ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業をし、’20年からLP聴きも追加してあと本編の未配信2枚(1264, 1268)とJAPO3枚(60008, 60023, 60030)を残して完了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは言及する予定はないです。おそらくコメント付きでほぼ網羅しているのは日本では(私のメインブログと)ここだけではないかと。古いコメント修正中ですが。

2017年06月

1180


80/81/Pat Metheny(G)(ECM 1180/81) - Recorded May 26-29, 1980. Charlie Haden(B), Jack DeJohnette(Ds), Dewey Redman(Ts), Mike Brecker(Ts) - 1. Two Folk Songs. 1st, 2nd 2. 80/81 3. The Bat 4. Turn Around 5. Open 6. Pretty Scattered 7. Every Day (I Thank You) 8. Goin' Ahead


パット・メセニーが本気で取り組んだ彼風味のジャズアルバム。2人のテナー・サックスも面白い。ほとんどが彼のオリジナル。前半がパット流の元気なフォーク・ジャズ、ドラム・ソロを挟んで後半がチャーリー・ヘイデン作の20分にも及ぶ1曲目、やはり彼のジャズの世界をソロでもサウンドでも表現しているタイトル曲の2曲目、メロディの印象的なバラードの3曲目、ギター・トリオでオーネット・コールマン作の有名な4曲目、メンバーが交互にフリー・インプロヴィゼーションを展開し、盛り上がっていく14分台の5曲目、比較的自由度の高い「ジャズ」の演奏が聴ける6曲目、叙情味あふれるメロディアスかつドラマチックな13分台の7曲目、アコースティックギターの多重録音で優しくフォークソングのように語りかけてくる8曲目。(02年9月19日発売)

1179


Bitter Funeral Beer/Bengt Berger(Ds, Xylophne, Music By Bengt Berger Based On Funeral Music From The Lo-Birifor, Sisaala And Ewe Peoples Of Ghana)(ECM 1179)(輸入盤) - Recorded January 1981. Anita Livistrand(Vo, Bells, Per), Tommy Adolfsson(Tp, Per), Thomas Mera Gartz(Vln, Ts, Ds), Tord Bengtsson(Vln, G), Don Cherry(Pocket Tp), Matthias Hellden(Cello, Per), Ulf Wallander(Ss, Ts), Sigge Krantz(G, B, Per), Jorgen Adolfsson(Vln, Ss, As), Christer Bothen(Ts), Bosse Skoglund(Ds, Per), Thomas Mera Gartz(Ds, Per), Christer Bothen(Bcl, Ts, Bells), Kjell Westiling(Ss, Bcl) - 1. Bitter Funeral Beer 2. Blekete 3. Chetu 4. Tongsi 5. Darafo


(02/06/06)アフリカはガーナの葬式の歌に基づく音楽、とのことで、ワールド・ミュージックそのもの、ややジャズのエッセンス、といったところ。ドン・チェリーの参加が目をひきます。1曲目は、厳かなメロディをバックにその雰囲気に合わせたジャズのインプロヴィゼーションの集合体、といった感じで進んでいきます。2曲目は打楽器奏者ばかりのメンバーによるアフリカン・ドラムの繰り返し叩きこまれるビートによるインプロヴィゼーション。4曲目はそれに重なるミュージック。3曲目はまたガーナらしい雰囲気のエキゾチックなサウンドにトランペットやエレキギターなどの西洋楽器が混ざっていきます。5曲目は何と22分台のアフリカンビートのワールド・ミュージックが続いていきます。ソロの面白さならばこの曲か。

1178

Music By/Barre Phillips(B)(ECM 1178)(ストリーミング配信) - Recorded May 1980. Aina Kemanis(Voice), John Surman(Ss, Bs, Bcl), Herve Bourde(As, Ts, Fl), Claudia Phillips(Voice), Pierre Favre(Ds, Per) - 1. Twitter 2. Angleswaite 3. Pirthrite 4. Longview 5. Entai 6. Double Treble 7. Elvid Kursong

(19/10/26)6曲目のみHerve Bourdeとの共作で、他は全曲バール・フィリップスの作曲。作詞は彼とClaudia Phillipsその他もろもろ。小刻みにプッシュするドラムスと、暴れまわるヴォイスとバリトンサックスという構図で、ベースが登場しない1曲目、空間的なフリーではじまって、ベースと2本のサックス、ヴォイスのやり取りからフリーで盛り上がっていく2曲目、マイナー調の出だしから宇宙に突き進むようなエコーのかかったヴォイスが印象的な3曲目、同一音のベースの上を2人のヴォイスと、同様にサックスも万華鏡のように飛び回る4曲目、ベース1本のソロからヴォイスとサックスのユニゾンが浮遊感をもたらす5曲目、2人だけの演奏ではないが即興ソロに近い6曲目、2ヴォイスに絡むベースとサックスでのフリーの7曲目。

(’18年から配信されている)

1177


Codona 2/Collin Walcott(Sitar, Tabla, etc), Don Cherry(Tp, etc), Nana Vasconcelos(Per, etc)(ECM 1177)(輸入盤) - Recorded May 1980. - 1. Que Faser 2. Godumaduma 3. Malinye 4. Drip-dry 5. Walking On Eggs 6. Again And Again, Again


(02/09/09)このメンバーでの2作目。無国籍的なワールド・ミュージックという感じは相変わらず。ナナ・ヴァスコンセロス作のワン・ノートで陽気にかつ淡々と進んでいく、トランペットとバックの対比が面白い1曲目、アフリカのトラディショナルだという、弦楽器のようなものでリズムが繰り返される小品の2曲目、ドン・チェリー作の素朴な味のあるメロディで大地を思わせるような、12分台の3曲目。この曲は中盤でヴォイスも入り後半パーカッション主体になり、スリリングで野性的(?)な進行。オーネット・コールマン作だけれどもパーカッシヴで原初的な4曲目、コリン・ウォルコット作の跳ねるような曲調の5曲目、同じく彼の作品でスペイシーで幽玄な雰囲気を持つ、想像力をかきたてるような静かな6曲目。

(注)Don Cherry(Tp, Doussin'gouri, Fl, Org, Melodica, Voice)/Nana Vasconcelos(Belinbau, Cuica, Talking Drum, Per, Voice)/Collin Walcott(Sitar, Tabla, Hammered Dulcimer, Sanza, Timpani, Voice)/The Codona Trilogy(ECM 2033-35)として3枚組BOXとして’08年に再発。

1176

Faces/John Clark(French Horn)(ECM 1176)(ストリーミング配信) - Recorded April 1980. David Friedman(Vib, Marimba), David Daring(Cello), Jon Christensen(Ds) - 1. The Abha Kingdom 2. Lament 3. Silver Rain, Pt. III 4. Faces In The Fire 5. Faces In The Sky 6. You Did It, You Did It!

(19/10/26)1-3曲目がジョン・クラーク作曲、4-6曲目が4人のフリー・インプロヴィゼーション。ジャズでフレンチ・ホルンのリーダー作とは珍しい。楽器構成も特殊。穏やかな出だしではじまりある意味重厚な雰囲気もある前半から、中盤はマリンバとドラムスも入って割と激しい応酬に、そして終わりはまた静かで叙情的になる15分台の1曲目、ドラムスがバックで静かに叩き続ける中、フレンチホルンその他の楽器が陰影を伴い漂うように流れていく2曲目、明るいカリブ(ラテン?)的なリズムに乗って、ホルンも超絶テクニックで進む3曲目、緊張感を伴いながら、まるで作曲されたような哀愁とやや勢いのある4曲目、牧歌的な広がりを感じるゆったりとした5曲目、バロック音楽のようなメロディを持っている優雅な6曲目。

(’19年7月より順次配信)

1175


The Celestial Hawk/Keith Jarrett(P)(ECM 1175) - Recorded March 1980. Syracuse Symphony, Christopher Keene(Cond) - 1. First Movement 2. Second Movement 3. Third Movement


キース・ジャレット自ら作・編曲した曲をオーケストラと競演した作品。「オーケストラ、パーカッションとピアノのための」というサブタイトル。何とカーネギー・ホールにての録音です。表現形式としてはいわゆるクラシックのアルバムで、ピアノはおそらく書き譜だと思います。オーケストラのサウンドは分かりにくくはないけれど、現代的な響きを持って聴く人にせまってきます。1曲目はドラマチックな展開の合間にピアノの滑らかな音の連なりを聴くことができます。あまりゴンゴンとくる感じではありません。でも、メインはオーケストラのような気も。2、3曲目は当然の事ながら少し色合いが変わりますが、むしろ全体を1つの曲として流れで聴いていくような雰囲気があります。形式はどうあれ、やはりクラシック。

1174


G.I. Gurdjieff/Sacred Hymns/Keith Jarrett(P)(ECM 1174) - Recorded March 1980. - 1. Reading Of Sacred Books 2. Prayer And Despair 3. Religious Caremony 4. Hymn 5. Ortodox Hymn From Asia Minor 6. Hymn For Good Friday 7. Hymn 8. Hymn For Easter Thursday 9. Hymn To The Endless Creator 10. Hymn From A Great Temple 11. The Story Of The Resurrection Of Christ 12. Holy Affirming - Holy Denying - Holy Reconciling 13. Easter Night Procession 14. Easter Hymn 15. Meditation


邦題「祈り~グルジェフの世界」。クラシック系のECM New Seriesが出はじめの頃なので、本当ならばそちらに入るようなアルバム。作曲者のG.I.グルジェフは、20世紀のロシアの神秘思想家という位置づけらしいのですが。 宗教色の強いタイトルの曲が15曲、荘厳な雰囲気でピアノでゆったりと奏でられていきます。曲のタイトルも「聖典」「祈祷」「儀式」「賛歌」「復活祭」「瞑想」などキリスト教のキーワードが随所にちりばめられています。現代の音楽なのにもっと古い時代の素朴な感触も。これは記譜された音楽ですが、キース・ジャレットの即興演奏のある部分と似ている、つまり、境目が見分けにくく、ほぼ同化している、とも言えます。こういう 宗教的要素の強いピアノも聴いていると落ち着きます。

1173


Solo Concert/Ralph Towner(G)(ECM 1173) - Recorded October 1979. - 1. Spirit Lake 2. Ralph's Piano Waltz 3. Train Of Thought 4. Zoetrope 5. Nardis 6. Chelsea Courtyard 7. Timeless


とてもギター・ソロとは思えない複雑なアルペジオやコードワークが見事。それをライヴでやってのけています。曲によって12弦ギターの変則チューニングとクラシックギターを交替で使用しているらしい。色彩感覚がすごく複雑で、しかもきれいなサウンド。その複雑なアルペジオが聴く人を幻影の彼方へと誘い込む1曲目、哀愁ただよう情感豊かなメロディが美しい2曲目、ところどころにタウナーのパッションの発露を聴くことができる3曲目、爽やかな草原の香りを感じる事ができる4曲目、有名な「ナーディス」が深い味わいをもって演奏される5曲目、素直に流れているのだけれどひとクセありそうな6曲目、場面によってスペイシーな印象のある感性度の高い7曲目。ちなみに2、7曲目はジョン・アバークロンビー作。(01年6月21日発売)

1171


Nude Ants/Keith Jarrett(P, Per)(ECM 1171/72) - Recorded May 1979. Jan Garbarek(Ss, Ts), Palle Danielsson(B), Jon Christensen(Ds, Per) - 1. Chant Of The Soil 2. Innocence 3. Professional 4. Oasis 5. New Dance 6. Sunshine Song


邦題「サンシャイン・ソング」。ヨーロピアン・クァルテットのヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴで、全曲キース・ジャレットのオリジナル。CD2枚組で、長い曲が多いです。ブルージーでノリの良い、ビートが効いている17分台の1曲目、この1ヶ月前の録音の「パーソナル・マウンテンズ」でも演奏された、明るいメロディで親しみをもってせまってくる2曲目、エキゾチックな味を持ちながら浮遊感のある哀愁風味で、静かになったり盛り上がったりして進んでいく20分台の3曲目、30分もの長い演奏時間で、旋律が漂ってさまざまな表情に変化していく4曲目、タイトル通りダンサブルで明るい12分台の5曲目、美しいピアノやサックスがサウンドのドラマチックな展開と調和していく、邦題タイトル曲で12分台の6曲目。(02年9月19日発売)

1170


Folk Songs/Charlie Haden(B)/Jan Garbarek(Ts, Ss)/Egberto Gismonti(G, P)(ECM 1170) - Recorded November 1979. - 1. Folk Song 2. Bodas De Prata 3. Cego Aderaldo 4. Veien 5. Equilibrista 6. For Turia


同じメンバーでの半年ぶり2作目。今回はエグベルト・ジスモンチ作が3作あるので、彼がメインか。からっとしたサックスと、粘り気のあるベースと、アルペジオ的なギターとピアノが、一種沈んだ、また叙情的なサウンドを奏でているのは印象に残ります。1曲目はトラディショナルを3人でアレンジしたものですが、沈潜した哀愁のメロディを軸に自由に絡み合ってゆったり進んでいく感じ。ピアノも含めてそこはかとない哀しみと優しさを感じる2曲目、素早いマイナーのパッセージとそのヴァリエーション、そして大らかな長調の場面が印象的な3曲目、サックスの淡々とした語りとギターの絡みが美しい4曲目、バックの演奏から浮かび上がるサックスのメロディの5曲目、いかにもチャーリー・ヘイデン作らしい哀愁いっぱいの6曲目。

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