。

2180

Arco Iris/Amina Alaoui(Vo, Daf)(ECM 2180)(輸入盤) - Recorded April 2010. Saifallah Ben Abderrazak(Vln), Sofiane Negra(Oud), Jose Luis Monton(Flamenco G), Eduardo Miranda(Mandolin), Idriss Agnel(Per) - 1. Hado 2. Buscate En Mi 3. Fado Al-Mu'tamid 4. Flor De Nieve 5. Oh Andaluces 6. Ya Laylo Layl 7. Fado Menor 8. Buscate en Mi, Var. 9. Moradia 10. Las Morillas De Jaen 11. Que Fare 12. Arco Iris

(11/06/23)モロッコ生まれのAmina Alaouiの作曲は1-2、5-6、8、11-12曲目で、他にメンバーのJose Luis Montonの曲やトラディショナルの曲も。11世紀の詩も何曲かあって、作詞者不詳もあれば新しいものもあります。詩はAmina Alaouiによってアレンジと明記。中東の暗く、静かなヴォーカル入りのワールドミュージックという印象。賑やかな曲も。ライナーにはアラブの暗いムードとアンダルシア(スペインではなくモロッコの古典音楽という意味らしい)の叙情的な雰囲気をかけ合わせた、というようなことが書いてありますが、まさにその通りの世界がECMで表現されています。空間的で中東でもモロッコという位置なので、そんなに暗くもなく、ヨーロッパの影響もあるような折衷サウンドが心にせまってきます。不思議な味わいです。

2179

Lysoen - Hommage A Ole Bull/Nils Okland(Vln, Hardanger Fiddle)/Sigbjorn Apeland(P, Harmonium)(ECM 2179)(輸入盤) - Recorded September 2009 and January 2010. - 1. Stusle Sundagskvelden 2. La Melancolie 3. Belg Og Slag 4. Gralysning 5. Sylkje-Per 6. Solstraum 7. Theme From Nocturne 8. Eg Ser Deg Utfor Gluggjen 9. Ole Bull-vals 10. I Rosenlund Under Sagas Hall/La Folia 11. Tjodn 12. Jeg Har Sa Lun En Hytte 13. Solveigs Sang 14. Sklkje-Per 15. La Melancolie 16. Saeterjentens Sondag

(11/04/30)19世紀のノルウェーのヴァイオリニストで作曲家のOle Bullの曲は2、7、15-16曲目に、トラディショナルは7曲(1、5、8-10、12、14曲目)もあり、2人の共作あるいはそれぞれの曲は3-4(この2曲は共作)、6、11(この2曲はソロ)曲目。全曲2人のアレンジとなっていますがソロの曲も。インプロヴィゼーション的な部分もあるのでしょうが、ノルウェーの民族音楽、あるいは当時のこの地の古楽やクラシックのような淡々とした、また哀愁を帯びたサウンドとなっていて、いわゆるジャズ的なサウンドではないボーダーレスな世界が広がっています。62分ほどで16曲と、各曲ともそれぞれ比較的コンパクトにまとまっていて、余分なものをそぎ落として、本質を聴かせようとしているサウンド。どことなく懐かしい雰囲気です。

2178

Llyria/Nik Bartsch's(P) Ronin(ECM 2178)(輸入盤) - Recorded March 2010. Sha(As, Bcl), Bjorn Meyer(B), Kasper Rast(Ds), Andi Pupato(Per) - 1. Modul 48   2. Modul 52   3. Modul 55   4. Modul 47   5. Modul 53   6. Modul 51   7. Modul 49_44

(10/09/25)全曲ニック・ベルチュ作で。相変わらず変拍子の曲が多いのとミニマル・ミュージック的なサウンドが特徴。ただ、過激さは以前よりも少しだけ引っ込んだ感じです。ゆったりした9拍子基調でヨーロッパの映画音楽を連想するような少しゆったりとした7曲目、珍しく素直な出だしでも盛り上がるとミニマルファンクになって細かいフレーズが変幻自在に続く2曲目、エキゾチックなフレーズが続くゆったりめの変拍子ファンクの3曲目、4拍子基調で静かになったり盛り上がったりしつつ5拍子系が複合で混ざり込んでいるようにも聴こえる4曲目、スローに進んでから時にアクセント的にフレーズが入る5曲目、サウンドがミニマル的な心地良い陶酔感をもたらすファンクの6曲目、渋く淡々とリズムが続き時にメロディが舞う7曲目。

2177

Imprint/Julia Hulsmann(P) Trio(ECM 2177)(輸入盤) - Recorded March 2010. Marc Muellbauer(B), Heinrich Kobberling(Ds) - 1. Rond Point 2. Grand Canyon 3. A Light Left On 4. Juni 5. Storm In A Teacup 6. (Go And Open) The Door 7. Kauf Dir Einen Bunten Luftballon 8. Ritual 9. Lulu's Paradise 10. Ulmenwall 11. Zehlen Bitte 12. Who's Next

(11/03/04)全12曲中、Julia Hulsmann作は7曲(1-4、6、9、12曲目)で、7曲目以外の3曲は他のメンバーの作曲。ECMらしい非4ビート系の淡い、浮遊感のある感触の曲が並びますが、2曲目は動的である程度のテンポ、盛り上がりがあります。温度感は低めだし、しっとりした曲だと思うと、素直でない硬質なメロディを奏でるところもあって、やはりこのレーベルから出すことが生きてくる曲が多いです。淡くちょっと薄暮の中を漂うようなサウンドカラーはボトムの2人の指向性にもよるかも。エキゾチックではないにしろ、ミステリアスなところがあります。メロディよりも全体の動きで聴かせる感じ。目立たないけど変拍子もありか。6曲目も8ビート系だけどベースラインなど構築された感が漂います。リズムやベースラインの面白み。

2176

Mirror/Charles Lloyd(Ts, As, Voice) Quartet(ECM 2176)(輸入盤) - Recorded December 2009. Jason Moran(P), Reuben Rogers(B), Eric Harland(Ds, Voice) - 1. I Fall In Love Too Easily 2. Go Down Moses 3. Desolation Sound 4. La Llorona 5. Caroline, No 6. Monk's Mood 7. Mirror 8. Ruby, My Dear 9. The Water Is Wide 10. Lift Every Voice And Sing 11. Being And Becoming 12. Tagi

(10/09/25)チャールス・ロイド作は3、7、11-12曲目のみで、トラディショナル(2、4、9曲目)、スタンダード(1曲目)やセロニアス・モンク作(6、8曲目)、ロック(5曲目)なども。過去の再演曲でアルバムタイトルになった曲も2曲(9-10曲目)。特に10曲目は第2の国歌と言われているそう。彼の場合オリジナルが少なくても、レーベルカラーに合ったような演奏をしているのですが、曲によって、温度感はほんのりと温かめ(1曲目のスタンダードなど)。サイドのメンバーも前作に引き続き同じで、ホーンの自然から湧き出るようなフレーズとこのメンバーにより、少しエキゾチックで安定しつつも、多くの曲でスピリチュアルなやや自由度の高い演奏を聴くことができます。そして盛り上がる場面は自然に盛り上がります。彼ら流の美しさ。

2175

Gesualdo/Quinto Libro Di Madrigali/The Hilliard Ensemble(ECM New Series 2175)(輸入盤) - Recorded November 2009. Monika Mauch(Soprano), David James(Coutertenor), David Gould(Countertenor), Rogers Covey-Crump(Tenor), Steven Harrold(Tenor), Gordon Janoes(Baritone) - Delli Madrigali A Clinque Voci Del Prencipe Di Venosa Libro Quinto: 1. Gioite Voi Col Canto 2. S'io Non Miro Non Moro 3. Itene, O Miei Sospiri 4. Dolcissima Mia Vita 5. O Dolorosa Gioia 6. Qual Fora, Donna 7. Felicissimo Sonno 8. Se Vi Duol Il Mio Duolo 9. Occhi Del Mio Cor Vita 10. Languisce Al Fin 11. Merece Grido Piangendo 12. O Voi, Troppo Felici 13. Correte, Amanti, A Prova 14. Asciugate I Begli Occhi 15. Tu M'uccidi, O Crudele 16. Deh, Coprite Il Bel Seno 17. Poiche I'avida Sete 18. Ma Tu, Cagion 19. O Tenebroso Giorno 20. Se Tu Fuggi, Io Non Resto 21. T'amp, Mia Vita

(12/04/29)Carlo Gesualdo di Venosaは16-17世紀のイタリアの作曲家。ここでは1611年に作曲された声楽曲が録音されています。時期的に見て、宗教音楽だと思いますが、ヒリヤード・アンサンブル(ここではひとり女声あり)によって、ゆったりとした、そして響きの多い荘厳な雰囲気で録音されています。シンプルなようでいて少し複雑さを帯びているようなコーラスで、世間に評価されるのは後世(19世紀?)になってからとのことらしいです。

2174

Boris Yoffe/Song Of Songs(ECM New Series 2174)(輸入盤) - Recorded November 2009. Rosamunde Quartett: Andreas Reiner(Vln), Diane Pascal(Vln), Helut Nicolai(Viola), Anja Lschner(Cello),   The Hilliard Ensemble: David James(Countertenor), Rogers Covey-Crump(Tenor), Steven Harrold(Tenor), Gordon James(Baritone) - 1. I Sought Him But I Found Him Not 2. My Own Vineyard I Did Not Keep 3. I Sleep, But My Heart Waketh 4. My Head Is Filled With Dew, My Locks With Drops Of The Night 5. My Soul Went Forth When He Spoke

(11/11/06)Boris Yoffeはロシア生まれの現代音楽家。曲のタイトルは聖書の言葉らしいです。現代音楽によくある一部難解な表現(メロディは時にすんなりいかない)と、安らぎのあるような平穏な表現の間をいくような、ある種ゆったりとしていて癒される、不思議な感触のサウンドになっています。ロザムンデ・クァルテットとヒリヤード・アンサンブルという、ECMの看板の弦楽四重奏団と合唱のグループが参加しているのでも、気になる1枚です。

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