ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業をし、’20年からLP聴きも追加してあと本編の未配信2枚(1264, 1268)とJAPO3枚(60008, 60023, 60030)を残して完了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは言及する予定はないです。おそらくコメント付きでほぼ網羅しているのは日本では(私のメインブログと)ここだけではないかと。古いコメント修正中ですが。

2688

Human/Shai Maestro(P)(ECM 2688)(輸入盤) - Recorded February 2020. Jorge Roeder(B), Ofri Nehemya(Ds), Philip Dizack(Tp) - 1. Time 2. Mystery And Illusions 3. Human 4. GG 5. The Thief's Garden 6. Hank And Charlie 7. Compassion 8. Prayer 9. They Went To War 10. In A Sentimental Mood 11. Ima (For Talma Maestro)

(21/01/30)10曲目のみデューク・エリントンらの作曲(リズミカルでかなり独特なアレンジ)で、他は全てシャイ・マエストロの作曲。収録時間は56分。叙情的でもあり、フリー色が近いとも言え、その中で彼の内面世界を表している感じ。タイトル曲の3曲目はその最たるものか。イスラエル色はほとんどなく(5曲目、9曲目は少しあるかも)、洗練された、そして微妙なニュアンスの上に立ったECM的な演奏。メロディは明るい色を出しているところもあり、哀愁もあり。時に情念的な盛り上がりがあり、2曲目の後半、5曲目の後半、8曲目はその強いメロディを出しながら盛り上がっていきます。穏やかな上に不思議なスケールのトランペットを聴ける4曲目、有名な2人に捧げられたバラードの6曲目、神秘的な雰囲気もある11曲目。

2687

Tigran Mansurian/Con Anima(ECM New Series 2687)(輸入盤) - Recorded January - April 2019. Boris Allakhverdyan(Cl on 1-3), Varty Manouelian(Vln on 1-3, 6, 13), Michael Kaufman(Cello on 1-3, 6, 10-12), Steven Vanhauwaert(P on 1-3), Kim Kashkashian(Viola on 4-13), Tatevik Mokatsian(P on 4-5), Movses Pogossian(Vln on 6-12), Teng Li(Viola on 6), Karen Ouzounian(Cello on 6-9) - 1-3. Agnus Dei 4-5. Sonata De Chiesa 6. Con Anima 7-9. String Trio 10-12. String Quartet No.3   13. Die Tanzerin

(20/11/23)Tigran Mansurianはレバノン生まれのアルメニア人で20-21世紀の現代音楽家。今回は彼の80歳を区切りに、演奏者が集まったとのこと。収録時間は79分。’93年から’15年の曲までが取り上げられ、2-6人での演奏になっています。最初の2つはピアノが入り、残りはストリングスのみ。アルメニアに根差したと思われる優しいメロディアスな曲もあり、現代音楽というにはややクラシカルな部分もあって流れていきます。

2686

Lonely Shadows/Dominik Wania(P)(ECM 2686)(輸入盤)- Recorded November 2019. - 1. Lonely Shadows 2. New Life Experience 3. Melting Spirit 4. Towards The Light 5. Relativity 6. Liqyuid Fluid 7. Think Twice 8. AG76   9. Subjective Objectivity 10. Indifferent Attitude 11. All What Remains

(20/09/26)全曲Dominik Waniaの作曲。収録時間は48分で11曲なので、演奏は少し凝縮したイメージ。ポーランドのピアニストで、1曲目のタイトル曲はECM的に淡々と演奏しましたが、2曲目になると、繊細さはそのままに、けっこう速いパッセージで弾いていて、個性的であるとともにその造形美というか、演奏の骨格が見事です。曲ごとにその色合いが違いますけど、曲によって(2-3、7、9-10曲目)はスリリングで、しかも出てくるフレーズのメロディがいいピアニストです。それでいて、ゆったりとした4曲目のような透明度の高い演奏も多いので、引きこまれます。ここではある意味クラシック的でもあり、そのボーダーレスなサウンドがなかなかいい感じ。表情を変えながらの静かな演奏と半々ぐらい。即興演奏ならすごい。

2685

Garden Of Expression/Joe Lovano(Ts, Ss, Tarogato, Gong) Trio Tapestry(ECM 2685)(輸入盤) - Recorded November 2019. Marilyn Crispell(P), Carmen Castaldi(Ds) - 1. Chapel Song 2. Night Creatures 3. West Of The Moon 4. Garden Of Expression 5. Treasured Moments 6. Sacred Chant 7. Dream On That 8. Zen Like

(21/01/29)全曲ジョー・ロヴァーノ作曲。収録時間は48分。このメンバーでは2枚目で、ロヴァーノの漂々としつつもしっかりとメロディを奏でていくサックスは、ベースレスのこの編成に合ってます。写真からホールでの録音ですが、無観客での演奏のようです。印象的な哀愁のあるメロディで、なおかつ淡々とした演奏が続きます。そこに叙情的で静かなピアノが絡んできて、曲ごとに、というよりは、アルバム全体の流れとして聴きたいアルバムかも。ドラムスもあまり前面に出てはこないで、まさにタペストリー(つづれ織り)のようなサウンド。同じようなテンポの割とゆったりした曲が続きますけど、逆にそこがいいのかもしれない。それでもタイトル曲の4曲目の一部にはシリアスなフリーが。そして幽玄で非常に空間的な8曲目で幕。

2683

La Traversee/Matthieu Bordenave(Ts)/Patrice Moret(B)/Florian Weber(P)(ECM 2683)(輸入盤)- Recorded October 2019. - 1. River (Duet) 2. Archipel 3. Le Temps Divise 4. Dans Mon Pays 5. The Path 6. Ventoux 7. Incendie Blanc 8. Chaleur Grise 9. River (Trio)

(20/10/13)全曲Matthieu Bordenaveの作曲。フランス人のリーダーと、ドイツ人ピアニスト、スイス人ベーシストと国際色豊か。収録時間は42分。時に美しいメロディを抱合しながら、静かで緊張感のある演奏が続きます。1曲目からその個性は発揮され、本質は内面に向かうところと知ります。解説にもジミー・ジュフリーとポール・ブレイ、スティーヴ・スワロウの演奏に影響を受けた、と書いてあるので、なるほど、と。方向性は非常に似ています。もっと今っぽく感じるところも。曲は自由度が高く、あたかもフリーのように進んでいくところも。バラバラのようでまとまっているというか。表情を変えつつ進んでいくけど、基本的には抑制の効いた演奏が目立ちます。たまに盛り上がり。芸術性としては高めだけど、少し聴く人を選ぶか。

2682

Lontano/Anja Lechner(Cello), Francois Couturier(P)(ECM 2682)(輸入盤) - Recorded October 2019. - 1. Praeludium 2. Arpeggio 3. Gratitude 4. Alfonsina Y El Mar 5. Flow 6. Memory Of A Melody 7. Solar I 8. Solar II 9. Shadow 10. Miniature 27   11. Hymne 12. Vague - E La Nave Va 13. Lontano 14. Tryptic 15. Prelude En Berceuse 16. Postludium

(20/11/15)Francois Couturier作が2、5、14曲目、Anja Lechner作が9曲目。2人の共作(おそらくインプロヴィゼーション)が1、3、6-8、11、13、16曲目。他に12曲目はアヌアル・ブラヒム作、10曲目がギヤ・カンチェーリ作、その他4、15曲目など。収録時間は54分。Anjaはクラシックの人だけど、タルコフスキー・クァルテットの2人の共演もあり、インプロヴィゼーションもできる人だと思います。かなり硬派なインプロヴィゼーションの曲もあって、アルバム中には叙情的で美しいメロディの曲が目立ってはいるけど、場合によっては面食らう人もいるかもしれません。ピアニストもどちらかというとクラシック的要素も強いため、かなりボーダーレスなアルバムに仕上がってます。安らげる哀愁と緊張感がところにより交互します。

2680

Big Vicious/Avishai Cohen(Tp, Effects, Synth)(ECM 2680)(輸入盤) - Recorded August 2019. Uzi Ramirez(G), Yonatan Albalak(G, B), Aviv Cohen(Ds), Ziv Ravitz(Ds, Live Sampling) - 1. Honey Fountain 2. Hidden Chanber 3. King Kutner 4. Moonlight Sonata 5. Fractals 6. Teardrop 7. The Things You Tell Me 8. This Time It's Different 9. Teno Neno 10. The Cow & The Calf 11. Intent

(20/04/14)Avishai Cohen作が2-3、7、11曲目、ベートーベン作が4曲目、マッシヴ・アタック作が6曲目で、他は全てグループでの曲。イスラエル出身で固めたこのグループでは、ジャズを飛び越えている部分も。ツイン・ドラムのような構成にも見えて、1曲目を聴くと、どちらかというと情景描写を狙ったファンクかなと思わせます。ジャンルとしては現代ジャズの部類に完全に入りますが、こういうサウンドもなかなか。誰の曲かはあまり気にせずに、ある意味ECM的でもロック的でもある進行に身をまかせて聴いていくのがいいのかなあと。逆にイスラエルっぽさというのはほとんど聞かれません。こういうサウンドのアルバムを出したのはある意味冒険ですが、ECMでも過去には少なからずありましたし。意外な一面が見えました。

2679

Swallow Tales/John Scofield(G)/Bill Stewart(Ds)/Steve Swallow(B)(ECM 2679)(輸入盤) - Recorded March 2019. - 1. She Was Young 2. Falling Grace 3. Portsmouth Figurations 4. Awful Coffee 5. Eiderdown 6. Hullo Bolinas 7. Away 8. In F 9. Radio

(20/06/07)ジョン・スコフィールド初のECMでのリーダー作で、スティーヴ・スワロウの曲集。おなじみのメロディから少し地味な曲まで取り揃えてあって、演奏を楽しめます。収録時間は53分。持ち込み音源のようで、やや静かな感じの部分もありながら、4ビートの曲も多く、ECMにしては自由でマイペースなジャズっぽいサウンドで魅了します。彼をはじめて知った時は若かったけどもう大ベテランで、落ち着きながらも例のジョン・スコ節でギターを演奏しています。メンバーもいいし、この独特なギターを聴けるだけでも聴く価値はあるのでは。それにしても期待を裏切らないさすがのギター・トリオ。持ち込み音源ながらマンフレート・アイヒャーが出す許可を出したとは、彼もずいぶん丸くなったものです。それにしても曲がいいですね。

2678

Arctic Riff/Marcin Wasilewski(P) Trio/Joe Lovano(Ts)(ECM 2678)(輸入盤) - Recorded August 2019. Slawomir Kurkiewicz(B), Michal Miskiewicz(Ds) - 1. Glimmer Of Hope 2. Vashkar 3. Cadenza 4. Fading Sorrow 5. Arco 6. Stray Cat Walk 7. L'Amour Fou 8. A Glimpse 9. Vashkar(Var.) 10. On The Other Side 11. Old Hat

(20/06/07)4人でのインプロヴィゼーションが3、5-6、8曲目、Marcin Wasilewski作が1、4、7、11曲目、ジョー・ロヴァーノ作が10曲目、カーラ・ブレイ作が2、9曲目。収録時間は62分。ECMではおなじみのトリオにロヴァーノが加わっていて、さすがに大物の録音では、例えば1曲目のような、静かな情景描写的な大きな流れの中に、さらに美しいメロディが流れていく。貫録を見せていますね。2曲目もカーラの曲を彼らのものにしてしまって、独特な世界を構築しています。インプロヴィゼーションの曲も多いのだけど、作曲されたも曲もその危ういバランスの上をうまく4人で渡っているという雰囲気があり、これはやはり彼らならではの世界では。7曲目は元気でジャズ的。フリーの硬派度も聴いていてけっこう引き締まります。

2676

Here Be Dragons/Oded Tzur(Ts)(ECM 2676)(輸入盤) - Recorded June 2019. Nitai Hershkovits(P), Petros Klampanis(B), Johnathan Blake(Ds) - 1. Here Be Dragons 2. To Hold Your Hand 3. 20 Years 4. Miniature 1   5. Miniature 2   6. Miniature 3   7. The Dream 8. Can't Help Falling In Love

(20/02/28)7曲目がエルヴィス・プレスリーのカヴァーで、他は全曲Oded Tzurの作曲。イスラエル出身の彼とピアノ、ギリシャ出身のベース、そしてアメリカのドラムスと国際的なクァルテット。インドのラーガの概念も入っているといいますが、それとなく雰囲気は感じる気がしてます。静かで落ち着いたECMらしい曲が冒頭から流れてきます。それでいてピアノ・ソロも静かな中でぶっ飛んだフレーズの部分もあったり。きれいなばかりではなく、2曲目はほのかな明かりの中での組み立てから何かを探るように少しずつ盛り上がる曲。繊細なゆったりとしたバラードの3曲目、派手ではないけど点描のようで味のある小品の4-6曲目、変拍子である程度躍動的に進んでいく7曲目、有名な曲をここでまったりとメロディを生かした8曲目。

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