ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

カテゴリ: ECM2201-2250番

2239

Dobrinka Tabakova/String Paths(ECM New Series 2239)(輸入盤) - Recorded March, April, and June 2011. Roman Mints(Vln on 1, 5), Maxim Rysanov(Viola on 1, 9, Cond on 2-4, Viola and Cond on 6-8), Kristina Blaumane(Cello on 1-4), Lithuanian Chamber Orchestra(on 2-4, 6-8), Raimondas Sviackevicius(Accordion on 5), Danatas Bagueskas(B), Vaiva Eidukaityte-Storastiene(Harpsichord on 6-8), Dzeraldas Bidva(Concertmaster on 6-8), Janine Jansen(Vln on 9), Julia-Maria Kretz(Vln on 9), Amihai Grosz(Viola on 9), Torleif Theodeen(Cello on 9), Boris Andrianov(Collo on 9), Stacey Watton(B on 9) - 1. Insight 2-4. Concerto For Cello And Strings 5. Frozen River Flows 6-8. Suite On Old Style 9.Such Different Paths

(13/07/13)Dobrinka Tabakovaは’80年ブルガリア生まれの女性作曲家。少し民族的な要素もサウンドの中に織り交ぜつつ、温度感としては寒色系の割と自然なサウンドで語ってきます。シンプルとまではいかないけれど、少しゆったりとした澄んだサウンドは、心地良いかも。現代的というよりは、民族的なサウンド。活発なサウンドが時に混ざったり(アルペジオ的なフレーズ)して、やっぱり現代の作曲家だな、ということを思わせます。艶あり。

2238

Takemitsu/Hindemith/Janacek/Silvestrov/Five Pieces/Duo Gazzana(ECM New Series 2238)(輸入盤) - Natascia Gazzana(Vln), Raffaella Gazzana(P) - Toru Takemitsu: 1. Distance De Fee   Paul Hindemith: 2-3. Sonata In E   Leos Janacek: 4-7. Sonata   Valentin Silvestrov: 8-12. Five Pieces

(11/11/07)演奏の2人の姉妹はイタリア出身で、現代音楽も得意とするデュオだそうです。ここでは’50年代(武満徹)、’30年代(ヒンデミス)、20世紀の割とはじめの時期(ヤナーチェク)の曲を取り上げ、タイトル曲の(シルヴェストロフ)’04年作では比較的新しい現代音楽を演奏しています。作曲者は時代も個性も違い、4人4様といった感じでバラエティに富んでいて、それを奏で上げていく姉妹の演奏も、けっこう素晴らしいものがあります。

2237

The Well/Tord Gustavsen(P) Quartet(ECM 2237)(輸入盤) - Recorded February 2011. Tore Brunborg(Ts), Mats Eilertsen(B). Jarle Vespestad(Ds) - 1. Prelude 2. Playing 3. Suite 4. Communion 5. Circling 6. Glasgow Intro 7. On Every Corner 8. The Well 9. Communion, Var. 10. Intuition 11. Inside

(12/02/13)全曲トルド・グスタフセンの作曲。ワン・ホーン・クァルテットの演奏なのだけど、サックスがあまり目立たずに、時にピアノ・トリオに聴こえて、かすかにホーンが鳴っているような部分もあり、トリオのサウンドの流れに寄り添うような感じがしています。3曲目以降でははっきりとソロを吹く曲もあるも、その温度感は低くしっとりとしていて、ジャズという流れからは遠いところを流れている北欧ジャズ、というようなところがあるのでしょう。やはりこれはどこを切ってもグスタフセンのサウンドとしか言いようがなく、エキゾチックで魅惑的。以前のトリオの作品に慣れている方にも、すんなり入っていけそう。どの曲もたゆたうようにゆっくり進んでいく雰囲気。5曲目は緩やかな8ビートで明るめの曲です。でも大半は薄暮のようなサウンド。

2236

The Gurdjieff Folk Instruments Ensemble/Levon Eskenian(Director)/Music Of Georges I. Gurdjieff(ECM 2236)(輸入盤) - Recordeed November and December 2008. Emmanuel Hovhannisyan(Duduk), Avag Margaryan(Blul), Armen Ayvazyan(Kamancha), Aram Nikoghosyan(Oud), Levon Torosyan(Oud), Meri Vardanyan(Kanon), Vladimir Papikyan(Santur), Davit Avagyan(Tar), Mesrop Khalatyan(Dap, Dhol), Armen Yaganyan(Saz), Reza Nesimi(Tombak), Harutyun Chkolyan(Duduk), Tigran Karapetyan(Duduk), Artur Atoyan(Dam Duduk) - 1. Chant From A Holy Book 2. Kurd Shepherd Melody 3. Prayer 4. Sayyid Chant And Dance No.10   5. Sayyid Chant And Dance No.29   6. Armenian Song 7. Bayaty 8. Sayyid Chant And Song No.9   9. No.11   10. Caucasian Dance 11. No.40   12. Trinity 13. Assyrian Women Mourners 14. Atarnakh, Kurd Song 15. Arabian Dance 16. Ancient Greek Dance 17. Duduki

(11/07/27)グルジェフはアルメニア生まれの哲学者、作曲家となっていて、個人的にはキース・ジャレットの演奏が耳から離れませんが、今回ディレクターのLevon Eskenianが、アルメニア独自の音楽(フォークソングや聖歌とのこと。一種のワールド・ミュージックと言っていいかも)を基調に、新しい解釈で、古い当時の世界観のように表現しなおしたもの。楽器もアルメニア地方で使われる民族楽器がふんだんに出てきます。完全な別世界がそこにあらわれているけれども、元々グルジェフを紹介するときは作曲者よりも先に神秘思想家が前面に出ていることが多いので、こういうサウンドもアリだろうな、と思わせるところがスゴいです。ただ、あくまでも静かに、神秘的に、そしてエキゾチックな世界が淡々と続いているという雰囲気です。

2235

Year Of The Snake/Fly(ECM 2235)(輸入盤) - Recorded January 2011. Mark Turner(Ts), Larry Grenadier(B), Jeff Ballard(Ds) - 1. The Western Lands 1   2. Festival Tune 3. The Western Lands 2   4. Brothersister 5. Diorite 6. Kingston 7. Salt And Pepper 8. The Western Lands 3   9. Benj 10. Year Of The Snake 11. The Western Land 4   12. The Western Land 5

(12/05/06)3人のフリー・インプロヴィゼーションが4曲(3、7、11、12曲目)、他はメンバーそれぞれの曲ないしは2人の合作。タイトル曲や4曲提供しているところをみると、マーク・ターナー中心と考えていいか。2、6曲目にやや激しめの曲がありますが、基本的にはECMらしい静かな部分の多い、サックス・トリオ。まあ、メンバーがメンバーなので、飽きさせるということはないとは思いますが、やはり空間的な部分の大きさから聴く人を選ぶアルバムかもしれない、と思います。温度感は、ターナーの個性でもあるのですが、けっこう低めです。ベースとドラムスもブラッド・メルドー・トリオの時とは性格を異にしますけど、こういう静かめのバランスでうまくトリオとして入り込んでいく音のタイミングの良さはなかなか。かなり内省的なアルバム。

2234

Snakeoil/Tim Berne(As)(ECM 2234)(輸入盤) - Recorded January 2011. Oscar Noriega(Cl, Bcl), Matt Mitchell(P), Ches Smith(Ds, Per) - 1. Simple City 2. Scanners 3. Spare Parts 4. Yield 5. Not Sure 6. Spectacle

(12/02/12)全曲ティム・バーンの作曲で、4曲目のみMatt Mitchellとの共作。相変わらず構築された部分も目立つコントロールされたフリーという印象で、その音の出方がやや強い場面もあることから、ECMらしからぬ、という印象もないではないけれど、マンフレート・アイヒャーのプロデュースで、うまくコントロールされたサウンドにもなっています。バーンのある面はこういう方向性もありましたし。6曲で68分収録と、長尺な曲が多いのも特徴。その構築性から、現代音楽を聴いているような感じになることもあります。けっこうストイックなサウンド作りをしていて、静かな場面では緊張感を強いるところもあります。2、5-6曲目は割とフリー性が強く、構築部分もありながらも押しだしが強いです。曲によってサウンドがはっきり違います。

2233

Indicum/Bobo Stenson(P) Trio(ECM 2233)(輸入盤) - Recorded November and December 2011. Anders Jormin(B), Jon Falt(Ds) - 1. Your Story 2. Indikon 3. Indicum 4. Ermutigung 5. Indigo 6. December 7. La Perefrinacion 8. Event VI 9. Ave Maria 10. Tit Er Jeg Glad 11. Sol 12. Ubi Caritas

(12/11/14)3人のフリー・インプロヴィゼーションが3曲(2-3、5曲目)、アンダース・ヨーミン作が2曲(6、11曲目)、ビル・エヴァンス作(1曲目)、思索的なジョージ・ラッセル作(8曲目)、きれいなメロディのノルウェーのトラディショナル(9曲目)その他他者の曲で構成。あくまでも非4ビートの曲たち。1曲目はソロ・ピアノ。フリーの曲はやや盛り上がりを見せつつの8ビート的ワン・コード的進行の2曲目、静かにたゆたうように進んで行く3曲目、ベース・ソロではじまって、哀愁の雰囲気で進んで行くこれまたやや盛り上がり8ビートの5、7曲目。乾いた感じで哀愁ポップス的な感触もある4曲目、美しい薄暮の響きがありつつ物語性のある6曲目、穏やかでポップス的な雰囲気の10曲目、ベースのアルコではじまる語り合いのような11曲目。

2232

Ad Lucem/Anders Jormin(B)(ECM 2232)(輸入盤) - Recorded January 2011. Mariam Wallentin(Voice), Erika Angell(Voice), Fredrik Ljungkvist(Cl, Bcl, Ts), Jon Falt(Ds) - 1. Hic Et Nunc 2. Quibus 3. Clamor 4. Vigor 5. Inter Semper Et Numquam 6. Lignum 7. Matutinum 8. Vox Animae 9. Vesper Est 10. Lux 11. Caeruleus 12. Matutinum - Clausula

(12/03/20)4曲目が5人のフリー・インプロヴィゼーション、6曲目がJon Faltの作曲で、他はAnders Jorminの作詞(5曲目以外)・作曲。ヴォイスの2人が北欧の民族音楽(フォークソング)のような響きをもってせまります。全曲で歌っているわけではありませんが。バックも通常のジャズのサックス(クラリネット)・トリオとは一線を画した、北欧の音楽というような温度感低く、しかもじっくりと近づいてくる場面と、(特に4、11曲目は)フリーに近いようなジャズの、北欧的なサックス・トリオのところと分かれています。管の時おり緊張感のあるソロもあって、ベースが前面に出てくるところもあったり。精神的にジャズも強いけど、そうでもなし、といった感じが部分部分に。薄暮の中を透明感のある女声2声が整然としたコーラスでさまよいます。

2230

Johann Sebastian Bach/Six Sonatas For Violin And Piano(ECM New Series 2230/31)(輸入盤) - Recorded November 2010. Michelle Makarski(Vln), Keith Jarrett(P) - 1-4. Sonata No.1 In B MInor(BWV1014) 5-8. Sonata No.2 In A Major(BWV1015) 9-12. Sonata No.3 In E Major(BWV1016) 13-16. Sonata No.4 In C Minor(BWV1017) 17-20. Sonata No.5 In F Minor(MWV1018) 21-25. Spnata No.6 In G Major(BWV1019)

(13/09/28)バッハは18世紀ドイツの作曲家。2枚組CD。キース・ジャレットがピアノを弾いているのが特色ですが、過去にも彼のクラシックへの参加作品は多いし、ここでもあくまでもバッハの演奏になっています。この曲は普通はチェンバロだそうですが、ここではピアノを用い、バッハの世界を堪能することができます。曲は一聴してバッハの演奏と分かる強さがあり、ヴァイオリンとの相性も良いので、いい世界が展開されていると思います。

2229

J.S. Bach/Ich Hatte Viel Bekummernis/Heinz Holliger(Oboe, Oboe D'amore)/Erich Hobarth(Vln, Cond)/Camerata Bern(Ecm New Series 2229)(輸入盤) - Recorded December 2010. - Johann Sebastioan Bach: 1. Sinfonia 2-4. Konzert C-Moll 5. Adagio 6-8. Konzert A-Dur   Alessandro Marcello/Johann Sebastian Bach: 9-11. Konzert D-Moll   Johann Sebastian Bach: 12. Sinfonia 13-15. Konzert D-Moll

(11/07/05)バッハは18世紀ドイツの作曲家。Alessandro Marcelloは同時期の音楽家でもあるイタリア人貴族。このアルバムでは有名な曲も含め、バッハばかりになっていて、現代音楽とカップリングすることの多いECMとしては異色。でもこちらの方が普通のアルバムの出し方か。バッハはあまりにも有名な大音楽家ゆえ、知っている曲が多くて、安心して聴くことができます。ここではHeinz Holligerもバロック音楽に徹しています。王道の作品。

このページのトップヘ