ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業をし、’20年からLP聴きも追加してあと本編の未配信2枚(1264, 1268)とJAPO3枚(60008, 60023, 60030)を残して完了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは言及する予定はないです。おそらくコメント付きでほぼ網羅しているのは日本では(私のメインブログと)ここだけではないかと。古いコメント修正中ですが。

2017年01月

1032


Diary/Ralph Towner(G, P, etc)(ECM 1032) - Recorded April 4 and 5, 1973. - 1. Dark Spirit 2. Entry In A Day 3. Images Unseen 4. Icarus 5. Mon Enfant 6. Ogden Road 7. Erg 8. The Silence Of A Candle


ラルフ・タウナーの一人多重録音。ギター(12弦ギター、クラシック・ギター)の新しい表現という意味も当時持っていたと思うアルバム。いわゆるジャズからは少々離れているかも。1曲目はギターとピアノのデュオで、同一人の演奏なだけに緊密感と緊張感を合わせ持ちます。ギターでの演奏で淡々と進む2曲目、ゴングなども使われてインプロヴィゼーション度の高い3曲目、ピアノとギターの涼しくてメロディアスな4曲目、クラシックのようにきれいなメロディをギターで奏でる5曲目、緊張感あふれる展開で、なおかつきれいなサウンドを持つ6曲目、ギターのボディを叩いた音をバックにテンポの速いギターソロが展開される7曲目。叙情感は8曲目のピアノソロで厳かにクライマックスを迎える感じです。(99年9月15日発売)

1031


What Comes After/Terje Rypdal(G, Fl)(ECM 1031)(輸入盤) - Recorded August 7 and 8, 1973. Barre Phillips(B), Jon Christensen(Per, Org), Erik Niord Larsen(Oboe, English Horn), Sveinung Hovensjo(B) - 1. Bend It 2. Yearning 3. Icing 4. What Comes After 5. Sejours 6. Back Of J.


(02/05/19)テリエ・リピダルのオリジナルないし共作は4曲、バール・フィリップス作が2曲。1曲目は、エレクトリックベースの単調なリフの上を短調での浮遊感を持たせつつさまようアコースティックベースやギターの図式で、何となく当時のマイルスバンド等のサウンドを意識させます。アコースティックギターとオーボエで静寂の中から不安感をよぎりつつ音が発せられていく2曲目、やはりやや不安定なメロディの進行を持ちながら、比較的ゆったりと進んでいく3曲目、10分台で、妖しげな色彩感覚を振りまきながらのエレクトリック一発モノ的なタイトル曲の4曲目、バロック的なアンサンブルでしっとりと聴かせる5曲目、アコースティックで空間的かつ哀愁的なインプロヴィゼーションの6曲目。

1030


The New Quartet/Gary Burton(Vib)(ECM 1030) - Recorded March 5 and 6, 1973. Michael Goodrick(G), Abraham Laboriel(B), Harry Blazer(Ds) - 1. Open Your Eyes, You Can Fly 2. Coral 3. Tying Up Loose Ends 4. Brownout 5. Olhos De Gato 6. Mallet Man 7. Four Or Less 8. Nonsequence


邦題「マレットマン」。ECMにしては何だかポップ、と思ったら、ベースにエイブラハム・ラボリエルのクレジット。もちろん静かな曲はいつものゲイリー・バートン・サウンド。チック・コリア作の十分クロスオーヴァー(フュージョン)しているようなサウンドの1曲目、珍しくキース・ジャレット作の静かでメロディアスな2曲目、ノリが良くてジャズ・ロック的な面白さのあるゴードン・ベック作の3曲目、唯一彼のオリジナルの、やはり8ビートで攻めてベースソロも面白い4曲目、哀愁漂うカーラ・ブレイ作の有名な5曲目、ゴードン・ベック作のラテンノリやや浮遊感ロックといった感じのタイトル曲の6曲目。以降はマイケル・ギブス作。カッチリしつつメロディアスでロック的な7曲目、やはりノリの良いジャズロックでゴキゲンな8曲目。

1029


Triptycon/Jan Garbarek(Ss, Ts, Fl, Bs)/Arild Andersen(B)/Edward Vesala(Per)(ECM 1029)(輸入盤) - Recorded November 8, 1972. - 1. Rim 2. Selje 3. J.E.V. 4. Sang 5. Triptykon 6. Etu Hei! 7. Bruremarsj


(02/06/01)ECMらしい抑制の効いているフリー・インプロヴィゼーションの世界がアルバム全体に広がっています。1-6曲目は参加メンバーによるフリー・インプロヴィゼーション。薄い闇の中を漂うような音のやり取りが聴ける10分台の1曲目、エキゾチックなサックスが語りかけてくる小品の2曲目、ゆるい流れるようなリズムの上をフルートやサックスが時に自由に、時にメロディアスに舞う3曲目、ベースのアルコと静かなドラムスの小品の4曲目、タイトル曲でやや自由なインプロヴィゼーションが繰り広げられるゆったりした部分もある12分台の5曲目、サックスの咆哮とドラムスでの小品の6曲目。7曲目はノルウェーの古い民謡とのことで、メロディアスですがこれもインプロヴィゼーション風に料理されています。

1028


Conception Vessel/Paul Motian(Ds)(ECM 1028) - Recorded November 25 and 26, 1972. Keith Jarrett(P, Fl), Charlie Haden(B), Leroy Jenkins(Vln), Sam Brown(G), Becky Friend(Fl) - 1. Georgian Bay 2. Ch'l Energy 3. Rebica 4. Conception Vessel 5. American Indian:, Song Of Sitting Bull 6. Inspiration From A Vietnamese Lullaby


曲によってソロ、デュオ、トリオ、クァルテットでの演奏。全曲ポール・モチアンのオリジナル。1曲目はスペイン的な哀愁がかなり強いギタートリオでの演奏。ドラムスのソロでのフリーな展開で2分半の中にドラマが入っている2曲目、ベースやギターが前面に出ていてインプロヴィゼーション度が高く盛り上がる11分台の3曲目、キースのピアノとフリーっぽく耽美的に料理しているデュオのタイトル曲の4曲目、キースのフルートとの素朴で民族音楽的な5曲目、唯一クァルテットで、ヴァイオリンとフルートもヴェトナム的な(?)民族音楽かつフリー的なアプローチをしている6曲目。キース・ジャレットは4-5曲目に、チャーリー・ヘイデンは1、3、6曲目に参加。ここではポール・モチアンとこの2人が同時に演奏することはありません。

(注)Paul Motian(Ds, Per)(ECM2260-65)で6枚組BOXとして、’13年に再発。

1027


Conference Of The Birds/Dave Holland(B) Quartet(ECM 1027)(輸入盤) - Recorded November 30, 1972. Sam Rivers(Reeds, Fl), Anthony Braxton(Reeds, Fl), Barry Altschl(Per, Marimba) - 1. Four Winds 2. Q & A 3. Conference Of The Birds 4. Interception 5. Now Here (Nowhere) 6. See-Saw


2管とベース・ドラムスの編成で、全曲デイヴ・ホランドのオリジナル。ECMとしてはエネルギーのあるアルバムかも。1曲目のテーマが終わるとさっそく管のブローイングに入っていくところなどは、往年のジャズという感じですが、テンポは4ビートのままを保っていて、統制は取れています。2曲目は丁丁発止の往年のフリージャズの展開になってきます。ただ、3曲目のタイトル曲はメロディが美しい5拍子の曲で、なるほど鳥をイメージさせる感じ。4曲目はパワーのあるフリージャズの展開で、これでもかとブローイング合戦で音を出しまくっています。メロディーが浮遊感があって思索的な展開になっている5曲目、そして再びビートを保ちつつハードにジャズらしく突き進んでいく6曲目で幕を閉じます。

1026


Illusion Suite/Stanley Cowell(P) Trio(ECM 1026) - Recorded November 29, 1972. Stanley Clarke(B), Jimmy Hopps(Ds) - 1. Maimoun 2. Ibn Mukhtarr Musutapha 3. Cal Massey 4. Miss Viki 5. Emil Danenberg 6. Astral Spiritual


邦題「幻想組曲」。スタンリー・カウエルならではの知的かつ民族の血をひくフレーズの組み立てやハーモニー感覚が印象的。1曲目は非常に美しい曲とピアノのフレーズ。これはもうハマります。2曲目は、速いパッセージを経て一転エレキピアノによるノリの良いサウンドになり、次第にパーカッシヴに。3曲目はちょっとアグレッシヴな部分もありますが、言わばジャズらしい曲。当時のクロスオーヴァーっぽいファンクなノリの4曲目、これまた渋く聴いていて不思議な感覚になるバラードの5曲目。6曲目は誰がソロをとっているというわけではなく3人が同時に音を紡ぎ出してそれがひとつのサウンドにまとまっているというような感じの曲。でも、そのまとまりが見事。 これぞECMならではのプロデュースかもしれません。(99年8月18日発売)

1025


Trios/Solos/Ralph Towner(G, P) With Glen Moore(B)(ECM 1025)(輸入盤) - Recorded November 1972. Paul McCandless(Oboe), Collin Walcott(Per) - 1. Brujo 2. Winter Light Noctuary 4. 1x12 5. A Belt Of Asteroids 6. Re: Person I Knew 7. Suite: 3x12 8. Raven's Wood 9. Reach Me, Friend


(99/08/19)実はここでは4人が揃って演奏する曲はないのですが、後にこの4人は「オレゴン」としてアルバムを出すことに なります。11曲中6曲はラルフ・タウナーの作曲。1曲目は唯一コリン・ウォルコットが参加したトリオの演奏で、タブラの音がサウンドを引き締めています。2曲目はタイトル通りの印象のギターソロ、3曲目はオーボエを加えたトリオのフリー・インプロヴィゼーション。4曲目は12弦ギターのスリルあるソロ。6分以上ある グレン・ムーア作のベースソロの5曲目、ピアノとギターを多重録音した、ご存知ビル・エヴァンスの愛奏曲の6曲目、ギターソロで3部に分かれ、技巧が凝らされた7曲目、再びオーボエ入りのトリオで幻想的な8曲目。9曲目は印象的なギターソロでアルバムを締めくくります。

1024


Crystal Silence/Gary Burton(Vib)/Chick Corea(P)(ECM 1024) - Recorded November 6, 1972. - 1. Senor Mouse 2. Arise, Her Eyes 3. I'm Your Pal 4. Desert Air 5. Crystal Silence 6. Falling Grace 7. Feelings And Things 8. Children's Song 9. What Game Shall We Play Today


全9曲中、チック・コリアのオリジナルが5曲、スティーヴ・スワロウ作が3曲。ピアノとヴァイブラホンは音がぶつかり合う難しい組み合わせながら、彼らの洗練されたテクニックとカッチリしたフレーズで、ジャズのようでなくてしっかりジャズをしているところがいい感じ。ノリが良くてスパニッシュ度の比較的高い1曲目にはじまり、温かみのある3拍子の2曲目、メロディをゆったりと聴かせてくれる3曲目、色彩感覚豊かにドラマチックに展開される4曲目、「リターン・トゥ・フォーエヴァー」でも取り上げられていたしっとりとしたタイトル曲の5曲目、ノリが良く一体感のある6曲目、マイケル・ギブス作の淡い感覚の7曲目、おなじみの小品の8曲目、よく弾んで楽しい感じの9曲目。ジャズの新しい流れのひとつを作ったアルバム。

(注)Crystal Silence/The ECM Recordings 1972-79/Gary Burton(Vib)/Chick Corea(P)(ECM 2036-39)で4枚組BOXとして’09年に再発。

1023


Open, To Love/Paul Bley(P)(ECM 1023) - Recorded September 11, 1972. 1. Closer 2. Ida Lupino 3. Started 4. Open, To Love 5. Harlem 6. Seven 7. Nothing Ever Was, Anyway


オリジナル2曲、カーラ・ブレイの曲が3曲、アーネット・ピーコックの曲が2曲という構成。音数が少なく、研ぎ澄まされていて、聴いていてショックを受けました。ソロピアノに新しさを見せた演奏。その研ぎ澄まされ度や音の少なさ、鋭さでは1曲目の「クローサー」が素晴らしい感じです。2曲目は有名なメロディアスな曲ですが、時おり見せるフレーズが、やはり耽美的に流れていきます。優しいメロディを鋭い音使いで包んで、ゆったりとしつつ緊張感を持たせたような3曲目。彼らしさが出ていて空間的かつ緊張感を強いるタイトル曲の4曲目も素晴らしい。彼流のほんのりしたブルースフィーリングといった感じで進む5曲目、やや抽象的で淡い水彩画のように語りかけてくる6曲目、静かで硬質な響きが印象的な6曲目。

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