ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了し、’17年のところに番号順になるようにアップしています。

カテゴリ: ECM2301-2349番

2339

Shadow Man/Tim Berne's Snakeoil(As)(ECM 2339)(輸入盤) - Recorded January 2013. Oscar Noriega(Cl, Bcl), Matt Mitchell(P, Tack and Wurlitzer Pianos), Ches Smith(Ds, Per, Vib) - 1. Son Of Not So Sure 2. Static 3. Psalm 4. OC/DC 5. Socket 6. Cornered (Duck)

(13/10/26)3曲目がポール・モチアン作、2曲目がマルク・デュクレとの共作で、他は(1、4-6曲目)はティム・バーンの作曲。相変わらず温度感が低くて無機的なフリーなのに、構築された部分との境目が分からず、メンバーが好き勝手にやってはいても、サウンドとしてきっちり譜面にでも書いてないとできないようなアンサンブルを聴かせるところがあります。フリーの要素が多いので、聴く人を選ぶかも。ECMにしてはハードで音も大きい部分もありますが、硬派なフリーの部分を背負って演奏していてもバーンのいつものサウンド。マンフレート・アイヒャーがプロデュースではないです。モチアン作の3曲目も、叙情的な感じで、バーンの表現が冷たくて美しい。後半3曲がそれぞれ22、18、16分の長尺かつドラマチックな展開の演奏。

2338

Arborescence/Aaron Parks(P)(ECM 2338)(輸入盤) - Recorded November 2011. - 1. Asleep In The Forest 2. Toward Awakening 3. Past Presence 4. Elsewhere 5. In Pursuit 6. Squirrels 7. Branchings 8. River Ways 9. A Curious Bloom 10. Reverie 11. Homestead

(13/12/08)全曲アーロン・パークスの作曲。タイトルを直訳すると「樹木状」となりました。各曲のタイトルも木とか森とか、風景とか、あるいはもっと抽象的なものだったり。そのサウンドも情景描写的に進んで、あるいは自然に広がって行く感じで、まさにECMらしいソロ・ピアノの演奏がそこにあります。今回はプロデューサーがSun Chungという韓国の人で、マンフレート・アイヒャーの文字はありません。一説によればアイヒャーを引き継ぐ人との噂もありますが、まさにその承継にふさわしいようなサウンドです。自然と寄り添って歩くようなサウンドは、小難しいところが少ないかわり、どこか静けさや温度感の低さがあって、アルバム全体が物語を構成しているような雰囲気になります。即興の部分が大きいだろうけど、クラシック的でもあり。

2337

Lua Ya/Yeahwon Shin(Voice)(ECM 2337)(輸入盤) - Recorded May 2012. Aaron Parks(P), Rob Curto(Accordion) - 1. Lullaby 2. Moving Cloulds 3. Island Child 4. Mysteries 5. The Moonwatcher And The Child 6. The Orchard Road 7. Remembrance 8. Beads Of Rain 9. A Morning Song 10. Travel Blue 11. Beads Of Rain, Var. 12. The Orchaed Road, Var. 13. Sunrise

(13/08/25)メンバーでの合作が1、4、9-10、13曲目で、他は韓国人の作詞作曲によるもの。40分で13曲とコンパクトで、ヴォーカルも、ジャズではないストレートで素直な、やや高めのヴォイスで、曲も素直な演奏になっています。なぜECMで、という疑問もありますけど、こういうヴォイスはECMでは他のヴォーカリストでも複数あったので、その傾向で選んだのかもしれません。伴奏もヴォーカルに合わせた素直で音数の少なめなものになっています。ヴォーカリストは「すべての地域の母と子供に捧げる」と曲目の最後に書いてあるので、あえて穏やかな、音数の少ない落ち着いたメロディを、母子に聴かせたいという目的があったのかも。アーロン・パークスは、力を抜いた優しい演奏に終始しています。曲のぬくもりがいいかも。

2336

Sunrise/Ketil Bjornstad(P)(ECM 2336)(輸入盤) - Recorded April 2012. Kari Bremnes(Vo), Aage Kvalbein(Cello), Matias Bjornstad(As), Bjorn Kjelleyr(B), Hans-Kristian Kjos Sorensen(Per), Oslo Chamber Choir, Egil Fossum(Cond) - 1. En Rovfugl Har Satt Seg Fast I Mitt Indre 2. Moren 3. Intet Er Lite 4. Jorden Elskede Luften 5. Resitativ I 6. Stupet 7. Som I En Kirke 8. Intermezzo I 9. Livets Dans 10. Apent Vindu 11. Resitativ II 12. Adskillelsen 13. Intermezzo II 14. Gravsten 15. Resitativ III 16. Alfa Og Omega 17. De Fineste Nerver Er Rammet 18. Intermezzo III 19. Soloppgang

(14/05/06)全曲ケティル・ビヨルンスタの作曲。サブタイトル的に「A Cantata On Texts By Edvard Munch」(ノルウェーの画家(ムンクの「叫び」が有名)です)とあります。小品のResitativ(5、11、15曲目、ジャズ的フリー・インプロヴィゼーション)とIntermezzo(8、13、18曲目、クラシック的)以外は歌詞が入っているヴォーカル曲。それに合唱団がつくという構成。78分間、ジャズ色は多くなく(それでも小品たちと4曲目や9曲目ラストにありますが)、クラシック的な曲もあったり6曲目はボッサ的なサウンドで、9曲目は8分の6拍子で、17曲目は8ビートでせまってきます。彼らしく透明度の高いサウンドで、そこにヴォーカルやコーラス、チェロ、サックスなどが時に絡み、多くは素直なメロディが展開しています。ボーダーレスなアルバム。

2335

One Is The Other/Billy Hart(Ds) Quartet(ECM 2335)(輸入盤) - Recorded April and May, 2013. Mark Turner(Ts), Ethan Iverson(P), Ben Street(B) - 1. Lennie Groove 2. Maraschino 3. Teule's Redemption 4. Amethyst 5. Yard 6. Sonnet For Stevie 7. Some Enchanted Evening 8. Big Trees

(14/03/11)ビリー・ハート作が3曲(3-5曲目)、マーク・ターナー作が2曲(1、6曲目)、Ethan Iverson作が2曲(2、8曲目)スタンダードの7曲目。温度感は相変わらず低いです。細かいフレーズでフリー的かつクラシカルな出だしから、複雑なフレーズのモーダルな冷めた感じの本編に入って行く1曲目、やや無機的でしっとりと相反する要素のあるバラードの2曲目、自由な出だしからまとまりを見せ、徐々に盛り上がっていく3曲目、メロディアスなんだけど冷めていて、その後フリーに向かう4曲目、ジャズ的でもあり、独特な絡みをみせつつ進む5曲目、素朴そうなメロディだけど相変わらず温度感が低い、時に4ビートもある6曲目、スタンダードも自由なバラードで演奏する7曲目、サックスの速いパッセージと自由なビートの8曲目。

2334

39 Steps/John Abercrombie(G) Quartet(ECM 2334)(輸入盤) - Recorded April 2013. Marc Copland(P), Drew Gress(B), Joey Baron(Ds) - 1. Vertigo 2. LST 3. Bacharach 4. Greenstreet 5. As It Stands 6. Spellbound 7. Another Ralph's 8. Shadow Of A Doubt 9. 39 Steps 10. Melancholy Baby

(13/10/14)ジョン・アバークロンビー作が6曲(1、3-5、7、9曲目)、マーク・コープランド作が2曲(2、6曲目)、4人でのインプロヴィゼーションが1曲(8曲目)、とスタンダード(10曲目)。4人中3人(ドラムス以外)の共演アルバムは過去にもあり、今回のメンバーはECM的にも強力かも。温度感が低く、淡い感触の曲が多く、特にギターとピアノはいつかECMでやりそうだ、と思っていました。ただテンポ的にはあまりゆったりした感じでもなく、多少なりともビート感があったり、低めの温度ながら、2曲目は割とアップテンポの4ビートの部分も多く、ある程度活発な動きをしています。8曲目は比較的静かながらもなかなか鋭いインプロヴィゼーションを切り取っています。タイトル曲の9曲目も感触は静かな感じ。10曲目は自由なやり取り。

2333

Dance Without Answer/Norma Winstone(Voice)(ECM 2333)(輸入盤) - Recorded December 2012. Klaus Gesing(Bcl, Ss), Glauco Venier(P) - 1. Dance Without Water 2. Cucurrecucu Paloma 3. High Places 4. Gust Da Essi Viva 5. A Tor A Tor 6. Live To Tell 7. It Might Be You 8. Time Of No Replu 9. San Diego Serenade 10. A Breath Away 11. Be'in Green 12. Slow Fox 13. Everybody's Talkin'

(14/02/22)同じメンバーでは3作目。ノーマ・ウィンストンの詞にKlaus Gesingの曲が1、3、12曲目にあったり、他にも彼女の作詞が2、10曲目にもあり、トラディショナルの詩の5曲目、マドンナの曲の6曲目、デイヴ・グルーシン作曲の7曲目、ニック・ドレイク作の8曲目、トム・ウェイツ作の9曲目など、ロック・ポップス方面の曲も目立ちます。ただ、それらの曲も、この変則編成で淡々と歌っていくので、ちょっと聴いた限りでは、オリジナルの曲が連なっているような雰囲気もあります。以前のアルバムにも違うところから曲を持ってきたこともありましたが。どういう曲を持ってきてもサウンドはジャケットのような雪景色を連想させるように、温度感は低めに感じます。淡々としたヴォイスと演奏が、彼女たちには似合っていると思います。

2332

O Que Sera/Stefano Bollani(P)/Hamilton De Holanda(Mandolin)(ECM 2332)(輸入盤) - Recorded August 17, 2012. - 1. Beatriz 2. Il Barbone Di Siviglia 3. Caprichos De Espanha 4. Guardo Che Luna 5. Luiza 6. O Que Sera 7. Rosa 8. Canto De Ossanha 9. Oblivion 10. Apanhei-Te Cavaquinho

(13/08/25)ライヴ。ステファノ・ボラーニ作が2曲目、Hamilton De Holanda作が3曲目で、他はアントニオ・カルロス・ジョビン作(5曲目)はじめブラジル近辺の曲が多そう。1、5、7、9曲目のようにECM的に静かな曲(それでも温かみがあります。)もありますが、丁々発止の速いフレーズの曲が目立ちます。2曲目のフリーがかったようにも聴こえる、パッセージがかなり速い曲がスリリング。マンドリンのフレーズが安定していて、やはりマンドリンがかなりの腕前なことを証明しています。5拍子基調で哀愁のある勢いのある3曲目もなかなか。ある意味ECMのイメージを超えるかも。他の曲もブラジリアン・フレイバーが満載で、けっこう聴いていて楽しい。アルバム全体の統一感は素晴らしく、この味が出せるのはこの2人ならではかも。

2330

Marc Sinan(G)/Hasretim/Journey To Anatolia(ECM 2330/31)(CD/DVD)(輸入盤) - [CD] Recorded July 2011. Dresdner Sinfoniker, Jonathan Stockhammer(Cond), Asiye Gol(Voice), Husseyin Altay(Tulum), Sener Gok(Voice, Saz), Haci Omer Elibol(Kaval), Fikret Kurt(Voice, Saz), Ismal Kucuk(Voice, Kemence), Omer Oarlak(Kaval), Mesut Kurt(Kemence), Asik Eminoglu(Voice, Saz), Turam Akdag(Zurna, Mey, Voice), Sercan Kaya(Davul), Asik Gunay Yidiz(Voice, Saz), Asik Bulal(Voice, Saz), Seyit Ak(Zurna), Ilhan Ak(Davul), Eda Var(Voice) - 1. Prolog   Tableau 1 - Ordu 1. Ordu Taksimi 2. Asiye'nin Gurbeti 3. Gayri Dayanamam 5. Boztepe'nin   Tableau 2 - Yayla 6. Kara Koyun Horlatmasi 7. Doyulumu Doyulumu (Neset Ertas)   Tableau 3 - Trabzon 8. Ismail'in Sinan'la Atismasi 9. Surmene'de Kar 10. Acisu Horonu   Tableau 4 - Erzurum 11. Asik Eminoglu Hicivi 12. In Memory Of Vahide 13. Askale Tamzara   Tableau 5 - Kars 14. Asik Gunay Yildiz Ve Asik Bilal Atismasi 15. 99 Beautiful Names   16. Epilog   [DVD] Recorded October 2010. Dresdner Sinfoniker, Andrea Milino(Cond), Mustafa Boztuy(Darbuka, Framedrum), Guc Basar Gulle(Ud), Omer Can Satir(Kaval), Onur Senturk(Kemence), Erdem Simsek(Saz), Araik Bartikian(Duduk, Zurna), Vazgen Makaryan(Duduk, Zurna)

(13/09/29)CDとDVDの2枚組という新たな試みで、録音は違うけれど、コンセプトはほぼ同じで、大まかな曲順もほぼ同じだと思います。クレジットにはMarc Sinanが音楽、アイデア、コンセプトとプロダクションとあるけれど、作曲というよりはアルメニアやトルコの伝統音楽をアレンジしたのでは。CDの方はプロローグがオーケストラで、他は現地での録音を集めてきたような感じ。DVDは録音が背景に映って、それにオーケストラが合わせているというのが見てとれます。かの地の民族音楽を、CDでは比較的直接に収録し、DVDではオーケストレーションを加えるということで、いかにもECMが紹介する民族音楽という雰囲気にもっていってます。ジャケットはCDサイズと、このDVDサイズと2種類ある模様。クレジットの記載はちょっと苦労。

2329

Galina Ustvolskaya/Patricia Kopatchinskaja(Vln)/Markus Hinterhauser(P)/Reto Bieri(Cl)(ECM New Series 2329)(輸入盤) - Recorded March 2013. - 1. Sonata For Violin And Piano 2-4. Trio For, Clarinet, Violin And Piano 5. Duet For Violin And Piano

(14/11/26)Galina Ustvolskayaは20世紀から21世紀初頭にかけてのロシアの女流現代音楽家。作曲はそれぞれ’52年、’49年、’64年と20世紀中期のものが多いですが、現代音楽としてはまっただ中の作曲であり、演奏です。ただ彼女は誰からも影響を受けていないとのことで、そう言われてみればやや空間的でもあり、個性的でもあります。そう言えば、偶発的に次の音が出てくる部分と調性的な部分もあるように感じてます。やや難解。

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