ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業をし、’20年からLP聴きも追加してあと本編の未配信2枚(1264, 1268)とJAPO3枚(60008, 60023, 60030)を残して完了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは言及する予定はないです。

2702


Uma Elmo/Jakob Bro(G)/Arve Henriksen(Tp, Piccolo Tp)/Jorge Rossy(Ds)(ECM 2702)(輸入盤) - Recorded August/September 2020. - 1. Reconstruction A Dream 2. To Stanko 3. Beautiful Day 4. Morning Song 5. Housework 6. Music For Black Pigeons 7. Sound Flower 8. Slaraffenland 9. Morning Song (Var.)

(21/02/23)全曲ヤコブ・ブロの作曲。収録時間は61分。デンマーク、ノルウェー、スペインのトリオ。そのサウンドは、かなり空間的な曲が続き、ベースレスでも十分にその表現ができることを証明している1枚。その叙情的なサウンドの中でややほの暗い空間はゆらゆらと動いて、少しずつ表情を変えて行きます。そしてそのまま情念的なサウンドに向かっていくこともあって、気が付いたら盛り上がっていたということも。特に1曲目にその流れを感じます。2曲目はトーマス・スタンコに、6曲目はリー・コニッツに捧げられています。曲によっては静かなまま進んでいくけど、時にややシリアスな展開になったりして、そのあたりはECMということで、好みはあろうかと思います。ホルヘ・ロッシィもこういう演奏ができるんだと改めて納得。

2653

Hallgato/Ferenc Snetberger(G)/Keller Quartett(ECM New Series 2653)(輸入盤) - Recorded December 2018. Keller Quartett: Andras Keller(Vln), Zsofia Kornyei(Vln), Gabor Homoki(Viola), Laszlo Fenyo(Cello) - Gyula Lazar(B) - Ferenc Snetberger: 1-3. Concerto For Guitar And Orchestra "In Memory Of My People"   Dmitri Shostakovich: 4-8. String Quartet No.8 In C Minor   John Dowland: 9. I Saw My Lady Weep 10. Flow, My Tears   Samuel Barber: 11. Adagio For Strings   Ferenc Snetberger: 12. Your Smile 13. Rhapsody No.1 For Guitar And Orchestra

(21/02/22)コンサートの録音。奏者はいずれもハンガリー出身で、Ferenc Snetbergerの曲を前後にはさんで、20世紀のロシアの作曲家ドミートリイ・ショスタコーヴィチ、イングランドの16-17世紀の作曲家、ジョン・ダウランド、20世紀の米国の作曲家サミュエル・バーバーと幅広い選曲。収録時間は66分。作曲もできる主役のギタリストに耳が行きます。彼の曲は哀愁度が高いのです。ギターのみ、あるいはストリングスのみの場面も。

2700

Budapest Concert/Keith Jarrett(P)(ECM 2700/01)(輸入盤) - Recorded July 3, 2016. - 1. Part I 2. Part II 3. Part III 4. Part IV 5. Part V 6. Part VI 7. Part VII 8. Part VIII 9. Part IX 10. Part V 11. Part XI 12. Part XII - Blues 13. It's A Lonesome Old Town 14. Answer Me, My Love

(20/11/15)CD2枚組。収録時間は92分。ハンガリーのプダペストでのライヴ。例によって即興演奏ですが、アンコールと思われる13-14曲目は既成曲。1曲目からいきなりアグレッシヴで無調的な激しいピアノではじまり、ここでの演奏がただものではない入り方です。彼のバルトークへの敬愛のためでしょうか。その後緊張を強いる場面ばかりではなく、いつものように素直な曲もあったり、バラード調もあったりしますが、基本的に他の場面よりは現代音楽的な表現が多めで緊張感高めではないかと思います。なかなか完成度の高い演奏で、ある意味これが基準になる、と書いてあるものもあったりします。ただ、だんだん高度になっていくので、聴く人を選ぶライヴになったかもしれません。ここからさらに高みに行くはずが。

2689

Lost Ships/Elina Duni(Voice)/Rob Luft(G)/Fred Thomas(P, Ds)/Matthieu Michel(Flh)(ECM 2689)(輸入盤) - Recorded February 2020. - 1. Balla Ci Dormi 2. Brighton 3. I'm A Fool To Want You 4. Numb 5. Lost Ships 6. The Wayfaring Stranger 7. Flying Kites 8. Lux 9. Kur Me Del Ne Dere 10. N'at Zaman 11. Empty Street 12. Hier Encore

(20/11/17)Elina DuniとRob Luftの共作が2、4-5、7-8、11曲目、イタリア(1曲目)、アメリカ(6曲目)、アルバニア(9-10曲目)のトラディショナル。他にフランク・シナトラの曲(3曲目)なども。収録時間は58分。相変わらずエキゾチックでフォークソング的な歌が印象的です。トラディショナルも哀愁たっぷりで、彼女ら自身の歌と雰囲気があまり変わらずに、時間が過ぎていく感じです。ECMにしては少し賑やかだなと思うも、曲の流れがいいのは、持ち込み音源だと思いますが、アルバム・プロデュースをマンフレート・アイヒャーがやっているからか。変則的なバックも、そのサウンドに浮遊感を醸し出しているようです。メロディがしっかりした歌やしっとりとした歌も多いですが、2曲目のように器楽的なメロディの歌も印象的。

2688

Human/Shai Maestro(P)(ECM 2688)(輸入盤) - Recorded February 2020. Jorge Roeder(B), Ofri Nehemya(Ds), Philip Dizack(Tp) - 1. Time 2. Mystery And Illusions 3. Human 4. GG 5. The Thief's Garden 6. Hank And Charlie 7. Compassion 8. Prayer 9. They Went To War 10. In A Sentimental Mood 11. Ima (For Talma Maestro)

(21/01/30)10曲目のみデューク・エリントンらの作曲(リズミカルでかなり独特なアレンジ)で、他は全てシャイ・マエストロの作曲。収録時間は56分。叙情的でもあり、フリー色が近いとも言え、その中で彼の内面世界を表している感じ。タイトル曲の3曲目はその最たるものか。イスラエル色はほとんどなく(5曲目、9曲目は少しあるかも)、洗練された、そして微妙なニュアンスの上に立ったECM的な演奏。メロディは明るい色を出しているところもあり、哀愁もあり。時に情念的な盛り上がりがあり、2曲目の後半、5曲目の後半、8曲目はその強いメロディを出しながら盛り上がっていきます。穏やかな上に不思議なスケールのトランペットを聴ける4曲目、有名な2人に捧げられたバラードの6曲目、神秘的な雰囲気もある11曲目。

2687

Tigran Mansurian/Con Anima(ECM New Series 2687)(輸入盤) - Recorded January - April 2019. Boris Allakhverdyan(Cl on 1-3), Varty Manouelian(Vln on 1-3, 6, 13), Michael Kaufman(Cello on 1-3, 6, 10-12), Steven Vanhauwaert(P on 1-3), Kim Kashkashian(Viola on 4-13), Tatevik Mokatsian(P on 4-5), Movses Pogossian(Vln on 6-12), Teng Li(Viola on 6), Karen Ouzounian(Cello on 6-9) - 1-3. Agnus Dei 4-5. Sonata De Chiesa 6. Con Anima 7-9. String Trio 10-12. String Quartet No.3   13. Die Tanzerin

(20/11/23)Tigran Mansurianはレバノン生まれのアルメニア人で20-21世紀の現代音楽家。今回は彼の80歳を区切りに、演奏者が集まったとのこと。収録時間は79分。’93年から’15年の曲までが取り上げられ、2-6人での演奏になっています。最初の2つはピアノが入り、残りはストリングスのみ。アルメニアに根差したと思われる優しいメロディアスな曲もあり、現代音楽というにはややクラシカルな部分もあって流れていきます。

2686

Lonely Shadows/Dominik Wania(P)(ECM 2686)(輸入盤)- Recorded November 2019. - 1. Lonely Shadows 2. New Life Experience 3. Melting Spirit 4. Towards The Light 5. Relativity 6. Liqyuid Fluid 7. Think Twice 8. AG76   9. Subjective Objectivity 10. Indifferent Attitude 11. All What Remains

(20/09/26)全曲Dominik Waniaの作曲。収録時間は48分で11曲なので、演奏は少し凝縮したイメージ。ポーランドのピアニストで、1曲目のタイトル曲はECM的に淡々と演奏しましたが、2曲目になると、繊細さはそのままに、けっこう速いパッセージで弾いていて、個性的であるとともにその造形美というか、演奏の骨格が見事です。曲ごとにその色合いが違いますけど、曲によって(2-3、7、9-10曲目)はスリリングで、しかも出てくるフレーズのメロディがいいピアニストです。それでいて、ゆったりとした4曲目のような透明度の高い演奏も多いので、引きこまれます。ここではある意味クラシック的でもあり、そのボーダーレスなサウンドがなかなかいい感じ。表情を変えながらの静かな演奏と半々ぐらい。即興演奏ならすごい。

2685

Garden Of Expression/Joe Lovano(Ts, Ss, Tarogato, Gong) Trio Tapestry(ECM 2685)(輸入盤) - Recorded November 2019. Marilyn Crispell(P), Carmen Castaldi(Ds) - 1. Chapel Song 2. Night Creatures 3. West Of The Moon 4. Garden Of Expression 5. Treasured Moments 6. Sacred Chant 7. Dream On That 8. Zen Like

(21/01/29)全曲ジョー・ロヴァーノ作曲。収録時間は48分。このメンバーでは2枚目で、ロヴァーノの漂々としつつもしっかりとメロディを奏でていくサックスは、ベースレスのこの編成に合ってます。写真からホールでの録音ですが、無観客での演奏のようです。印象的な哀愁のあるメロディで、なおかつ淡々とした演奏が続きます。そこに叙情的で静かなピアノが絡んできて、曲ごとに、というよりは、アルバム全体の流れとして聴きたいアルバムかも。ドラムスもあまり前面に出てはこないで、まさにタペストリー(つづれ織り)のようなサウンド。同じようなテンポの割とゆったりした曲が続きますけど、逆にそこがいいのかもしれない。それでもタイトル曲の4曲目の一部にはシリアスなフリーが。そして幽玄で非常に空間的な8曲目で幕。

2683

La Traversee/Matthieu Bordenave(Ts)/Patrice Moret(B)/Florian Weber(P)(ECM 2683)(輸入盤)- Recorded October 2019. - 1. River (Duet) 2. Archipel 3. Le Temps Divise 4. Dans Mon Pays 5. The Path 6. Ventoux 7. Incendie Blanc 8. Chaleur Grise 9. River (Trio)

(20/10/13)全曲Matthieu Bordenaveの作曲。フランス人のリーダーと、ドイツ人ピアニスト、スイス人ベーシストと国際色豊か。収録時間は42分。時に美しいメロディを抱合しながら、静かで緊張感のある演奏が続きます。1曲目からその個性は発揮され、本質は内面に向かうところと知ります。解説にもジミー・ジュフリーとポール・ブレイ、スティーヴ・スワロウの演奏に影響を受けた、と書いてあるので、なるほど、と。方向性は非常に似ています。もっと今っぽく感じるところも。曲は自由度が高く、あたかもフリーのように進んでいくところも。バラバラのようでまとまっているというか。表情を変えつつ進んでいくけど、基本的には抑制の効いた演奏が目立ちます。たまに盛り上がり。芸術性としては高めだけど、少し聴く人を選ぶか。

2682

Lontano/Anja Lechner(Cello), Francois Couturier(P)(ECM 2682)(輸入盤) - Recorded October 2019. - 1. Praeludium 2. Arpeggio 3. Gratitude 4. Alfonsina Y El Mar 5. Flow 6. Memory Of A Melody 7. Solar I 8. Solar II 9. Shadow 10. Miniature 27   11. Hymne 12. Vague - E La Nave Va 13. Lontano 14. Tryptic 15. Prelude En Berceuse 16. Postludium

(20/11/15)Francois Couturier作が2、5、14曲目、Anja Lechner作が9曲目。2人の共作(おそらくインプロヴィゼーション)が1、3、6-8、11、13、16曲目。他に12曲目はアヌアル・ブラヒム作、10曲目がギヤ・カンチェーリ作、その他4、15曲目など。収録時間は54分。Anjaはクラシックの人だけど、タルコフスキー・クァルテットの2人の共演もあり、インプロヴィゼーションもできる人だと思います。かなり硬派なインプロヴィゼーションの曲もあって、アルバム中には叙情的で美しいメロディの曲が目立ってはいるけど、場合によっては面食らう人もいるかもしれません。ピアニストもどちらかというとクラシック的要素も強いため、かなりボーダーレスなアルバムに仕上がってます。安らげる哀愁と緊張感がところにより交互します。

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