ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業をし、’20年からLP聴きも追加してあと本編の未配信2枚(1264, 1268)とJAPO3枚(60008, 60023, 60030)を残して完了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは言及する予定はないです。おそらくコメント付きでほぼ網羅しているのは日本では(私のメインブログと)ここだけではないかと。古いコメント修正中ですが。

2615

Trio Tapestry/Joe Lovano(Ts, Tarogato, Gongs)(ECM 2615)(輸入盤) - Recorded March 2018. Marilyn Crispell(P), Carmen Castaldi(Ds, Per) - 1. One Time In 2. Seeds Of Change 3. Razzle Dazzle 4. Sparkle Lights 5. Mystic 6. Piano/Drum Episode 7. Gong Episode 8. Rare Beauty 9. Spirit Lake 10. Tarrassa 11. The Smiling Dog

(19/02/02)全曲ジョー・ロヴァーノの作曲。ECMからのリーダー作としては初めて(サイド参加作は多くありますが)。ピアノとドラムスというベースレスのトリオで、静かで空間的ながらも、ちょっとマニアックなフレーズを繰り出して、不思議な浮遊感のあるサウンドを創り出しています。1曲目もサックスとゴング系のパーカッションのみでの演奏になってます。2曲目はピアノも入り、メロディアスで渋い世界が現れます。3人のバランスは見事で、マリリン・クリスペルはここでは割と美旋律系、時にフリー系のピアノで、ドラムスも繊細な表現の一端を担っています。必ず3人が演奏しているわけではないですが。こういう演奏だと、ベースレスの方が逆に自然です。48分ほどで11曲と短めの曲が多く、うまくコンパクトにまとまっています。

2614

Absinthe/Dominic Miller(G)(ECM 2614)(輸入盤) - Recorded February 2018. Dominic Miller(G), Santiago Arias(Bandoneon), Mike Lindup(Key), Nicolas Fiszman(B), Manu Katche(Ds) - 1. Absinthe 2. Mixed Blessing 3. Verveine 4. La Petite Reine 5. Christiania 6. Etude 7. Bicycle 8. Ombu 9. Tenebres 10. Saint Vincent

(19/03/05)全曲ドミニク。・ミラーの作曲。ECMでの2作目もアコースティック路線ですが、バンドネオンを入れたり、マヌ・カッツェのドラムスでメリハリをつけたりと、ただ静かなだけではない、面白い構成になっています。メランコリックなメロディが多く、アルバムとして、あまりECMに縁のない人も楽しめそうな雰囲気。ベースもエレクトリックなので、そのまま盛り上がればフュージョン的になっていくような感じも。ロック出身の彼のECM的な側面を切り取ってはいますが、その予想ではもったいない気も。エレキ・ベースとドラムスが全面的には参加してないにしても、その雰囲気がいいというか。ここは流れに身を任せて通して聴く感覚で音楽を聴いています。それでも曲ごとの印象は微妙に違っていて、興味深いところ。なかなかいい。

2613

Sun Of Goldfinger/David Torn(G, Live-looping, Electronics), Tim Berne(As), Ches Smith(Ds, Electronics, Tanbou)(ECM 2613)(輸入盤) - Recorded September 2015 and August 2018. - Craig Taborn(Electronics, P on 2), Mike Baggetta(G on 2), Ryan Ferreira(G on 2), Scorchio QUartet: Amy Kimbell(Vln on 2), Rachel Golub(Vln on 2), Martha Mooke(Viola on 2), Leah Coloff(Cello on 2) - 1. Eye Maddle 2. Spartan, Before It Hit 3. Soften The Blow

(19/03/23)デヴィッド・トーンのセルフ・プロデュース作。2曲目が彼の作曲で、1、3曲目が3人のフリー・インプロヴィゼーション。それぞれに20分台もある大作になっています。エレクトロニクスを駆使して、それと楽器音との融合とともに、幽玄な、時に盛り上がりもあるフリーの世界を描いていますが、それゆえにかなりハードな感じの部分もあり、聴く人を選ぶかも。ただ3人ともこういう演奏は得意なので、フリー方面が好きな方は高みにのぼるような感触を味わうことができるか。かなり硬派な世界を行っていて、ECMとしてはかなり賑やかな方です。こういうギターの演奏を聴くとトーンはロックの人というイメージが強い。2曲目はある程度のメロディやハーモニーが出てくるので、ちょっと安心。3曲ともに異なるイメージです。

2612

Elusive Affinity/Anna Gourari(P)(ECM New Series 2612)(輸入盤) - Recorded January 2018. - Antonio Vivaldi/Johann Sebastian Bach: 1. Largo   Alfred Schnittke: 2-6. Five Aphorisms   Giya Kancheli: 7. Piano Piece No.15   Rodion Shchedrin: 8-14. Diary - Seven Pieces   Arvo Part: 15. Variationen Zur Gesundung Von Arinuschka   Wolfgang Rihm: 16-20. Zwiesprache   Giya Kancheli: 21. Piano Piece No.23   Alessandro Marcello/Johann Sebastian Bach: 22. Adagio

(19/06/04)Anna GourariのECM3作目のアルバム。前後に17-18世紀の作曲家の曲を入れて、他は現代音楽家の様々な作品(小品が多い)がズラリと並んでいます。彼女のアルバムは、このような作りが多いので、こういう演奏が得意なのかな、と思わせます。それにしても作曲家もいろいろで、マニアックな並び。Schnittkeはいかにも現代音楽然としていますが、Kancheli、Partは美しい。ごった煮的な面白さを味わえるかもしれない。

2611

Joys And Solitudes/Yonathan Avishai(P)(ECM 2611)(輸入盤) - Recorded February 2018. Yoni Zelnik(B), Donald Kontomanou(Ds) - 1. Mood Indigo 2. Song For Anny 3. Tango 4. Joy 5. Shir Boker 6. Lya 7. When Things Fall Apart 8. Les Pianos De Brazzaville

(19/02/02)1曲目がデューク・エリントン作の他は全曲Yonathan Avishai作。彼のイスラエル的側面は出てなくて、リリカルで静かな面が出ているので、聴きやすいピアノ・トリオ(曲によりソロ・ピアノもあります)。ジャズメン・オリジナルの1曲目も、優しくて静かで他の曲と違和感はないです。3曲目はソロでタンゴの曲を演奏していますが、表現が多彩で、才気を感じさせる演奏になっています。ECMなので、静かな演奏が多いですけど、聴きやすい曲が並んでいて、気軽に聴けるECMジャズという点ではいいのかと思います。その中でも6曲目は明るい曲で活発な16ビート系のリズムを持つ曲。やや憂いがあってフリーやブルース的な要素もあるバラードの7曲目は12分台の大曲になっています。個性的な8曲目で幕を閉じます。

2610

Where The River Goes/Wolfgang Muthspiel(G)(ECM 2610)(輸入盤) - Recorded February 2018. Ambrose Akinmusire(Tp), Brad Mehldau(P), Larry Grenadier(B), Eric Harland(Ds) - 1. Where The RIver Goes 2. For Django 3. Descendants 4. Clearing 5. Buenos Aires 6. One Day My Prince Was Gone 7. Blueshead 8. Panorama

(18/10/08)4曲目が完成度の高い全員のインプロヴィゼーション、7曲目が不思議感覚のブルースの、時に4ビートになるブラッド・メルドー作、他は全曲Wolfgang Muthspiel作。「Rising Grace」(ECM 2515)(16年録音)と比べドラムスがBrian BladeからEric Harlandに交替。相変わらずスゴいメンバーで。ECMらしいおっとりとした非4ビートのジャズですが、多少かの地のジャズっぽさも感じ、抑え気味でもメルドーのフレーズが時に盛り上がる1曲目。トランペットが入る2曲目は少し冷んやりとしたメロディのサウンド。愁いを含むミステリアスかつリズム的な盛り上がりのある3曲目、ソロ・ギターで繊細なフレーズを奏でる5曲目、4曲目より絡み方が自由で、よりフリー的に感じる6曲目、メランコリックで静かギターが印象的な8曲目。

2609

Lost River/Michele Rabbia(Ds, Electronics)/Gianluca Patrella(Tb, Sounds)/Eivind Aaset(G, Electronics)(ECM 2609)(輸入盤) - Recorded January 2018. - 1. NImbus 2. Flood 3. What Floats Beneath 4. Lost River 5. Styx 6. Night Sea Journey 7. Fluvius 8. What The Water Beings 9. Flotsam 10. Wadi

(19/06/02)3人の名前がクレジットされているものが多く、その曲への参加メンバーのフリー・インプロヴィゼーション的な音作り。とはいうものの北欧によくある、エレクトロニクスを駆使した脱ジャズ的な音作りで、その中をかなり空間的に楽器が彷徨い歩くようなサウンドになっています。ドラムスもエコーというかエレクトロニクスを使って、打楽器だろうということが分かるような、効果音的なサウンドの場面が多いし。生音を聴かせることもあるけれど、ギターも空間系の音の方が多いです。やや聴く人を選ぶ音楽で、これをジャズかというと、北欧のこういう部分を理解してないと、予想と違うものと出会う可能性はあります。逆に言えば現代ECMらしい音というと分かりやすいか。割と全面的にゆったりとした空間が場を支配します。

2608

The Other Side/Tord Gustavsen(P, Electronics) Trio(ECM 2608)(輸入盤) - Recorded January 2018. Sigurd Hole(B), Jarle Vespestad(Ds) - 1. The Tunnel 2. Kirken, Den Er Et Gammelt Hus 3. Re-Melt 4. Duality 5. Ingen Vinner Frem Til Den Evige Ro 6. Taste And See 7. Schlafes Bruder 8. Jesu, Meime Freude - Jesus, Det Eneste 9. The Other Side 10. O Traurigkeit 11. Left Over Lullaby No.4   12. Curves

(18/09/14)Ludvig Mathias Lindemen作が2曲目、トラディショナルが5、8(後半)-9曲目、J.S.バッハ作が7ー8(前半)、10曲目で、他はトルド・グスタフセン作曲。他人の曲もアレンジは彼。相変わらず優しいメロディのサウンドが心地よいピアノトリオ。エレクトロニクスも使ってますが、このくらいなら。ゆるい8ビート的になっても、4ビートにはならないところはいつも通り。オリジナル曲とバッハの曲やトラディショナルとの境目もあまりなく、いつもの彼のサウンドとして聴くことができます。ゆったりだけではなくて、ややメロディ的には速めに鍵盤が動く曲はありますが、やはりドリーミングな点は変わらず。ミステリアスな部分や、静かなところにも美を見いだせるのは、さすがという感じの音の出し方です。タイトル曲の9曲目もいい。

2607

Helsinki Songs/Trygve Seim(Ts, Ss)(ECM 2607)(輸入盤) - Recorded January 2018. Kristian Randalu(P), Mats Eilertsen(B), Markku Ounaskari(Ds) - 1. Sol's Song 2. Helsinki Song 3. New Beginning 4. Ciaccona Per Embrik 5. Birthday Song 6. Sorrow March 7. Nocturne 8. Randalusian Folk Song 9. Katya's Dream 10. Morning Song 11. Yes Please Both

(18/09/13)全曲Trygve Seimの作曲。色々なミュージシャンに捧げられた曲たちがあるとのことだけど、ブックレットにはその記載はなかったような気が。1曲目から美メロのややノリの良い曲なので、けっこう気楽に聴くことができます。ジャズのアクの強いところを外して、聴きやすいイージーリスニングに入りかけているような。1曲目は特にメロディが心に残りやすいです。タイトル曲の2曲目は少し静かでミステリアスながらメロディははっきりしています。メンバーもなかなかいいし、まさに北欧ジャズの範囲を超えて北欧の音楽を聴いている感じ。ゆったりとした少し暗い色調のECMらしい曲も含めて、全体的にはなだらかな印象で、あまり刺激的でないところが北欧ジャズらしいところ。ところどころ繊細な味わいがいい感じです。

2605

Jorg Widmann/Arche(ECM New Series 2605/06)(輸入盤) - Recorded January 2017. Marlis Petersen(Soprano), Thomas E. Bauer(Baritone), Gabriel Boer(Boy Soprano), Jonna Plathe(Children Narrator), Baris Ozden(Children Narrator), Iveta Apkalna(Org), Chor Der Hamburgischen Staatsper, Audi Jugendchorakademie, Hamburger Alsterspatzen, Philharmonisches Staatsorchester Hamburg, Kent Nagano(Cond) - 1. Fiat Lux/Es Werde Licht 2. Sintflut 3. Die Liebe 4. Dies Irae 5. Dona Nobis Pacem

(18/11/06)Jorg Widmannは20-21世紀のドイツの演奏者、音楽家。このオラトリオはホールの落成式のために作られたもので、この収録(ライヴ)が初演。作者不詳のものから哲学者その他いろいろのテクストが編集されているとのことで、聴いた感じ現代音楽的なオペラという雰囲気も。ソロ、コーラス、オルガン、オーケストラのためのオラトリオということでかなり大掛かりな編成での演奏になってます。ラストに近い方は分かりやすい。

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