ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了。Wattレーベル、Works、:rarumシリーズは言及する予定なないです。

2017年07月

1256


Jyothi/Charlie Mariano(Ss, Fl) & The Karnataka College Of Percussion(ECM 1256)(輸入盤) - Recorded February 1983. R.A. Ramamani(Vo, Tamboura), T.A.S. Mani (Mridangam), R.A. Rajagopal(Ghatam, Morsing, Konakkol), T.N. Shashikumar(Kanjira, Kohakkol) - 1. Voice Solo 2. Vandanam 3. Varshini 4. Saptarshi 5. Kartik 6. Bhajan


(03/02/09)チャーリー・マリアーノの異色作、というよりはインド音楽のグループに彼が客演した、という感じです。全曲女性ヴォーカルのR.A.ラママニの作曲。1曲目はタイトル通りにほとんどヴォイスのソロ。2曲目は前半マリアーノのフルートも聴けるスペーシーな曲ですが、後半はパーカッションとヴォーカルも入って、ややテンポのあるインドの曲になっていきます。エキゾチックで哀愁を帯びているヴォーカルから、リズミカルなパーカッションにつながり後半はけっこう盛り上がる3曲目、やや勢いのある曲で、曲のやり取りにインプロヴィゼーションを感じる4曲目、やはり前半静かで後半ヴォーカルを交えながら色彩が変わっていく11分台の5曲目、明るめのヴォーカルのメロディが印象的な6曲目。結果、やっぱりインド音楽。

1255


Standards, Vol.1/Keith Jarrett(P)/Gary Peacock(B)/Jack DeJohnette(Ds)(ECM 1255) - Recorded January 1983. - 1. Meaning Of The Blues 2. All The Things You Are 3. It Never Entered My Mind 4. The Masquerade Is Over 5. God Bless The Child


キース・ジャレットがスタンダードを演奏したという事で話題になった作品。やはりECMとしてはだいぶ異色ですが、セールスが好調のせいか、その後この路線で何枚もアルバムが出る事に。確かにトリオの形式としては独特かつ新しい気もします。1曲目は静かにはじまり、そのメロディアスなピアノからはさりげない情念のほとばしりを感じることができます。これでもかとフレーズがピアノから飛び出て3人いっしょに突き進んでいく2曲目、ゆったりと、それでいながらピアノの指先が夢幻をさまよっている3曲目、まさに三位一体となって絡んで行く4曲目。そして15分台の、お得意の8ビートによる5曲目が入っています。どれも彼らならではの演奏ですが、やはり5曲目が彼ららしいかな、という気がします。(01年3月28日発売)

(注)Setting Standards New York Sessions/Keith Jarrett(P)/Gary Peacock(B)/Jack DeJohnette(Ds)(ECM 2030-32)として3枚組BOX化して’08年に再発。

1254


Such Winters Of Memory/John Surman(Bs, Ss, Bcl, Recorder, P, Synth, Voice)(ECM 1254)(輸入盤) - December 1983. Karin Krog(Voice, Synth, Per), Pierre Favre(Ds) - 1. Saturday Night 2. Sunday Morning 3. My Friend 4. Seaside Pastcard 1951 5. On Th Wing Again 6. Expressions 7. Mother Of Light - Persepolis


(99/05/05)ジョン・サーマンの個人的なプロジェクトに他の2人が曲によって彩りを添えている、という感じ。カーリン・クローグのクレジットがあるのが1、3、7曲目で、これらはおそらくフリー・インプロヴィゼーションに近いかたちで曲を作っているためだと思います。他にも4、5曲目でヴォイスを聴くことができます。サックスとドラムスとのデュオのジャズにエコーが効いたヴォイス(たぶんオーバーハイム・モジュレーター)が包みこむような1曲目、タイトル通りにヨーロッパの朝や教会の風景などを連想させる2曲目、ヴォーカルが静かで不思議な音空間をさまよう3曲目。5曲目はジョン・サーマンらしい10分台の曲。6曲目は何とジョン・コルトレーンの曲をピアノ・ソロで。そしてエキゾチックな音階のヴォイスが聴ける7曲目。

1252


Travels/Pat Metheny(G) Group(ECM 1252/53) - Recorded July, October, November 1982. Lyle Mays(P), Steve Rodby(B), Dan Gottlieb(Ds), Nana Casconcelos(Per) - 1. Are You Going With Me? 2. The Fields, The Sky 3. Goodbye 4. Phase Dance 5. Straight Ahead 6. Farmer's Trust 7. Extradition 8. Goin' Ahead - As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls 9. Travels 10. Song For Bilbao 11. San Lorenzo


ライヴの演奏。いつもツアーを続けているメンバーにはスタジオ録音と変わらないような、あるいはもっと臨場感のあふれる出来。既出のアルバムからの曲と新曲がほぼ半々といったところ。作曲もパット・メセニー単独とライル・メイズとの共作が半々。ギターシンセサイザーを含め、ギターのサウンドがカラフルにチェンジされていき、曲もメロディやサウンドが印象的なものが多いです。既出の曲(1、4、8(メドレー)、11曲目)は、オリジナル録音とはメンバーの変わっているものが多いので、違う演奏でどう勝負をしているかが気になるところ。5曲目のラテンノリのパーカッシヴなリズムなどは新機軸かもしれない。6曲目、8曲目前半、9曲目のタイトル曲のようなしっとり系バラードが、ライヴの中で映えています。(02年9月19日発売)

1251


Kultrum/Dino Saluzzi(Bandoneon, Voice, Per, Fl)(ECM 1251)(輸入盤) - Recorded November 1985. - 1. Kultrum Pampa 2. Gabriel Kondor 3. Agua De Paz 4. Pajaros Y Ceibos 5. Ritmo Arauca 6. El Rio Y El Abuelo 7. Pasos Que Quedan 8. Por El Sol Y Por La Lluvia


(01/01/07)ディノ・サルーシによる、ひとりで演奏しているアルバム。もしかして多重録音もあるのかも しれません。そして、全て彼のオリジナル。全編にわたって比較的静かな世界が広がります。ある場面ではECMそのもの、ある場面では中南米の味わいが強い感じのサウンド。特にヴォイスが入ったりすると、その地の土着性を強く感じることがあります。バンドネオンは意外にアッサリ系なのですが、ほどほどの陽気さと静けさを持っています。ソロなので、ところによってその空間的な広がりを感じる事も。 そのサウンドの素朴な味わいにひきこまれるものを感じます。ジャズにこだわっていないインプロヴィゼーション度としては高いのではないかとも思えるのですが、やっぱり聴く人を選ぶかもしれません。

1250


Blue Sun/Ralph Towner(G, P, Synth, French Horn, Cor, Per)(ECM 1250)(輸入盤) - Recorded December 1982. - 1. Blue Sun 2. The Prince And The Sage 3. C.T. Kangaroo 4. Mevlana Etude 5. Wedding Of The Streams 6. Shadow Fountain 7. Rumours Of Rain


(03/02/09)さまざまな楽器を使った一人多重録音によるアルバム。シンセサイザーの包まれるようなサウンドが効果的に使われています。タイトル曲の1曲目は「青い太陽」の割にはほのかに暖かい印象を受ける曲。ギターが繊細にメロディアスに、しかもしっとりと奏でられていて、哀愁を感じさせる2曲目、シンセサイザーを中心にパーカッションが彩りを添える、ややノリの良いメロディの3曲目、幻想的で浮遊感のあるギターのアルペジオで厳かに進んでいく4曲目、何となく昔のパット・メセニー・グループを連想させる、広い風景が見えてくるような5曲目、シンセサイザーを中心にドラマチックに盛り上がって発展していく6曲目、静かにメロディが漂っている、起伏がある中にどこか沈静した雰囲気のある11分台の7曲目。

1249


Trommelgefluster/Harald Weiss(Per, Voice)(ECM (New Series) 1249)(輸入盤) - Recorded September, 1982. - 1. Part 1 2. Part 2


(03/09/19)New Seriesから出ているものの、パーカッションと、時々ヴォイスによる硬質なジャズのインプロヴィゼーションという感じ。1曲目はビートやパルス感の感じる部分の方が多めで、メロディックなパーカッションも使用しています。たまに入るヴォイスは男声にしてはやや高めで、独特な雰囲気を持っています。2曲目は前半でエレクトロニクスが入ったり、ゆったり系の部分もあるドラマチックな曲。2曲38分ほどを飽きさせない展開。

1248


The Ballad Of The Fallen/Charlie Haden(B)(ECM 1248) - Recorded November 1982. Carla Bley(P), Don Cherry(Tp), Sharon Freedman(Flh), Mick Goodrick(G), Jack Jeffers(Cuba), Michael Mantler(Tp), Paul Motian(Ds), Jim Pepper(Ts, Ss, Fl), Dewey Redman(Ts), Steve Slagle(As, Ss, Cl, Fl), Gary Valente(Tb) - 1. Els Segadors 2. The Balld Of The Fallen 3. If You Want To Write Me 4. Grandola Vila Morena 5. Introduction To People 6. The People United Will Never Be Defeated 7. Silence 8. Too Late 9. La Pasionaria 10. La Santa Espina


邦題「戦死者たちのバラッド」。’60年代のインパルス盤に続く2枚目の位置づけ 。アレンジはカーラ・ブレイ。ECMには珍しくビッグバンドで、しかも思想的でメロディアスな感じの曲が続きます。曲としてだけ聴いてもその完成度は高く、聴きごたえがあるアルバム。哀しみに満ちたトラディショナルの1曲目ではじまります。エルサルバドルの民謡というタイトル曲の2曲目も心に深く入り込み、そのままテンポの速い3曲目に。マーチなのだけれどもメッセージ性を感じる4曲目、ブレイ作の哀愁たっぷりの5曲目、悲しいメロディの小品の6曲目、ヘイデン作の静かに語りかけてくる7曲目、ブレイ作の静かにメッセージを送る8曲目、そして10分を超えるヘイデン作の哀愁満載のクライマックスの9曲目、明暗取り混ぜたラストの10曲目。

1246


All The Magic!/The One And Only/Lester Bowie(Tp, etc)(ECM 1246/47)(輸入盤) - (All The Magic!) - Recorded June 1982. Ari Brown(Ts, Ss), Art Matthews(P), Fred Williams(B), Phillip Wilson(Ds), Fontella Bass(Vo), David Peaston(Vo) - All The Magic 1. For Louie 2. Spacehead 3. Ghosts 4. Trans Traditional Suite 4. Let The Good Times Roll The One And Only (The One And Only) - 1. Organic Echo 2. Dunce Dance 3. Charlie M. 4. Thirsty? 5. Almost Christmas 6. Down Home 7. Okra Influence 8. Miles Davis Meets Donald Duck 9. Deb Deb's Face 10. Monkey Waltz 11. Fradulent Fanfare 12. Organic Echo(Part 2)


(99/05/14)1枚目はバンド編成で、ジャズというよりはもっと分かりやすい曲をさらに分かりやすく、あるいはその上に時々アバンギャルドを重ねて、ところによってはずっとアバンギャルドに、というようなサウンド。ヴォーカルの入った曲もあります。ピアノやベース、ドラムスは入っていますが、ある意味でブラス・ファンタジーにつながるサウンド。こちらはオリジナルが半分ほどの構成。 組曲になっている曲もありますが、作曲者が違う曲も混ざっていて、個々の曲として聴けるような気もします。2枚目はソロでの演奏で、全曲彼のオリジナル。多重録音の部分もあると思いますが、かなりスペイシー(悪く言えばスカスカ)な印象も。2枚組ですが、タイトルもそれぞれについてい て、どうしてこの2枚がカップリングされているのか不明。

1245


Scenes/Michael Galasso(Vln)(ECM 1245)(輸入盤) - Recorded October 1982. - 1. Scene 1 2. Scene 2 3. Scene 3 4. Scene 4 5. Scene 5 6. Scene 6 7. Scene 7 8. Scene 8 9. Scene 9


(03/02/07)何とヴァイオリンのソロによる多重録音。全曲マイケル・ガラッソのオリジナルで、曲目もズバリ「シーン1-9」。ジャズらしさはなく、構築されたインプロヴィゼーションというよりも、ある種のクラシックやヒーリング・ミュージックに近いような雰囲気の曲も。そこはかとなく冷たい色合いですが、曲によっては哀愁が漂っています。淡い感触の1曲目、映画音楽のような2曲目、やや明るいクラシックの室内楽のような3曲目、短調のクラシック編とでも言うべき4曲目、変わっていく色合いの綾織りのような前半と、後半は沈潜した雰囲気の5曲目、淡々とした情景が目の前に広がっていく6曲目、ややエキゾチックな小品の7曲目、明るい陽射しを感じるような8曲目、音の持続と繰り返しを中心に少しずつ表情を変えていく9曲目。

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