ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

カテゴリ: ECM2301-2349番

2349

Driftwood/Wolfgang Muthspiel(G)/Larry Grenadier(B)/Brian Blade(Ds)(ECM 2349)(輸入盤) - Recorded May 2013. 1. Joseph 2. Uptown 3. Cambiata 4. Highline 5. Driftwood 6. Lichtzelle 7. Madame Vonn 8. Bossa For Michael Brecker

(14/05/25)5曲目のタイトル曲のみ3人のフリー・インプロヴィゼーションで、他は全曲ウォルフガング・ムースピールの作曲。メンバーがメンバーだけどECMらしい展開になってます。43分と収録時間も短め。静寂の中からしっとりとしたメロディが浮かび上がっては消えて行くフリーに近い1曲目、6拍子基調で、ややリズミカルさとエキゾチックさがある2曲目、しっとり哀愁系で淡々と進んでいく3曲目、出だしのベースのアルコのメロディが郷愁をさそうも歪んだギターの音で後半せまる4曲目、まるで作曲された曲のように展開がきっちりとしている5曲目、静かに漂いながら空間的なスペースの中を進んでいく6曲目、穏やかなメロディが印象的で、ほんのりくるバラードの7曲目、ややトンガリ気味のボッサでフレーズも少し過激になる8曲目。

2348

Inventio/Jean-Louis Matinier(Accordion)/Marco Ambrosini(Nyckelharpa)(ECM 2348)(輸入盤) - Recorded April 2013. - 1. Wiosna 2. Tasteggiata 3. Basse Dance 4. Szybko 5. Presto From Sonata G-minor (BWV1001) 6. Inventio 4 (BWV775) 7. Taiga 8. Qui Est Homo 9. Praeludium From Rosary Sonata No.1   10. Oksu 11. Hommage 12. Kochanie Moje 13. Balinese 14. Tasteggiata 2 15. Sicilienne

(14/06/18)Jean-Louis Matinier作が7曲(1、4、7、10-13曲目)、Marco Ambrosini作が2曲(3、14曲目)、2人のミステリアスかつ現代音楽的インプロヴィゼーションが2曲目。バッハの曲も2曲(5-6曲目)にあります。9曲目がHeinrich Ignaz Franz Biber、15曲目がAndre Astierとやはりクラシックの曲なので、そちらにも傾きますが、やはり聴いてみると彼らのペースのサウンド。フランス人のアコーディオンとイタリア人のニッケル・ハルパの奏者の演奏。アレンジは大半が2人で手掛けてますが、2曲ずつそれぞれでやっています。インプロヴィゼーション的な部分もあるのでしょうが、ヨーロッパの民族音楽的な淡い哀愁の雰囲気が中心にあります。ある程度静かなサウンドが基調のように見えて、情熱的な面も見せてくれています。

2347

Le Vent/Colin Vallon(P) Trio(ECM 2347)(輸入盤) - Recorded April 2013. Patrice Moret(B), Julian Sartorius(Ds) - 1. Juuichi 2. Immobile 3. Le Vent 4. Cendre 5. Fade 6. Goodbye 7. Le Quai 8. Pixels 9. Altalena 10. Rouge 11. Styx 12. Coriolis

(14/03/12)1曲目がPatrice Moret作、11-12曲目が3人のインプロヴィゼーションの他は全曲Colin Vallon作曲。非4ビート系のヨーロピアンなピアノ・トリオ。それもピアノ・トリオらしくない、浮遊感漂う美しいメロディが強調されて、3人がまとまりながら、時に静かに、時に情念をふつふつとさせて、あたかもそのゆったりとしたメロディにひたり、メロディの持続や繰り返しでトランス状態になるような、いかにもECMならではの演奏。あまりにもゆったりすぎて、やはり聴く人を選ぶことになるとは思いますが、渋い映画音楽を聴いているつもりでいると、心が落ち着きます。ピアノとベースがメロディに絡みながら、ドラムスがけっこう自由に動いていることがあり、曲の盛り上がりに影響しています。タイトル曲の3曲目は静かでしっとりとした演奏。

2346

Il Cor Tristo/The Hilliard Ensemble(ECM New Series 2346)(輸入盤) - Recorded November 2012. David James(Countertenor), Rogers Covey-Crump(Tenor), Steven Harrold(Tenor), Gordon James(Baritone) - Bernardo Pisano: 1. Or Vedi, Amor 2. Nove Angeletta 3. Chiare, Fresche Et Dolci Acque   Roger Marsh: 4. Il Cor Tristo -I   Jacques Arcadelt: 5. Solo E Pensoso 6. L'aere Gravato 7. Tutto 'L Di Piango   Roger Marsh: 8. Il Cor Tristo -II   Bernardo Pisano: 9. Si E Debile Il Filo 10. Ne La Stagion 11. Che Debb'io Far?   Roger Marsh: 12. Il Cor Tristo -III

(13/12/10)Roger Marshはイギリス生まれ、アメリカ在住の現代音楽家。ダンテ(13-14世紀)の叙事詩を現代音楽のハーモニーで作曲し、このアルバムでは3カ所に分散してあります。また、14世紀イタリアの詩人Francesco Petrarcaの詩で、ルネッサンス期のイタリアの作曲家Bernardo Pisano(16世紀)、Jacques Arcadelt(16世紀)の歌を現代音楽の間に挟み込み、その違いと調和を楽しむことができます。あまり難解な感じではない。

2345

Tre Voci/Kim Kashkashian(Viola)/Sivan Magen(Harp)/Marina Piccinini(Fl)/Takemitsu/Debussy/Gubaidulina(ECM New Series 2345)(輸入盤) - Recorded April 2013. - Toru Takemitsu: 1. And Then I Knew 'Twas Wind   Claude Debussy: 2-4. Sonata For Flute, Viola And Harp   Sofia Gubaidulina: 5. Garten Von Freuden Und Traurigkeiten

(14/10/14)19世紀から現代までの3人の作曲家の曲を、フルートとヴィオラとハープでの少し変わった編成で演奏。ECMらしく、静かで温度感の低い演奏です。1曲目は武満徹の現代音楽の作品だけれども、そんなに難解だというイメージはありません。2-4曲目のドビュッシーの曲も、少し時代は前になってメロディが少し強調されて盛り上がりもありますが、うまく1曲目とつながって聴かせます。5曲目は、もう少し沈んだやや硬質な現代音楽。

2344

Kate Moore/Dances And Canons/Saskia Lankhoorn(P)(ECM New Series 2344)(輸入盤) - Rcorded April 2013. - 1. Spin Bird 2. Stories For Ocean Shells 3. The Body Is An Ear 4. Canon 5. Zomar 6. Joy 7. Sensitive Spot 8. Spin Bird

(14/11/27)Kate Mooreは’79年イギリス生まれの作曲家。現代音楽という感じではなくて、現代のクラシック音楽とか環境音楽に近いような聴きやすさとしっとり感を持っています。各曲のタイトル横に1台のピアノ、2台、4台、多くの、と記載があって、多重録音の曲もあるんでしょう。ソフトな感じのECM(ジャズ)のソロピアノと、記譜がされているとはいえ、ボーダーレスにつながる面を持っています。かなり叙情的なサウンドが印象に残ります。

2343

Momo Kodama(P)/La Vallee Des Cloches(ECM New Series 2343)(輸入盤) - Recorded September 2012. - Maurice Ravel: 1-5. Miroirs   Toru Takemitsu: 6. Rain Tree Sketch   Olivier Messiaen: 7. La Vallee Des Cloches

(13/10/18)パリ在住の日本人ピアノ奏者児玉桃のECM初作品。フランスの作曲家モーリス・ラヴェルの20世紀初頭の作品「鏡」から、武満徹の小品をはさんで、フランスの現代音楽家、オリヴィエ・メシアンの「ニワムシクイ」へとつながっていきます。ラヴェルの時点で、はっきりしたクラシックというよりは、綾織り系の現代音楽が混ざった感じのおぼろげな味わいで聴く感じ。メシアンの曲は完全に現代音楽で、この曲は大傑作なんだそうですが。

2342

Piano/Myung Whun Chung(P)(ECM New Series 2342)(輸入盤) - Recorded July 2013. - 1. Claude Debussy: Clair De Nune 2. Frederic Chopin: Nocturne In D-flat Major Op.27/2   3. Ludwig Van Beethoven: Fur Elise 4. Pyotr Ilyich Tchaikovsky: Autumn Song 5. Franz Schubert: Impromptu In E-flat Major D899/2   6. Robert Schumann: Traumerei 7. Rebert Schumann: Arabeske 8. Franz Schunert: Impromptu In G-flat Major D-899/3   9. Frederic Chopin: Nocturne In C-sharp Minor Op.Posth. 10. Wolfgang Amadeus Mozart: 12 Variations On Ah! Vous Dirai-je, Maman K.265

(14/03/30)韓国の有名な指揮者であり、ピアニストのチョン・ミョンフンの初のピアノ・ソロ・アルバムとのこと。ピアノ名曲集としてもECM初だそうで、初づくしですが、プロデューサーは次男のSun Chungではなくて、マンフレート・アイヒャー。ECMだと録音の音圧的には抑えられ、温度感もやや低めですが、名曲集ということで、ECMファンならずとも、手にする人は多いのではないかと思われます。いい曲が揃っているので、何度も聴けそうです。

2341

Erkki-Sven Tuur/Seventh Symphony/Piano Concerto(ECM New Series 2341)(輸入盤) - Recorded June 2009 and June 2010. Laura Mikkola(P on 1-3), Frankfurt Radio Symphony Orchestra, Paavo Jarvi(Cond), NRD Choir(on 4-7), Werner Hans Hagen(Choirmaster on 4-7) - 1-3. Piano Concerto 4-7. Symphony No.7 'Pietas'

(14/03/13)Erkki-Sven Tuurはエストニアの現代音楽家。今回は’06年と’09年に作曲された曲で、録音時には新しいもの。前者はピアノ・コンチェルトで、後者はオーケストラに合唱団を加えたもの。硬派ではあるけれども、あまり極端に難解な感じでもなくて、時に情緒的な部分を垣間見せてくれます。ダイナミックレンジが広い感じは相変わらずで、ドンとくることもあれば、後半では合唱が加わって荘厳な雰囲気の場面も。でもやはり現代音楽。

2340

Il Pergolese(ECM 2340)(輸入盤) - Recorded December 2012. Maria Pia De Vito(Voice), Francois Couturier(P), Anja Lechner(Cello), Michele Rabbia(Per, Electronics) - 1. Ogne Pena Cchiu Spietata 2. Amen - Fac Ut Portem 3. Sinfonia For Violoncello 4. Chi Disse Ca La Femmena 5. Tre Giorni Son Chi Nina 6. Fremente 7. In Compagnia D'amore I 8. In Compagnia D'amore II 9. Dolente

(13/11/24)イタリアのヴォーカリストMaria Pia De Vitoが参加するヴォーカルアルバム。18世紀イタリアの作曲家ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージの曲が前半にあり、1、2曲目後半、3-5曲目がそれにあたります。後半などは、メンバーによる作曲というか、特に6-8曲目は連名になるので参加者のフリー・インプロヴィゼーションになります。ヴォイスも実験的な歌い方もあり。ただ、フリーの演奏もあっても、どの曲もペルゴレージにインスパイアされた曲と表記してあり、New Seriesとのボーダーレスな作品。常にヴォーカリストが歌っているわけではなく、インストルメンタルの部分も多いのでヴォーカル名義でないのかも。パーカッションやエレクトロニクスが時おり入り、インプロ的な広義のジャズの緊張感をもたらしています。

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