ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

1130

The Touchstone/Azimuth (ECM 1130)(この番号では未CD化、別番号でCDBOX発売) - Recorded June 1978. John Taylor(P, Org), Norma Winstone(Voice), Kenny Wheeler(Tp, Flh) - 1. Eulogy 2. Silver 3. Mayday 4. Jero 5. Prelude 6. See

(19/10/18)全曲ジョン・テイラーの作曲、そしてノーマ・ウィンストンの作詞。このアルバムも静かで、今回はアコースティックな雰囲気。出だしと終わりはオルガンをバックにフリューゲルホーンが朗々と鳴り響き、ピアノでリズムカルになってヴォイスが幻想的に絡む1曲目、カチッとしたピアノに誘われてやはり浮遊感のある進行でヴォイスが印象的な2曲目、やはりクラシック的なソロ・ピアノではじまり、陰影のある流れでほーんとのデュオも美しい3曲目、ヴォイスではじまり時に多重録音でのヴォイスと暗い影のある、時にパルス的なピアノが印象深い4曲目、ヴォイス(またはホーン)とピアノとのデュオで、温度感低く語りかけてくる静かな5曲目、オルガンの持続音でゆったりと、他の楽器と進んでいく、瞑想しているような6曲目。

(注)CDではECM 1546-48で再発

1129


Music For 18 Musicians/Steve Reich(P, Marimba)(ECM (New Series) 1129) - Recorded 1976. Shem Guilbbory(Vln), Ken Ishii(Cello), Elizabeth Arnold(Vo), Rebecca Armstrong(Vo), Nurit Tilles(P), Larry Karush(P, Per), Gary Schall(Marimba, Per), Bob Becker(Marimba, Xylophone), Russ Hartenberger(Marimba, Xylophone), James Preiss(Metallophone, P), Steve Chambers(P), David Van Tieghem(Marimba, Xylophone, P), Glen Velez(Marimba, Xylophone), Vergil Blackwell(Cl, Bcl), Richard Cohen(Cl, Bcl), Jay Clayton(Vo, P), Pamela Fraley(Vo) - Pulse sections 1-10 - Pulse


(02/06/07)邦題「スティーヴ・ライヒ:18人の音楽家のための音楽」。彼の音楽はミニマル・ミュージックとでも言うのか、同じようなフレーズが続くかにみえて少しずつその表情を変えていきます。安らぎというよりは音そのものが頭に入ってくる、という感じで、少々せかされている気もしますが、場面によってはお気に入りのカラーも。 演奏方法も現代音楽としては前衛的だし、メンバー構成もけっこう変則的で、やはり現代ならではの音楽。

(注)The ECM Recordings/Steve Reich(ECM New Series 2540-42)の3枚組CDとして、’16年に再発。

1128


New Directions/Jack DeJohnette(Ds, P)(ECM 1128) - Recorded June 1978. John Abercrombie(G, Mandolin), Lester Bowie(Tp), Eddie Gomez(B) - 1. Bayou Fever 2. Where Or Wayne 3. Dream Stalker 4. One Handed Woman 5. Silver Hollow


4人の組み合わせが意外ですが、うまくまとまっています。ジャック・ディジョネットのオリジナルと、フリー・インプロヴィゼーション( 3-4曲目) で成り立っています。比較的ハードな基調のドラムス、ベースの上を、哀愁の漂うギターやトランペットのメロディーが立ちのぼっていき、モーダルに流れていく1曲目、やはり愁いを帯びたメロディのテーマが印象的でソロも後半盛り上がり、ドラムスの小刻みなビートにも勢いのある12分台の2曲目、しっとりとした情景の中であまりフリーだという事を感じさせずに4人の音がサウンドを織りなしている3曲目、フリーとは思えないほど緩急自在のレスポンスと構築がしっかりしている、ビート感もある11分台の4曲目、ディジョネットがピアノに持ち替えて、叙情的なサウンドでせまる5曲目。

1127

Green Shading Into Blue/Arild Andersen(B) Quartet(ECM 1127)(この番号では未CD化、別番号でCDBOX発売) - Recorded April 1978. Juhani Aaltonen(Ts, Ss, Fl), Lars Jansson(P, Synth), Pal Thowsen(Ds, Per) - 1. Sole 2. The Gutarist 3. Anima 4. Radka's Samba 5. Terhi 6. Green Shading Into Blue 7. Jana

(19/10/18)3、5曲目がLars Jansson作、他は全曲アリルド・アンデルセン作。前作とメンバーは同じ。いい意味で当時のフュージョンの影響を受けていると思われる割とスマートな演奏の1曲目、ロマンチックで、少し浮遊感のあるバラードが心地良い2曲目、メランコリックなメロディと基本8ビート的なリズムが組み合わさった、徐々に盛り上がる3曲目、ラテンリズムで勢いよく突き進んでいく、フレーズも速いところもあれば、バラードっぽくなるところもあるドラマチックな4曲目、空間的でスピリチュアルな雰囲気もある、ピアノとサックスのデュオの静かなバラードの5曲目、思索的なベース・ソロではじまり、時にサックスと絡みつつ4人でゆったり進む6曲目、8ビート系で、やや哀愁を帯びたミステリアスなテーマとソロの7曲目。

(注)Green In Blue/Arild Andersen(B) Early Quartets(ECM 2143-45)の3枚組BOXとして’10年に再発。初CD化

1126


Nice Guys/Art Ensemble Of Chicago(ECM 1126) - Recorded May 1978. Lester Bowie(Tp, etc.), Joseph Jarman(Sax, etc.), Roscoe Mitchell(Sax, etc.), Malachi Favors Maghostus(B, etc.), Famoudou Don Moye(Per, etc.) - 1. Ja 2. Nice Guys 3. Folkus 4. 597-59 5. Cyp 6. Dreaming Of The Master


ECMでの第1作目。 全てオリジナルで、ジョゼフ・ジャーマン(4、6曲目)とロスコー・ミッチェル(2、5曲目)だけ2曲ずつ作曲。前衛派で マルチ・ミュージシャンですが、ユーモラスな部分もあって、すんなり耳に入ってきます。 すごくシリアスにはじまったかと思えば、一転明るいヴォーカル付きのレゲエサウンドがゴキゲンで、徐々にシリアスに戻っていくレスター・ボウイ作の1曲目、小品ですが複雑精緻なアンサンブルで聴かせるタイトル曲の2曲目、ホーンの持続音や、パーカッションの森の中で鳥や動物の泣き声が聴こえるようなドン・モイエ作の11分台の3曲目、急速調のフリーで後半叙情性をみせる4曲目、スペイシーなフリーの5曲目、珍しく4ビートで展開していき、中間部で急速調のフリーで盛り上がる11分台の6曲目。

1125


Terje Rypdal(G, G Synth, Org, etc.)/Miroslav Vitous(B, P)/Jack DeJohnette(Ds)(ECM 1125)(輸入盤) - Recorded June 1978. 1. Sunrise 2. Den Forste Sne 3. Will 4. Believer 5. Flight 6. Seasons


1、2曲目がテリエ・リピダルの、3、4曲目がミロスラフ・ヴィトウスのオリジナルで、5、6曲目が3人によるフリー・インプロヴィゼーション。広がりのあるギターサウンドとギターシンセサイザーの包み込むような空間の中に入り込むベースラインと切り込まれるドラムス。幻想的なベースのアルコでのメロディから、パルス的なドラムスの上をギターがゆらりゆらりと舞う1曲目、ゆったりとした牧歌的な風景が目の前に広がっている、どこか懐かしい2曲目、個々のメロディよりも全体のサウンドで哀愁の色合いを表現しているような3曲目、幻想的な包み込むようなサウンドで進んでいく4曲目、激しいソロの応酬もあって自由に展開する5曲目、インプロヴィゼーションでありながら構築的なまとまりを見せている6曲目。

1124

Non-Fiction/Steve Kuhn(P, Per)(ECM 1124)(ストリーミング配信) - Recorded April 1978. Steve Slagle(Ss, As, Fl, Per), Harvie Swartz(B), Bob Moses(Ds) - 1. Firewalk 2. Random Thoughts 3. A Dance With The Wind 4. The Fruit Fly 5. Alias Dash Grapey

(19/10/18)1、3曲目がHarvie Swartz作曲、2、4-5曲目がスティーヴ・キューン作曲。躍動感のある曲が多いです。ミキシングで抑えられている感じはあります。8分の7拍子基調で当時のファンクのように元気の良い、後半にドラム・ソロもあるややミステリアスな1曲目、フルートの調べから入って、本編でサックスに持ち替え、浮遊感を持ちつつ中盤盛り上がる4ビートもある2曲目、美しいメロディを持つ、キューンのキラキラしたピアノが特徴のゆったりとして少し乾いた感触のバラードの3曲目、少しユーモラスなテーマで、ポップス的なリズムを持ちつつユニゾンもある、やはり中盤でガンガンいく各ソロも聴かせる4曲目、キューンのゴージャスで多彩な前半のソロ・ピアノが印象的な、後半4人の演奏の4ビートもある5曲目。

(’19年7月より順次配信)

1123


Three Day Moon/Barre Phillips(B)(ECM 1123)(輸入盤) - Recorded March 1978. Terje Rypdal(G, S Synth, Org), Dieter Feichtner(Synth), Trilok Gurtu(Per) - 1. A-i-a 2. Ms. P. 3. La Folle 4. Brd 5. Ingul-Buz 6. S.C. & W.


(02/07/27)全曲バール・フィリップスの作曲。どことなくプログレッシヴ・ロックを思わせるような雰囲気の1曲目から入っていきます。定型的なベースの上を、沈んだような色合いのシンセサイザーやギターが舞っている感じで、効果音も入って視覚的に見せてくれている1曲目、オルガン(シンセサイザー?)の持続音のバックの上を淡々とベースソロをとっていく2曲目、静寂の中から浮かび上がっては消えていくフレーズの、スペース的フリーとも言える3曲目、やはり定型的なベースの上を前半エコーが効いたギターが走り回り、比較的ドラマチックに展開する4曲目、静かなフリー・インプロヴィゼーションともとれる5曲目、インド的なメロディーとサウンドを醸し出していてちょっと不思議な感覚の6曲目。

1122


Enrico Rava(Tp) Quartet(ECM 1122)(輸入盤) - Recorded March 1978. Roswell Rudd(Tb), J.F. Jenny-Clark(B), Aldo Romano(Ds) - 1. Lavori Casalinghi 2. The Fearless Five 3. Tramps 4. Round About Midnight 5. Blackmail


(02/06/23)5曲中4曲がエンリコ・ラヴァのオリジナルまたは共作。なかなか興味深いメンバーの取り合わせ。リズム陣も強力。1曲目はテーマ部は哀愁が漂う静かな感じですが、全般的に自由度が高く、盛り上がっていきつつ、かなり元気のある演奏を聴かせてくれる14分台の曲。テーマ部はキッチリした感じなのですが、ロックビートのようなカッチリしたリズムの上を自由奔放に吹きまくる部分もある2曲目、前半はリズム隊が情念をふつふつとさせながらも叙情的に静かに進んで、中ほど一気にアップテンポのジャズに突入する、ドラマチックな15分台の3曲目、珍しくセロニアス・モンクの曲をホーン2人で演奏する4曲目、カリプソのリズムとでも言うのか、なぜかウキウキするような曲調の5曲目。

1121


Batik/Ralph Towner(G, P)(ECM 1121) - Recorded January 1978. Eddie Gomez(B), Jack DeJohnette(Ds) - 1. Waterwheel 2. Shades Of Sutton Hoo 3. Treils 4. Batik 5. Green Room


全曲ラルフ・タウナーのオリジナル。アコースティック・ギタートリオの渋い一枚。 ドラムスとベースが、曲によってはかなり強力に前面に出てきますが、トリオとしてのサウンドは自由奔放かつトータルとしてまとまりを見せています。邦題で言えば「水車」ですが、3人で回り続けながら、静かな場面から徐々に盛り上がったり、再び静かになったり、寒色系のサウンドを振り撒いている1曲目、静かな中にもスペイシーな渋いインタープレイが冴えている2曲目、はっきりしたギターのメロディに対して浮遊感のあるベースが絡み付いている感じの3曲目、叙情的にはじまり自在な展開を見せ、ドラムスの長いソロで頂点をむかえ、最後は8ビートの、16分台のタイトル曲の4曲目、ピアノも加わって(多重録音)切ない哀愁が漂う5曲目。

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