ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業をし、’20年からLP聴きも追加してあと本編の未配信2枚(1264, 1268)とJAPO3枚(60008, 60023, 60030)を残して完了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは言及する予定はないです。おそらくコメント付きでほぼ網羅しているのは日本では(私のメインブログと)ここだけではないかと。古いコメント修正中ですが。

2017年08月

1261


Vision/Shankar(Vln, Per)(ECM 1261)(輸入盤) - Recorded April 1983. Jan Garbarek(Ts, Ss, Bs, Per), Palle Mikkelborg(Tp, Flh) - 1. All For You 2. Vision 3. Astral Projection 4. Psychic Elephant 5. The Message


(03/02/09)全曲シャンカールの作曲。エレクトリック・ヴァイオリン、サックス、トランペットという変わった取り合わせ。サックスとのデュオで、牧歌的やや明るいインド風味のメロディを持つ淡々とした1曲目、エレクトリック・ヴァイオリンでかなりスペイシー、かつエキゾチックなメロディをとりまぜて、まるでシンセサイザーの曲のようにゆったりと進んでいく13分台の2曲目、ヴァイオリンの音をバックに、フリューゲル・ホルンとサックスが緩やかなメロディで綴っていく3曲目、やはり淡々と、あるいはほのぼのと語り合っている中にもホーンのメロディがきれいではっきりしていて、後半インド風ヴァイオリンでやや盛り上がる11分台の4曲目、静謐な中にこれまたインド風ヴァイオリンとホーンがゆったりしたメロディを綴っていく5曲目。

1260


Lyric Suite For Sextet/Chick Corea(P)/Gary Burton(Vib)(ECM 1260) - Recorded September 1982. Ikwhan Bae(Vln), Carol Skive(Vln), Karen Dreyfus(Viola), Fred Sherry(Cello) - 1. Overture 2. Waltz 3. Sketch (For Thelonious Monk) 4. Roller Coaster 5. Brasilia 6. Dream 7. Finale


邦題「セクステットのための抒情組曲」。チック・コリア作曲。弦楽四重奏団との共演のためクラシックに非常に近い雰囲気で、それでいて端正な2人の演奏。弦を抜けば、やや抑え目ないつもの 2人という感じもします。書き譜がメインの演奏でしょうけれど、2人ともこういう演奏は得意だと思うので、自然な緊張感で曲は進んで行きます。全体が組曲なのでドラマチック。ややスピーディーでスリルのあるサウンドの1曲目、淡白でやや浮遊感のあるメロディアスなワルツの2曲目、セロニアス・モンクのタイトルがついている割にはスマートな小品の3曲目、鋭く斬り込む小品の4曲目、切ないクラシック的な情緒を強く感じるサウンドの5曲目、しっとりとしたやや蒼い夢幻をさまよう10分台の6曲目、カチッとしたフィナーレらしい7曲目。

1259


Wayfarer/Jan Garbarek(Ts, Ss) Group(ECM1259)(輸入盤) - Recorded March 1983. Bill Frisell(G), Ebarhard Weber(B), Michael DiPasqua(Ds, Per) - 1. Gesture 2. Wayfarer 3. Gentle 4. Pendulum 5. Spor 6. Singsong


全6曲ヤン・ガルバレクの作曲。超個性的な音とフレーズを奏でるミュージシャンの参加で、出てくるサウンドも特異。思索的な部分は多いですが。サックスがややオリエンタルなメロディを奏で、ギターやベースが浮遊感を伴いつつ、ソフトなフレーズでもないのに漂っていく1曲目、暗いところからあらわれては消え、ゆったりサーカス風になったと思ったら、バリバリとハードに攻めては消えていくタイトル曲の2曲目、ゆったりと寒色系の淡い色で流れていく感じの3曲目、地底からわき上がってくるようなサウンドから中間部でロックビートになってやや元気なサックスとギターの10分台の4曲目、静かに沈んでいくようなバラード(?)の5曲目、薄暮の中のサーカス風とでも言うのか、叫ぶフレーズもあり、メロディが印象的な6曲目。

1258


Oregon(ECM 1258) - Recorded February 1983. Ralph Towner(G, P), Paul McCandless(Ss, Oboe, Fl, English Horn, Bcl), Collin Walcott(Sitar, Per), Glen Moore(B, P, Viola) - 1. The Rapids 2. Beacon 3. Taos 4. Beside A Brook 5. Arianna 6. There Was No Moon That Night 7. Skyline 8. Impending Bloom


全曲グループまたはメンバーによる作曲。オレゴンにECM時代があるのも、指向性からすれば当然かも。パーカッションやシタールで、エスニックな感覚が入り混じった不思議なサウンドは、少々地味ですが印象的。明るい乾いたサウンドをバックに少しのエキゾチズムを感じさせる繰り返すメロディの、ちょっとドラマチックな1曲目、重低音も交えてクラシック/現代音楽的な小品の2曲目、ギターとパーカッションなどを中心に穏やかなパーカッシヴなサウンドの3曲目、研ぎ澄まされたピアノとホーンが印象的な4曲目、スペイシーにゆったりと盛り上がる5曲目、出だしが静かで、夜の情景が浮かんでくるようなサウンドの6曲目、小品だけれど彼らの世界観が出ている7曲目、ヴォイスもあってエキゾチックに盛り上がる8曲目。

1257

Call Me When You Get There/Barre Phillips(B)(ECM 1257)(ストリーミング配信) - Recorded February 1983. - 1. Grants Pass 2. Craggy Slope 3. Amos Crowns Barn 4. Pittmans Rock 5. Highway 37   6. Winslow Cavern 7. Riverbend 8. Brewstertown 2

(19/11/10)全曲バール・フィリップスの作曲で、彼による多重録音のアルバム。ECMらしい録音で、1曲目は持続音(アルコ奏法)で徐々に表情を変えていく姿がとらえられています。ピチカート奏法でないところは、New Seriesを聴いているような味わいですが、これもボーダーレスなECMだからこそ。重低音から、ベースの音とは思えない高い音(倍音成分?)まで広く使っています。多重録音をしているせいか、いかにもフリーというようなドシャメシャな場面はなく、やはり現代音楽に近いのかな、と思わせます。2曲目の中盤はピチカートで多重録音をしていなくて、なかなかシリアスな音使い。3曲目のようにアルコでメロディアスなものも。情報では多重録音とありますが、彼だったら一人で弾いているところも多いかもと想像します。

(’18年から配信されている)

1256


Jyothi/Charlie Mariano(Ss, Fl) & The Karnataka College Of Percussion(ECM 1256)(輸入盤) - Recorded February 1983. R.A. Ramamani(Vo, Tamboura), T.A.S. Mani (Mridangam), R.A. Rajagopal(Ghatam, Morsing, Konakkol), T.N. Shashikumar(Kanjira, Kohakkol) - 1. Voice Solo 2. Vandanam 3. Varshini 4. Saptarshi 5. Kartik 6. Bhajan


(03/02/09)チャーリー・マリアーノの異色作、というよりはインド音楽のグループに彼が客演した、という感じです。全曲女性ヴォーカルのR.A.ラママニの作曲。1曲目はタイトル通りにほとんどヴォイスのソロ。2曲目は前半マリアーノのフルートも聴けるスペーシーな曲ですが、後半はパーカッションとヴォーカルも入って、ややテンポのあるインドの曲になっていきます。エキゾチックで哀愁を帯びているヴォーカルから、リズミカルなパーカッションにつながり後半はけっこう盛り上がる3曲目、やや勢いのある曲で、曲のやり取りにインプロヴィゼーションを感じる4曲目、やはり前半静かで後半ヴォーカルを交えながら色彩が変わっていく11分台の5曲目、明るめのヴォーカルのメロディが印象的な6曲目。結果、やっぱりインド音楽。

1255


Standards, Vol.1/Keith Jarrett(P)/Gary Peacock(B)/Jack DeJohnette(Ds)(ECM 1255) - Recorded January 1983. - 1. Meaning Of The Blues 2. All The Things You Are 3. It Never Entered My Mind 4. The Masquerade Is Over 5. God Bless The Child


キース・ジャレットがスタンダードを演奏したという事で話題になった作品。やはりECMとしてはだいぶ異色ですが、セールスが好調のせいか、その後この路線で何枚もアルバムが出る事に。確かにトリオの形式としては独特かつ新しい気もします。1曲目は静かにはじまり、そのメロディアスなピアノからはさりげない情念のほとばしりを感じることができます。これでもかとフレーズがピアノから飛び出て3人いっしょに突き進んでいく2曲目、ゆったりと、それでいながらピアノの指先が夢幻をさまよっている3曲目、まさに三位一体となって絡んで行く4曲目。そして15分台の、お得意の8ビートによる5曲目が入っています。どれも彼らならではの演奏ですが、やはり5曲目が彼ららしいかな、という気がします。(01年3月28日発売)

(注)Setting Standards New York Sessions/Keith Jarrett(P)/Gary Peacock(B)/Jack DeJohnette(Ds)(ECM 2030-32)として3枚組BOX化して’08年に再発。

1254


Such Winters Of Memory/John Surman(Bs, Ss, Bcl, Recorder, P, Synth, Voice)(ECM 1254)(輸入盤) - December 1983. Karin Krog(Voice, Synth, Per), Pierre Favre(Ds) - 1. Saturday Night 2. Sunday Morning 3. My Friend 4. Seaside Pastcard 1951 5. On Th Wing Again 6. Expressions 7. Mother Of Light - Persepolis


(99/05/05)ジョン・サーマンの個人的なプロジェクトに他の2人が曲によって彩りを添えている、という感じ。カーリン・クローグのクレジットがあるのが1、3、7曲目で、これらはおそらくフリー・インプロヴィゼーションに近いかたちで曲を作っているためだと思います。他にも4、5曲目でヴォイスを聴くことができます。サックスとドラムスとのデュオのジャズにエコーが効いたヴォイス(たぶんオーバーハイム・モジュレーター)が包みこむような1曲目、タイトル通りにヨーロッパの朝や教会の風景などを連想させる2曲目、ヴォーカルが静かで不思議な音空間をさまよう3曲目。5曲目はジョン・サーマンらしい10分台の曲。6曲目は何とジョン・コルトレーンの曲をピアノ・ソロで。そしてエキゾチックな音階のヴォイスが聴ける7曲目。

1252


Travels/Pat Metheny(G) Group(ECM 1252/53) - Recorded July, October, November 1982. Lyle Mays(P), Steve Rodby(B), Dan Gottlieb(Ds), Nana Casconcelos(Per) - 1. Are You Going With Me? 2. The Fields, The Sky 3. Goodbye 4. Phase Dance 5. Straight Ahead 6. Farmer's Trust 7. Extradition 8. Goin' Ahead - As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls 9. Travels 10. Song For Bilbao 11. San Lorenzo


ライヴの演奏。いつもツアーを続けているメンバーにはスタジオ録音と変わらないような、あるいはもっと臨場感のあふれる出来。既出のアルバムからの曲と新曲がほぼ半々といったところ。作曲もパット・メセニー単独とライル・メイズとの共作が半々。ギターシンセサイザーを含め、ギターのサウンドがカラフルにチェンジされていき、曲もメロディやサウンドが印象的なものが多いです。既出の曲(1、4、8(メドレー)、11曲目)は、オリジナル録音とはメンバーの変わっているものが多いので、違う演奏でどう勝負をしているかが気になるところ。5曲目のラテンノリのパーカッシヴなリズムなどは新機軸かもしれない。6曲目、8曲目前半、9曲目のタイトル曲のようなしっとり系バラードが、ライヴの中で映えています。(02年9月19日発売)

1251


Kultrum/Dino Saluzzi(Bandoneon, Voice, Per, Fl)(ECM 1251)(輸入盤) - Recorded November 1985. - 1. Kultrum Pampa 2. Gabriel Kondor 3. Agua De Paz 4. Pajaros Y Ceibos 5. Ritmo Arauca 6. El Rio Y El Abuelo 7. Pasos Que Quedan 8. Por El Sol Y Por La Lluvia


(01/01/07)ディノ・サルーシによる、ひとりで演奏しているアルバム。もしかして多重録音もあるのかも しれません。そして、全て彼のオリジナル。全編にわたって比較的静かな世界が広がります。ある場面ではECMそのもの、ある場面では中南米の味わいが強い感じのサウンド。特にヴォイスが入ったりすると、その地の土着性を強く感じることがあります。バンドネオンは意外にアッサリ系なのですが、ほどほどの陽気さと静けさを持っています。ソロなので、ところによってその空間的な広がりを感じる事も。 そのサウンドの素朴な味わいにひきこまれるものを感じます。ジャズにこだわっていないインプロヴィゼーション度としては高いのではないかとも思えるのですが、やっぱり聴く人を選ぶかもしれません。

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